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起点としての80年代 @ 静岡市美術館

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関西への帰省途中で静岡に途中下車。新幹線で途中下車は初めてで新鮮でした。
目的は静岡市美術館で開催中の「起点としての80年代」。
金沢、高松と巡回して最後の静岡展です。
県立美術館は行ったことあったんですが市美は初訪問でした。
こんなに駅前にあるなんて。。。丸亀と東京ステーションギャラリーに次ぐ近さでは。
奇しくも今ちょうど80年代美術を再考する展覧会が3つ開催中です。
一つはこの展覧会で、もう一つは後述する国立国際美術館の「ニュー・ウェイブ」展、そして熊本市現代美術館で村上隆がキュレーションしてる「バブルラップ」展。
最後の「バブルラップ」は80年代と銘打ってるわけではないけど、まあバブル期に焦点を当ててるので80年代と言っちゃっても過言ではないでしょう。こちらに詳しいレポートが載ってます。
話は逸れますが、去年あたりから熊本現美が面白いです。
巡回のない独自企画がほとんどで、チェルフィッチュや上海アートシーンなんかは純粋に観たかったなぁと。逆に金沢が巡回展がほとんどでめっきり面白くなくなってしまいました。。。
閑話休題。
80年代って、前衛の70年代とサブカルの90年代に挟まれて、世間はバブルで浮かれて文化はないがしろにされてたイメージがあって、実際70年代90年代と比べると言説も少ないように思えます。
自分は80年代生まれなので、80年代もっと知りたい欲もありつつ、でも実際面白くなさそうってのが現実で、この機会なので観ておこうと思い静岡までやってきた次第。
ちなみにこの展覧会は80年代生まれは割引で観られます!
でまあ、内容なんですが、作品は正直とても面白いものではないんだけど、展示構成があまりに素晴らしくて感動しました。
やっぱ展示構成大事。作品が面白くなくても展示でかなりポイントは持っていけます。
今回の展示は、展示室の特徴もあるんだろうけど、シームレスに繋がってるんですよ。
作家でかっちり区切られてる感じがしなくて、流れるように観ていけるし、その流れがとっても気持ちよかった。
最初の金沢なんかは部屋がくっきり分かれてるからまた同じ展覧会でも大分印象が変わると思う。
作品面白くないってバッサリ斬っちゃってますけど、岡崎乾次郎、諏訪直樹、辰野登恵子、今村源、舟越桂、日比野克彦、川俣正、藤本由紀夫、宮島達男、松井智恵、石原友明、大竹伸朗、森村泰昌。。。と限りなく豪華。まさに80年代ベストアルバム。
でもやっぱり80年代のノリってとっても苦手。
なんだかあまりにも具体的というか、抽象性が薄いというか、まあその反動みたいなものもあるんだろうけど、今見たらダサいものが多かったりして。。。
展示があまりによかったので、カタログも買おうかと思いましたが、作品個別で見るとやっぱり苦手なのでやめました。。。でもとにかく展示を見るだけでも価値があります。3月24日まで。こちら
同時に「Shizubi Project 7 アーカイヴ/1980年代-静岡」というのもやってます。
展覧会に合わせて、80年代に静岡で開催された3つのプロジェクトに焦点を当てていて、小さな部屋の展示ながら、資料もたくさんでとっても見応えがあります。初訪問の美術館でしたが、とてもしっかり企画が組まれていて好感の持てる美術館でした。

対照的なのが国立国際美術館。
会期ギリギリ最終日に滑り込んだ「ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代」展でしたが、まあひどかった。。。
何がひどいって、80年から89年までに発表された作品をただただ発表年順に並べただけという、キュレーションもクソもなく、カタログみたいな展覧会。
「起点としての80年代」の展示があまりに素晴らしかっただけに失笑ものでした。
案の定酷評されてるみたいで、福永信さんの記事が辛辣ですが一番当たってます。
この展示見たら80年代って。。。ってなります。辛たん。
この展覧会は巡回がなかったので、頑張って観に行ったんですが、どうした国立国際!って感じで我が故郷大阪を代表する美術館としてショックの念を禁じえません。。。


ちなみに静岡ですが、もし「起点としての80年代」を観に行かれる予定のある方は是非2月10日以降で。
というのも、その日から静岡県立美術館「1968年」展が巡回してくるからです。
あと、芹沢銈介美術館で開催中の「世界の仮面と衣装」展もおすすめ。
途中登呂遺跡を通りながらのアプローチもなかなか楽しいです。
ランチは静岡駅前の清水港でマグロ丼をぜひ!絶品です!

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