森川穣「color field」@ A'holic pop up cAfe

今週金曜(12/14)から始まるポップアップカフェ企画の展示に私森川穣の新作を発表します。
新作といってもまだ途中経過報告みたいな感じになるのですが。
実作としては、来年3月に山口県宇部市にあるときわ公園内にて発表します。
国内の作品発表は実に5年ぶり。。。しっかり作品作るのもスイス以来。。。
さらにこの作品、自分の作品と言ってもいいのかと言う複雑さもあります。
事の経緯はこの4月に来たメール。
2011年に彫刻展に出品した時の担当学芸員の方からでした。
最初は中学生達とできるワークショップのアイデアがないかとのご相談だったのが、いつの間にか僕の作品として子供達と作れないかということに。
正直これから上京だし、お店を作っていこうというところだったので、スケジュール的にどうかな、という段階だったのですが、「子供達と作品を作る」というのがあまりに魅力的すぎてえい!と思い切って乗っかってみました。
スイスでも子供達と作品を作りましたが、本当に素晴らしい体験だったんです。
お恥ずかしながら、完成した自分の作品を見て泣いたのは初めてでした。
僕の場合、自分の作品だと俯瞰で見ちゃって完成しちゃうと没入できないんですよね。
そこに他人の手、しかも子供達の手が介入することによって他人の作品のように没入できちゃったんです。
この体験もあり、もう一人で作る作品作りというものから興味がなくなってしまってました。
そこに今回のお話。
正直「森川さんの作品を作ってください」というオファーだったらお断りしてました。
そこに「子供達と」というファクターがくっつくことで是非!ということになりました。
しかし蓋を開けてみると、「200人で半年かけて」という壮大なものでした笑
とりあえず6月に現地に行って現場を拝見。7年ぶりの宇部!!
担当学芸員さんとも久々の再会を果たしたり。
中学校も見学に行ったりして、とても新鮮な体験でした。
なんとなくプランは持って行ってたものの、実際現場でやってみると何か違う。。。
とりあえず宿題という形で改めて東京帰ってから練り直し。
スイスでは小学生だったのですが今回は中学生。
結構いろんなことが出来るし、出来るなら彼らの思い出になるようなものを作りたい。
せっかく200人もいるし時間もあるので人海戦術も可能。
あれやこれやと考えた末に出たプランは「落ち葉の花見」でした。
エリアを花見の幕のようなもので囲み、そこに色とりどりの落ち葉を敷き詰める。
発表は3月なので、桜の開花直前。
まだ花もなく、葉も落ちきった枯れ木の下で、上を見上げるのではなく、下を見下ろす「お花見」。
正確には「お葉見」ですが。
目標は1万枚!と掲げて中学生達に枯れ葉に色をつけてもらうことにしました。
そうと決まると、あとは彼らにコンセプトを伝えるためのビデオレター作り。
しかしこのプランで難しいのが、せっかく塗った落ち葉が踏まれるということ。
これには色々考えましたが、やっぱりお客さんに入ってもらうのが重要なんですよね。
囲って外から見るのは絶対違う。
考えた挙句、「混ざる」というのをキーワードに説明することにしました。
中学生の頃の自分を思い出すと、結構人が介入してくるのが嫌だったなぁという思いがあります。
でも、社会に出ると嫌が応にも人と接しないといけない。
とはいえ、大人になる事の最大の利点って、自分が関わりたい人をある程度選べるという事。
子供の時代はそれが選べない。
その出会いの一つ一つが宝になるし、自分だけで自分は形成できないことを知られる。
今回のこの葉っぱ一枚一枚は塗った生徒個人個人の個性だけれど、踏まれることで、他の葉っぱの色と混ざり合うことになって、最後には思いも寄らない彩の風景になると思います。
「個性は自分一人では作れない」ということを伝えることにしました。
まあ、こじつけっちゃこじつけなんですが笑
最近年なのか、下の世代に何を託せるかってことを考えることがあります。まだ青二才で生意気ながら。
とはいえ、もう前のことしか、や、前のことすら見えなくてがむしゃらに走ってきた10代20代と今では全く見えてる景色が違って、見えないのは見えないんだけど少し心に余裕持って走れるようになってきた感もあり、自分が今まで与えられてきたものを恩返ししたいと思えるようになってきました。
そこでのバーであり今回の作品です。美しい。
このプランを考えながら、今の自分は「場所」を作りたいんだなぁというのも思いました。
作品、特に僕はインスタレーションを作ってたので、どうしても「空間」という意識がありました。
空間=spaceというのは、抽象的でハイブリットでそこに人がいなくても成立するもの。
場所=siteは人がいて、歴史が積み重なってレイヤーになっていく血の通ったもの。
僕が今作りたいものは圧倒的に後者です。その為にお店を作るということになりました。
今回の作品もそこに人が入って寛げる「場所」です。
このタイミングでこういう作品作りができるってのは思いも寄らないことでしたが、むしろこのタイミングだからこそなんだろうな、とも思います。
一度やってみたかった、自分の手が全く介入しない作品作りが実現します。
行ったら作品ができてるってなんだかすごい笑
今回お声がけしてくださった学芸員の方々には本当に感謝です。
7年も経って覚えててくれるのも嬉しい。
来月は完成前最後の下見に行ってまいります。またご報告します。
とりあえず経過報告、ぜひポップアップカフェまで観に来てください!
A'holic pop up cAfe
vol.07 「生きる」
12/14,15,16,21,22,23
東京都新宿区新宿5-10-5 プログレス新宿5階
http://aholic.tokyo
13:00-18:00(l.o.17:30)














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