「パターソン」 by ジム・ジャームッシュ



近年稀に見る更新頻度ですが、またまたいい出会い。
なんとなく観に行ったジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」。
今年観た映画で間違いなくベストフィルム。
とはいえ涙は出ません。泣かせる映画=いい映画ではないんです。
以下ネタバレ含む、かも?

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S-House Museum

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丸亀途中に岡山寄るので前から気になりすぎてたS-House Museumへ。
岡山駅からバスと徒歩で約30分。想像以上に遠かった。。。
本当にこんなところに?という場所に本当にありました。

元々個人住宅だったこの建物。なんと設計は妹島和世!
奈義現代美術館の元学芸員である花房香さんが昨年開館させた個人美術館。
困難なアクセスの上に土日のみの開館というハードルの高さ。
しかしそのハードルを越えてでも行く価値がありました。

恐る恐るチャイムを鳴らすと館長自らお出迎え&ご説明。
まずはChim↑Pomの間。
有名なSUPER RATや震災の被災地で撮った気合の映像がお出迎え。

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建物内部は箱の中に箱があるような構造で、周囲をぐるっと廊下が囲む。

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引き戸を開けていくとそれぞれ部屋があって、それぞれ作品が展示されてます。

目「Distribution Works #2017」
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伊東宣明「生きている/生きていない」
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高田冬彦「Cambrian Explosion」
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下道基行「漂う/泊まる」
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毛利悠子「子供部屋のための嬉遊曲」
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2階へ。

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加藤泉「Untitled」
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伊東宣明「預言者」
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などなど。
現代美術好きならご覧いただいてわかるように、作家のラインナップが旬な作家ばかり押さえてます。
以前に観たことある作品もありますが、ここで展示されるとまた一味違います。
毎年少しずつ展示も変わってるそうです。
最後は奥様からお菓子とドリンクのサービス。至れり尽くせりです。
現代美術ファンなら一度は訪れてみるべき場所だと思います。難易度高めですが。。。こちら
最後は記帳と投げ銭お忘れなく。

志賀理江子「ブラインドデート」@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

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やっぱり気になって最終日ギリギリに行っちゃいました、丸亀。
はい、青春18きっぷです。いつになったらやめられるんだろうか。。。

志賀さんの個展は10年以上前にグラフでやってた「リリー」の展示以来。
以前から不気味な写真やなぁと思ってましたが、「螺旋海岸」で極地を極められたんじゃないかと。
写真集買いましたが本当にホラー。恐すぎてあまり見てません。。。
せんだいメディアテークの展示は行けませんでしたが、行った友達が
「鑑賞者とやたら目が合う」
って言ってて、どういうことなんだろうとずっと気になり続けてました。
そしてその視線の問題がいよいよ作品に現前化したのが今回の新作「ブラインドデート」。
タイでバイクタクシーに乗っていたら、バイクに乗ってるカップルと視線がやたら合うことをきっかけに100組以上のカップルを撮影した作品。
作品の詳しい説明はartscapePENの記事に詳しく書かれています。

で、展示なんですが、以下会場図面。

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なんのこっちゃって感じですが、なんと21台ものスライドプロジェクターを使っています。
入ると会場は暗くて、スライドが回るカシャッって音が鳴り響いてます。
しかもこのスライドがついたり消えたりしてて、正直「見せる気あるのか?」とすら思えたり。。。
ブラインドって言葉を展示に活かしてるんだろうけど、ちょっとどうなの?って感じでした。
不気味感が凄すぎて作品に集中できない。させる気もないんだろうけど。
対照的に奥の空間(写真だと上の部分)では、今回のタイトルにもなってる「ブラインドデート」のプリントが一点一点小さな照明に照らされて展示されてて、これがものすごく良かった。
光が絞られていることによって、さらに写真の中の視線が強調されてて、写真から眼差されているのをひしひしと感じて、一瞬動けなくなります。
それだけ眼差しっていうのは強いんだなぁと実感。
静止した写真というメディア性と彼女たちの無表情がさらに何も読み取れないもどかしさを誘発しています。
「目は言葉以上に語る」と言いますが、写真になるとこれだけ語らなくなるのは面白い発見。
今までの志賀さんの作品って、抽象的な恐さがあったんだけど、今回の作品では眼差しという具体的な対象があって、さらにその視線がこっちを向いているという恐さがとても新鮮でした。
とてもとても強い作品。素晴らしかったです。
それだけにプロジェクターの展示が残念。
もうこの「ブラインドデート」だけに絞って展示しちゃっても良かったと思います。
なんにせよそれだけ力のある作品でした。

最後の通路には志賀さんの手記や、弔いをテーマにしたアンケートなどが壁にびっしり書かれていましたが、ちょっと死や生のテーマに縛られすぎてる感じがしました。まあ、それが彼女の制作を突き動かすモチベーションなのかもしれませんが。

写真集欲しかったけど8640円は高い。。。
来年に発売されるというカタログだけ予約して帰りました。にしても遅いな。。。

川俣正 -「 工事中 」再開 @ アートフロントギャラリー

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急遽東京へ。
まさかあの伝説の作品が「再開」されるなんて。。。
1984年に川俣正の名をアートシーンに確かに刻んだ「工事中」。
北川フラム氏からヒルサイドテラスの改修に合わせて何かやらない?と誘われて作った作品。
建物を囲むように木材で組まれたそれは、テナントからのクレームで中止に追い込まれますが今や伝説。
これ以降の活躍は周知の通り。ここから「work in progress」というスタイルを築いていくのです。
その作品が30年以上の時を超えて「再開」とな。これは逃すわけにはいかない。
とはいえ当時のように建物を囲むことはなかったものの、建物の屋根を這うように組まれた木材たち。
数年前に「TOKYO IN PROGRESS」というプロジェクトの木材を使ったそうです。
さらにこの作品は、今後取り壊される予定の歩道橋から見られることを前提とされてます。
とはいえフラム氏から、やっぱ構造の中に入って観られた方がいいでしょ、ということで土日のみ予約制で観覧可。
当日は雨予報でしたが、そんな予報もどこ吹く風。夕方の涼しい風と青い空とのコントラストが気持ち良かった。
9/24まで。こちら

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O JUN x 棚田康司「鬩(せめぐ)」展 @ 伊丹市美術館 / ミヤギフトシ「How Many Nights」@ギャラリー小柳

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最近観て素晴らしかった東西の展示を二つご紹介。

まずは兵庫の伊丹市美術館で開催中のO JUN x 棚田康司「鬩(せめぐ)」展。
正直二人展ってとってつけたようなのが多くて苦手やし、そもそもこの二人もそこまで好きじゃない(汗)
ですが、なんとなく行ってみたらものすごく良かった!
ここまで究極な二人展って観たことないです。
二人とも人物をモデルにすることが多いとか、いろんな共通点は見つけようと思えば見つけられるけど、そこを越えて驚くほど個と個を隔てる境界線が融解していました。
展覧会タイトルは鬩ぐ(誰が読めんねん)ですが、そこから連想される反発のようなものはなくて、かと言って調和のような生ぬるいものじゃない。緊張感は担保しながらも、作品たちが勝手に遊んでる感じ。
なんだかうまく表現できないんだけど、どの展示室も物凄く心地よくていつまでも居たい感覚。
こういう感覚って、二人展だと中々生み出せないんですよね。なんだか対峙する感じが出ちゃって。
仲良しこよしというわけでもない、この絶妙な緊張感が本当にたまらなく愛おしかった。
特にO JUNの「遊園」シリーズと棚田康司の「初年少女のトルソ」が一緒に展示されてる部屋はすごい。
だって、絵の上に彫刻乗っちゃってるんですよ?しかも他人同士の。こんな展示見たことない。
それ以外にも壁にかかった絵に寄り添うように彫刻が置かれていたり、もう縦横無尽な展示室。
展覧会中のテキストにも「自己」とか「他者」とかいう言葉が頻出しますが、完全に越えちゃってる。
確かに二人の作品はそれぞれ強烈な個性を持ち合わせています。
しかし、そんなオリジナリティーだの個性だのいう言葉が陳腐になるぐらい、二人の作品は自由。
アートはこれらの言葉にあまりに縛られていると思う。
誰かに似ているとか、模倣だとか、パクリとか、それでも成立する世界の豊かさを僕は見てみたい。
この豊かさは、2月に聞いた蔵谷美香さんのトークや、イヴ=アラン・ボアが企画した「マチスとピカソ」展でも展開されてる通り。
その実証がこの展覧会にはあふれています。
さらに、二人の子供時代をお互いが作品にしあったり、6日間の合宿で同じモデルを使って制作したり、さらに美術館で一緒に公開制作までしちゃってる。(行った時は棚田さんが制作中でした。木っ端一ついただきました。)
この展覧会、本当にすごいです。ここまでのエネルギーを感じられる展覧会は近年稀。
企画されたキュレーターさんとお二方には感服。あと広報のアートディレクションもいい。
こういう展覧会が地方の美術館でやってるのはすごいことだと思います。
8/27までなので是非!こちら
これに加藤泉さんとかが加わっても面白そうとか勝手に妄想しちゃってます。

そしてもう一つが東京の小柳でやってるミヤギフトシ展。
ミヤギさんが小柳かぁという感慨もありますが、そんなことより作品が本当に素晴らしい。
メインは戦前から戦後を生きた女性たちの物語で、38分の映像。
38分かぁと思って見始めたら止まらなかった。
映像作品って5分越えると大体はキツイです。
ただ、5分じっと観られたら大体は最後まで観られる気がする。
ミヤギさんの作品は、ストーリーもそうなんだけど、やはり映像の力が圧倒的に強い。
どこまでが本当でどこまでがフィクションなのか全くわからないんだけど、そんなことは瑣末なこと。
それよりも目に入ってくる映像と耳に入ってくるナレーションが心地よすぎて困った。
映像に付随する展示品も、作品というより資料みたいな趣でとても興味深かった。
8/30まで。こちら
上映スケジュールが載ってるので時間合わせていくのが吉。

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ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない @ 国立国際美術館

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2017年も半分過ぎ、気づいたらアートの記事今年に入って一つも書いてないのに気づいた!
観てないわけじゃないんだけど、書きたいっていう情熱が前ほど湧かないのが問題。
実際今年に入って観た展覧会を書き出してみました。何個か抜けてるとは思うけど大体こんな感じ。
以前よりかは減ったけどどうなんでしょう。

2月
「この世界の在り方」@芦屋市立美術博物館
越野潤「Beyond Time」@Galerie Ashiya Schule
写真家片山攝三 肖像写真の軌跡@福岡県立美術館
アート横断V 創造のエコロジー@福岡アジア美術館
3月
PSMG@中津界隈
竹之内祐幸「Things will get better over time」@STUDIO STAFF ONLY
山岡敏明展@Gallery PARC
石田竜一「草に沖に」@アンダースロー
4月
半田真規「トーキョーパレス」@statements
Subjective Photography vol.2 大藤薫@スタジオ35分
新宮晋の宇宙船@兵庫県立美術館
KYOTO GRAPHIE@京都市内各所
堤加奈恵「Forest of gretel」@同時代ギャラリー
キュレトリアル・スタディズ12: 泉/Fountain 1917-2017 Case 1@京都国立近代美術館
5月
草間彌生「わが永遠の魂」@国立新美術館
ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない @ 国立国際美術館
6月
キュレトリアル・スタディズ12: 泉/Fountain 1917-2017 Case 2@京都国立近代美術館
田中真吾「Phantom Edge」@Gallery PARC
黒宮菜菜・二藤健人・若木くるみ「のっぴきならない遊動」@京都芸術センター
エレナ・トゥタッチコワ「With My Dinosaurs」@クマグスク

ほとんど知合いの作家とかキュレーターの企画とか気になるスペースってことで回ってます。
そんな中でも白眉はやっぱり表題にもなってる国立国際のライアン・ガンダー展。
今年度で唯一楽しみにしてた企画だったけど、やはり期待は裏切らない。
というか、国立の美術館がガンダーを取り上げる日が来るなんてという感慨がすごい。
そして、いつもならB2でやって、その下でブロックバスターな展覧会を開催するところを今回は全館ガンダーに開放。
B3ではこれまでの作品がズラーーッと並んでて壮観。
とはいえ一つ一つ丁寧に見ていったところでわけわかんないものばっかり笑
とりあえず先にガンダーの似非ドキュメンタリーを見てから展示を観るのがおすすめ。
にしてもこんなわけわかんないもん作ってて、スタッフたくさん雇ってるというのはやっぱりすごい。
将来無償のアートスクールまで作っちゃうそうです。
展示室に行くと、全体のこのわけわからなさに浸る気持ち良さというか、重力からの解放というか。
世界は「わけのわかる」ものとして捉えようと皆躍起になってるけど、あ、わからなくていいんだという解放感。
なんか救いにも似た崇高な気持ちにすらなった展示でした。
そしてその上ではガンダーがキュレーションした国立国際のコレクション展。
似た者同士を合わせるっていうシンプルなコンセプトやったけど、これまで観たことのない組み合わせで楽しかった。
草間彌生と高松次郎が一緒に展示されてるなんてっていう新鮮さとか。
このキュレーションもガンダーの作品になってて、トータルでとても楽しめます。
コアな現代美術ファンは必見の展覧会。7月4日まで。こちら
なんだかんだでこの辺の作家日本の美術館でも取り上げられてきましたね。
マーティン・クリード、サイモン・スターリング、サイモン・フジワラ、リクリット・ティラバーニャ
あとは岡山芸術交流も企画したリアム・ギリックとか。個人的にはピエール・ユイグが一番観たい。

他は初めてちゃんと観た「KYOTO GRAPHIE」が良かった。
と言っても観たのはヤン・カレンとメープルソープとTOILET PAPERの3つだけだけど。
ヤン・カレンの展示されてる無名舎ってのがまたすごくて、有形文化財指定建造物。
そしてそれに負けないくらいヤン・カレンの写真が良かった。
和紙に刷られた黒がものすごく美しくてうっとり。どうやってプリントしてるんやろ。
展示もスマートで建物とともに楽しめました。台所とかすごい。
メープルソープは90点以上展示されててすごかった。なかなかこんな機会ないと思う。
TOILET PAPERはアホらしくてまあ楽しめました笑

あと兵庫県美の新宮晋展も良かった。
あんな野外の作品どう展示するのかしらと思ってたけど、一室一室ものすごく贅沢に使ってて見応えがあった。
僕は彼の講演を聞いて美術の道に進んだので、感慨深い展示でした。

知り合いでは中津のパンタロンでやってた森太三さんとパルクの山岡敏明さんの展示が良かった。
これまでやってきたことが見事に結実してる感じで、通観して観てきた甲斐があったなぁとしみじみ。
こないだ観たパルクの田中真吾もここ最近の展示では一番良かったと思う。
直接知り合いではないけど前から観てた黒宮菜菜さんたちの芸センのグループ展も良かった。

あとは京都近美のデュシャン泉百周年企画ですね。
この美術館、デュシャン作品のレプリカ散々持っておきながら中々展示しないんですよね。
常設の小さなコーナーですが、泉百歳のお祝い事ってことで第5弾まで全部見ていきたいと思ってます。
とはいえ、第一弾でほぼ全てと言っていいぐらいの代表作を展示しちゃってたけど続くのかしら笑
第二弾は藤本由紀夫さんがキュレーションしてて、半分彼の作品でした笑
今後どう展開して行くのか楽しみです。

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今後気になるのは丸亀の志賀理江子展と広島のモナ・ハトゥーム展やけどそこまで行く情熱が・・・。
東京は特にないので、行った時になんかやってたらって感じかなぁ。ジャコメッティは行くかもやけど。

ローザス 「ファーズ―FASE/時の渦―Vortex Temporum」 @ 東京芸術劇場



ローザスの演目を二つも観てきました。
一つはローザス初期の代表作「FASE」。
スティーブ・ライヒの4つの音楽を元に、アンヌが卒業制作に作ったという初期も初期のダンス。
まさかとは思ったけど、やはり今回もアンヌ本人が踊ってくれました。
この作品が1982年だから御歳50歳半ば。素晴らしいダンスでした。
ローザスのメンバーである池田扶美代さんもツイートしてましたが、本当にこの作品は彼女の一部。



それにしてもローザスの初期のダンスって、女性しか踊れないダンスのくせに全くセクシーじゃない。
その次の「Rosas danst Rosas」なんかは男性を寄せ付けないぐらい強いダンスやし。
フェミニズムでもないんだけど、性差を超えていながら女性の女性のための女性によるダンス。
普通生身の女性が身体使って表現するんだから、少しはエロスを発するものだけど、本当に皆無だった。
男性に対する媚が全くないんですよね。
この相反するエレメントを両立させているバランス感覚がすごい。
今回はライヒの音楽に合わせている分しなやかさがあってとても素晴らしかった。
特に冒頭Piano Phaseの二人のダンサーが回りながら少しずつズレてって最後合うやつスリリングですごすぎる。(わかる人にはわかる笑)
2年前の「Drumming」は観に行きたかったなぁ。。。死ぬ前に観たい。

そしてもう一つは「Vortex Temporum」。
2013年の作品で、以前ベルギーでこれを断片的に「展示」として見せた「Work/Travail/Arbeid」という作品は観たけれど、ようやく本編が観られるというのでとても期待していました。
こちらもFASE同様、ベルギーのイクトゥスの演奏に合わせて踊ります。
舞台には演奏者7人とダンサー7人。
んー、しかし最初から最後までこの作品の構造が掴みきれないまま終わってしまった。。。
すんごい緊張感の中、何のことかわからないまま観るのはちょっとキツかった。
多分もうひと押し解説があれば楽しめたと思うんだけど、残念でした。

しかしローザスのダンスが日本で2つも一気に観られるなんて最高ですね。次はいつだろう。
この2公演はこの後愛知でもやるみたい。是非。

<関連記事>
Rosas 'Golden Hours (As you like it)' @ Les Théâtres de la Ville de Luxembourg
Anne Teresa De Keermaeker 'Work/Travail/Arbeid' @ WIELS

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踏団「NELKEN -カーネーション」 @ 彩の国さいたま芸術劇場



ピナの「カーネーション」を観に埼玉へ。
会場やその道中の会話でちらほら前週の香港公演を話題にしてる人をちらほら。僕だけじゃなかった!
次週のソウルも行く人多いのかもしれませんね。さすが。。。

さて、「カーネーション」。1982年初演のピナの代表作の一つ。前からずっと見たかった!
ステージには無数のカーネーションが咲き誇っていて、開演前からテンションが上がります。
舞台がスタートすると、椅子を持った演者たちが登場。案外カーネーションは倒れません。
何人かの演者が客席に降りてきて、お客さんを拉致!早速シュールすぎる笑
その後すぐにお客さんは元の席に帰されるんだけどその間何があったのか気になる。。。
そして有名な「The Man I Love」の手話。
この舞台は音楽の選択が本当に素晴らしい。
ところどころで流れる音楽とカーネーション、ダンス。夢の中にいるみたいです。
机の上で踊るダンスや椅子の上で踊るダンス。ダンスの概念が大きく広がっていきます。
最後の「春夏秋冬」ダンスは、お客さんをも巻き込んでみんなでダンス。楽しかった!
これだけ笑えて笑顔になれて最高にかっこいいダンスピースってやっぱりピナぐらい。本当に唯一無二です。
また、伝統的なバレーの動きを一つ一つ見せるシーンや、ダンサーがダンサーになったきっかけを語るシーン、高い足場から急ごしらえのダンボールに飛び込む場面など、もう印象的な場面だらけ。
あと驚いたのが、演者たちのセリフがほとんど日本語なところ。
多分上演する各国に合わせて毎回言葉を変えてるんだろうけどすごい。
結構複雑な日本語を喋っているのでただただ感心するばかり。
こないだ香港で観た「カフェ・ミュラー」と「春の祭典」はセリフがないので存分に楽しめたけど、これが逆に「カーネーション」を香港で観てたら、セリフが全くわからずここまで楽しめなかったかも。。。日本で観れてよかった!
こんなてんこ盛りな2時間とても幸せな時間でした。
とはいえ舞台中は容赦なくカーネーションたちは踏みつけられ薙ぎ倒され、とても甘い悪夢を見ているよう。
最後にはほとんどのカーネーションが倒れたステージが出来上がっていました。
次は「パレルモパレルモ」が観たい!(最終的には全部観たい)

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Tanztheater Wuppertal Pina Bausch "Café Müller & The Rite of Spring" @ 香港文化中心





今週末埼玉でやるピナ・バウシュの演目「カーネーション」を観に行くんですが、その前に、昔からどうしても観たかった「カフェ・ミュラー」と「春の祭典」が香港でやるってんで飛んで行ってしまいました・・・我ながらフットワークが鬼軽い。。。
今回ピーチで大阪-香港間がなんと往復14000円!大阪ー東京間の新幹線片道とちょっとの値段で行けちゃう。
初香港。前から行ってみたかったけど実際素晴らしい街でした。ソウルより台北より好き。カオスな喧騒とオシャレなセントラルが共存していて、「ブレードランナー」のような映画の世界観。
元イギリス領なだけあって英語もかなり通じるし、治安も良好。親日ってのもびっくり。店にあるお菓子とか日本のものがたくさん普通に置いてあるし、日本語も結構見かけました。
気温も暖かくて日本の寒さから逃避できました。かなりの霧で百万ドルの夜景は拝めませんでしたが。。。
それはさておき演目です。

まず「カフェ・ミュラー」に関しては、やはりピナの不在を痛感しました。
実際僕は、ピナが在命中に見たのは遺作となった「フルムーン」だけで、それ以降いくつか観てますが、特に違和感を覚えたことはありませんでした。それだけヴッパタール舞踏団がピナの意思を忠実に受け継いでて、ピナ亡き今も精力的に動けてるのは一重に彼らの努力に他ならないし、そのことに感動します。
ただ、「カフェ・ミュラー」はどうしてもピナ自身がダンサーとして踊ってる印象が強すぎて、彼女が舞台の上にいないという不在感が、観ていてとても重くのしかかってしまいました。。。
確かに当時と同じようなダンサーたちを選んではいるものの、もはやコスプレにしか見えない。
どうせだったら全く違う体型や髪型のダンサーでもいいのかもしれませんが、バランスが難しいですね。
「カフェ・ミュラー」に関しては、その再現性の難しさを強く感じてしまいました。

しかし次の「春の祭典」は前半のがっかりを軽く吹き飛ばしてしまう力がありました。
こんなものを知らずに生きてきてたなんて。。。と思うぐらいすごかった。
ダンサーたちが文字通り泥まみれになりながら踊り狂う様は、観ていて息がつまるほどのインパクト。
ダンサーたちの荒ぶる息遣いも聞こえてくるし、ステージに敷かれた土が舞う様も鼻につく。
ここまで五感をフルに覚醒させるようなステージを今まで見たことなかったです。
これは生で観ないと本当に意味のない作品だと思いました。言葉になりません。
最後、赤いキャミソールを着た小柄なダンサーが踊り狂うんですが、もう片方の胸が出ちゃってて、すごいなぁと思ってたら、これ演出的に片乳はみんな出してるんですね笑
最後はもちろんスタンディングオーベーション。
泥にまみれたダンサーたちの姿が本当に輝かしかった。
香港まで観に来て本当に良かったーーー!!!
にしてもYouTubeで両作品共全編通して観れちゃうなんてすごい時代ですね・・・。


香港のアートシーンは、まだまだって感じでした。
確かにガゴーシアンを始めとする大きなギャラリーもあるし、今月末にはアートバーゼルもあるけど、何といってもこれといった美術館がないのが痛い。
やはり数年後に開館するであろうM+を待たないとですね。開館したらまた行こう。
てことで、ギャラリーや美術館はイマイチですが、NPOやインディペンデントが熱いです。
特に今回行った中で、Asia Art Archive(AAA)Things that can happenは面白かった!
特にAAAは凄かった。
アジアアートに関する資料が揃った会員登録すれば誰でも入れるライブラリーがあって、そこの蔵書の豊富さはすごいです。リサーチャーにはたまらない施設ですね。日本にも欲しい。
それこそ日本の本たちもたくさんあったし、ウェブに載ってる情報までプリントアウトしてストックしてある。
Things that can happenは、九龍側の深水埗っていう超ディープな電気街にあって、知り合いに聞いたらそんなとこ観光客は行かないって言われました笑
インディペンデントならではの自由さがあって、行った時にやってた楊季涓の個展が良かった。
スタッフもフレンドリーで英語が達者で説明も丁寧にしてくれました。
近くにもう一つ百呎公園ってとこもありましたが、こちらは今ひとつでした。
ちなみに香港アート情報はartscapeのこの記事を参考にしました。


香港、また行きたいです!

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「マルセル・デュシャンとアメリカ: 戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷」 by 平芳幸浩

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今年2017年は、デュシャンの「泉」が発表されてまる100年になります。
100年前にあんなものを世に発表したデュシャンという人物が空恐ろしいです。
未だにあの作品ほど美術という枠組みを変えてしまった作品はこの100年出ていません。
それほど彼の「レディメイド」という発明は美術の世界を変えてしまいました。
デュシャン以前の美術作品は、ほぼ技術がなせる技でした。
絵画にしろ彫刻にしろ、芸術家の手が重要だったのです。
その根本をあっさりとひっくり返してしまったのがこのデュシャンという人です。
なんせ男性用便器にサイン(それも偽名)をしただけで作品と言ってのけてしまったんだから。
それ以降美術作品において、手仕事であることはさほど重要でなくなりました。
作家が何を作品と名指すか。そこにどういう意味があるのか。
それが今の現代美術と言われるものの根底になりました。

そんなデュシャンが戦後アメリカにどう受け入れられてきたか、を論じているのがこの本です。
この本にはデュシャンの作品の解説もほとんど書かれていません。
あくまで、彼の存在が当時どんなものだったのかの研究です。
しかしそこには彼をいかに戦後のアメリカ美術が取り込んで行こうかという思惑がたくさん絡んでいて、読んでいてかなりスリリングな本でした。
結果的にはデュシャンは、その場その場で、まるでカメレオンのようにその受容のされ方に応じて態度を変えていった様が伺えます。
やはり一筋縄ではいかないようです。
ということで以下本の内容。




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