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あいちトリエンナーレ2019 ② 愛知芸術文化センター

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愛知芸術文化センター。
何と言ってもウーゴ・ロンディノーネに救われる。
彼も当初不自由展の中止を受けて展示延期を訴えたけど、説得の末なんとか展示継続してもらって、これがあるのとないのとでは全体の雰囲気が大きく変わるぐらいのインパクト。
今回やはり政治的な作品が大きくフィーチャーされがちだけれど、彼のカラフルなピエロたちが各々寛ぐ空間に入るととってもスカッとするんですよね。
もちろんピエロって時点でいろんな意味を含んでるんだけれど、それも含めて今回のテーマ「情の時代」にぴったり合うし、メインビジュアルになるのもわかる。
彼の作品そこまで好きじゃないんだけど、前の横トリの時もそうだけど、メインビジュアルになりやすいキャッチーな形態を取りながら、人間の深い感情にも潜り込んでくる感じはすごいなぁと。
この作品は写真で観るよりすごかった。観客が各々楽しんでる雰囲気もとても良かった。

他にもアンナ・ヴィットの作り笑いを1時間継続させる映像や、dividual inc.の遺書を書いてもらう作品など、「情の時代」というテーマがすんなり染み込んでくる作品群で物凄くよくできたキュレーションだな、と感心しました。

中でもタニア・ブルゲラ。
今回の騒動を受けて、展示ボイコットを早急に訴えた作家の中でも特に強い印象を持ちました。
その理由はこのインタビューを読むとよくわかります。
彼女の国キューバで行われてる「検閲」がいかに酷いものか。僕も衝撃でした。

タニア・ブルゲラ、小泉明郎「「表現の自由を守る」・その後」

そんな彼女の作品も無事展示再開されて、実際体験することができました。
メンソールが充満した部屋で、強制的に涙を流させるという作品で、本当にすごかった。
まあ、フロア全体にかすかにその匂いが充満してたのはどうかと思ったけど笑
彼女の作品は「視覚」に頼ることなく、嗅覚的刺激のみで物凄く深いところまで到達していて本当にすごい。
それまで彼女のことよく知らなかったけど、昨年のテートモダンのタービンホールをやってたんですね。
どこかドリス・サルセドに通づるものがあるなぁと。
次のヒロシマ賞あたりとって個展が観たいなと思いました。


そして途中退場して不自由展。
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最後の1週間ほど展示が再開され、毎回抽選で入れる人を決めます。
その際身分証明書の提示と同意書に署名が求められる厳重っぷり。
それにしてもすごい人。。。
一応並びましたがちゃんと落選でした笑
ここまできたら観たかったけど仕方ない。
それにしても本当によく再開できたよなぁと改めて関係者たちの努力に頭が下がる。
正直最終日にはほとんどの作品が観られなくなってるんじゃないかと半分諦めてたんですが。
ところで半分閉じられた不自由展の入り口、めちゃ神秘的笑


ここからは観られなかった負け惜しみでもなんでもないんだけど、この「表現の不自由・その後」、僕は最初から懐疑的でした。
この展示は開幕直前まで周知されてなくて、プレオープン時に僕は確かTwitterか何かで知って、とても不穏な空気を感じたのを覚えています。
正直これトリエンナーレに必要?と思いました。
まずそもそもこれキュレーションというべきものが何もない。
そう、展覧会内展覧会にしても展覧会としての質が全くないんです。
ただ「検閲を受けた作品を集めました」というだけ。
これなら博物館の陳列に近い。
そして問題になった少女像。
ここまで日韓関係が冷え切った中で騒動を巻き起こすことは自明だし、作者の意図なんてその前ではなんの力も無くなるんだろうなぁと。
僕は後にも書くけど、津田さんがディレクターに決まった時点でこのトリエンナーレは今までとは違ったものになると確信していたし、開幕前からとても楽しみにしていただけに、あの少女像を見た時点で、あれ、これ自分が見たかったものじゃないな、と思ってしまったのが正直なところです。
そして案の定あの結果。
僕ですら「炎上商法じゃないの?」と思ってしまいました。
僕は嫌韓なんてこれっぽっちもないけれど、あの少女像はとっても不快なんですよね。
あの像に色んなものを押し付けて背負わせてる感じがとても気味が悪い。
これをもって「表現の自由」って言われてもと思ってしまう。
「表現の自由」と聞いて思い出すのが2015年パリで起きたシャルリ・エブド事件。
アッラーを嘲笑うような風刺画を表紙にした雑誌社がイスラム過激派に襲撃され、「表現の自由」を巡り大きなデモになりました。
でも僕はそんなの「表現の自由」ではなくただの暴力だろうと思いました。
誰かが強く信じているものを揶揄するものを「表現」という名前で呼んでほしくない。
それと今回は少し違うけれど、あの少女像はその表象だけで少なくない人たちを不快にさせる力があるんです。
まあ、不快にさせるだけならいいんだけど、今回そのバイアスを払拭できるだけの力が作品にあったのか。
僕は実際観てないのであまり強くは言えないけれど、でもやっぱりなかったよねぇと。
要は作品の質の問題なんです。
その他にも大浦信行氏の「遠近を抱えてPart2」やChim↑Pom「 気合い100連発」等悪い意味で話題になっちゃったけど、特に後者の「 気合い100連発」は本当に好きな作品なので、個人的に大きな「分断」を感じました。
にしても皆ちゃんと観てもないのによくもまああそこまで好き勝手言えるよなぁと半分感心。
「放射能最高!」を「放射能最高!」ととっちゃうなんて馬鹿丸出し。
リテラシーって言葉も知らないんだろうなぁ。。。だからすぐフェイクニュースにも飛びついちゃうんだよね。
あんなに震災に対する悔しさや苛立ち、悲しみや怒りを表した作品を僕は知らない。
彼らはあの震災直後の反応がすごすぎて、その後の作品がパッとしないけれど、それにしてもあれらの作品たちは本当に一級品です。
再来年、彼らの大きな展覧会が森美術館であるけど、どこまで展示されるんだろう。
また「検閲」が行われそうで、僕らはそこをしっかり見届けなくてなりません。

つづく。
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