fc2ブログ

A'holic pop up cAfe vol.07 "生きる"

IMG_9510.jpg

ポップアップカフェ企画第七段「bodytAlk」、無事終了しました。
お越しいただきありがとうございました。
今週12月14日(金)からいよいよラストテーマ「生きる」がスタートします。
タイトルは壮大ですが、日常に溢れる「生きる」を取り上げます。
12月14,15,16,21,22,23の6日間のみ!
以下ステートメントです。

愛し、欺き、遊び、与え、歩き、憤り、慈しみ、祈り、飢え、動き、失い、歌い、疑い、敬い、恨み、選び、老い、踊り、驚き、変わり、悲しみ、考え、聞き、悔やみ、比べ、苦しみ、汚れ、壊し、裁き、信じ、進み、染まり、育て、食べ、闘い、黙り、頼り、誓い、作り、伝え、問い、閉ざし、止まり、整え、弔い、泣き、悩み、逃げ、憎み、眠り、願い、残し、望み、働き、恥じ、走り、開き、触れ、欲し、交わり、待ち、学び、守り、満たし、認め、結び、病み、揺れ、許し、喜び、別れ、忘れ、笑って、生きる。

念仏のようで気に入ってます笑

さて、まずは2006年に水戸芸術館で開催された展覧会図録。
出展作品はもちろんですが、途中で挟まれる言葉の数々にすっかりやられました。
特にビル・ヴィオラとマグダレーナ・アバカノヴィッチの展示間にある谷川俊太郎で泣きました。
そしてその先にはここのために作られたんじゃないかと思うぐらい神々しいスー・ドーホーの落下傘。
展示を観て涙が流れたのはこの展覧会が初めてでした。
当時の担当の逢坂さんが横浜美術館の館長になられて、お会いできた時にはこの時の感動を伝えました。
今でも忘れられない展覧会の一つです。

「人間の未来へ-ダークサイドからの逃走」(2006) 展覧会レポートはこちら
IMG_2194.jpg


生きてることそのものが作品になったお二人。

"ON KAWARA -Silence" (2015)
IMG_2177_201812111332046fd.jpg

"BEUYS BOOK" (2012)
IMG_2089.jpg


続いて日常に溢れる生。
川内さんの「CUI CUI」は本当に日常を丹念に写した写真集で、途中でおじいさんが亡くなられるんだけど、残されたおばあさんの凜とした姿が目に焼き付いてます。これもロンドンで見て泣いた。。。
そして長島さんの「not six」は本屋で立ち読みしてドキドキした。恋人から夫、そして父へ。最も近い他人をここまで赤裸々に写し取ったものを初めて見てしまった。ちなみにタイトルの意味は「ろくでなし」。その後離婚されたと知って、真っ赤な他人なのにショックでした。。。

川内倫子「CUI CUI」(2005) 展覧会レポートはこちら
IMG_2152_2018121112490085e.jpg

長島有里枝「not six」(2004) 展覧会レポートはこちら
IMG_2165.jpg


次からは死を扱ったものになります。。。
死と生は薄皮一枚で繋がってます。
死によって逆照射される生はきっと美しいものだと信じたい。

まずは石内さんの「ひろしま」。
カタカナでも漢字でもないところにホッとします。
広島の原爆で焼け残った遺留品を撮影した写真集で、当時のものって継ぎ接ぎで大事に使われてたので、いわば全てがオートクチュール。そこに体がなくても誰のものかが判定できるとのこと。驚くほど綺麗な刺繍や模様があしらわれてたりして、被害者としてではなく、一人の人間像が浮かび上がります。

石内都「ひろしま」(2008) 展覧会レポートはこちら
IMG_2143_20181211125810d86.jpg


「死に至る病」であったAIDSに苦しみながら、生の美しさを体現してくれたアーティスト達の作品集を取り上げます。
まずはロバート・メイプルソープ。
若かりし頃の溌剌とした彼のセルフポートレートが表紙です。
僕はまだ10代だった頃にこの展示を観て衝撃を受けました。
こんなに美しい写真を撮る人がいたんだ!
当時あまり現代作家に詳しくありませんでしたが、現代作家で初めて買ったカタログだった気がします。

「ロバート・メイプルソープ回顧展」(2002)
IMG_1977.jpg

そして90年代以降、最も他のアーティストに影響を与えたであろうフェリックス・ゴンザレス=トレス。
彼もエイズによって亡くなりました。
しかし彼の作品には一切悲壮感がなくて、詩的な美しさに息を飲みます。
同じくエイズで亡くなった彼氏との体重分のキャンディーを敷き詰め、観客がそれを食べる。
作品に触れること自体禁忌だったアート界の中、まさか観客の体内に侵入するなんて!!!
彼らの体重は少しずつ観客の体内に息づくのです。
そして「Perfect Lovers」では、二つの同じ時間をさす時計がただ並んでるだけの作品ですが、これがいつかどちらかの電池の減りが早かったりして時間が合わなくなるかもしれない。タイトルと相反するそのありようを想像するだけでドキドキします。
挙げていけばキリがないほど魅力的な作家。活動歴はなんと10年ほどなんですが大きすぎる足跡を残していきました。日本でもぜひ回顧展やってほしい。

「FELIX GONZALEZ-TORRES」(2006)
IMG_2102.jpg

数年前に自身がHIVの陽性者だと明かしたティルマンス。
今の時代すでにHIVは「死に至る病」ではないんです。
上の二人も少し遅くに生まれてたら。。。とも思いますが、そうなると作品がどうなってたのかと思うと複雑な気持ちです。
この写真集は97年にエイズで亡くなった彼氏の思い出がたくさん詰まってます。
特に最後の方、彼が息をひきとる直前に撮られたという繋いだ手を写した写真は見ていて苦しくなります。
僕は彼の抽象写真が好きなんですが、それも彼の死以降現実を直視できなかったことによるという話を聞いて見方が変わりました。このブログに詳しく書かれています。

Wolfgang Tillmans "Burg" (1998)
IMG_2117.jpg

そして、最後は何と言っても古橋悌二です。彼もエイズにより35歳の若さで亡くなりました。僕の今の年齢と同じです。
彼の残したダムタイプによる「S/N」は今や伝説となっています。
この舞台に登場する言葉にいくつか印象的な言葉があります。
「私はあなたの愛に依存しない。あなたとの愛を発明するのだ。」
「私は夢見る、私の性別が消えることを/私は夢見る、私の国籍が消えることを/私は夢見る、私の血が消えることを/私は夢見る、私の権利が消えることを/私は夢見る、私の価値が消えることを/私は夢見る、私の偏見が消えることを/私は夢見る、私の人種が消えることを/私は夢見る、私の財産が消えることを/私は夢見る、私の様式が消えることを/私は夢見る、私の恐怖が消えることを/私は夢見る、私の義務が消えることを/私は夢見る、私の権威が消えることを/私は夢見る、私の権力が消えることを」

ICCで開催されたダムタイプ展のカタログと共に、2007年に京都で開催された「S/N」を巡るエイズとの関わり方に関しての講演記録も出します。こちらはカフェのお客様にいただいたもので、当時古橋さんの周辺にいた人の証言などは、読んでいて苦しくなりますが、とても感じ入るものがあります。

「ダムタイプ:ヴォヤージュ」(2002)
IMG_2129.jpg

「エイズと「私」をつなぐリアリティ」(2007)
IMG_2138.jpg


最後におまけで「死を想え。」と題した太陽。
内容結構衝撃的なので、こっそり置いときます笑

「太陽1992年9月号」(1992)
IMG_2207_20181211133525a0a.jpg


以上10冊+αです。
作品は後日!

A'holic pop up cAfe
東京都新宿区新宿5-10-5 プログレス新宿5階
http://aholic.tokyo
13:00-18:00(l.o.17:30)
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
07 | 2022/08 | 09
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website

twitter
Instagram
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2022.07.12-10.30
鈴木大拙展 Life=Zen=Art @ ワタリウム美術館

・2022.07.16-09.04
とある美術館の夏休み @千葉市美術館

・2022.07.16-10.16
「ジャン・プルーヴェ」展 @ 東京都現代美術館

・2022.08.10-11.07
李禹煥展 @ 国立新美術館

・2022.07.30-10.10
国際芸術祭「あいち 2022」

・2022.08.27-12.18
第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 2nd SEASON “QUEST” @ SHISEIDO GALLERY

・2022.08.18-26
劇団チョコレートケーキ「追憶のアリラン」@ シアターウエスト

・2022.08.29-09.04
劇団チョコレートケーキ「ガマ」@ シアターイースト

・2022.09.02-04
MUM&GYPSY「cocoon」@ 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

・2022.09.01-11.23
柳宗悦と朝鮮の工芸 陶磁器の美に導かれて @ 日本民藝館

・2022.09.03-10.30
装いの力―異性装の日本史 @ 松濤美術館

・2022.09.30-11.27
岡山芸術交流2022

・2022.10.01-2023.03.05
時を超えるイヴ・クラインの想像力 ―不確かさと非物質的なるもの @ 金沢21世紀美術館

・2022.10.07-11.13
Scape on Wonder 内海聖史 @ Artstay maison FUWARI

・2022.10.07-11.13
はじめての牛腸茂雄。 @ ほぼ日曜日

・2022.10.07-2023.01.22
野口里佳(仮称) @ 東京都写真美術館

・2022.10.08-12.18
川内倫子展 @ 東京オペラシティ アートギャラリー

・2022.10.15-2023.01.29
ゲルハルト・リヒター展 @ 豊田市美術館

・2022.10.22-2023.01.09
すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合 @ 国立国際美術館・大阪中之島美術館

・2022.10.22-2023.01.22
内藤 礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022 @ 神奈川県立近代美術館葉山館

・2022.12.01-2023.03.26
六本木クロッシング2022展 @ 森美術館

・2022.12.17-2023.03.05
交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー @ 東京都庭園美術館

・2022.12-2023.06
クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ @ 東京都現代美術館

・2023.01.13-04.02
生誕100年 柚木沙弥郎展 @ 日本民藝館

・2023.01.18-03.26
泉太郎展 @ 東京オペラシティ アートギャラリー

・2023.01.26-04.09
エゴン・シーレ展(仮称) @ 東京都美術館

・2023.02.25-05.14
戸谷成雄展 @ 埼玉県立近代美術館

・2023.03.20-06.04
ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築 @ 森美術館

・2023.04.27-08.20
マティス展 Henri Matisse: The Path to Color @ 東京都美術館

・2023.12.09-2024.03.10
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館、プロット48

・2021.09.15-12.13
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2022.05
ピナ・バウシュ 「春の祭典」@ Bunkamuraオーチャードホール

QRコード
QR