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内海聖史「あらゆる時間」@ GALLERIE ANDO

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内海聖史さん。ずっと追いかけてる作家さんですが、個展は久々に拝見しました。
そしてその久々の鑑賞はすごい体験だった。。。
なんせ、作品が見えないんだもの!
内海さん、何度かこのギャラリーで展示されてますが、毎度度肝抜くことしますね。
スペースの小ささを逆に利用して実験場にしている感じ。
今回の展示、具体的には、全部の作品がアクリルのボックスに入って展示されてるんです。
これがまた曲者で、アクリルのほとんどが色付きで、中には不透明なものもあり、そんなのに作品が入ってると言われてもなんだか化かされてるみたいな気分。。。
中にどういう作品が入ってるかみたいなファイルが見られるんだけど、本当に??みたいな不思議な感覚になりましたとも。
見えてる作品も、カラーアクリルのおかげで実際の作品の色味と全く違うし。。。
作品を鑑賞するとは何ぞやっていう根源的な問や、これを購入したら箱を開けるんだろうか等々なんだか物凄く色んなことを考えてしまいました。
それはそうと、ファイルを見ていたら表に出てない作品があって、「三千世界」と言われる5cm角の小さな作品を見せていただけることに。
これに関しては値段が手に届く範囲。。。買いました。
ついにギャラリーで作品を買ってしまった!!!
今お店の展示にと友人から作品買ったりしてたけど、ギャラリーでは初。
初の作品が内海さんというのはとても嬉しい。
というか内海作品が家にあるだなんてとっても贅沢!
5cm角でも凄まじい密度なので作品としての強度もあります。大満足。大事にします。

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さらに上野駅でも展示されてると聞いたので観にいってきました。
相変わらず絵画の可能性をズンズン拡張している。
内海さんの絵画自体ももちろん好きだけど、その向き合い方がなんといっても好き。
今回の展示のインタビューでのこの答えがすごい好きです。

「僕は表現の中で自分を発信するのではなくて、絵の中で自分をどれだけ消せるかということでやっています。僕のタッチというより人のタッチ、人間の総体の感覚みたいな感じで制作したい。僕には自分が素晴らしいセンスを持って生まれたという思いがなく、凡庸な自分を消していった方がいいものが出来ると何となく考えています。僕だからこの表現が出来たというより、ガラスだからこうなった、絵の具だからこうなったという形にしたい。何なら僕のこと忘れちゃっていいよ、と。僕ではなく絵だけ見てくれればいい、と。」

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前述の村上さんも内海さんも網膜では追いつけない程の「超網膜的絵画」だと思います。
絵画って基本的静的なメディアだけど、こんなにも動的になれるんだという可能性を教えてくれます。


最近見た展覧会ギャラリー編。

薬師川千晴展 @ 画廊くにまつ青山
カフェにも展示させてもらった後輩の薬師川さんの東京初個展。展示としては大人し過ぎたかな。

名和晃平「Biomatrix」@ SCAI THE BATHHOUSE
久々にこれぞ名和晃平!という展示。シリコンオイルの作品はさすがですね。人のオブジェはよくわかんないけど、ベルベットの抽象的半立体の作品は面白かった。案の定ベルベット作品二つとも売れてました。

井原信次 「MEYOU」@ KEN NAKAHASHI
笑えるぐらい超写実。現実というより写真寄り。でもリヒターのようなフォトペインティングとも違ってその先の内容が気になってしまう絵画(実際いろんな背景がある)それにしても現代のSNS時代に写真を元に描かれた写実絵画を改めて画像になって見るっていう体験はメタが過ぎて何が何やらわからなくなりますね。
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