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チェルフィッチュ「スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド」 @ シアタートラム/地点「だれか、来る」@ アンダースロー



2013年の「地面と床」以来のチェルフィッチュ。
この時の記事にもはっきり書いてるけど、この舞台を観てもうチェルフィッチュを観ることはないだろうなぁと思ってました。
それぐらい僕はチェルフィッチュに拒否反応を示してしまったのです。
しかし、2015年にBSの番組で地点の「三人姉妹」とセットで放映されたチェルフィッチュの新作に衝撃を受けました。
なんじゃこりゃ!!!抱腹絶倒!最高!最高!最高!
前年の拒否反応は何だったのか。一気に吹っ飛びました。
拒否どころか、最高が過ぎてDVDまで買ってしまう始末。
あぁ、生で観たかった!
もうチェルフィッチュは観ないとなってたので、全くチェックしてなかった自分を悔やむばかり。。。
それから5年が経ち、何とあの舞台が帰ってくるとのビッグニュース!
もう観ないわけにはいきません。
というわけで、その舞台、「スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド」。
名前、長過ぎて覚えられませんw
2014年にはなかった「ソリッド」がついてさらに長くなりました。
舞台はコンビニ。
そこで繰り広げられる、本当に何気ない瑣末な出来事。
しかし、ここに日本社会の闇が如実に映し出されているんです。
僕がチェルフィッチュと一度断絶してしまった原因はまさにこの「社会の闇」の切り取り方にあって、「地面と床」もその前年の「わたしたちは無傷な別人である」も、そこを正面突破しようとして何とも説得力のないものになってしまった印象が僕にはあって、むしろ今回のような一見関係ないような出来事から垣間見る闇みたいなものの方が生々しくて痛々しくて、胸にグサグサきちゃうんですよね。
そもそも僕が初めて観たチェルフィッチュが「クーラー」で、クーラーの設定温度をテーマに非常に闇深い世界まで導くあの世界観に感動してしまったのが発端だったので、そういう世界観を観せてくれるものならいくらでも観たい。
今回の「スーパープレミアムソフトWバニラリッチソリッド」はその極地だと思う。
あとこの舞台の素晴らしさって、舞台というメディアでしか表現できないところが大きい。
物語を伝えるだけなら小説や映画の方が圧倒的に強いんですよ。
だからストーリーテリング的な演劇は本当に観ててうんざりするし金と時間返して欲しくなる。
こういう、代替不可能な舞台って本当に気持ちがいいしありがたい。
好きだった商品が廃盤になって新しい商品に取って代わられるっていう、ほとんどの人にあるであろうあの絶望感をここまでの作品に仕立て上げてしまう岡田利規は素晴らしい才能だと思います。
観ながらうんうんとうなづく場面も多々あり、そこに年間で店頭に並べられている70%商品が1年後にはなくなってるだのという恐ろしい情報がポンと入ってきたり、店員の心の闇なんかも入ってきてすごく複雑怪奇な織物を形成していく様は観ていて痛快。
この舞台観た後にコンビニ行くのちょっと緊張しちゃいますw
そして何よりコミカルで笑えちゃうんですよね。
昔地点の三浦さんも舞台見て笑えることって大事って仰ってたけど、この舞台はまさにそう。
皆普通に笑っちゃえるおおらかな空気もあって、しかしそこにはちゃんと闇が渦巻いてるっていう二つの相反する要素が無理なく同居しちゃってるんです。
最後の店長の感情が爆発するシーンなんかは、本当にシリアスで闇深いシーンなんだけど、今までバッハが流れてた中に、Queenの「We Will Rock You」を思わせるあのリズムがかぶさってきて、店長もそれに合わせて「何なんだよ」「ふざけんなよ」「やってらんねーよ」を合わせてくるあたりとかもう笑ってしまう。
そう、そのバッハの48楽章に合わせちゃってるのもかっこいいよなぁと。
そういう骨組みもしっかりしてて、そしてあのチェルフィッチュ独特の動き。
見ていて本当に気持ち悪いんだけど、台詞との噛み合わなさも含めて新鮮。
あぁ、褒めたらキリがないぐらい完璧な舞台。
最初から最後まで2時間弱、最高の時間を過ごせました。嬉しい。
またこういう切り口のやつがあれば是非観てみたいです。
本作はシアタートラムにて2月3日まで上演されてます。是非!こちら


地点「だれか、来る」@ アンダースロー
IMG_4969.jpg

先日の帰郷の時に京都に寄って、地点のアンダースローも久々に。
上京の最大のデメリットはアンダースローに中々行けなくなっちゃったことです。
そこで発表される新作は泣く泣く諦めるしかないな、と覚悟決めての上京で、案の定去年の秋「だれか、来る」という新作が発表されちゃって、涙を飲んで諦めたんだけど、再演!となって、それに合わせて帰郷しちゃえ!となってからのテンションの上がり方といったらもう。はい、地点狂いです。
ということで上京しても地点の作品は見逃しません。
そして、そのタイミングに合わせた甲斐がありすぎた「だれか、来る」。
本当に最高だった。
「地点語」と呼ばれる発語方法が、近年の作品ではほとんど使われなくなって、その代わりにタイトルを全員で言うみたいな傾向があって、僕は正直その傾向あまり好きじゃなかったんですよね。
またあの地点語が聞きたいという願望すらあって、毎回うーんってなってたんですが、今回はまた新しい方法がとられてて、それが素晴らしく斬新というか、さすが地点!ってなった。
その方法っていうのが、一人の役を二人で演じるというやり方。
一人二役ってのはあるけど、二人一役って斬新w
実際の登場人物は3人なんだけど、それを6人でやってます。
そして、セリフを二人で繰り返すんです。
これは地点の新境地を見た気がしました。
その繰り返しが本当に気持ちよくて、繰り返しすぎてほとんどストーリーが進まないという恐ろしい事態が発生するんだけど、前述の通りハナから物語語りは期待してないので、いいぞいいぞ!といった感じ。
結局「だれか」って誰よっていう感じなんですが、もういいよね、そんなことってなる説得力。
いやぁ、本当に新年一発目の舞台鑑賞がこれでいい一年になりそう。
昨年の舞台鑑賞〆も地点だったし、これからもついて行かせていだたきます。
そしてまためちゃくちゃ嬉しいニュースが飛び込んできました。
僕がスイスに行ってて観れなかった「三人姉妹」の再演が決定!!!!!
奇しくも上でも書いた2015年にBSで放映された見逃しちゃった二作品が5年越しに再演だなんて!
これは嬉しすぎる。
これで「かもめ」「桜の園」「ワーニャ伯父さん」と地点のチェーホフ制覇!
さらに「シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!」という新作も発表だとか。
今年も地点から目が離せません。
ちなみに「だれか、来る」は3月にまた再再演だそうです。是非京都へ!
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