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転置-Displacement-@@KCUA

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京芸ギャラリー@KCUAで現在開催中の「転置」に行ってきました。
京芸の卒業生の中から5人のグループ展です。
最初の吉村熊象さんの、コンセプチュアルともとれる、広告に乗ってた中古物件を訪ねて、そこに棲む人を想像する空想作品はすごくポエティックな雰囲気。
また、続く森末由美子さんの作品も相変わらずいいです。
同時に彼女の作品は、インスタレーションとしてどう見せるか難しいですね。
しかしなんといっても寺田就子さんの作品が滅茶苦茶よかった。
あんなささやかな作品を凄まじいセンスでもって構築し観客を魅了する力はすごい。
寄神くりさんと野原健司さんの作品はあまりよくわかりませんでした。
寺田さんの作品見れただけでもよかった。
5月からトークイベントがいくつかありますが、中でも7日の今村くんと宮永くん、そして寺田さんと吉村さんの鼎談はすごい!行けたら行きたいけど余裕なさそうやな…。
展覧会は5月22日まで。http://www.kcua.ac.jp/gallery/exihibition/1208.html

あとは、精華大関係の展覧会に行ってきました。
まずは「美しき町」@むろまちアートコート
90メンバー泉見洋平が出してる展覧会。
精華大の先輩後輩も一緒に出してます。
タイトルは同名の漫画から来てるそうですが、読んだことないからなのか、この言葉と展示内容はイマイチぴんとこなかったけど、作品が皆純粋によかった。
泉は90からはじまった糸の作品。今後もブラッシュアップが有効ですね。
見せ方をもう少し考えた方がいいけど、自分にはない引き出しを持ってる。
佐野さんの写真も、榎木さんのインスタレーションも鑑賞者との距離感がすごく良かった。
突き放すでもなく、没入させるわけでもない絶妙な距離。
梶田さんと岡田君の作品は具体的なモチーフが勝ち過ぎてるきらいがあるけど、遠景として綺麗。
佐藤さんの作品が個人的に好きやったなー。油彩の技術がこう活きるとは!恐れ入りました。
こちらは今週末まで。24日の最終日15時からトークもあるみたい。何話すんやろ。

もういっちょ、先輩の上瀬奈緒子「間(あいだ)の物語」@galerie16
久々の個展で、行ったら覚えていてくださってた。ありがたい。
大作3点を中心に、小品も含めて多数展示されてました。
大作のうち1点はなんと4年以上かけて描いたとのこと。すごい。
市販の水玉の布の隙間を縫うように描かれた絵画。
カーテンのような布に描かれた絵画もあって、その発展形があとの大作2点。
こちらは裏キャンの肌理をなぞるように縦と横の線だけで描かれたもの。
何故か何かの風景に見えてくるのだけど、人間が勝手に自分の経験(風景)に当てはめてしまうどうしようもない生理みたいなものがおもしろかったりする。
他の絵画もどう見ても風景を描いているように見えるが本人はそんな気はなかったりするそう。
また作品が2枚で対になってるものが多く、上下逆転の像がそれぞれ描かれている。
何か具体的なものから脱出するためのひとつの手段のようにも思えました。
そこを受け入れるか、逃げきるかでまた変わってきそうです。今月30日まで。

muzzも観に行きたかったけど無理やなー。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

梅田哲也「はじめは動いていた」@VOXビル

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梅田哲也さんの個展がやってるというので寄ってみました。
しかし、これはもう予想外にスケールのでかい展覧会で衝撃。
てっきりARTZONEだけでやってるもんやと思ってたのになんと会場はこのビル全体!!!
多分この展覧会の実現は奇跡とも言えるほどのものだったと思います。
普段一般の人が入ることのないような屋上やバックヤードまで全部使っちゃってます。
思えば昨年の夏あたりから、このARTZONEで「すみっこ企画『DEADSPACE』」というプロジェクトをやってて、その名のとおり他の展覧会やってる時もどこかすみっこで梅田さんの展示がされてるというもの。
結局一度も行ってないけど、この企画は今回のための伏線だったのか!

まずは、ARTZONEのいつもの入り口から入れないので裏へ回る。
すると受付があって、地図を渡される。
よくみるとビルに青いテープと黄色いテープが貼ってあり、青いテープが進路、黄色いテープが退路をそれぞれ表していて、まずはその青テープと地図を頼りにエレベーターで3階へ。
降りてすぐの物置のようなところにも作品あり。
鉄板の上で砂鉄が生物のように蠢いている実に梅田さんらしい作品。
この物置のそっけない感じも素敵です。
さらに青テープをたどって屋上へ。
ここでは、一体どれだけの作品がしかけられているのかはわからなかったけれど、僕が行ったのは黄昏時で、暮れなずむ河原町三条を満喫しました。気持ちいい!
僕が見つけたのは、タンクの中に沈んでる電灯と、ぶら下がる樹の枝、ロープの切れ端、等々。
屋上を堪能して今度は黄色テープを辿って下へ。
この退路がまたすごくて、普段スタッフしか通らない階段とかをずんずん進む。
カプリチョーザの裏とか大丈夫なのか?
そんなこんなで、ARTZONEの2階へ。
そこには脚立や、壁を走るパチンコ玉などがある。
脚立を登ると壁の裏に仕掛けられた作品を鑑賞できます。
また、扉の中にも作品あり。
泊まりこんで作業していたと見られるスタッフルームも解放。この辺ユルいです笑
あと、奥の部屋にも作品があります。
1階へ降りると電話や床に落ちた電灯、またブルーシートやら色んなものがあります。
聞いた話ではこの電話は屋上とつながってるらしい。
屋上のどこかにある電話をとると下の電話が鳴って会話ができるんだとか笑
あと、タイミングがよければ、ブルーシートが上に上がったりするそうです。
こうして、VOXビルを巡る冒険は終了。
この冒険という作品は、病みつきになるような体験。
4月24日までなので、それまでに京都行く度に寄ってみよう。
きっとまだまだ発見があると思います。楽しい。

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安喜万佐子「Absence of Lightー 歩行と逆光」@galerie16

昨日から始まった安喜さんの個展に行ってきました。
安喜さんは大学の大先輩で、卒業後も色々お世話になってます。
作品はテンペラ技法を使った絵画から金箔を使ったものまで。
伝統の技法を使いながら、安喜さん独自の視点を築きあげています。
特に今回の個展では、その感覚がこれまで以上に研ぎ澄まされているように感じました。
例えば今回の展覧会タイトルにもなってる「Absence of Light - a tree -」なんかは、もう木を描いてるというより、その間を描いているというか、まさに逆光を描くことで像を浮かび上がらせているような感覚。
像が強い光で焼き付いている印象を受けます。
まるで、原爆で焼き付いた像のような。例えは悪いかもしれませんが、光の暴力性のようなものすら感じられるとても「強い絵」に到達していました。
これは金箔を使用した作品がより分かりやすいかもしれません。
金箔の下から滲み出る紅の色がとても不気味です。
また、今回街の絵にも挑戦されています。かなり苦戦されてたようですが、確かにこれはまだまだ余地がありそうな感じ。木とは違い人工的な真っ直ぐなラインで構成されています。もう少しグチャグチャになってもよかったかもしれません。
また今回最も印象的だったのは、入ってすぐの左の壁の絵。
ゴッホの絵に出てくるような牧歌的な風景で、他の絵と比べると具象性が強いように思いますが、ところどころ風景が破けているようなところがあって、見れば見るほど変に思えてくる。これはなんだかすごい。今回の展示作品の中でも、もっともありえない風景かもしれません。
などなど、とにかく作品数が多くてびっくり。
16の空間に窓のように配された数々の風景たち。
ギャラリー以外の空間にも数点あります。
ここ数年の集大成です。オススメ!
安喜万佐子website>>http://www1.kcn.ne.jp/~yasuki/


さて、ここで告知です。
展覧会行かれると下の画像のポスターが貼ってると思います。
これは来年1月に京都精華大学内のギャラリーフロールで行われる展覧会で、この安喜さんが発起人となって、私森川穣も参加させていただくことになっております。
この展覧会は美術家だけではなく、脳科学や俳句など様々なジャンルを超えた展覧会となります。
どうなるのかは本人たちも未知数。また追ってお知らせします。
会場にはこのポスターの名刺サイズ広報が置いてます。記念に持ってってください。デザインは僕!
この参加者の中には今回の安喜さんの展覧会DMで詩で競演している木下長宏さんも参加。
僕がとても好きな本「美を生きるための26章」の著者です。うーん、楽しみ。

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今村遼佑「・・・の向こう・その他」@GALLERY IND.

今月は知人の展覧会が異常に多いです。回りきれるか非常に心配・・・。
そんな中京都と大阪でやってる展覧会をなんとか回ってきました。

まずはなんといっても現在studio90でも作業中の今村君の展覧会へ。
うちでやらしといてなんやけど、すさまじい制作量です。
今年だけで発表としてはすでに3回目ですからね。
さらに来週いよいようちの展覧会のファイナル展示があります。お楽しみに。
で、初めてのギャラリーGALLERY IND.へ。
谷町九丁目から途中迷いながら到着。古いビルの3階です。
入るとまず真ん中に机が置いてあるのが見えます。
この机の角に粘土でできた崖と点滅する小さな灯台が。
先日アトリエ行ったらなぜか灯台の写真が机に散乱してて、この人何考えてるんや!と思ってましたがこういうことだったんですね。今村作品としては灯台のモチーフは初登場?
この灯台は会場内に2つあって、そこに光センサーがついてて明るいときはつかないそう。
あとコンセントのところにはこれまた粘土の崖と街燈。これは普通にコンセントにさしてもっておきたい!
それから一番多いのがなんと写真作品!今村君の写真作品初めて見た。
大学院の頃に行った越後妻有でとった素材だそうです。
この日今村君は不在でしたがオーナーさんとゆっくりお話ができてよかったです。
今月24日まで。ぜひ。http://ind.xit.jp/

前後しますが、今村君の前に大阪港にあるギャラリーヤマグチへ行ってきました。
ここでは昨日からスタートしたばかりの越野潤さんと三浦洋子さんの2人展。
越野さんとは以前京都のアーティストロングでお会いして以来お世話になってます。
越野さんの作品はとてもささやかで、非常に僕好み。
今回も非常に美しい作品が並んでました。
てっきりペインティングだと思ってたので、立体がきていて驚きましたが、これも非常に越野さんらしいなんだか試されてるような作品。
2colorsと題されたそれは、白い矩形の鉄の箱が2つセットで少しの間を空けて上下に壁掛けで展示されいて、まるでジャッドを思わせるようなミニマルな形態。
しかし肝はそこに非ずで、実はその上下の白が微妙な階調の違いで塗られています。
ぱっと見は白なんだけど、よくよく見ていると確かに全く違った色にも見える。
白の中のグラデーションの豊かさに驚かされます。
また別の展示室ではこれぞ越野さん!と言える小さな絵画。
ほんとにささやかでとてもいいです。ギャラリー外にも何点かありましたがちょっと欲しかった。
また、もう一方三浦洋子さんの作品は初見でしたが、最初表面上で起こるモアレがほんとに目がおかしくなったのかと思いました。ギャラリーの方の丁寧な説明によりそれは解決。
絵の具をしみこませたオーガンジーの布を重ねて作られているそうです。
個人的にはギャラリーの青や緑の作品より、入り口にあった色を抑えた作品の方が好きでした。
こちらは4月30日まで。こちら

京都では三条通沿いのギャラリー三つ。
まずは射手座の川崎優実さんの展示。
先日90に来ていただいてお知り合いになった作家さん。
彼女は昨年までの10年もロンドンにいらっしゃったそうで、ロンドン談義で盛り上がりました。
僕と同じくチェルシーにも行ってらしたそう。多分入れ替わりで入ってる。
展示は写真を中心にとてもスマートな見せ方でした。
まずは入って左の壁には日付をプリントした紙を撮った写真と、奥には実際のその紙の束。
その手前にはスライドで人の手を撮ったものが延々と投影されていて、右の壁には大きめの写真2点と幾重にも重ねたアクリルの中にポラロイドが入った作品が床に立てかけてあった。
何か積み重ねるということを作品化しているようにも感じたけれど、むしろそれより、物質のもつ肌理へのふぇティッシュを強く感じました。
写真って表面がほとんどない物質やけど、そこにものが移ることでそのテクスチャーが張り付く感覚があって、この川崎さんの写真たちにもそれが強く反映されてるように思った。
特に日付を撮った作品の紙の質感とか、もっと均一に撮ろうと思えば撮れるところを、紙のしわやら光の反射まで非常に細かく撮られている。この展覧会は本日3日まで。
川崎さんのHPです>>http://www.hiromikawasaki.com

知人の瓜生祐子さんのneutronの展示へ。
彼女の作品は一見何が描かれているのかよくわからないが、非常に甘美な世界に導いてくれる。
筆のタッチややわらかい色使いやシェイプドキャンバスのやわらかさなど多くの魅力的な要素がある。
たとえそこに何が描かれているかわからなくても十分楽しめるように思うけれど、それを知った時の驚きもまた格別。その正体は一枚一枚のタイトルに顕れている。例えば「cream anmitsu」と言ったように。
そう、そこに描かれているのはケーキやあんみつなどのクローズアップなのです。
しかしそれは同時に壮大なるランドスケープでもあり、パフェに刺さるバナナは鋭利な山へ、ホイップは大きな山脈へ、イチゴは活火山へ、、、と本当に楽しい旅に誘ってくれる。
今回特に好きだったのはピザの作品。ピザのように丸いキャンバスに描かれてるのがよかった。
非常に楽しく美しい作品たちです。4月17日まで。こちら

射手座とneutronのちょうど中間ぐらいにあるGallery PARCへふらっと寄ってみたら大当たりでした。
ここでは成安のテキスタイルを卒業したばかり武田梨沙さんの展覧会がやってました。
先日このギャラリーからメールをいただいた時に見た画像が印象的だったのですが、実際見てみるとすごく感動的な非常に綿密な織り。
階段の上を舞う様に展示されてる染めの作品もよかったけれど、それよりガラ袋に使われるナイロンみたいな細い繊維で編まれてる作品のインスタレーションがものすごくよかった。
この種の作品は3つ展示されてて、まず入ってすぐの左の壁にかかってる袋を裏返しにしたような長い作品の迫力にまず圧倒され、続いて蛇のように床を這う自立してる作品にも魅了されたし、さらにほとんどスカスカに編まれている作品がすごくよかった。
こうして普段クラフト系の仕事で、あまり感動することはないのだけれど、武田さんの展示はまずインスタレーションとしての精度がものすごく高いのがよかった。
前述の瓜生さんもそうだけど、やっぱ成安って力のある作家が出てきている。
卒制もおもしろそうやったし、かなり注目です。
この展示は今月10日まで。近く寄ったら是非。ギャラリーのサイトにもいくつか画像が載ってます。こちら

さて、来週も見なあかん展示がいくつか。。。

「プリズム・ラグ ~手塚愛子の糸、モネとシニャックの色~」@大山崎山荘美術館

始まったばかりの手塚愛子さんの大山崎の展示観に行ってきました。
かなり楽しみにしていた展示でしたが、期待を遥かに上回る展示で大満足。
この美術館で見た展示の中でも最高のものだったと思います。
というか、ここまでこの美術館にフィットした作品群は今まで見たことがないです。
まず旧館と彼女の選んだ織物たちとの相性がものすごくいい。
特に山手側の部屋の上の方に展示されてた作品なんかは、前からそこにあったような雰囲気。
この館独特の展示ケース内の作品たちも、その麻の下地とものすごく合ってた。
さらに大山崎の風景を臨むところに設置されてた白い布に刺繍を施した作品も素晴らしい。
池側の展示室では、彼女の真骨頂の、布から糸を解きほぐす大作が展示され見応えあり。
また、これまであまり好きじゃなかった「落ちる絵」のシリーズも今回すごくよかった。
布越しに見える裏の刺繍や糸の集積の気配がとても素敵。
ただ、新作ドローイングでの子宮を描いたものは正直引いてしまった。
彼女の作品は、やはり織や刺繍といった女性的な仕事が全面に出ていて、フェミニンと言えばフェミニンなんだけど、その作品の美しさに和らいだ印象があるけど、ドローイングはドストレートすぎて恐い。恐さも1つの魅力にできればいいけれど、今の所まだそこまでに至ってない印象でした。
旧館があまりによかったので、新館はどうかな、と思ってたんですがこちらもよかった。
新館ではモネとシニャックとの見事な共演が成功していました。
モネの睡蓮と手塚作品に登場する花のモチーフとがすごく相性がいい。
前回の日高さんとモネの相性はあまりよくなかったけれど、今回は大成功でした。
やはりどちらの作品にも祝福感があって、文字通り「華がある」。
日高さんの絵は枯木ですからね。。。
また、手塚さんの絵画との関連性が述べられたテキストもあって、すごくわかりやすかった。
彼女は京都市立芸大で油画の博士を修得していて、その論文に関連するものだと思う。
また機会があったら是非読んでみたいです。
本当に素晴らしい展示でした。
特に無理してこの美術館に合わせてるわけでもないのに、サイトスペシフィックになっている。
これって本当にすごいことだと思いました。
逆に彼女の作品はホワイトキューブで見るよりこういう場所の方がいいのかなとも思います。
これは超オススメ展覧会。
6月12日までと会期も長いので是非。
そして、ついでにstudio90にも寄ってください!笑
JR山崎駅の2駅先の向日町駅からバスかタクシーですぐです!とちゃっかり宣伝。


「プリズム・ラグ ~手塚愛子の糸、モネとシニャックの色~」
アサヒビール大山崎山荘美術館
2011年3月17日(木)-6月12日(日) 月休(祝日の時は翌火曜休)
http://www.asahibeer-oyamazaki.com/tokubetu/syosai31/index.html



現在名古屋と東京のケンジタキギャラリーでも個展開催中(東京は3月28日まで休廊中)
今回の作品も含め、多くは五島記念文化財団の助成でロンドンで制作したものが多数。
また、今月末あたりから文化庁の助成でベルリンに2年滞在するようです。
さらなる活躍期待してます!

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

杉本博司「アートの起源 建築」@MIMOCA

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杉本博司が丸亀現代美術館を1年間ジャックする「アートの起源」展第二弾。
テーマは「建築」。
まあ大体今回のテーマは想像つくんですが、年間パス買っちゃってるし男なら全制覇でしょ!
ってことで行ってみたんですが、正直かなり微妙です。
ほとんどが、前回の「科学」と作品入れ替えただけの構成で手抜き感が否めない…。
入り口には護王神社の模型。
小田原の杉本財団等の模型がもっとたくさん出ると思ってたけど模型はこれだけ。
階段のとこには、前回の「観念の形」の彫刻の代わりに法隆寺の古材が立ち並び、放電場の写真が飾られていた吹き抜けの壁にはこれまた法隆寺の細部の写真。これは「歴史の歴史」で見せた「反重力構造」のインスタレーションそのまま。
さらに2階の前回「偏光色」シリーズが並んだ展示室にはお馴染みすぎる「建築」シリーズ。
反時計回りにそれらを見て回ると動線が法隆寺の古材で遮られる。スムーズな動線をいつもうまく創りだす杉本博司らしくない構成。何か意図があるのか?
で、さらに3階も前回と同じ構成。細い道の先に「建築」シリーズのスライド。
で、で、で、最悪なのがこれまた前回と同じ天井に向かう舞台がまんま置いてあった…。
雷神がいた場所は、代わりに「観念の形」が置いてた…。
隣の壁には数学模型を写したこれまたお馴染みの写真群。
さらに右の壁は前回同様幔幕…。そして花。
これは手抜きすぎやろー…金返してほしい…。
と、かなり凹んでたんですが、その鬱病は、幔幕の裏、前回ファラデーケージが置かれていた場所に回った瞬間に消え去りました。
そこに展示されていたのは、蝋燭が点いて燃え尽きるまで写しきった「陰影礼讃」シリーズ。
全部で4つ展示されていたのだけれど、この展示方法が相当ヤバい。
一つ一つ、ブースで区切られていて、透明の印画紙に刷られたその像を、本物の蝋燭で灯し、その後ろの壁にその写真の像が翳となって浮かび上がるというインスタレーション。
この展示は以前写真で見たことがあって、なんて素晴らしい展示なんだ!と思ったけど、生で見られるなんて!!!実際にこの展示は12年ぶりだそうです。
揺らめく蝋燭の火で見る翳。いつまで観てても飽きることがありません。
いやはや、もうこれ見れただけで相当の価値がありました。
というかむしろこれ以外要らんかったぐらい。
あの3階の展示室がこれで満たされてたら相当美しかったやろうに…。
いやぁ、最後の最後にこれ見れて本当によかったです…。
でもこれはむしろ、最後の「宗教」な香りが漂うんですがね。
この展示は5月15日までで、4月1日にはなんとこの美術館の建築家でもある谷口吉生との対談がッ!
こんな年度始まりの日のしかも19時からって鬼過ぎる。
僕は行けませんが興味ある方はどうぞ。当日14時から整理券配るそうです。鬼すぎる。
次は「歴史」。どうやらまだちゃんと見たことのない「Stylized Sculpture」シリーズが出るみたいなのでこれまた観に行かなくては。これはモダンファッションの衣服を撮った写真。また同じ構成やったらいややなぁ。


<関連記事>
杉本博司「アートの起源 科学」@MIMOCA
杉本博司「光の自然」@IZU PHOTO MUSEUM
杉本博司「歴史の歴史」@国立国際美術館
杉本博司「歴史の歴史」@金沢21世紀美術館
杉本博司「時間の終わり」@森美術館

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

サイモン・スターリング「仮面劇のためのプロジェクト(ヒロシマ)」@広島市現代美術館

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2005年のターナー賞受賞者サイモン・スターリングの日本初個展!
まさかこの作家の個展が日本で開かれるなんて…。
というのも、この作家、中々一筋縄では歯が立たない厄介な作家だからです。
ターナー賞受賞時もかなりの物議を醸しました。
作品、というよりも、そのリサーチが彼の真骨頂。
的が決まればあとは執拗なまで食らいついていく。
リサーチにリサーチを重ね、それをヴィジュアルに落としこんでいく姿勢がすごいです。
そのリサーチっぷりは徹底していて、この個展でも遺憾なく発揮されてました。

まず一階では過去の代表作を展示。
「雑草の島」(2003)では、スコットランドの国立公園の湖に浮かべる島の提案。ここにはセイヨウシャクナゲが植えられていて、これは18世紀にこの地に持ち込まれ、その後野生化し、元あった生態系を破壊するほどに繁殖してしまった外来種。その「悪者」であるセイヨウシャクナゲを主役にする作品。
展示室には独特の生っぽい香りが漂ってました。ビジュアルとしても美しい作品。

続く「カーボン(ヒロシマ)」(2011)では自転車にチェーンソーが付いていて、そのモーターを動力に動くシロモノ。もちろん外せばチェーンソーとして機能します。スターリングの作品では移動がテーマになる作品がいくつかある。中でも自転車を使った作品といえば、砂漠を走破できるように、水やらを積み込んだ作品なんかもあったなぁ。

「オートザイロパイロサイクロボロス」(2006)は、舟の材料を燃料にしながら進む舟をスライドで見せてて、実際舟は進んでいくがどんどん燃やせば燃やすほど沈んでいって、最後には湖の底へ…。自分のしっぽを食べる空想の蛇「ウロボス」の無限性をテーマにした作品。スライドとテーマが滅茶苦茶美しい。前にパリでも見たけど、その時はわりと明るいところで投影していて、今回はしっかり暗室を作って、ちょっと下の方で投影してたのがより効果的でした。

そして地階では、今回のメインで完全なる新作「仮面劇のためのプロジェクト(ヒロシマ)」(2011)
ただの旧作を並べた紹介展ではなく、ちゃんと新作展としてスターリングを持ってくるあたりキュレーターの神谷さんの力量が示されている。すごい。
この新作は、この広島市現代美術館が所蔵しているヘンリー・ムーアの「アトム・ピース」という作品からスタートしていて、実はこの作品は、広島と全く相反する場所にもう一つの兄弟作品が存在することが判明する。
それはノーベル物理学賞もとった、イタリア人の科学者エンリコ・フェルミが核分裂の実験に成功したシカゴの研究所にある「ニュークリア・エナジー」という作品。
つまりそこは、広島に落とされた核爆弾リトル・ボーイの誕生の場所でもある。
ヘンリー・ムーアというと、先ず浮かぶのが、慈愛に満ちた母のような柔らかい人体彫刻。
そこからなんとなくムーアと言う人はその作品のように温かい人物なんだろうな、と人々は想像する。
しかし、彼にはもうひとつの顔があり、それは、とても政治的な一面だった。
彼を取り巻く人々はとても複雑な「顔」を持つ人ばかり。
彼の作品が世界中に広まるのを助けたアンソニー・ブラント卿。彼はロンドンのコートルード美術研究所の所長であり、有名な美術史家であったが、後に彼はソビエトのスパイということが発覚する。
また、ムーアの作品を多数所有するコレクターであるジョセフ・ハーシュホンは、その財源は核を作るためのウランによるもので、言わば、核戦争が彼の財産を無限に広げていたのである。
その複雑なる関係を、仮面劇として見せる今回のプロジェクト。
能の「烏帽子折」の話と被せつつ、ジェームス・ボンドやカーネル・サンダースまで登場し、奇々怪々なストーリーが、9つの面と、その面作りのドキュメント映像で繰り広げる。
映像は、見事な手さばきで面を創り上げる能面打ちのテクニックに魅了される。
実際の仮面劇を繰り広げるのではなく、黙々とモノが創り上げられていく過程を映しだしたのは、おもしろい選択。スターリングの作品は、いつもどこか醒めているというか、客観的な要素が多分にあって、今回もこの選択はすごく「らしいな」と思いました。
それにしても能面打ちの作業場が普通のマンションの一室でびっくり。これはサイモンもインタビューで語ってましたが、なんだかちょっと切ない。
あと、核やら冷戦やらの話の途中で、阪神優勝の際、バースに似ているからという理由で道頓堀に落とされたカーネル・サンダースの下りがやたらおもしろかった笑
こんなリサーチまでしちゃうのか!てか結局カーネルはどういう関係があったのかよくわからない。

最後の部屋にはその問題となった「アトム・ピース」が展示されていて、さらにスターリングがヘンリー・ムーアに着目するようになった、トロントのプロジェクトなんかも紹介されてた。
思い出せば、フランスのMAC/VALでもムーアの作品を取り上げていて、ここまでの壮大なインスタレーションに結実しているのはやはり執念としか言いようがない。
また、なぜヘンリー・ムーアなのか、という問いに彼はイギリス彫刻史における、最初の巨匠だからと答えていて、今の作家がちゃんと自国の美術史をつなげようとしてることに感動した。
やはりイギリス美術史というと、彫刻の歴史といっても過言ではないです。
もちろんターナーやフロイド、ベーコンなどの絵画もありますが、彫刻の厚みに比べるとまだ薄いです。
そしてその祖はなんといってもこのヘンリー・ムーア。
彼からアンソニー・カロやリチャード・ロング、トニー・クラッグ、アントニー・ゴームリー、アニッシュ・カプーア、そしてデミアン・ハースト、レイチェル・ホワイトリードへと脈々と受け継がれてる。
日本美術史を辿ると、ひたすら断絶を繰り返してる印象があって、こういうバトンリレーのような歴史のつなぎ方をそろそろ学ぶべきだと思いました。

かなり難解な展覧会でしたが、国内で彼の作品がこれだけのボリュームで見られるのはまたとない機会。
是非広島行くべきです。4月10日まで。
そして、野外に設置されたムーアのもうひとつの作品「アーチ」もお見逃しなく。
さて、来年度はどんな展示が控えてるのでしょう…発表が怖い。
とりあえず宇部の制作前後でちょうどヒロシマ賞のオノヨーコ展があるので寄ろうかな。
伊東豊雄ミュージアムもこの夏にはできるみたいやし。
そして今回でスタンプカードがたまったから次回は無料!イエイ!
今回常設がなかったのが痛かったな…いつもここの常設はいいので残念。次は3月17日から。
今回は広島の滞在時間最短の2時間でした…スターリング以外なにも見てない…。

<関連記事>
Simon Starling 'THEREHERETHENTHERE' @ MAC/VAL
TURNER PRIZE:A RETROSPECTIVE @ TATE BRITAIN

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから@国立国際美術館

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本日よりスタートした「風穴」展に行ってきました。
もうまったく未知数な展覧会でしたが、結構良かったです。
「コンセプチュアリズム」と聞くと、少し身構えますが、かなり柔らかい展示。
これまでの西洋中心のそれとは全く異なる、ロジックの喪失。
むしろ呪術的な作品が目立ちました。
そんな中でも圧倒的に日本の作家が気になってしまう。
これはやはりアクチュアリティの問題なのか、最初のヤン・ヘギュ(韓国)や邸志傑(中国)、ディン・Q・レー(ベトナム)あたりはほとんど素通りしてしまう。(ヘギュのドローイングはよかったけど。)
その中でもアラヤー・ラートチャムルーンスック(タイ)の「ふたつの惑星」は面白かった。というか既にシドニーで見たのだけれど、やわらかいクッションに寝転がって見るとまた格別。これは19・20世紀の名画を、タイの郊外に住む人々に「品評」してもらうという映像で、皆好き勝手言ってる笑
タイの田園風景と西洋絵画、それを眺める人々というフレームがとても美しかったりもする。
そして日本人ですが、今回出てる作家の展示はすべてお見事でした。
木村友紀に島袋道浩、コンタクト・ゴンゾにあの伝説のグループプレイまで!!!
この一見とりとめもないメンバーですが、かなりうまくまとまってました。
特にプレイを持ってきたキュレーターさんのセンスがいいですね。かなり締まる。
彼らは1967年に結成されたグループで、メンバーは何度も入れ替わりつつ今年で結成47周年!!!
雷を呼ぶパフォーマンスや河を渡るハプニングなど、美術の枠をはみ出してました。
僕もちょうど最近知った人たちだったので、この展覧会は個人的にとてもタイムリーだったり。
彼らの展示室は、実際の作業場となっており、そこで作られた発泡スチロールの→型イカダで本当に出航しちゃうらしい。5月を予定とのこと。ある種のサイトスペシフィックかも。
木村さんの展示は、相変わらずあっけらかんとしていてすごく好き。
これ、見れなかったIZU PHOTOとほとんど同じ作品みたい。なんかすごく得した気分。
写真がモノとして切り離されて、他のオブジェと同じ扱いをうけてる感じがいいんです。
コンタクト・ゴンゾは、見るたびにハマっていく感じがします。
森の時はなんのこっちゃわかんなかったけど、芸術センターに続きこの展示はすごい。
インスタレーションとしての精度も滅茶苦茶高い。
B1階のチケット売り場の隣の映像もお見逃しなく。
ウィフィッツィの時にやってたんですね…。隣で映像見てるおばさま方が完全にびびってる笑
そして島袋さんは、愛知でもすごくよかったけど、今回もそのゆるさがいいです。
段ボールがしゃべるやつはもう滅茶苦茶笑える!
そして最後の最後に亀!!!超コンセプチュアル!
彼らが全員関西出身なのはただの偶然でしょうか?
あと、今回のデザインワークをほとんど担当した立花文穂さんの展示もかなりよかった。
そもそも今回のチラシからチケットから何から何まで本当にかっこいいです。
カタログもかなりいききってるてる感じでおもしろい。見づらいけど笑
これで900円はいいなぁと思い購入。すぐ売り切れそうな予感。
国立国際の現代美術を扱ったテーマ展としては久々によかったかも。巡回ないんかな?
6月5日までなので、機会があれば是非来阪してみてください。
ちなみに今大阪では「おおさかカンヴァスプロジェクト」と題して、色んなところで現代美術が展開中。今月26から28日には、国立国際美術館の近くで西野達さんの作品も展開します。他には淀川テクニックや永井英男さん、一緒にBIWAKOに出した藤井秀全君や、六本木クロッシングでも出てた加藤翼君など。詳しくはこちら
文化不毛な大阪ですが、京都に負けずに頑張って欲しいです。
そういえば今年は2009年に引き続き堂島リバービエンナーレが開催されるとどこかで見たのだけどどこやったかな…。かなりおもしろそうなテーマだったのを朧げに覚えてるのですが。。。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

phono/graph-音・文字・グラフィック-@dddギャラリー

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南堀江にあるdddギャラリーに行ってきました。
こちらでは先日の茨城県美でも見た藤本由紀夫さんや八木良太さんをはじめ、豊田市美で見たばかりのintextさんなども参加されてる、展覧会で、タイトルの通り、音・文字・グラフィックを主題に展開されてます。
そういう意味では「耳をすまして」展に近いものがありますが、こっちの方がエッジ効いてます。
ひとつひとつの作品を挙げていけばキリがないのでいくつか印象に残ったものだけ。
藤本さんの作品で印象的だったのは、しわくちゃになった大きな本をめくる作品。
その紙の音がそのまま音楽になるといったような。
あと、デュシャンの演説に音楽をつけた作品も驚き。デュシャンの声初めて聞いた。
八木さん作品はほとんど見てましたが、「星の王子様」の原文の.や'だけを白く塗って星空のように仕立てた作品は、2005年に初めて観た時の記憶が蘇りました。
intextさんも本の◯の部分を繰り抜いた作品を出してましたが、こちらは八木さんほど詩的な感じがなくて、少し物足りない感じ。綺麗にまとめてる感がありました。
softpadさんたちはインタラクティブな映像作品。
iPodはこういう作品ですっかり定着しましたね。
ニコール・シュミットさんのアナログな感覚は好感もてました。
展覧会として、5作家ともに通底してるものがありかなり美しい展示。大阪でよかった。
来場者は小さな冊子ももらえます。これも素敵です。
今週土曜日には、出品者全員によるパーティもあるそうです。3月9日まで。HPもかっこいい。こちら
関連記事>>「耳をすましてー美術と音楽の交差点」@茨城県近代美術館


栗原亜也子「H氏との対話」@HRD FINE ART オフィス

京都の鞍馬口にあるHRD FINE ARTが主催するDEMADO ART PROJECT第三弾のオープニングに少し顔を出してきました。小さなオフィスにたくさんの人がいて大変でした。
このプロジェクトは元々主催の原田氏の家の出窓をアートで飾るプロジェクト。
第一弾は、昨年5月にstudio90でも展示していた山岡さんが飾りました。こちら
今回展示されてる栗原さんは、「Mind Games」というオセロドローイングをされてる作家さんで、今回は、横浜の彼女のアトリエと、京都の原田氏とで、オセロゲームをメールなどで進め、それをそのまま絵画にするというもの。
丸い蓋のようなものに絵の具を塗り、スタンプのように押していく。
ゲームが進むに連れて、その層も厚くなっていく。
見た目とシステムがそのまま結びついた明快な「絵画」でとても清々しい画面でした。
そもそもこのシリーズを始めたきっかけが、ペインティングに終わりがないことに戸惑いを覚えたことが発端となっており、ゲームというシステムを導入すれば、自ずと絵画に終わりが来るということに気づいたそう。
この戸惑いは絵画をやってる人なら多かれ少なかれわかる感覚だと思います。
かくいう僕もその一人。僕はそのまま筆を置いてしまいましたが、彼女はそこに挑み続けました。
ポートフォリオを見ていると、大きな布に無限オセロゲームが展開してる作品などかなりおもしろかった。
普段は外から覗くだけですが、お近くを通る際は是非御覧くださいませ。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

三面鏡-万華座談-@7-23gallery

母校の精華大学に行ってきました。
目的は大学内の洋画塔内にある7-23ギャラリーでの展覧会。
今年度で退官される恩師の柏原えつとむ先生と、助手でこちらも3月で退任の田中洋樹さん、そして2年前に着任されたばかりの哲学者佐藤一進さんの3人展。
特に20数年この精華大学で教鞭を執られた柏原先生の退官記念展という要素が強く、たった2日間の展示だったにも関わらず多くの卒業生たちが訪れたようです。
派手なことが嫌いな柏原さんらしく、ひっそりこの小さなギャラリーでの展示。
そもそもこの7-23ギャラリーというのは、柏原さんが着任された時に学生と一緒に立ち上げたギャラリーらしく、在学生たちがその後何度も展示やインスタレーションの場として使ってきました。
かつては塩田千春さんもこの場所を使って展示の練習をしていたようです。
かくいう僕も大変お世話になった場所。
この場所があったからこそ、今の僕のインスタレーションに繋げたと言えるし、studio90という場所を立ち上げる原点になったのも、精華時代から続くDIY精神があったからこそ。
だからこの場所で最後の柏原さんの展示が行われるのは感慨深いものがあります。
昔から柏原ゼミでは展覧会の在り方を問い直すような展示を行ってましたが今回もその精神は健在。
展示会場の真ん中には三角形の机が置かれ、展示中三人が色んな議論をするというもの。
行った時はまだ行われてなくて、時間がなかったのもあって、結局見れずじまいでした。
壁の展示は三人がそれぞれに問いを投げて、それを表現で返すというもの。
佐藤さんはものづくりの人ではないので大変そうでしたが、それでも誠実に投げ返してました。
田中さんが投げた、松本大洋の「鉄コン筋クリート」の任意のページを二人に提示し自由に展開するという問いに対する、柏原さんのインスタレーションがあまりに美しすぎました。
他にも色々ありましたが、内容はこちらの方が詳しいです。
同じころ、柏原研究室では、柏原さんのおびただしい量のドローイングと過去の名作たちが展示されてましたが、こちらもまた凄まじかった…。
誰もいない中で展示されてて盗まれたりしないかとひやひや。
愛の溢れる精華大学でした。
ちなみにこの年末この柏原さんとグループ展ご一緒させていただくことになりました。
今から身の引き締まる想いでございます。がんばります!
詳細は追ってご報告します。


さて、この帰りに京都造形大学の卒展に行ってきました。
今年から造形大は京都市美術館での展示を止めて、学内での展示に切り替えました。
これは中々の決断だと思って、どんなもんかいなと覗いてみました。
結果的に言うと、この卒展は成功していたと言わざるを得ないと思います。
最初、プライスリストを作るとか、なんだかきな臭い匂いが立ち込めていて、少し懐疑的でしたが、値段を大々的に公開するのではなく、あくまでスタッフにお尋ねくださいというスタンスで中々好感がもてました。そもそも京都市美術館では作品を売るのは難しいですしね。
実際に観てたら小山登美夫さんもいらっしゃってたし、中々おもしろいことになってました。
興味あったけど、気が引けてプライスリストは聞かずに帰りましたが。
それにしても、やはり作品がありすぎてくたびれました。
造形大のコースの多さがここに来て、観覧の邪魔になってましたね。
先端アートコースなんて東京芸大まがいの名前でしかも情報デザイン学科の中にあるというカオス。
来年からまたコースが増えるなんて話もあるし、これは中々大変ですね。
結局色々迷って、美術系にたどり着いたのは最後の最後でした。
美術工芸コースではやはり洋画が気になりました。
特に抽象をやってる人たちの勢いが強くてかなり好感。和田直祐さんの絵がよかった。
あとは未来館でやってた大学院の人たちの展示のクオリティが全体的に高かったです。
金正敏さんの陶芸作品は、種を植える為の溝がそれぞれにあり、加湿器を焚いた部屋では実際にカイワレダイコンの芽が器から生えててなんとも言えない愛おしさを感じました。
大山里奈さんの様々な水の落下を楽しめるとてもささやかなインスタレーション。
そして隣の部屋でパフォーマンスされてた藤井まり子さんがまた素晴らしかった。
すりガラス越しに見える彼女自身の存在。
最初そういう部屋なのかと思って入ろうとして、ノブを回して鍵がかかってて、それを理解したときはおお!!!と思いました。彼女がそこにいること自体が作品になるという。
あとびっくりしたのは野外の荒川貴さんのインスタレーション。
凄まじい量の木の皮が山のように盛られているまさにランドアート。こんなんあり!?
とまあ、京芸の時と違って楽しめました。
あの展示室としても成立する各部屋の清潔さと、立地条件だからこそ成立する卒展。
残念ながら精華では無理やなぁー、と思いました。
来年の卒展も機会があれば観に行きたいです。
今年の卒展は3月6日まで。市美でやると一週間足らずですが、学内ということで倍の期間設けてますね。しかも金曜は20時まで。シャトルバスまで出てる!
行った日は閉まってましたが、話題のウルトラファクトリーの公開もしてるとのこと。
さらに最終日には妹島和世x長谷川祐子x千住博x秋元康x浅田彰という豪華すぎる対談が実現。
秋元康が入ってるのがウケますが、さすがですね…。こわい。


ところで今回の卒展は京芸と京造で、どちらも学内でやってたものしか見てないけれど、こぶ〆見てたら成安大の卒制は観に行けば良かったと思う。
前述サイトでも紹介されてる、市美の空間を誠実に生かした林彩子さんと明楽和記さんの作品は、この場所でやることの前向きな捉え方が全面に出ていてとても素晴らしいと思う。
ここでやることをネガティブに捉えず、むしろ力に変えてしまうやり方。
そもそも普段から学生の作品でいいな、と思う作品は普段から成安が多い。
派手さはないが、芯がある。どんな教育がされてるのか気になるところです。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

松田啓佑「WORDS LIE ?」@eNarts

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久々にギャラリー回ってきました。といっても3つですが。
烏丸から小山→neutron→eNartsとすべて徒歩。さすがに疲れた。
小山のシュテファン・バルケンホールは良くも悪くも期待通り。
予定調和的に素晴らしかったです。特に階段登って正面に見える壁に寄り掛かるような作品。
すごいのが、最初の部屋すべて制作年が2011年!制作ペースが早過ぎる…。
それ以外も去年の作品ですからね。
ドローイングはよくわからなかったです。
オープニングは関西の関係者全員集合ぐらいすごい人だったそうです。
なんせバルケンホール本人によるトークですもんね。すごい。
僕は残念ながらギャラリーの番の為に行けませんでした。
展覧会は3月19日までです。

続いてneutronの森太三さんの展示。今年初neutron。
前に画像見て、行かねば!と思ってました。
滴る雨水の如く粘土の粒たちが壁を伝う。
ここの展示方法としてはかなり合ってるとは思いましたが、画像で見てた時より硬い印象。
雨水のような柔らかさがあまり感じられず残念。
あともう少し色を絞った方が美しかったと思う。
ポートフォリオ見てたら、昨年滋賀の倉庫でもやってて、その時の白い雨粒の方が綺麗。
こちらは3月6日まで。

そして今回なんといってもよかったのがeNartsの松田啓介君の展示
行かねば行かねばと思いつつ最終日ぎりぎりになってしまいました。(明日まで)
以前から各方面で、すごいという声は聞いてましたが本当にすごかった。
しかも、想像してたプリミティブなすごさとは違っていい意味で裏切ってくれました。
ポートフォリオを見る限り、昨年からかなり変化したように見える。
というかこのポートフォリオもすごい。。。タイトル手書き!
中には写真をそのまま貼ってるやつとかもある。豪快。
タイトルがそもそもすごい。
「消えてくれ」(2006) 「ぶち壊す」(2006) 「自分なくなれ」(2006) 「すべてどうでもいい」(2006) 「自由になりそうになると吐きそうになる」(2007)等々。。。
どうしたん?と心配になります笑
今回の新作はすべて「UNTITLED」。
元々作品にタイトルを付けるのが嫌だったそうですが、学生の頃担当の先生に付けなさいと言われて半分無理矢理付けてたそうです。その嫌さがタイトルにそのまま反映されてるのかな?笑
それでも、これらのタイトルは松田くんの作品をうまく言い表しているように見える。
圧倒的な拒否感を作品たちが放っているから。
すべての作品が鑑賞者に対して背中を向いているように見えた。
それは、アバカノヴィッチの彫刻を見たときの感触に近い。
視線を投げかけても横滑りしていく感覚。
それでもその背中は何かを今にも物語そうな予感に満ちている。
見れば見るほど眼が離せなくなってしまう不思議な魅力に溢れていました。
特に地下へ降りる階段の踊り場にある作品が僕の中では白眉。
ポートフォリオを見ただけなのではっきりと断言はできませんが、今回の新作群で顕著なのが、画面の中に間が出来たことがすごく大きな効果を発揮しているように思えます。
何も描かれていないその間にほとばしる絵の具のシミ。
それらと、臓物のような塊とで構成される画面が素晴らしかったです。
個人的にはドローイングにあまり魅力は感じられなかったけど、油彩はとても良かった。
とても不思議な作家さんです。

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

「TRANS COMPLEX - 情報技術時代の絵画」@京都芸術センター

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すごく久々に展覧会記事を書く気がする…。
ということで、京都芸術センターの展覧会に行ってきました。
これは今年から始まった、キュレーションを競うコンペ「展覧会ドラフト」で選出された、彦坂敏昭と村山悟郎の二人展です。
審査員は平芳幸治さんと長谷川祐子さん。
公開プレゼンなんかもあったりして、かなり本格的な審査でした。
この二人はそれぞれshiseido art eggの第1回、第4回で展示した若手作家。僕と同い年。
ちょうど今第5回に選ばれ展示してる今村君も来週からうちのstudio90で展示スタート。
来週は京都で資生堂祭です!(ぉ

さて、展示内容ですが、この難解なタイトルやコンセプトとは裏腹に至ってシンプル。
どちらも空間の余白を活かした展示となっております。
とくに北の村山くんの展示は素晴らしかった!
本当に美しい展示で、資生堂の時より断然よかったです。
入って左右の壁に大きな麻を編んだ「絵画」。
奥の壁にドローイング。手前には何もなし。潔くていいです。
左右の麻の作品は、一方が天井を這い、他方が床を這う様が有機体のよう。
また、南の彦坂君の展示は、大胆にもギャラリーの右半分のみに展示していました。
最初入った時の正面に少し低めの位置でかかる、真っ赤な作品がとても印象的。
ただ、右の壁の作品は正直要ったのかな?
もちろん作品のバラエティとして必要だったのかもしれませんが、どうせだったら、手前の壁にかかってた赤い作品をそこに配して、もうそれだけでもよかった気がする。
あと、なんといっても残念だったのは、床!汚すぎる…。
内海さんが以前展示の為にすごい時間かけて床を磨いたという話してたけど、それは必要だったと思う。
すごくもったいなかった…。
そういうところって、やっぱ作品に大きく影響するんですよね。
特に今回のように低い位置で見せてるから余計。

今回の二人の作品に共通するのは、ある一定のルールで作品が生成されてるというところでしょう。
ただ、そのルールをどこまで鑑賞者に共有してほしいのかが、全く分かりませんでした。
故に、作品との距離の測り方がとても微妙。
テキストもありましたが、それらがどう意味するのかよくわからなかったし。
そして、キュレーションとして、本当にこれが最良だったのか。
正直ただの二人展に見えてしまいました。
もちろんそれでいいとは思うけれど、今回のように、キュレーションのコンペで勝ち抜いた二人だっただけに、そこが見えづらいのは辛かった。
公開プレゼンの公表で長谷川さんもおっしゃってたそうだが、やはりここでやる意味も見えづらかった。
場所を無視する(宙吊り)にするならするで、それなりのやり方がもっとあったのでは?
審査員のお二人がこの展示を実際に見てどう感じたかを知りたいです。

でもまあ、本当に展示は美しく、作品も強度があるので見ごたえは十分です。
「展覧会ドラフト」ではなく、普通の二人展として提示されてたらもっとすんなり見えてたと思います。
今月27日まで。東京の巡回もあるみたいです。こちら
この展覧会の往復書簡ブログもあります。こちら

<関連記事>
村山悟郎 shiseido art egg vol.4@SHISEIDO GALLERY
彦坂敏昭展@大原美術館
MOTアニュアル2008

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

牡丹靖佳「馬鹿レチェと恐れミエドの会話」@ARTCOURT Gallery

牡丹靖佳さんの展覧会に行って来ました。
「馬鹿レチェと恐れミエドの会話」
相変わらずわけのわからないタイトルです笑
これはもう一人寄神くりさんとの二人展とも言える内容で、2人の寓話的で装飾的な作品がとてもマッチしていて、ほとんど違和を感じさせない空間が成立していました。
まず中庭に、寄神さんの植木鉢の作品と牡丹さんの家の作品。
最初どっちも寄神さんの作品と思ったぐらい全然違和感がない。
入ってすぐの大きな部屋にあった、ネットを編んだ作品も牡丹さんの作品かと思った。
この親和性はこの展覧会の肝になってると思います。
そして、相変わらず牡丹さんの作品がすばらしい。
あの情報量に対して、こちらがほとんど取捨選択不可能なあの感じはなんなんでしょうか。
こうかな?と思ったら次の視線の先ですでにそのテーゼは裏切られる。
その感覚が、大作でも小作でも同じテンションで展開できてるのがやはりすごい。
多くの作家が、大作はいいけど小作はね(またはその逆)、ってのが多いけど牡丹さんは違う。
いつまで見てても飽きないのでどれも欲しくなります。
ってか小作も結構いいお値段しててびっくりしました。
そりゃそれなりのキャリア積んでるから仕方ないか・・・。欲しいなぁ。
寄神さんの作品は初めて見ましたが、クラフトとファインアートの際を歩んでいる感じ。
だから、たまにどっちかに傾くと非常に危ういバランスだと思いました。
中庭前のカーペットの作品なんかは、クラフトに寄り過ぎてて純粋に見れませんでした。
逆に布にプリントした箱や、前述のネットの作品なんかはすごくよかった。
ポートフォリオなんか見ててもおもしろい作品が多かったです。
ってか、2006年のフロンティアに出てたんですね。気付かなかった…。
んー、やっぱ9日のオープニングトーク聞きたかったなぁ。来月5日まで。こちら
関連記事>>牡丹靖佳「do do」@MA2 Gallery


山岡敏明「GUTIC STUDY @ Gallery PARC」 @ Gallery PARC
昨年studio90でも展示していただいた山岡さんの展覧会。
ついにあのグチックが京都の街中へ!
階段登って左手正面に現れる漆黒。
巨大なボリュームなのか空虚なブラックホールなのか。
照明の当たり方が絶妙で、漆黒というしかないグチックガ現れています。
奥にはそのグチックの全貌が映しだされた映像。
夜になったら外からも見れるそうですが、光が入る昼間の映像のゆらぎもよかったです。
グチックを観客が描くコーナーもあって、それを山岡さんが後日書き加えるそうです。
僕も参加しましたが、何かおもしろい形で発表して欲しいです。
展示は今日まで!
<関連記事>
山岡敏明「GUTIC STUDY」@studio90♯1
丹波国分寺跡アートスケープ@京都府亀岡市内数カ所
山岡敏明 @ Gallery H.O.T


ところで昨日からネット上のアートフェアVIPが開催されてますね。こちら
トップの映像が普通のCMみたいでウケます笑
オークションのようなセカンダリーではなく、こうしたプライマリーがネットで展開するのは、もはや時間の問題でしたが、ついに始まりましたね。
場所もいちいち借りなくていいし、ギャラリーも作品の運搬費が節約できる。
参加ギャラリーも錚々たる顔ぶれで、NYのJames Cohan主導の元、GagosianからHauser&Wirth、Sadie Coles HQ、Lisson、Marian Goodman, Gallery Hyundai、日本からは小柳、SCAI、オータファインアーツ、ミズマが参加してます。(小山さんはないんですね)
登録すれば誰でも無料で閲覧可能で、購入希望者は1日目、2日目で100ドル支払う必要があるとか。
購入希望者は、ギャラリストと直接会話できるという、もうすごい時代です。
でも時差とかどうするんやろ。まさかギャラリースタッフ徹夜で応対?まさかね。
ちなみに閲覧希望だけの場合は、値段は明かされてません。
びっくりしたのが、小柳から、石上純也のあの「しかくいふうせん」がエントリーしてたこと!
あんなんどうやって買うんやろ…どこに展示するの?すごい世界です。
ティノ・セーガルは相変わらずノーイメージ。何をもって買う基準になるのか笑
ページも見やすくてさらっと見る分には楽しいです。
アートフェア自体はもうそこまで魅力ないけど、こういう動きは興味深いですね。
そのうちアプリとか出て、いつでも作品買えるようになりそう。

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「山荘美学 ~日高理恵子とさわひらき~」展@大山崎山荘美術館

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新年初展覧会です。
昨年末から始まったさわひらきさんと日高理恵子さんの展覧会。
さわさんは旧館、日高さんは新館をそれぞれ使用。
ほとんど旧作ですが、さわさんの作品が一気に8本も!
これはさわひらきファンにとっては必見の展覧会ですね。
特に入って右の山本記念展示室の空間づくりはすごくよかった。
映像なので、できるだけ暗くしなくちゃいけないんだけど、右の窓がオレンジですごく綺麗。
そんな中真ん中に大きな「trail」(2004)がプロジェクションされてる。
部屋の中をラクダや象のうすい影が動きまわってる作品。
今回の出品作の中でこれが一番好き。音楽も相変わらずいい。
その部屋では他にもヘイワードのワークショップで子供たちと一緒に作った空飛ぶ乗り物を使った「in here」(2004)と、ヤギの群れが部屋中を移動してる「eight minutes」(2005)が展示されてます。
「eight minutes」は確かにこんな部屋は悪夢だなぁ笑
隣の池前展示室では、この美術館のコレクションの陶磁器に混じって、小さな映像「record」(2010)が展示されてた。これが唯一最新作だけど、あまりよくわからなかった。
その横のソファに座りながら見れる「murmuring」(2006)はその鑑賞方法ともによかった。
描かれた馬のドローイングが部屋の中を動きまわります。
もうひとつ「spotter」(2003)はどこかで観たことがある。
部屋の中を飛行機が飛んでて、それを観ている人たち。飛行機も嫌だが人がもっといや笑
2階では喫茶室に展示があります。オーダーしなくても鑑賞可能みたい。
引き出しの中にあったのは「elsewhere」(2003)は最悪に気持ち悪かった笑
留守中に色んな物に足がはえて、動きまわってるアニメーション。怖すぎ!
「airliner」(2003)は思わず笑った。
パラパラ紙を捲る映像で、パラパラ漫画のようにその紙の上を飛行機が飛んでる。
明らかにパラパラ漫画じゃないのがおかしい。
さわさんはこんな感じ。相変わらず好きです。
一方日高さんは何回か観たことあるけど、全く変わらず枯れた枝葉を描きつづける。
しかし彼女が描いているのはその枝葉ではなく、それを透かした虚空。
モネともう少しうまく絡められたような気もする。
展覧会としてはそこまででしたが、単純にひとつひとつの作品がおもしろいです。3月13日まで。
この次は手塚愛子さん!どうなるか楽しみです。こちらは3月17日から。
大山崎山荘美術館>>http://www.asahibeer-oyamazaki.com/

おまけ。
日高さん的な写真。2010年12月31日雪の京都。
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テーマ : アート・デザイン
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1日だけの展覧会『ハガキ』展 @ 信濃橋画廊

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信濃橋画廊の最後の展覧会に行ってきました。
やはり関西に活動している作家の端くれとしてこれは見とかなあかんかな、と思って。
1965年の開廊以来45年。
その別れを惜しむ人々で会場はごった返してました。
この展覧会は彫刻家の福岡道雄さんを初めとする有志の作家たちが、方々に往復はがきを送り、思い思いの表現をして送り返してもらうというもので、340人分ものはがきが展示されてました。
中には具体の元永定正や森村泰昌、椿昇、榎忠、植松奎二、河口龍夫等々錚々たるメンツ。
おもしろいのは、美術家だけじゃなくて、コレクターの田中恒子さんやジャーナリストの小吹さん、太田垣さん、森口まどかさんなんかもはがきを寄せていました。
どれもがオーナーの山口勝子さんへの感謝と労いで満ち溢れていました。
それだけ愛された画廊の閉廊。やはり寂しいものがありますね。

今やこうした貸画廊の存在は年々価値が薄くなっていっています。
そもそも貸画廊って回ることほとんどないですよね・・・。
たまに知人が展覧会やってる時に少し顔を出すぐらい。
信濃橋も実際数回行ったことがある程度でしたし。
学生の時は毎週毎週雨の日も風の日も春夏秋冬回ってたんですが。
ここ5年ほどで日本のアートシーンも随分様変わりしたものです。
それまでのアートシーンといえば、やはり貸画廊が中心でした。
今活躍している40代以降の世代はほとんど貸から成り上がってきた人たち。
森村さんもギャラリー白や16からだし、ヤノベさんややなぎみわさんもギャラリー虹から。
この信濃橋画廊からも多くの作家が世界へ羽ばたきました。
奈良美智さんなんかもここでグループ展をしたことがあるそうです。
学生にとって貸画廊で展示を行うことは、評価云々より、その経験がとても重要です。
やはり、展示の現場で学ぶことは大きく、僕も学生時代は何度かお世話になりました。
20歳の時に大阪の画廊でやった初個展は今でも僕のマイルストーンです。
(そしてその画廊も今はありません。寂しい。)
関西は特に料金もそこまで高くないので、学生でもバイト頑張ればなんとかやっていけます。
昔学生の頃、銀座の画廊回ってる時に、オーナーから「よかったら」と言って賃貸規約の紙を渡されて見たら、一週間30万円ってなってて即捨てた記憶があります笑
東京の学生ってどうやって展覧会やってるんやろ・・・。

今回の信濃橋の閉廊はひとつの時代の終焉を物語っていました。
こうした貸画廊の活動を、はいさようならと捨て去るのではなく、日本のアートの歴史の詰まった重要なアーカイブとしての役割を今後は担っていく機関としてあってほしいなと思います。
山口さん、45年間お疲れさまでした。

ついでに12月26日をもって、サントリーミュージアムも閉館しました。
関西のアートシーンは京都以外どんどん寂れてきてますが、なんとか頑張ってほしいです。

テーマ : アート・デザイン
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schtucco x 鈴木理策 @ PANTALOON

12月24日に行われたschtuccoと鈴木理策さんのトークに行ってきました。
クリスマス?何それ?
というかこの日にイベントを打ってくるパンタロンさん素敵すぎます笑

schtuccoはグラフィックのデザインチームです。
聞いたことない方もおられるかもしれませんが、彼らの手がけた仕事を見ればどれも一度は目にしたことがあると思います。アートや建築の本やチラシなどを中心に活動しておられます。
詳しくはschtuccoのウェブサイトで>>http://www.schtucco.com/
この度中心メンバーの秋山伸さんと堤あやこさんが第一子ユニ君の誕生を機に、schtuccoを解散し秋山さんの故郷でもある新潟に帰ることになり、その道すがらを大きく迂回し大阪のパンタロンで最初で最後となる展覧会「お引越しとお葬式」を開催するに至りました。随分と迂回しましたね笑
この展覧会では、彼らの仕事はもちろんのこと、なんとギャラリーに一家3人がこの一ヶ月程実際に生活しておられて、その生活の様まで見せてしまってます。
ギャラリーにテントを張って、ユニ君の紙おむつや洗濯物、病院の診断書等も展示しています。
改めて、彼らの仕事はどれも目を惹くものばかりだし、数年前のものでも、たとえその本や展覧会を実際に観たことがなかったとしても、そのグラフィックだけは覚えてたりします。
膨大に流れてくる情報の中で、記憶に残るデザインというのは単純にすごい。
そしてそれが本当に製品になって存在しているという説得力がありました。
グラフィック門外漢でも十分楽しめる展示でした。

そしてトーク。
展覧会中何度かトークイベントやってますが、自分が今写真作品を作りは始めてることもあって、鈴木さんのが気になったので行ってきました。
鈴木さんとschtuccoの仕事は青木淳さんの青森県立美術館の本がきっかけ。
元々青木さんとschtuccoがこの前の青木さんの作品集の仕事をしていて、その時に鈴木さんのサントヴィクトワール山を撮った写真が素晴らしいという話をしていたそうです。
そして青森県立美術館が出来た時に是非撮って欲しいと依頼したのが鈴木さんだったとのこと。
実際に鈴木さんの撮ったその写真はいわゆる建築写真とは違います。
ピントがぼけていたり、雪をメインで撮っていたり、建築というより空気を撮っている感じ。
改めて見ると素晴らしい写真ですね。
なので、これらの写真は資料としては不向きなんですよね。
それでも青木さんは鈴木さんにどうしても撮ってもらいたかったんだそう。
実際その後もその写真を他で使うことは一切ないようです。すごい。
日本の建築はどうしても寿命が短く、写真の方が遥かに寿命が長い。
本来は逆だと思うんですがね・・・。ヨーロッパとか1000年以上の建物いっぱい残ってるのに。
西沢さんの本にもありましたが、やはり日本は特異な状況ですよね。
鈴木さんがある建築家に聞いたところ、建てる際にその建築の寿命を30年と設定しているんだとか。
30年・・・。あまりに短かすぎる・・・。人の人生より遥かに短いですね。
それでも写真の寿命ってどうなんでしょうか。
写真が登場してまだ200年も経っていません。
そして今になってデジカメというものが登場して、ものとしての写真の寿命は危うくなっています。
実際にカメラ業界は、印画紙を始め、様々な製品から撤退しています。
今アナログカメラを取り巻く状況は非常に厳しいです。
手焼きでやろうにも、まずラボが日本では東京に数件残るのみ。
鈴木さんも昔使っていた印画紙が生産中止になって、もう使えないと言ってました。
そりゃ効率的にも環境的にも手焼きは本当に手がかかります。
それでもどんなにデジカメの解像度が上がろうが、フィルムの解像度には到底かないません。
鈴木さんの作品を見ているとわかりますが、凄まじいディテールなんですよね。
特に滝を写した写真なんかは、水面に映る像がひとつひとつ鮮明なのは驚愕。
また、雪の作品も、あの微妙な階調は、中々プリントでは出ません。
手で焼いて微調整を加えることで、あの白の奥行きが出てるんですよね。
プリントに置いても、印画紙でのプリントと、デジタルデータによるプリントでは性質が違います。
デジタルプリントはあくまで紙にインクが載っているという物理的なもの。
一方印画紙は、化学反応なんです。
暗室の中で現像液に浸した時に徐々に浮かび上がってくる像。
あの感覚はやはりゾクゾクします。
鈴木さんの写真にはアナログの限界に挑戦してるところがあります。
アナログカメラだと単純にフィルムを介するので、コスト的にもリスクを背負っている。
シャッターを押す時はその緊張感も含みながら押すことができる。
でもデジカメだとデータを保留しているという感覚で、そこに写真家の確固たる決意のようなものをどう表現するのかを、これからデジカメで写真を作る人間は考えないといけないと仰ってました。
また、写真を選ぶ際にも、例えば森山大道は、コンタクト(すべてのネガを焼いたプリント)は作らず、暗室の中でネガの状態でパッと選んでいくんだそう。像の焼き上がりの状態がわからないまま選んでるので、そこに恣意的な意味を含ませずに済むという方法論ですね。彼の場合は撮影の時もパッと目に入ったものをどんどん撮っていくので、その方法を暗室の中でも行っているというわけ。
デジカメだとすべてが鮮明なので、やはり選ぶという作業が重要になってきますよね。
またレンズの話もしていて、90年ほど前に作られたドイツのレンズが鈴木さんのお気に入り。
ボケの美しさが他と全く違うんだとか。
実際それで桜のシリーズは撮っているそうです。
今のレンズは、できるだけクリアな像で写せるようになっていて、ボケが美しくないそうです。
ボケはあまり良くないイメージですが、鈴木さんの場合は、そのボケによって観客の視線を写真の上で彷徨わせることができる最高の機能とのこと。
失われていく技術。この先どうなっていくんでしょうか・・・。

他にも鈴木さんの写真論の話をたくさん聞けました。
意外だったのは、鈴木さんは写真を動画のワンカットのように撮っていること。
僕は彼の写真は圧倒的なストップモーションで見せてるんだと思ってたんですが、動きが重要なんだそうです。
確かに鈴木さんの写真は、同じような写真でも少し場所がずれていたりします。
この身体の移動によるロードムービーのような位置づけみたいです。
映画がすごく好きみたいで、特に成瀬巳喜男が好きと言ってました。
また、できるだけ写真の前では自分を消したいという話もしていました。
ただその風景がある、みたいな。撮っていると思われたくないという話。
それって写真だけでなく、すべての表現者が共有できる感覚だと思います。
作りたいんだけど作ったと思われたくないという矛盾。
これって一般的に理解できる感覚なんでしょうか・・・。
鈴木さんのシャッターを押す瞬間の話がおもしろくて、彼は何かを撮るときに周囲の音を聞いているそうです。例えば鳥がさえずった瞬間にシャッターを押すとか、枝がこすれた時に押すとか、できるだけ自分でタイミングを計らないようにしているんだとか。
それで像が特に変わるものでもないし、あくまで精神論だけど、すごくわかるなぁと思いました。
何か自分の外のものでルールを決めたいという欲求。
だからといって、まったくそこに自分を消したら監視カメラでもいいという話になるわけで。
鈴木さんは自分の故郷である熊野を撮っているわけだから、やはりそこには鈴木さんの血と肉があるわけですよね。だからこその魅力ってのもあるのでそのバランスが難しいところ。
実際鈴木さんも、そこに自分がいることが重要とも言ってましたしね。矛盾笑

さて、長くなりましたが、トークの主題は、実は写真集の話。
schtuccoと鈴木さんは写真美で行われた「熊野雪桜」のカタログでコラボレーションしました。
美術館の限られた予算の中からクオリティの高い写真集を如何につくり出すか。
schtuccoとしては、鈴木さんの横の写真をどう配置するかに苦労されたそうで、綴じの部分でイメージが歪まないように開きを如何に良くするかに心血注いだそうです。
何気なく本って見てますが、その何気なく見れるって実はすごいことなんでしょうね。
確かに開きの悪い本はストレスたまりますしね。
ましてやイメージを見せる写真集は余計気を使うべきなんだろうと思います。
そして、鈴木さんの恐るべき写真の濃淡をどうプリントで再現するか。
特に雪の写真の白の階調はちょっと手を抜くと簡単に飛んでしまうほどの微妙さ。
プリントに置いて、薄いグレイほど難しい色はないんだそうです。
それをCMYKで再現するには、それぞれ1%動かすだけで全然違う色になってしまう。
だからといってモノクロで再現すると色の奥行きがなくなってしまう。
かなり微妙な操作がなされていることを知りました。
また、鈴木さんの写真構成にはびっくり。
やはり映画を意識して作っていて、写真のシークエンスがとても重要。
そのシークエンスをいかに見せるかに重点が置かれていて、その為なら、以前の写真を引っ張り出してくることもあったり、びっくりしたのが、写真を上下逆さにしてたりする。
これには度肝抜かれました。。。
鈴木さんは、作品の天地は全然気にならないんだそうです。
逆でも見れるならそれでよしというわけ。
本は空間だという考えで、その配置には相当なこだわりがあるみたい。
やっぱり、写真作品と写真集の関係って微妙で、例えば絵画や彫刻は、もうメディアが違うわけだから、単純にカタログとしての情報であればいいみたいなところがあるけれど、写真はカタログでも写真(イメージ)として提示されるわけだからそこをどう処理するかはかなり難しいと思います。
それでも日本の写真集のレベルは世界でもトップクラスだそう。
海外の写真集はカタログ的な位置づけのところが多いみたい。
だからこそ日本の写真は強いのかもしれませんね。取り巻く環境って大事。
写真集を1ページずつ繰りながらのお話。
なんか改めて写真集というものをじっくり見たくなりました。
こういう切り口のトークって新鮮。とても楽しかったです。
ちなみにこの画集は僕も持ってますが、すばらしい本です。おすすめ。
青木さんのやつも欲しくなってきた・・・。美術館自体は好きじゃないけど汗

 

テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

杉本博司「アートの起源 科学」@MIMOCA

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「時間の終わり」、「歴史の歴史」に続く杉本博司の展覧会プロジェクト第三弾。
「アートの起源」と題し、1年間丸亀現代美術館をジャックし開催される。
第一回のお題は「科学」。
エントランス階段脇に早速「観念の形」の彫刻と「放電場」のインスタレーション。
階段を上がると、アイザック・ニュートンの「光学」の書物が展示されていて、そこに記されているプリズムの仕組みを使ったポラロイドによる新作がずらーっと並べられている。
「偏光色」と名付けられたそれは、それぞれ鮮やかな色彩に満ちている。
いまいちプリズムとカメラの関係が掴めず戸惑ったけど、すごく美しい。
一枚一枚太いアクリルに収められていて、展示台も三角の美しいフォルム。
そもそもこの吹き抜けの展示室を企画展に使っているのを初めて見た。
いつもは猪熊弦一郎の常設展としてある場所なのに、さすが杉本博司。待遇が違う。
3階ではいつもの入り口ではなく、長い廊下からのアプローチ。
これがかなりいい動線を描いていて、さすがだと思った。
奥では「放電場」のスライド映像。これはどうかと思った。
展示室ではシドニー・ビエンナーレで見た雷神像と「放電場」のインスタレーション。
天井まで延びる木製の階段の上に雷神がいて、さらに奥に静電気を写した写真。
いつも開いてる天窓をすべて閉めて、雷神図の所だけを開けている。
個人的にはシドニーの時より全然こっちの方がいい。
奥には「ファラデーケージ」と名付けられた、電気を放電する鳥かごのような作品があった。
凄まじい音と共に紫の電気が放たれる。怖い。
あと、「放電場」を幔幕に染めたやつとかがあって、それは全然よくなかった。
というか、やはりこの作品は写真であることに意義があるんだと思う。
最初の映像とか幔幕とか、全然電気のフラクタルさが表現できてなくてただの模様にしか見えない。
個人的にはこの空気放電による方ではなく水中放電による方を見たかった。
それにしてもやはり杉本博司の展示構成はプロ中のプロ。
谷口吉生の建築をこれでもかと使いこなしている。
次回のテーマは「建築」。どう出てくるかこれも楽しみ。科学は来年2月20日まで。
しっかり年間パス2500円買っちゃいました。これで4回とも行けばかなり安い。
ショップには杉本博司が女島で見せた新境地、ダジャレシリーズの丸亀うちわが販売中。
ひとつ3万は詐欺やろ!!!

<関連記事>
Sydney Biennale 2010
杉本博司「光の自然」@IZU PHOTO MUSEUM
杉本博司「歴史の歴史」@国立国際美術館
杉本博司「歴史の歴史」@金沢21世紀美術館
杉本博司「時間の終わり」@森美術館


テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

イサム・ノグチ庭園美術館

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前から気になってたイサム・ノグチ庭園美術館に行ってきました。
この美術館は、なんと予約制。しかもメールではなく往復はがきでの受付。
さらに火・木・土の10時、13時、15時しか受け付けてません。
そんでもって入場料は2100円!なんて強気なんだ。
そんな逆境(?)にも負けず行ってきました。
場所は高松から琴平電鉄に乗って八栗駅から徒歩20分というこれまたとんでもないとこ。
ここは石の採石場があって、遠くに見える山が削り取られてるのがわかります。
石を使っていたノグチにとって制作にはうってつけの場所だったのでしょうか。

この日は土曜の10時。
こんな条件にも関わらず10人以上の人が集まってた。すごいなぁ。
受付を済ますと、ツアー形式でまずはアトリエへ。
このアトリエがまずすごい。
石垣で囲まれた広場に蔵のような建物が2件。
この囲みのことをノグチは「まる」と呼んでたんだとか。(まんまやん!)
その「まる」の中で数多くの作品を制作。
今公開してるアトリエには完成、未完成も含め100点以上が並んでいる。
奥の蔵は愛媛の酒蔵を移築してきたらしく、中はギャラリーになってる。
やはり0のような形の大作は、外の柳のせせらぐ音とともに静寂に包まれてとてもよかった。
あと石の種類も豊富で、一言で石と言っても色々あるんだなと絵画畑の僕は関心。
特に山形の「どろかぶり」という石はおもしろくて、切る面によって色やテクスチャーが違う。
これを生かした彫刻を何点か作ってました。
ちなみに完成品と未完成品の見分け方はサインのあるなしで決まるそうです。
あと、衝撃なのは、地元の石を使った作品は3点しかなかったこと!!
こんな採掘場に囲まれてるのに!謎です。
それにしても石で制作とか吐きそうになる。
重いし硬いしどうしたらいいのかわからない。
あと、石でやれることってほとんど限られてる気がする。
今石を使って現代性を表現するのってどういう方向性があるんだろうか。
素材ってものすごく難しいです。

続いてノグチの家とノグチの手がけたランドスケープ。
ていうか敷地どんだけ広いねん!
そのランドスケープがありえんくて、小山一個作ってはりました。
あと岩で出来た滝とかね。。。
もうこの辺からちょっと食傷気味。
家も岡山かどっかからこれまた移築してきたんだとか。
しかもここは、春と秋だけ過ごして、夏はイタリア、冬はNYで過ごしてたんだって。
セレブ!!!!
日本人とアメリカ人の間で葛藤したとかそんなこともうどうでもよくなる。
なんか、こんなもの見せつけられると余計遠い人になっちゃいました、ノグチさん。
というか元々そこまで好きじゃないんやけど、ちょっとこの場所見てみたかったんですよね。
まあ、見てみてよかったとは思うけど、、、。うーん。

ノグチ好きにはたまらない場所だと思います。機会があればどうぞ。
イサム・ノグチ庭園美術館website>>http://www.isamunoguchi.or.jp/

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

豊島美術館 by 内藤礼+西沢立衛

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今思い出すだけで胸のざわめきが止まりません。
この豊島美術館は、この世界に存在する唯一無二の体験だと思います。
建築だとかアートだとかそういうことを飛び越えた「体験」。
そう言い表した方が自然だと思います。
風の音、雲の流れ、鳥のさえずり。
世界が一気に流れこんでくるあの感覚。
あの感動は何を書いても書ききれないと思う。
チケット売り場からスタートする長い小道。
瀬戸内海を眺めながらドキドキしながらあの建物に向かう。
入り口で靴を脱いで飛び込んできたあの感覚。
床からは水が溢れ、それが様々な形になって流れていく。まるで生き物のように。
それをただただ眺める。追いかける。ため息が出る。
何を言えばいいのかわからない。
ただ体験してほしい。そしてこの体験が日本でできることが嬉しい。
また行きたいです。
年内は芸術祭のパスで入れます。
感想にもなってなくてすいません。言葉にならないです。

あと豊島では前回見れなかった森万里子を鑑賞。
池に佇むトムナフーリ。
岩のイミテーション感がいややったけど、美しかったです。
ニュートリノの発生と共に発光する様が見たい。
夜になればもっと見やすくなるんやろうけど、今のところ16時まで。
ナイトツアーも今後検討中だとか。
でもあの険しい道を夜登るのは危険かも。。。
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それとこれまた前回食べれなかった島キッチンの島ランチ。美味!
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他に塩田さんの作品を再見。
今後も恒久作品として見せるかは検討中だとか。
恒久になれば塩田さんとしてはもう一度作り直したいらしい。
ここの受付は寒そう。。。
あとここへ行くシャトルバスが午前中しかないのは厳しい。
歩こうか迷ってたらバスの運転手さんが特別に連れてってくれた!
帰りは歩いたけど、家浦港まで30分ぐらいでした。

他に残ってる作品はボルタンスキーやカーディフなどがあります。
オラファーも恒久になると聞いてたけど残ってる作品群には入ってなかった。
詳しくはこちらでご確認ください。
島に行く前のフェリー乗り場でおばあちゃんに話しかけられた。
なんでも豊島は芸術祭中で直島より多くの人が訪れたんだって。
その顔が嬉しそうで、こっちまで嬉しくなった。
そしてまた来てくれてありがとうと言われた。
こちらこそ部外者を受け入れてくれてありがとうございます。
あの笑顔を見てたら、やっぱり芸術祭は続けて欲しいと思う。
もちろん問題はいっぱいあるんだろうけど。
これからあれらの島々がどうなっていくのか、楽しみです。
また絶対行くぞー!!!

<関連記事>
瀬戸内国際芸術祭2010 3日目(高松・豊島)
直島 再々訪
内藤礼「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」@神奈川近美鎌倉
内藤礼「母型」@ 発電所美術館
十和田市現代美術館
森山邸 by 西沢立衛

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テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

assistant「すなわち、言いかえれば」@radlab.

金曜から始まったradの新しい展覧会に行ってきました。
その3日前までフランス人のneloboの展覧会をやってたのに、精力的すぎます。
assistantは松山慈さんと有山宙さんが学生時代に組んだユニット。
事務所に松山さんがいらっしゃったので少しお話しましたが、松山さんはロンドンのバートレットで修士を取得し、2005年に帰ってきたのだそう。
そんな2人のこれまでを振り返る、言わば回顧展。
ただし、普通に過去のプロジェクトを展示するような単純なものではありません。
会場の壁にははがきサイズの紙がいくつもかかっていて、ひとつひとつに言葉が書かれています。
その中から自分の好きな言葉を選ぶことができます。
選んだ紙を「司書」に渡すと、司書はバックヤードからそれに対応する作品を持ってきてくれます。
この壁を「開架」とし、バックヤードを「閉架」とする記憶の図書館。
作品はドキュメントから本、模型、DVDまで様々。
言葉はその作品の断片というわけ。
一人3枚まで閲覧可能です。
壁にいくつもの紙がかけられているのも美しくて、言葉を選ぶのも新鮮。
さらに貸し出しも行っていて300円を払えば封筒と切手を渡してもらえます。
直接持っていけば300円は返ってくるそう。
貸し出し期間は一週間で、その言葉と自分に当てはまるものを一緒に入れて返すシステム。
まるで歌の返歌のような趣。
展覧会を持って帰れるというのはとても素敵です。
僕も一枚レンタルしました。何を返そうかな。
ちなみに出てくるプロジェクトもおもしろいものばかり。
何が出るかは開けてのお楽しみ。
何回か行って閲覧するのもありです。
radらしいとても気持ちのいい展覧会でした。

rep.06|assistant / すなわち、言いかえれば
期間:2010.12.10 - 2011.1.16
時間:木曜日 - 日曜日 13:00 - 20:00
※2010.12.26 - 2011.1.5は休みです
主催:rep- radlab. exhibition project
会場:radlab. (京都市中京区恵比須町531-13-3F)
アクセス:京都市バス停「河原町三条」徒歩5分、京阪電鉄「三条」駅徒歩10 分



他に行った展覧会。行った順。

ヤマガミユキヒロ「Sampling Your Memory」@Gallery PARC
洋画の先輩。
三条に出来た新しいギャラリーでの展覧会。
一階がオシャレカフェなので、ものすごく入りづらかった笑
この春東京のneutronで見せた銀座の風景の絵に映像を投射した作品が見れた。
投射されてる時とされてない時のズレの気持ち悪さがよかった。
新作の都市の光の写真作品なども展示されてます。12月26日まで。
この次の展示はなんと山岡さんらしい!これも観に行かねば。

杉山卓郎「PLUS "MASS"」@YOD Gallery
まるでコンピューター上で編集したような絵画。
作品はとても美しく、それはそれでいいのだが、少し意固地になってる気がした。

田口行弘「ABOUT」@PINEBROOKLYN
あるYoginiの日常で紹介されたので行ってみたが仰る通りすごかった。
ビルまるまる一個使っての過去5年間の展示。
というかこんな場所があるなんて完全に知らなかった・・・。
そもそもはレンタルスペースらしいけど、元々は多分家。
玄関とか普通にあったし。すごい広いおうちですが。
田口さん自身の作品は初見でしたが、こういうものと映像の作家が多すぎて、もはや誰が誰かわからない。田中功起以降、泉太郎、島袋道浩、あと誰かおったけど忘れた。。。ちょっと混乱気味。
田口さんの作品は、泉さんのようなアナログ感がなくて少し物足りなかった。
映像のリミックスといった感じ。
個人的には、入り口の砂浜の作品が好きやった。離れた場所に立つ2人の間を行ったり来たりして伝言を伝える田口さん。こういうバカなの好きです笑
あと会場内で映像同士の音が干渉しあう様がおもしろかったな。
会場には田口さん本人がいらっしゃったけど、イマイチ話しかけられませんでした。
展示は昨日まででした。昨日はクロージングパーティがあったそう。
屋上は芝生になっててパーティにはもってこいな感じでした。すごい場所だ。
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伊東宣明「回想の遺体」@立体ギャラリー射手座
死をテーマに扱う伊東さんの展示。
この一年半葬儀屋で働きながら、出会ってきた死体の記憶を語るサウンドインスタレーション。
会場にはいくつものスピーカーが床に散らばってて、そこから声が流れる。
直前にターナー賞でスーザン・フィリップスの作品を見ていたからか、なんだか、もっと要素削ってもよかったのにな、と思った。スピーカーが視覚的すぎる気がした。
あと、イマイチ彼が何故そこまで死に興味を抱くのかが理解できなかった。12月12日まで。

川北ゆう・山元彩香「絵の彼方」@ギャラリーフロール
同級生。精華大での展示。
川北はINAXの作品を壁掛けにして展示していた。
やはり床置の時に比べると、スケールが失われていた感があった。
壁掛けは「流れてる」という印象だが、床置は「溢れてる」という印象。
アクリルの作品はとてもおもしろかった。写真のような像。とても不思議。
山元はエストニアで撮った写真作品。
彼女の作品に映るポートレートの人々は、どれも不思議な表情をしている。
笑うでもなく、悲しそうでもない。
言葉も通じない中でよくこれだけ撮ったものだと思う。
そのディスコミュニケーションという形のコミュニケーションが写真に焼き付いている。
今回の展覧会の目玉は多分2人のコラボレーションとも言える展示。
山元の写真に対して川北が作品を作り、さらに山元が作品を写真に撮る。
2つの個性が切磋琢磨し合う血の通った展示が成立していた。
山元が川北の作品に宛てたテキストがものすごくよかった。
これも昨日で終わってしまった。

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

物気色@虎白院

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大舩真言さんが出品しているグループ展を観に鞍馬口にある虎白院へ。
年始に京都大学で行われた「物からモノへ」展の発展形。
京都大学の「モノ学」という研究の研究発表展でもあります。
「モノ学」とは何かについてはこちらを参照ください。

さて、この展覧会。
正直大舩さんの作品以外はちゃんと見れませんでした。
時間がなかったとかじゃなくて、単純に場所がすごすぎたからです。
この虎白院という建物。
築120年の旧邸で今も普通に生活が営まれている豪邸。
かつては朝鮮通信使や日本南画院の本部を務め、今は京都家庭女学院が入ってます。
今回の一般公開はなんと30年ぶりということらしい。
近所の人もこんなとこあるの知らなかったとかで来てらっしゃいました。
中でも凄まじいのが中庭。
最初見たとき目を疑うような光景でした。
だって、そこには竹が何十本も植えられていて、中庭っていうか竹林?
ちょっと日本庭園にはないダイナミズムでした。
燈籠もそれに合わせてか超巨大サイズ。
そんな中庭に圧倒されつつ大舩さんの作品が展示されてる講堂へ。

以下ネタバレです。

まずヘッドフォンを着けるような指示があって装着。
それは知覚研究者の渡邊淳司氏によるサウンド。
これと合わせて鑑賞するとのこと。
中は暗く、照明は作品に当てられたスポットのみ。
作品は床置の2点。
2点といっても2つで1つとなるような画面構成で、全体的に灰がかったような、なんとも言えない色の作品で、蒸気が空に舞い上がっているようなイメージとでも言えばいいのか、大舩作品独特のただならぬ雰囲気が立ち込めていて、その色が床の石の色にとてもよく合っていた。
当初は床に赤いカーペットが敷かれていたらしいが、今回の為に剥がしたらしい。
さらに目が慣れてくるとまわりの空間にも目が行く。
気がつくと部屋の壁一面に大きな南画が何枚か掛けられている。
風景画や天馬を描いたものまでどれも巨大な絵画。
それらが闇の中からぽうっと浮かび上がってくる。
この虎白院初代主人の南画家河野秋邨の作品だろうか。
それらの絵がまさに借景となって、この大舩作品を取り囲む。
作品に合わせて数あるこの家の南画コレクションから選んで取り替えてもらったらしい。
ちなみに普段この講堂は実際これらのコレクションを見せる展示室でもあるらしい。
見られるのはこの家に招かれた京都に棲む上流階級の人々のみ。
絵画を借景にして絵画を見る。とても贅沢な空間。
さらに天井に大きな鬼の面が飾られている。
まさにその鬼に見下ろされるようにして大舩さんの作品があるのだけど、物凄く神聖。
その鬼と作品を挟んで対峙して向いの椅子に座る。
冬の始まりのピリっとした冷たい空気に包まれながら見つめる。
大舩さんの作品は絶対冬が合う。そして冬の黄昏時の光の変化は彼の作品を劇的に変えていく。
画面は変化していないのに、刻々と変わっていく画面。
何時間だって眺めていられる。
今回も素晴らしい展示でした。

その日は竹を借景にした能舞があったのだけど、物凄く変わってました。
アコギの歌に合わせて舞うんです。。。
だんだん仕手の舞がキャラクターっぽく見えてきて笑えてきた。
でもお上品な奥様方は真剣に見てらっしゃったので笑えなかった。んーーー。

この展覧会は明日の日曜まで。
大舩さんの作品はもちろんですが、この建物を見れる貴重な機会です。
将来的に南画の美術館にしようという計画もあるそうですが、なんしかそれも相当先だと思うので、是非お見逃しなく!
http://www.monokeiro.jp/

終わってから大舩さんと近くにある安喜さんのアトリエにお邪魔しに行く。
大学の時洋画の非常勤されてて、僕は実際授業受けてないんだけど、色んな縁でお世話になってます。
鞍馬口美術界隈で観に行って以来で、大舩さんの驚異の記憶力がなかったら辿りつけなかった。
行ったら大船さんのアシスタントのTさんがなにやら安喜さんのHPで悪戦苦闘中。
見守りつつお喋りしつつ、しばらくして4人でお好み焼きつつきつつ楽しい時間を過ごしました。

<関連記事>
大舩真言「WAVE」@neutron tokyo
大舩真言「Principle」 @ neutron
大舩真言「Prism」@ neutron tokyo
大舩真言「彼方の風」@天籟宮

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

國府理「Parabolic Garden」@ARTCOURT Gallery

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國府理さんの個展に行ってきました。
出品作は4点の彫刻とドローイング数点。
彫刻と言ってもとにかく規模がでかい。
最初の廊下には机の上に広がる自然を見せた「よまいの庭」。
奥の部屋には直径4mの円に広がるこれまた大地、「砂漠の庭」
円には砂が敷かれていて真ん中に少しだけ植物が生えている。
これ、毎時00分になると上から30秒だけ雨が降ってくるというしかけ。
着いたら48分ぐらいだったので待ってみる。
雨は思いの外しょぼかったです笑
で、廊下には今回のタイトルにもなってる「Parabolic Garden」。
そして奥には今回最大の作品「Typical biosphere」が。
これが本当にでかくて、高さが5m以上もある。
彫刻というか、部屋といってもいいと思う。
中にはこれまた木などが植わっていて、まさに庭。
そしてこれまた毎時30分になると中で霧が発生するらしい。
仕方が無いのでこれもまた待ってみる。
こちらは3分ほど霧が発生して、幻想的な風景を観ることができる。
あとドローイング。このまま絵本にできそうなぐらいのお伽の世界。
とまあ、こんな感じなんですが、とにかく規模がでかいのがまず驚き。
これだけのもの普段どこに置いとけばいいんやろ、なんて思ってしまいます。。。
雨を降らすとか霧を発生させるとか、もう考えただけでも欝になりそうな仕掛け。
凄まじいエネルギーを持って実現してはんねんな、と感心しました。
それもこれも造形大のウルトラファクトリーの力なんでしょうか。
が、正直そこまでして実現したいものって何なんやろ?と疑問に思いました。
今回の作品群にはどれも植物が使われています。
持ち運び可能な自然ということ?
昔の人が風景をそのままお庭に持ち込んだみたいな発想なんでしょうか。
でも、それってやはり自然の模倣でしかなく、今回の作品を見てる限りどう見ても不自然。
わざわざギャラリーや美術館で鑑賞するほどのものなのか疑問でした。
むしろ、國府さんがこれまで取り組んでた車のパーツと自然の組み合わせの方がより自然。
人工物と自然が融け合う風景というのは、得も言えぬ感動があります。犬島の精錬所みたいに。
今回のは、わざわざその自然のためにしつらえて作ってあるので不自然さが際立ってました。
残念ながら個人的にはあまり好ましくは思えなかったです。12月4日まで。こちら


石内都「ひろしまsix」@The Third Gallery Aya
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関西では5年ぶりとなる個展。
近年取り組んでいる「ひろしま」シリーズの最新作を中心にした展覧会。
sixと題されてるのは、この「ひろしま」展が6回目だということ。
6回の中で最も小さな会場となるわけですが、個人的にはこれぐらいの規模の方がこの作品の凄みというのを体感できる適した距離感なのではと思いました。
実際この作品は既に何度か拝見していますが、ギャラリーに入った時の衝撃はこれまでで一番でした。
壁にランダムに掛けられた被爆者たちの遺品の写真たち。
あれから65年を経た今でも私たちに伝える情報量は計り知れません。
こうして写真になって切り取られることでよりそのものたちと対峙することができる。
この写真たちに取り囲まれる感覚というのは得も言われぬものがあります。
悲しみでもなく怒りでもない。複雑な感情が呼び覚まされました。
改めてこの作品の強度を思い知ることができた展覧会。12月18日まで。
ところでこのギャラリー以前の西天満から移転してきて初めて訪問。
SAIギャラリーと同じビルだったなんて。
いつのまにかこのビルはアートビルになってて、一階以外全部アート系。
SAIギャラリーではドイツを中心に活動されてる倉知久美子さんの個展が開催されてました。
最近の日本では中々見られないミニマルな黒と白のコンポジション。渋い。
外の窓にも作品があって、借景を用いた作品。
SAIさんの観客へのホスピタリティがいつも細やかで毎回好印象。作品もいつもいい。
こういうギャラリーが大阪にまだあるのは救いです。
関連記事>>石内都「ひろしま Strings of Time」@広島市現代美術館


宮島達男「Time Train」@Six
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ギャルソン心斎橋店にあるギャラリーSix。
草間彌生に始まり何度か展覧会を開催しています。公式HPぐらい作ったらええのに。そういや同じモード系でギャラリーを持つエルメスも公式HPがない。そんなもんなんかな?
内容はおなじみデジタルカウンターを乗せた列車が会場内をぐるぐる回るというもの。
もう観た瞬間に何を指してるのかわかってしまって、さらにタイトル。
「Time Train to Holocaust」 「Time Train to Auschwitz」
もうはっきり言ってしまうと、あかんやろ、これ。
タイトル見た時点で吐きそうになりました。書いてる今も吐きそうです。
ここまで歴史を軽んじた表現を僕は美術とは言いたくない。
無残に死んでいったユダヤの人たちに顔向けができません。
こんなものが評価されるなんてどうかしてる。
特にその前に石内さんの作品みてるだけに、見ていて本当に腹が立ちました。
感想書くのもどうしようかと思いましたが、思い切って不快感を表明。
なんだか泣きそうな気分です。はぁ。。。


「呼吸する視点」@かわらミュージアム
近江八幡で開催中の伊庭靖子さんとその教え子さんたちの展覧会。
搬出がてらに観に行ってきました。
このかわらミュージアムは、近江瓦という瓦で有名なこの街ならではのミュージアム。
近江瓦はもちろん世界の瓦なんかも展示されてて中々楽しめます。
中にはこれ瓦なん?ってのもある。浦島太郎瓦とか・・・。
それはさておき展覧会です。
出品作家は伊庭さんを初め、瓜生祐子さん、森岡りえ子さん、平田麻子さん。
瓜生さんは、田中と一緒にアートコートフロンティアに出品してたこともあって縁があり、僕も芸術センターでお世話になりました。同い年ですが。
彼女の作品は、一見メルヘンな風景を描いた空想のような世界ですが、実際は食べ物をモチーフとしており、独特の視点で不思議な画面を形成しています。
確かによくみると、クリームやさくらんぼなどがなんとなくわかりますが、見れば見るほど画面の中に埋没してしまう魅力があります。
個人的にはもう少し大きな画面で見てみたいですね。
小さな画面にたくさんの情報を入れるのが味噌なんかもしれないけど、一部分を取り出してもそれだけで立派な抽象画みたいになって面白いと思う。実際チラシに作品の一部だけが抜粋されてて、それがちゃんと作品として成立してるように思えたので。
森岡さんの絵は子供(少年)を描いたほのぼのした絵に見えますが、同時に何か怖いものも感じました。
パンフレットを読むと制作の出発地点に「喪失感」や「孤独感」があったと書かれていました。なるほど。
平田さんの絵は正直わかりませんでした。というか好みではなかったというのが本音。
絵画というのは、個人のフェティッシュが如実に現れるメディアだと思います。僕も絵画畑出身なので、絵画を観る時はやはり自分のフェティッシュでしか観れません。それはモチーフというよりマチエル。絵の具と筆(ナイフ)の接触が如実に見える絵画が得意じゃないので、平田さんの作品はまさにそれでした。
そしてやはり伊庭さんはすごい。
女性の胸元を描いた作品があって、こういう展開にきたか!と驚いてたら、制作年が1996年とあってびっくり。こんなのを描いてたんだ!
相変わらずものすごいテクニックですが、まったく嫌味がないのがすごい。
横には近年のクッションの作品が置かれていて、よく見ると仕上げのクオリティが確実に上がっていて、さらに進化している様子がわかります。MA2の展示も観てみたいな。
成安造形大学は、関西の美大の中でも滋賀県という場所柄中々スポットが当たりにくいですが、僕はギャラリー等で初見の作品でいいなと思える作家は成安出身の方が多いです。中心から離れている分、余計な情報に惑わされず自身の作品と向き合えているのでしょうか。
先生たちも伊庭さんのような作家がいらっしゃって、とても真摯な学校という印象。
中々接点ないですが、密かに注目してます。
瓜生さん、是非飲みましょう!とここで言ってみる。
この展覧会は11月29日まで。BIWAKO開催中にアナウンスできたらよかったのですが、僕自身やってたの知ったの最近だったもんで・・・すいません。
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伊庭靖子展「まばゆさの在処」@神奈川県立近代美術館
伊庭靖子 SENSE OF TOUCH @ eN arts

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

Stelarc×contact Gonzo「BODY OVERDIRVE」@京都芸術センター

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若手とベテラン作家が共に展覧会を作り上げる新incubation展。
昨年の碓井ゆいx高柳恵里に続く第二弾。
今回はパフォーミングユニットContact GonzoとイギリスのStelarc。
Contact Gonzoは今年の六本木クロッシングで観たけど、その時はなんのこっちゃわからなかった。
Gonzoはユニット名というより行為やその方法論の名称らしい。
現在メンバーは四人。
彼らの目的は「接触」。
体と体が激しくぶつかり合うことで何かを確かめ合うようなまさにContactを主題としている。
彼らのそのGonzoはYouTubeなどで見ることができます。
今回の展示に関してですが、ギャラリー北を初め、センター内に計6点展示。
パフォーマンスを展覧会するというのは、中々難しいものがありますが、今回の展示は、彼らにとって褒め言葉になるかわからないけど、とても「的を得た」展示でした。個人的に大満足。
まず入り口には「投石機」と名付けられた彫刻、というか装置が。
実際使用されるのだろうか。展示物然となってるのがちょっと物足りない感じ。
その横は、実際どこかでGonzoをやってる映像。
一見殴りあいのようだけど、よく見ると明らかに違う動きが含まれている。
そして何度かダンスに見えてしまう瞬間が訪れる。
階段の踊り場では、この芸術センターの周りの塀を伝って歩きまわる彼らの映像があって、壁には実際の地図が張られている。地図にはその経路が示されている。
地面に降りてはいけないというルールの中、外壁や門を伝いながら移動する彼ら。
Gonzoを語りうる最も適した言葉は「遊び」に近いかもしれないとインタビューに語っているけれど、まさにこれは「遊び」だ。先日の泉太郎に通じるものがあるが、前者はアウトドア、後者はインドアって感じ。彼らはいつも外で遊んでいるイメージ。
センターの運動場でもGonzoしている彼らの映像もある。
こうしてセンターをめいっぱい使いながら彼らは展覧会で遊んでいる。
そうしてさらに廊下に松明(?)を持ちながら川に飛び込むスローの映像があるが、その映像がセンターの外壁いっぱいに投影されていてとても美しい光景が広がっている。これは月火金土の夜間のみらしい。あれ、でも行ったの木曜やったのにな…まあ見れたからいいけど。
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そうしてギャラリー北の展示。
展示室にはスピーカーしかなく、展示はなんと音のみ。
最初なんのこっちゃって感じやったけど、じわじわ彼らのパンチが効いてくる。
つまりこれは想像させるパフォーマンスなんだ!と。
これにはちょっとびっくりでアドレナリンが出まくった。
実際この音はギャラリー北で彼らがGonzoをやったのを録音した音らしいのだけど、具体的に何が行われたのかは提示されていない。
このギャラリーに響き渡る音で想像するのだ。
こういうパフォーマンスがあるのか!楽しい。
んー、実際のパフォーマンスが日曜にやってたらしいのでそれはそれで見たかったなぁ。
21日にパフォーマンスがあるらしいので機会があれば行ってみたい。

Stelarcは一度観たら(悪い意味で)忘れられないパフォーマンスをする人。
皮膚で体を吊っちゃってる人って言ったら分かる人も多いかもしれない。
僕も実際それを観たときのトラウマ級の記憶が展示見ながら蘇ってきた。
何が彼をそこまで突き動かしているのか謎すぎるが、ひたすら身体を拡張している。
今は、腕に第三の耳を培養中。
その手術の映像が展示していて、思い出すだけで恐ろしいです…。
この耳は他者がStelarcの耳が聴いてる音をWifiなどを使って聞くことができるそうな。
こういう最新技術も拡張の為ならなんだって取り込んでしまう凄みがある。
今回セカンドライフの作品があって、彼のアーカイブが見れるようになってる。
操作方法がわからずイマイチ見れなかったが、18日にはそのセカンドライフ上でパフォーマンスがあるんだとか。ちょっと想像がつきません。
世の中にはいろんな人がいるということです笑
インタビューのContact Gonzoへの一言がおもしろかった。
「ベルトよりも上をもっと激しく蹴って、殴った方がいいです。がんばってください。」
ヤレヤレだぜ。11月28日まで。詳細はこちら

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

丹波国分寺跡アートスケープ@京都府亀岡市内数カ所

山岡敏明さんが出品してる「丹波国分寺アートスケープ」に行ってきました!
それにしてもすごい場所でした。。。。

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もうバス降りてフッと笑いが出ましたもん。
でもまあ、こういうのはへっちゃら慣れっ子です。
ちゃんと看板も出てるし何も迷うことなし。
迷うことなく山岡さんの展示会場、国分寺本堂へ。。。。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
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ジャジャーーーーーン!!!!
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す、すごい・・・。
ここまで本当の意味でデカいグチックは初めて。
しかも寺の本堂というすごいロケーション。
いつもは不自然な作品前の線がものすごく自然。
この線のこっちとあっちで俗と聖がくっきり分かれてる感じ。
ここまで場所に合ってるとは驚き。
床からグチックが盛り上がってるというもの。
現場には山岡さんもいらして色々説明していただきました。
うーん、これは観に来た甲斐があった・・・。
真夏にへーこらしながら召喚してらしたみたい。お疲れ様です!

初日の朝一で行ったので、他の森太三さんの作品とかまだ準備中でした。
ランタンを水田に浮かべるというもので、今週の夜間ライトアップで本領発揮のはず。
ここは、世界的に有名なアール・ブリュットの「みずのきアトリエ」がある場所。
今回のイベントはその交流も含めたもので、古い民家にそこの作家さん山崎孝さんの作品が展示されてました。
詳しくはこちらで>>http://6120.teacup.com/nantan_art/bbs

うーーん、本当にすごい場所でした。
個人的にグチックと寺の共演見れただけで満足。
今週金土日で終了です。
ちなみに亀岡駅からだと、2時間に1本しかバスがありません・・・。
あまりおすすめはしませんが、どうしてもお急ぎの方でご覧になりたい足のない方に裏技。
これはチラシに書かれてない方法です。僕はこの方法で行きました。
まずJR千代川駅まで行きます。そこで9時25分発のバスが出てます。
最寄の国分バス停には9時41分に着きます。
会場までは徒歩5分強といったところ。
外から見られる作品が多いので、開場は10時からですが、その前でもいくらかは見れます。
で、10時17分発の千代川駅行きのバスに乗って帰路、という怒涛のコース笑
ただ、これだと亀岡駅周辺に展示されてる山岡さんの映像作品が見れません。
途中下車もありですが、僕はあまりに時間がなく見れませんでした。
YouTubeにアップしてくださってるので、興味のあるかたはそちらで。
GUTIC STUDY photoesquisse kameoka01 02 03 04 05 06
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山岡敏明「GUTIC STUDY」@studio90♯1 ♯2 ♯3 ♯4
山岡敏明 @ Gallery H.O.T
山岡さんは今日から神戸、来週から大阪と立て続けに展覧会を開催。すごいなぁ。


表恒匡・中村裕太「裏山とタイル」@ギャラリー揺
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銀閣寺近くの哲学の道にあるギャラリー。
手前の「みつはし」は知ってましたが、その奥もギャラリーだったとは。
今回は先輩であり、いつも素晴らしい写真を撮ってくださってる表さんの展覧会。
中村さんは同じく精華の陶芸の先輩です。
にしても表さん、SANDWICHや他の撮影の合間に作品作りとはすごい。
今回は、様々なガラスにマウントした裏山の写真。
写真というフラットな画面にテクスチャーを与えている。
ガラスのパターンが写真を歪めていて、窓越しに風景をみているようでした。
なぜ裏山なのか等の説明は欲しかったですね。あれは実家なのかな?
今回はこの二人展としてとてもまとまりがあって良かった。
中村さんはいつものタイルの作品だし、どちらもとてもドメスティックなモチーフ。
そしてどちらも工芸的な要素が入り込んでいて、美術と工芸、聖と俗の関係がおもしろかった。
こちらは今月31日まで。25日(月)は休廊。


FLATLAND ― 絵画の力 ―@ @KUA
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京都市立芸術大学(京芸)のギャラリー。
今回は全員京芸を卒業した平面作家のグループ展
中には精華の先輩の北条貴子さんと前田明子さんが出てました。
今回北条さんの絵を久々に見たけど、ものすごくよかった。
彼女の京芸の博士論文が確かモネの光を主題に書いたものだったように記憶しているのだけれど、ますます「絵画の光」の描き方が鮮明に成っている気がした。
前田さんのは、芸術センターの「now here, nowhere」展で見た女性の後ろ姿。
他にもmuzzeNartsでの個展も記憶に新しいロバート・プラットさんも出てた。
全体的におもしろかったのが、キャンバス上で、ものごとが解体されているという点。
また、色がものすごくたくさん使われているという点。
前述の3人もそうだし、中岡真珠美さんや横内堅太郎さん(この人も京芸だったとは!)なんかもそう。
それぞれがその前で何分でも立ち止まっていられる強度を持っていました。
そんな中で小柳裕さんの絵は異彩を放ってました。
ジュートという麻のような荒いキャンバスに描かれた枯れていく花のタブロー。
完全に具象を貫いていて、この中では逆に目立っていたように思います。すごく不思議な絵。
中々楽しめる展覧会でした。11月7日まで。
今京都では京芸創立130年を記念した行事がいくつか開催されています。
「美術遊歩」というイベントもそのひとつで、京都内の画廊がそれぞれ京芸出身者の展覧会を開催中。
んーーー、京芸強いなー。他大学出身者は正直肩身せまいです。。。

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

梅佳代展「ウメップ」@HEP HALL

まずはこちらを御覧ください。



この凄まじいゆるさのエネルギー!
正直僕はあまり彼女に興味はありませんでした。
作品はいくつか知っていましたが、果たして普通のスナップと何が違うの?っていう。
例えば川内倫子さんの場合なんか、一目見ただけで川内さんの写真だという要素があります。
それはスクエアサイズであったり、あの川内さんが撮ると世界がすべて柔らかくなってしまう感じとか。
でも梅佳代の場合、どれも日常を切り取った、言わば「普通」の写真です。
彼女が如何にして木村伊兵衛賞まで受賞し、世に認められるようになったのか。
しかし、この夏、直島で泊まったドミトリーのレストランになぜか梅佳代の写真集が全部揃っていたので、パラパラめくりつつ、瀬戸内に帰ってきてもなんだか気になってしまいました。
そしてなんとなく「梅佳代」で検索したら出てきたこの動画・・・。
もう完全にノックアウトされました。
そして、なんとなく彼女の写真の魅力もわかるようになりました。
つまり、彼女の写真には彼女が写っているんです。
実際的に写っているのではなく、彼女のこの人柄が彼女の写真すべてにそのまま反映されているのです。
これって中々すごいことで、ただシャッターを切るという機械的な作業の中に心を込めて、それが印画紙に染みこんでしまってるんですね。
そして、タイミングよく、梅田のど真ん中で梅佳代の写真展が開催されたので見に行きました。
会場は結構な人が入っていて、見ると、ほとんどの人がニヤニヤしている。
写真から伝染するこの梅佳代ムード。
会場全体がゆるいです。変なカラオケとか流れてます。
どの写真も彼女のいたずら心や、あのキャラクターが反映されている。
以前田中功起さんのポッドキャストで、キュレーターの保坂さんが出られた時に、保坂さんが、やっぱりなんだかんだで、皆が興味あるのは作品じゃなくて作家本人の方なんだよ、というような話をしていて、まあ、少し言い過ぎにしてもハズれてはないな、と思いました。
彼女のこのゆるさがあってこそのこれらの写真。
子供から大人まで心を許してカメラの前で無防備な姿をさらけ出してしまう。
すごく楽しい展覧会でした。
正直これを見ているとき心穏やかではなかったんですが、それでも少しゆるみました。
なんだか救われた気がしました。
最後の映像は必見。おじいちゃまが梅佳代と思ってとっておいた新聞記事が全くの別人の記事だったことが判明しておい!と突っ込んでるやつとか笑
いやぁ、素晴らしいです。
展覧会は今週金曜15日まで。詳しくはこちら
あー、こないだの「徹子の部屋」見たかったあ!!!

マン・レイ展「知られざる創作の秘密」@国立国際美術館
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逆に眉間にシワを寄せ続けて見た写真家マン・レイの展覧会笑
これだけ一気に彼の作品を見れる機会って中々ないので、すごく期待していた。
マン・レイがやったことって、デュシャンに匹敵するぐらいすごい足跡を美術史上に残してるはずなんだけど、あまりはっきり見えてこない。
どうしてもデュシャンが前に出てきて、マン・レイが影になってしまうんですよね。
人生も似ていて、彼も晩年はチェスに勤しんでいたみたいやし。
そんな影になってる部分が照らされる絶好の機会だったんです。
でもやっぱりむずかしかった・・・orz
どう理解していいのか難解過ぎる。
唯一後半のカラー写真は素晴らしいと思えたけど、他は本当にわからなかった。
珍しく音声ガイドが貸出してたんだけど、借りればよかった。
なんだかすべてが実験状態のまま、結実することなく終わってる感じがした。
これが作品です!といったものが正直ひとつも見当たらなかった。
生涯をかけて実験に明け暮れた人生だったのかな、と勝手に想像しました。
でもこの展覧会のいいのは、ちゃんと彼の人生に沿って展示が進むところ。
NY時代から始まり、パリ時代、LA時代、そして最後のパリ時代。
後半LAに行ってたのは知らなかった。ずっとパリにおったんやと思ってた。
彼の人生を辿るように歩いていけるのはすごいよかった。
途中の実験映画は完全に寝てしまいましたが笑
にしても奥さんもぶっ飛んでる。最後のドキュメンタリーで奥さんが証言してるんだけど、彼女のメガネがありえん・・・。芸術家の妻って感じだ。
この展覧会は11月14日まで。
むずかしいけど、彼の作品をこれだけ一挙に見られるまたとないチャンスです。
そしてなんと文化の日である11月3日は全館無料で見れます。お見逃しなく。

常設では館勝生さんの作品が展示してあって泣けた。
彼の絵はやっぱり素晴らしい。
パッと会場見渡しても彼の絵に視点は止まってしまう。
惜しい人を亡くしました。
隣にあった法貴信也さんの作品もよかった。
舟越桂、棚田康司、シュテファン・ヴァルケンホールが並んでるのはすごかった。

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

「panorama すべてを見ながら、見えていない私たちへ」@京都芸術センター

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今京都芸術センターでは久々に見ごたえのある展示が開催中です。
「panorama すべてを見ながら、見えていない私たちへ」
公募の際担当してくれた清澤さんのキュレーション。
なんといっても出品作家がいい。
内海聖史、押江千衣子、木藤純子、水野勝規
どれも僕好みの作家さんで嬉しい。
内海さんのブログで何度か京都に下見に来られてる様子が書かれていて、どこでやりはんねやろ?と思ってたら京都芸術センターだったとは!
ってか芸術センターはこうしたいい企画たくさんやってるのに広報が下手。
情報をもう少し早く出したほうがいいと思う。
でもまあ、水野さんの話では依頼が来たのが7月とか言ってらしたから、普通の美術館とかと違って、企画の上がりが急なんだろうなぁ。よく言えばフレキシブルということで。
とまあ、前置きはこんなところで内容。

今回は出品作家とゲストの対談が毎週のように行われています。
そのうちなんと3つに参加してきました!
あんま普段トークとか参加しないんだけど、今回はどれも気になりすぎた。
まずは9月19日の内海さんのトーク。
内海さんの展示室はギャラリー北。
入ったら、いきなり色の洪水。そして黒い大きな絵画。
内海さんの魅力がこれでもかと発揮された一室となっています。
静岡やレントゲンで観た「十方視野」ですが、今回の展示が一番よかった!
すべて大きさも太さも違っていて、絵画という平面性から開放された気持よさ。
まさに今回の「panorama」というテーマにぴったりですね。360度絵画に囲まれる幸せ。
展示計画書みたいなのを見せていただいて、相当システマティックに展示されてる様子。
汚かった壁や床も作家自ら磨きまくったそうな笑
その辺の細かい操作等をトークでは色々明かしてくださいました。
対談相手は甲府大学文学部教授の川田都樹子さん。どういうつながり?
内海さんの追求している「絵の具の美しさ」の概念を改めて認識しました。
よく「色の美しさ」とごっちゃにされますが、あくまで「絵の具の美しさ」です。
色の美しさだけなら、新印象派のように点で絵の具を置いていけばいい。
けれど内海さんは平気で混色もするし、画面上で絵の具をこすったりもする。
そういうストロークの美しさもすべて含めて「絵の具の美しさ」に行き着きます。
トークの中で光の話が出てきて、内海さんは決して光を描いているわけではないと仰ってました。
川田さんも絵の具では光を表現できないということを科学的に説明してくれました笑
つまり、光というのは色の三原色を混ぜると白になる。
しかし絵の具で三原色を混ぜると黒になる。
光と絵の具の絶対的な違いは、言うまでもなく物質性です。
絵画というのは、いうなれば絵の具という物質を貼りつけてる作業なんですよね。
そういう根源的な部分を内海さんはキャンバス上で表現しているわけです。
ブログを読んでいてもものすごく絵画について考えてらっしゃいますが、この対談を聞いて、改めて絵画に対する情熱に触れられたように思います。
また、内海さんの特徴は、絵画のインスタレーション性にあるということで、そのことについてもお話してくださいました。
「絵画の評価は2秒で決まる」
この話が滅茶苦茶おもしろかったです。
内海さんはどんなに忙しくても必ず画廊や美術館を回りまくってるアートウォッチャーでもあるのですが、絵画の展覧会とかにいくと、展示室に入って目に飛び込んできた印象でそこから出るか居続けるかが決まると。それが2秒笑
これは同じアートウォッチャーとしてすごくわかります。
もう画家がどれだけ「この角度から見ると素晴らしいんだ」と思っていても、その角度にまで連れてこれなければそこで勝負はおしまい。
だから、展示室に入った時点で勝負は始まっているのだと。
その「誘い」をいかに作るかを操作できるならできるところまでやりたいと。
そのためには作家自ら壁をきれいにするのも床を磨くのも当たり前ということ。
絵画の質を1%上げるのは至難の業だけど、展示の質を1%上げるのは容易。
うーん、勉強になります。おもしろいトークでした。
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内海聖史「ボイジャー」@eN arts
内海聖史「十方視野」@ ラディウム-レントゲンヴェルケ
風景ルルル@静岡県立美術館

続いて水野勝規さん。
この展覧会の導入として、パノラマサイズの映像を玄関で展示しています。
また、談話室や廊下など様々な場所でも展示。
僕は水野さんのお名前は知っていたのですが、作品を観るのは多分初めて。
そのどれもが素晴らしくて、思わずファンになりました。
水野さんの作品の特徴は「絵画的」ということでしょうね。
画面の切り取り方が確実に画家視線。
それもそのはずで、元々大学では洋画専攻。
9月26日に行われた横浜美術館学芸員の松永真太郎さんとのトークの中でもモネを挙げていたり、やはり意識的なよう。
特に以前西山美なコさんが描かれたピンクの壁画の上に投影された「shine」は白眉。
水面をただただ写しただけのスクエアの映像なんだけど、見ているうちに抽象化されていく。
木炭で描かれたアニメーションのようにも見えてきて不思議。
こういう長回しというのも彼の作品の特徴でしょう。
ひたすら長い時間「待つ」というのが、とても印象的。
何をとかじゃなくて、ただただ待つ。
その意識がこちらにも伝わってきて、目を離せなくなってしまう。
特別すごい大事件が起きてるわけでもないのに。
廊下の床にプロジェクションされていた花火の映像も素晴らしかった。
映像って、どうしても暗い場所で見せる必要性ってのが付きまとって、なんか「わざわざ」感が少し抵抗あるんだけど、水野さんのは敢えて明るい場所でも展示していて、時間の移り変わりによって、見え方が違ってくるとかすごくおもしろい映像のあり方をしている。
押し付けがましくないのがとても好印象でした。

そして今回最も異色なのが木藤純子さん。
他の作家さんが「見せる」ことに意識的なのに対して、この人は「見せない」ことに意識的。
一見矛盾しているようなんだけど、すごく綱渡り的な緊張感があってすごく好きな作家さん。
だから、彼女の作品を観る時はいつもドキドキする。
今回も相当動悸が激しくなりました笑
だってどこに作品があるのかわからんねんもん!
最初に行った時点で、あ、絶対これトーク行かなあかんわ、と思いました笑
そして案の定作品を見落としまくってるのが発覚。
なんてアグレッシブな作家だ・・・。
木藤さん自身は初めてお見かけしたのだけど、ここまで作品とシンクロしてる人を初めて見た。
結構作家と作品ってつながらないことが多くて、こういうミニマルな作家に限ってよく喋る人が多かったりするのだけど、この人は言葉を慎重に選んで話すような印象で作品の印象とまるで同じ。
対談はなぜかトラフで、彼女が指名したらしい。そこが意外。
普段デザインの会社に働いてるとかで、トラフは前から気になる存在だったんだとか。
対談は、正直あまりうまくいってないような印象でしたが・・・。
こういうお互いクリエイティブな仕事してる人同士の対談って、どうしてもその人達の作品の紹介を挟まないと話が進められないし、その紹介の程度もどこまでしたらいいか微妙。
今回もトラフの紹介が結構長くなってしまったりして、中々難しかったです。
もう少しつっこんだ話を聞きたかったなー。作家と観客の距離感の測り方とか。
今回の作品は、作家の個人的な芸術センターとのつながりを作品化したような作品なので、どうしても説明がないと、中々難しいように思います。
「ご自由にご鑑賞ください」と言われても、、、ってなると思う。
具体的には、この展覧会に招待された時の会議室の印象を作品化してます。
ここの会議室は、僕も初めて通された時は衝撃で、なんと壁紙がウィリアム・モリス!
しかしここは関係者しか知らない「秘密の部屋」。
日々ここを訪れる人々にとっては関係の無い部屋で、その人達にはこの世に存在していない部屋。
ものが「ある」とか「ない」とかいうのは、その人がそれを認識しているか否かで決まる。
そういうことを作品にしています。
他の作品も「ある」と「ない」の際どい境界線に立った作品ばかり。
その綱渡りを楽しめるかどうかで、木藤さんの評価は大きく変わると思う。
あー、水野さんとの二人展が岐阜県のギャラリーキャプションで開催されるらしい。観たい!
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木藤純子「白と黒」@ART SPACE NIJI

ギャラリー南では押江千衣子さんの展示。
展示は相当贅沢な感じがした。
野山の風景を描いたやさしい絵画。
「panorama」と聞くとやはり山からの風景ですよね。
そういう意味では今回のテーマに最もストレートな作家なのかも。
トークは10月3日(日)の14時から。対談相手は大原美術館学芸課長の柳沢秀行さん。
このトークだけ参加不可です。残念。

他に茶室でも4人の展示があります。こちらも必見。
10月1日(金)17:00~20:00と10月24日(日)10:00~13:00は閲覧不可なので注意。


「panorama - すべてを見ながら、見えていない私たちへ -」
会期:2010年9月18日(土)-10月24日(日)
10:00-20:00 会期中無休・入場無料
会場:ギャラリー北・南、和室「明倫」、談話室ほか館内各所

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

水田寛展 「ふるさと」@ARTCOURT GALLERY

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ほんまは別の記事とまとめて書く予定やったんやけど、実際見てみて相当衝撃だったので報告。
水田寛君の個展です。
水田くんの絵は、オープンスタジオや今年のMotアニュアルやきょう・せい展等で見かける機会はあったのだけど、こうしてまとめて観るのは初めて。
何気に同じ予備校だったらしい。あまりかぶってないのでどんな顔かも知らない。
それはさておき、今回何が衝撃だったっかって、彼の絵に囲まれた時の得も言われぬ恐怖感とでも表現しようか。
作品を見ながら、目の前のイメージが勝手に崩壊していく感覚。
手にしたと思ったら一瞬で砂のごとく指の間からすり抜けていく感覚。
彼の絵は恐ろしいほど掴めない。
確かにそれは「ベランダ」であり、「自転車置き場」であり「カフェ」である。
それらは、今回の展覧会タイトルにもなっている彼の「ふるさと」の風景。
「ふるさと」と聞くと「兎追ひしかの山 小鮒釣りしかの川」なんて、のどかな風景を思い浮かべる人もいるだろうが、彼の「ふるさと」は千里ニュータウンという大阪の新興住宅街。
僕も小さい頃からマンションに住んでいたこともあって、彼の絵にある種のノスタルジーを感じる。
子供の頃のテリトリーはマンションだった。
マンションの中庭でセミを捕り、石ころを集め、マンションの公園で遊び、家に帰る。
世界はマンションの敷地内で満ち足りていた。
その原風景をひたすら彼は描き続けている。
ちゃんとモチーフはあるし、実際何が描かれているのかぐらい認識することができる。
ただ、その認識が、気を緩めた隙に崩れていて、また意識を集中させなければならない。
それをひたすら繰り返して、すべての作品を観終えた時にはヘトヘトになってしまった。
出品数は決して多くないのに、美術館クラスの展覧会を見たあとのような疲労感。
もちろんそれは、見ごたえがあったという確かな悦びに満ちた疲労感である。
あれだけイメージに翻弄されたのは、ちょっとこれまで経験がない。
また、どこまで意識的かはわからないが、展示のリズムが少しズレていたように思う。
あるべきところになくて、思わぬところにある。
壁の中央から少しずれた位置にかかっている。
そんな変則的なリズムもこの展覧会の特徴と言っていいかもしれない。
おかげで、度々不安になったし、いつもの鑑賞リズムが崩れてしまった。
軽い気持ちで言ったら中々翻弄される、見ごたえのある展覧会でした。10月23日まで。
http://www.artcourtgallery.com/images/exhibition/2010/exhibition_2010_0923_Mizuta.html


井上唯「ここではないどこかへと」@ギャラリーギャラリー
以前studio90の小生の展覧会に来てくださった縁でDMを送ってくださった。
彼女は僕の一年前の「公募京都芸術センター」で発表した織の作家さん。
こないだ芸術センターに行ったら、ちょうど制作中の井上さんにお会いすることができた。
芸術センターのスタジオを借りて凄まじくでかい織り機で一所懸命に織っていた。
その作品が今回の展覧会に出品された作品。
少し上から眺めた家々を描いた織物が、ギャラリーの窓から入る光を優しく透過させている。
帰りの電車から見る名もない風景のようで、とてもノスタルジックな風景。
これは、以前に制作したものを、さらに手を加えてインスタレーションしたものらしい。
このギャラリーの明るさととても調和していて、空間としてとてもいい仕上がりだった。
というか、このギャラリー相当久々に来たけど、改めて見るといいギャラリー。
テキスタイル系の作家がほとんどだけど、以前は宮永愛子さんもここでデビュー展をやってた。
古いレトロなビルの中にあるギャラリーで、ギャラリーとしてはめずらしく窓がある。
もうひとつ片岡絵里さんと水島史さんの展示がやってて、こちらも本に繊維を吹きつけたような、不思議なオブジェでよかった。
また、ガラスケースに所狭しと作家の作品を並べてるギャラリーまでできてて、こちらも中々見ごたえがあった。
井上さんの展覧会は10月9日まで。それにしてもHPひどいな・・・。


あと精華の先輩の展覧会2本。
中比良真子「Stars on the ground」@neutron
訳すと「地上の星」!つ~ばぁめよ~、は置いときましょう。
今回初披露となる夜景の作品。多分京都のポツポツと光る素朴な夜景。
中比良さんらしい絵だな、と思う反面、どんどん普通の絵になってるな、という印象も持ちました。
学生の頃、廊下に中比良さんの絵があるだけで、思わず見とれていた頃を思い出すと、今の絵にそこまでのパワーが宿ってない気がするのは、自分が変わったのか、中比良さんが変わったのか。
外に水彩で描かれたこれまでの絵が飾られていたけど、そちらは驚くほど魅力が半減していた。
アクリルのような質感で描かれる中比良さんの油彩画だけれど、実際アクリルで描くとそうなるのが不思議。

花岡伸宏「ピンセットの刺さった円柱の飯は木彫りの台を貫通する」@ギャラリー恵風
中比良さんの中島みゆきに対し、花岡さんはさだまさしでした(ぉ
や、こっちは実際さだまさしの歌を背景に彼自身の思い出の写真を流す映像があったんです。
その編集の仕方が妙、というかまあ全体的に妙すぎるんですが。。。
タイトルにもなってるぶっとんだ彫刻は相変わらずなんですが、今回その映像とドローイング(?)も出てました。
それらがもう彫刻以上にぶっとんでて言葉にならない。
ネットから集めてきたサンプルイメージをPC上でコラージュしているんだけど、聞いたらこれは今回の為にやってるんじゃなくて、昔から彫刻のドローイングとしてやってたことらしい。
これがどうその彫刻に結びつくのかが理解できませんでしたが本人がそういうのだからそうなのでしょう。
改めて恐ろしい作家だと思いました・・・。
あと油彩画もあった。こちらも理解を超えてた。うーん。

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

なかもと真生「境界線/不在」@西院久田町貸家


友人作家のなかもと君の展示を観に行ってきた。
彼は、ふたつの顔を持つ男だ。
普段は「中本真生」としてウェブの製作会社に務めており、&ARTの発起人を務め、様々な人にインタビューをとったりして、物腰も柔らかく、理知的で、まさに「できる男」という印象を受ける。そして実際そうだと思う。
しかし、作家「なかもと真生」になった途端に、そのスマートさはどこへやら、制作の為なら生活もかなぐり捨てる無茶ぶりを発揮する。(多分本人はそれを無茶だなんてこれっぽっちも思ってないと思う)
そんな無茶ぶりを最大限に発揮するのが、この家を使ったインスタレーションのシリーズである。
2007年の1月に始まり、今回で5回目となる。
自分の家であることをいいことに、やりたい放題やっちゃう。
時には展示で空間が全部埋まってしまい、寝る場所すら確保できなくなったり、お金がかかり過ぎて電気を止められたりしたこともあるらしい。(ちゃんと働いてるのに!)
また、オープンの時間も17時から朝の7時とか、徹夜でお客さんを待って、そのまま会社に出勤したりしたこともあったとかなんとか。
今はこの貸家には住んでおらず、アトリエとしてこの1年使っていたのだけれど、ついに引き払うことになり、最後の展示をするということになった。
前からこの家の無茶な展示を観てみたいと思ってたので、最後と聞き何がなんでも行かなくては!と思っていた。
DMも200枚程度しか配られておらず、本当に知る人ぞ知る展示。
今日はたまたま偶然出会った友人作家のI君と、友人ライターのH君の3人で烏丸からとぼとぼ歩いて行ってみることにした。
DMに書かれている「展示には底が厚く、露出の少ない靴でお越し下さい。露出の多い靴や、不安定な靴で来られた場合、一部ご鑑賞いただけない場合があります。」という注意書きがすごく気になったので、ちゃんとした靴で臨む。
地図通りに来たら、本当に普通の住宅が並ぶ中、1つだけ明らかに様子がおかしいのがある。特に看板等は出てないが、窓が割れとるではないかッ!!!!
割れた窓の隙間から作家のなかもと君登場。やっぱり。
中に入ると、もう窓という窓が全部割られている・・・そんな無茶な!!
割られた破片の一部残る窓は、何か事件の跡の雰囲気が漂っており、犯罪の匂いがぷんぷん漂ってしまっている。通報されないことを祈る。
一階ではそれらのガラスがある矩形を描いて床に敷かれている。
これは玄関に立った時に奥の窓から入る光の形に置かれているらしい。
普段何気なく入ってくる光にちゃんと形を与えたような作品。
2階に行くとさらにガラスのラディカルさは上がり、もう床全体に敷き詰められてしまっている。前述の靴の注意はこのことだったのか!
ジャリジャリガラスを踏む感覚は決して気持ちいいとは言えないが、得も言えぬ感覚が押し寄せてくる。おそろしや。
そして窓を塞いだ間伐材の間から漏れる光が床のガラスに反射して、水面のような美しさを讃えている。とても暗いのでまるで鍾乳洞の中のよう。しかし周りを見渡せば普通の民家っていうそのギャップがまたたまらなくおもしろい。
なかもと君は、ホワイトキューブのような「非日常空間」に「非日常な出来事」を持ち込むことに魅力を感じてなくて、あくまで「日常空間における非日常」を起こしたいと語っていた。
今回の作品はまさにその感覚が突き抜けていて、とても気持ちがよかった。
そして、先ほどから「作品」という言葉を使っているが、今回の展示に至っては、「作品」とおぼしきものはないに等しい。あったガラスを割って、それを配置しているだけなのだから、外からもってきたものは、2階の窓を塞いでいた間伐材ぐらいなもん。しいて言えば、この状況こそが作品で、後々こうして目撃した人間が語り継いでいくことが作品になっていくのかもしれない。
それにしても外から見ると本当に恐い。
特に割れた窓ごしになかもと君が暗闇の中にいるのはマジでホラー笑
展示は26日までで、13時から19時まで。18時を過ぎるとどんどん暗くなって、最終的には2階の展示で暗闇の中でガラスを踏まなざるをえなくなる。とても恐ろしいけれど、それはそれで興味がある。
他にも誰に見せるわけでもなく、ゲリラ的に行う「フィールドワーク」というシリーズの作品があったり、来年早々愛知のギャラリーで発表があったり、とてもおもしろい作家。これからも楽しませてください。
なかもと真生website>>http://www.nakamotomasaki.jp/


「軽い人たち」@ART SPACE ZERO ONE
こちらも作家の家を使った展示。
作家さんは高須健市さんで、大阪は中津にある。こちらは予約制。
前から気になってて、ついにアポとって行ってきた。
こちらはなかにし邸と違って、思い切り看板もあり、なんと壁に写植まで!
高須さんが出て来て、中に入るとがっつりホワイトキューブが!!
元々大家さんが中を改装して人に貸したかったらしくて、高須さんが、じゃあホワイトキューブ作ってほしいとリクエストしたら、普通に業者やとって、ライトレールまでつけて、さらに天井もとっぱらっちゃってくれたらしい。だから高須さんの出費はゼロ。なんて理解のある、ってかありあまる大家さん!うちらなんて自分らの手でホームメイドやのに泣
中ではwks.でも開催中の「軽い人たち」展がやってて、wks.がA面ならこっちはB面といった感じで普段出さないような作品を出しているみたい。
高須さんのパイの実の箱の中からパイの実食ってる音が流れる作品がとても好きで、対で貝から波音が聞こえるというとてもロマンチックな作品を展示してるだけによけいゆるさが際立ってた笑
高須さんともかなり長い時間喋ってて、とても楽しい時間を過ごせた。
高須さんは元々愛知の人で、名古屋造形大時代から渡辺英司さんの元でゲリラ的に展示小屋を作ったりしていて、自分たちで発表の場を作るのは全然不自然なことではなかったらしい。(そもそも愛知はオルタナティブスペースが昔からたくさんあったんだって。知らなかった)
卒業しても名古屋で何人かとスペース借りて、「アートフェチ」という名前で一ヶ月おきに展覧会を続け、ついにはビル丸ごと1個借りちゃってたみたいなんだけど、さすがに行き詰まって解散しちゃったらしい。
高須さんはその時から既に関西に移り住んでいて、尼崎の方でこのZERO ONEを開設していて、気ままに展示をしたり、友人作家に貸したりしてて、去年の暮れに中津に移ってまたZERO ONEを始めたんだとか。
それにしても、本当人との巡り合わせがいい人だなと思った。
こんなホワイトキューブ作ってくれる大家さんがどこにいましょう?
こういう引きの強さって絶対作家にとって必要だと思う。
自分も相当引きが強いと自負しているけれど未来やいかに。
滅茶苦茶おもろい空間で、家なのでとてもリラックスできちゃうし、やってることも、僕らの90と共感できることが多くてまた行きたい。
こうして、各々がやってることが、結びついて、もっと点が線になっていけば絶対おもしろくなるはず。関西のポテンシャル高いっす。
是非皆さんも来場2日前までにアポとって行きましょう。
「軽い人たち」展は25日まで。
ちなみにこのZERO ONEには超テンションの高いわんこダダちゃんがいます。犬アレルギーがある人はご注意を。めっちゃかわいかった!

瀬戸内国際芸術祭2010 4日目(犬島)










瀬戸内最終回ッ!
最後は犬島です。大島はワークショップ中心なのでパス。
この犬島、アクセスが非常に悪いです。
豊島(または直島)から行くか、岡山の宝伝港から行くかしかありません。
豊島からは1日3本の船しかない。
しかもこの島の美術館は16時半に閉まるのに対して、最後の便は15時50分着で、どう考えてもすべて回るのは不可能。
つまりちゃんと回るためにはその前の実質2本しかないのです。
僕らは高松から豊島に渡り、12時50分に到着しました。
着いたら今度は帰りの船を待つ人々でいっぱい!全員乗れるんかな・・・。
ここにいる人たちだけで既に島人口57人は超えてると思う・・・。凄い。
インフォメーションでチケット引き換えて、いぬじまごはん!
ここでも島民のおばあちゃんが働いてた。ええなぁ。
腹ごしらえも済ませていざ出陣です。

精錬所 by 三分一博志・柳幸典



















1909年に操業からたった10年で閉鎖してしまった銅の精錬所。
当時は3000人も住む島だったそうですが、今では57人しかいません。
そんな精錬所が2008年に美術館に生まれ変わりました。
閉鎖後一世紀弱を経たこの建物の跡地も見れるんですが、マジですごいです。
まるでラピュタ。自然と建築が一体になっている。。。素晴らしい。
これは是非見てもらいたいです。本当にすごい。滅茶苦茶感動しました。
こんな場所で舞台とか見れたらいいでしょうね。
維新派はどこでやったんでしょうか?見てみたかったなぁ。
さて、肝心の美術館ですが、個人的には不満だらけです。
三分一さんのリノベーションは、冷暖房を使わず、煙突効果を利用して風を建物内部に送り込み、夏は涼しく冬は地熱効果によって暖かい空間を実現させ、照明も外の光を鏡で反射させることで太陽光だけで成立させた究極エコ建築と言っていいでしょう。
このプログラム自体はおもしろい試みだと思うし、評価されてもいいとは思うけれど、美術館というプログラムに対して全く合ってないんじゃないかと思いました。
まずその煙突効果による風の音が凄まじ過ぎるのと、展示室に行くまでの鏡の反射が、あまりにドラマティックすぎて、すでに中の展示を食っちゃってる。
これが三分一さんのインスタレーションと位置づけられるならまだ見れるけれど、これを美術館建築としてやっちゃってるのはまずいと思う。
美術館は、中の展示物を引き立ててなんぼです。そこには静的なプログラムが必要だし、これだけ動的なプログラムを仕掛けられると中の展示はたまったもんじゃない。なんだか領域侵犯みたいな感じで作家側の視点からすれば非常に不愉快でした。
その点安藤さんの地中美術館は素晴らしいと思う。確かにあれもドラマティックではあるのだけれど、とても静謐な「空間」を生み出している。この三分一さんのやってることは空間へのアプローチとは思えない。残念ながら評価はできません。これが美術館じゃなく、たとえば商業施設とかならおもしろかったかも。
そして、肝心の中の展示もなんじゃこりゃって感じでした。
三島由紀夫の自邸の建具とかを使ったインスタレーションでしたが、そもそもこの島と三島由紀夫の接点が見いだせない。
そして、鏡の部屋みたいなところに連れて行かれるんだけど、そこは普通に暑くて話にならない。もう見る気すら失せてました。
そもそもツアー形式なのが気に食わない。自分のペースで見れない美術館なんて何の意味があるんだろうか。こんな受動的な体験はまっぴら。
精錬所跡地の素晴らしさを体感した後だけに、憤りすら覚えました。
せっかくの精錬所が汚されてしまった。
中の展示が替わればいいけど、恒久展示なので、もう2度と行くことはないと思う。
残念極まりなかったです。

家プロジェクト by 妹島和世・長谷川祐子・柳幸典
F邸














S邸














中の谷東屋
















I邸











僕の犬島での目的はこっち!
妹島和世のオンパレードッ!
これから2012年ぐらいを目処に10数個のギャラリーを作っていくという凄まじいプロジェクトで、そのうちの4つが既にお披露目されてました。
どれも素晴らしくて、妹島さんのボキャブラリーの広さに脱帽。
まずはF邸。
リノベーション型のギャラリーで、元ある構造を大分とっちゃってるので、鉄やらで補強しつつ、極めつけは建物の両端につけた空間。
これがギャラリーとなり、免震構造にもなっているという。
木の質感が滅茶苦茶きれいで思わずうっとりしちゃいます。
そしてS邸。
これは本当に素晴らしい建築。
アクリルを膨らませたりへこませたり、妹島さんお得意の形ではあるんだけど、こうすることで建物としての強度が増すんだって。そして、中は実際すごい温度になってるはずだけど、外から見ることを前提として作られていて、観客を締め出すという思い切った選択をとることで実現している美しい建築。
東屋は、本当に涼しくて助かりました笑
柱の太さが気になるけれど、妹島さんらしさに溢れている。
天井の笠に空が反射してとてもきれい。
小さな穴が開いてて、そこから空気が入るんだと思う。
穴が小さいので雨粒は入らず、天井を伝って流れ落ちる仕組み。多分。
I邸は、建物そのものよりやはり庭が素晴らしい。
環境を建築にしている感じ。妹島ボキャブラリーすごすぎ。
にしても、なんでどれも柳幸典の作品なんやろ?
これも恒久?せっかくなんだから色々替えていったらええのに。勿体ない。
どこも道が狭過ぎて、作業車が入れなくて、ほとんど手作業で材を運んだという話を聞きました・・・。夏にやってたら死にますね。
にしても建築やってる人からしたら天国です。
妹島さんの建築がこれだけ一気に見られるなんて凄過ぎます。
世界的に見ても羨ましいでしょう。日本人でよかった。
中には日焼けで真っ赤に焼けただれた外国人もいました。お疲れさまです。
またすべてのギャラリーが出来たら来てみたいです。
関連記事>>妹島和世「最新のアート・プロジェクトについて」@大阪大学中之島センター

そんなこんなでこの犬島を最後に僕の芸術祭ツアーは終了!
宝伝港経由で無事家路に着きました。
どの島も違った魅力があって、本当に楽しかった。
途中熱中症になったりしたけど、それも含めて思い出です。
こうやって思い出も一緒にパッケージングしてしまう芸術祭のあり方は、本当に素晴らしいと思います。アートは体験なんだと改めて身に染みました。
移動は船のみという越後妻有よりも過酷な条件にも関わらず、各島には島民を遥かに超える観客が押し寄せていて、アート好きな人ってこんなにおったん?とびっくりしました。なんでも開催一ヶ月を待たずして10万人以上の来客があったそうです。凄ッ!
これらの島々には、日本の近代化の闇を負わされた島が多くあります。
豊島の産業廃棄物問題然り、犬島の衰退、大島のハンセン病患者の隔離。
それらの歴史も踏まえた上で、この島々に感謝の念も込めて光を当てる。
本当に素晴らしいプロジェクトだと思います。
もちろん、島民以上の人々が訪れるわけですから、問題も多々発生していると思うし、作品の設置に関しても揉めている箇所もあると思います。
すべての人が賛成だとは到底思えません。
だけど、僕はやっぱりこの芸術祭は素晴らしいと思いました。
島民の人が生き生きと働いてる姿を見たり、親切に触れたり、心が洗われる思いでした。
今回ビエンナーレともトリエンナーレとも言ってないので今後の行方が気になります。
是非また開催して、新たな思い出作らせてほしいです。
でもまあ、豊島には西沢さんの美術館見に行くし、何かとお世話になりそう。
芸術祭は関係ないけど、大三島には伊東さんのミュージアムもできるしね。
瀬戸内海は波も穏やかでとても美しい景色。これぞ日本の宝です。
そんな場所で芸術祭が開かれるということ。これは世界に誇れるイベントです。
あーーー、楽しかったなーーー!

最後にアドバイスとしては、時間のない人は大島、男木島、小豆島は切ってもいいかも。あと犬島も建築に興味がない限り芸術祭中にわざわざ行かなくていいかもです。
女木島は福武ハウスがあるし、豊島も会期中しか見れない良作も多いし、直島は芸術祭チケットで見るとお得なのでこの3島は必須かな。


明日(9月5日)の日曜美術館はこの瀬戸内国際芸術祭特集ですよ!要チェック!
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2010/0905/index.html

瀬戸内国際芸術祭2010 3日目(高松・豊島)






午前中は美術館に回しつつ島巡り再開ッ!
「芸術祭フリー乗船2日券」(¥3500)を買いました。
当初は3500円を上回ることはなかったのですが、1日延ばして残る豊島と犬島を別々に回ることにしたので、2日間で5100円もかかることが判明。このパス買った方が断然お得です。皆さん慎重に計算して買いましょう。
高松港では大巻伸嗣の【2】「Limited Air:core」が見られます。
前の晩着いた時も見ましたが、やっぱり青空の下で見た方がキレイ。
オープニングに行われた【90】「Memorial Rebirth 2010 Setouchi」も見たかったな・・・。この作品は横トリ以来見逃し続けてます。
ちなみに高松港には他に椿昇の作品もありますがパスしました。

さて、豊島です。
豊島は芸術祭期間中なんと無料バスが島内を回ってくれてます。
東回りと西回りがあるので駆使して回りましょう。
僕らはまず西回りで唐櫃港へ。

【20】オラファー・エリアソン「ビューティー」
早速オラファーです。
原美でも見た、霧に光が投射されて虹が出る作品。
倉の中では水はけ抜群のアスファルトが床に敷かれてました。
もう少し広い所で見た方がこの作品は映えると思います。
個人的に近くで見るより離れて見た時の方がきれいです。
ぎりぎりまで場所と作品が決定されてなかったことを思うと、オラファーは悩んだ末にイマイチいい案が浮かばなかったと勝手に推測してます。
これは芸術祭が終わっても見られる恒久作品。


【33】クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」
世界中で心臓音を集めているボルタンスキーのプロジェクト。
これはボルタンスキーの死後も続けられる作品で、ボルタンスキーの並々ならぬ意志を感じます。海を臨む抜群のロケーションに建物まで建てちゃってます。
部屋は2つに分かれていて、1つは部屋に鏡が無数に貼られていて、豆電球が鼓動の音とともに点滅している。でもこれラファエル・ロサノ=ヘメルの作品と諸かぶりなんじゃないかと思う。あっちの方がインタラクティブ性があるし、作品の強度としてあっちの方が強いと思う。どちらかというとこういうインスタレーションより、世界中の心臓音をアーカイブしているという事実が重要。それらの音はもうひとつの部屋でパソコン上で場所と人を決めて聞くことができます。今のところ、パリと日本ぐらいでしか集めていないが、既に1万を超えている。
1500円で自分の心臓音をレコーディングしてCDに焼いてくれるということでやってもらいました。越後妻有の時は機械が故障していてできなかったので。うれしい。
もちろんこれも恒久作品。
グランパレの作品もよかったし、来年のヴェニスパリ館も楽しみ。








続いて西回りバスで清水前へ。
【19】青木野枝「空の粒子/唐櫃」
作品自体はいつもの青木さんだが、この芸術祭の中で最も物議を醸している作品のひとつ。なんでもこの作品の立ってる場所が問題のようです。事実はどうかわかりませんが、詳しくはこちらで。


【21】安部良「島キッチン」
地元のおばあちゃんたちも手伝って作ってるカレーはあっさりで美味!
新鮮な野菜の天麩羅も最高です。
これは芸術祭後なくなっちゃうのかな?惜しい。
島キッチンセット食いたかったー!


【23】藤浩志「こんにちは藤八十郎」
展望台からの景色が最高。


【24】J・カーディフ&G・B・ミラー「ストーム・ハウス」
越後妻有の時の方がよかった。島の人が見に来てたのがうれしい。恒久作品。


【26】内藤礼/西沢立衛 豊島美術館
10月17日のオープンまで外観しか見れませんがすでにすごいです。
天井は完全に穴で雨とか全部入ってくる。
内藤さんの作品のイメージ画像わかりにくすぎ笑
また出来たら見に来ます。多分春頃かなぁ。
ロケーションも最高です。
これ見るために【14】森万里子は諦めました。もう既に2回観た作品やし、恒久作品なので、美術館の完成と合わせてまた観ます。














【15】塩田千春「遠い記憶」
あいちでは作品の質の低下に触れましたが、これを見て安心しました。
ってか、ナマ言ってすんませんでした!やっぱ塩田さんすごい。
この芸術祭中僕が最も感動した作品はまちがいなくこれです。
今までの窓の作品と確実に違うのが、窓の出自です。
これまで東ベルリンの窓ばかりを使ってましたが、今回はこの豊島中から窓を集めて作っています。記憶という塩田さんのテーマと、この島の記憶がぴったり合致して、元小学校のこの空間の時空を歪めています。
また、窓のトンネルを抜けた先の緑の借景も美しく、美的にも優れている。
東ベルリンの窓とは違って、色んな種類の窓があるので、前者が冷たい印象だったのが、今回のはとても温かい雰囲気。
光にシフトしていく塩田さんの萌芽を感じる素晴らしい作品でした。
どうやらこれは恒久作品じゃないみたい。んー、残念。


























近くの【18】スー・ペドレーの作品はよくわかりませんでしたが、【17】クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロの「残り物には福がある。」は個人的にツボ。
全く関係ない家の古道具と恐竜の化石が不思議とマッチしてました。
家の周りには発掘したテイの堀跡まであって、とても楽しかったです。
これも恒久ではないので是非芸術祭期間中にご覧になってください。
作家さんのHPを発見。どれもおもしろく、これから注目のコンビです。
Claire Healy & Sean Cordeiro>>http://www.claireandsean.com/







あと港の周りの【11】トビアス・レーベルガーはよくわからず、【12】木下晋の空間は、今度僕が参加するBIWAKOビエンナーレの会場にそっくりだったので、勝手に頭の中でシュミレーションしてました。

そんなこんなで豊島終了!
この芸術祭で回った島々の中でダントツおもしろかったし美しかった。
恒久作品も多いし、福武さん的にはこの島を第二の直島にしようとしてるんかな?
直島ほどソフィスティケートされてない感じがすごいよかったんですが。
あと、青木さんのとこでも挙げましたが、やっぱり問題はありますよね。
島の人々とアートがこれからも共存できる道を探っていって欲しいです。
美術館完成したらまた来ます!
ちなみに豊島は以前不法投棄の問題で汚名を被ってしまった島ですが、その名が示すように、本当に自然豊かな美し過ぎる島です。どうか、またこの豊かな島の復権にアートが貢献できますように。
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