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「パターソン」 by ジム・ジャームッシュ



近年稀に見る更新頻度ですが、またまたいい出会い。
なんとなく観に行ったジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」。
今年観た映画で間違いなくベストフィルム。
とはいえ涙は出ません。泣かせる映画=いい映画ではないんです。
以下ネタバレ含む、かも?

アメリカニュージャージー州にあるパターソンという町に住むパターソンの一週間。
朝6時過ぎに目覚ましもなく起きて、隣で眠る妻にキスをする。
シリアルを頬張り、勤務先のバスパーキングまで徒歩で出勤。彼は町のバスドライバー。
同じルートを周り、昼になると滝を前に妻の作ったランチを頬張る。
帰ると妻と食事。その後愛犬マーヴィンを散歩。途中のバーでビールを一杯。
この日常が淡々と月曜から続いていき、ラストはまた月曜の朝の目覚めで終わる。完璧。
どれも似たような日々。でも少しずつ違う。似てると同じは違うこと。

映画の冒頭で、妻が双子の夢を見た話をして、それから町で出会う双子が気になって仕方ない。
彼らも似ているようで一人一人違う人物。
双子は日々の繰り返しのメタファーかもしれない。
パターソンにとって、これらの似ている日常はとてもかけがえのないもの。
彼は詩人であり、日常の何気ない風景のひとつひとつが詩になっていく。
この詩が本当に美しくて、この映画の最大の魅力のひとつ。
そして、主演のアダム・ドライバーが素晴らしかった。
アーティスティックな妻とは裏腹に寡黙でどこにでもいそうな優しい青年を見事に演じていた。
パターソンってこんな人だろうなぁっていうのをそのまま具現化したような人。
この人選は本当に素晴らしいと思う。

ストーリーも、淡々としているとは言ったものの、どこか不穏な空気がそちこちで流れてて目が離せない。
いつか夫婦がぶつかり合うんじゃないか。
愛犬がさらわれちゃうんじゃないか。
バスが事故にあっちゃうんじゃないか。
バーで出会うカップルのいざこざに巻き込まれちゃうんじゃないか。
しかし結局そんなドラマチックなことは起こらない。Life just goes on.
ここまで徹底して日常を切り取りながら、全く退屈させないのは圧巻。
(金曜は少しだけドラマチックでしたが)
お涙頂戴の、過剰な映画からはかけ離れた映画。最高です。
観た後は本当に優しい気持ちになれる。
ただの癒しではない、心から感動できる素晴らしい映画でした。

ジム・ジャームッシュ、実は初めて観たんだけどいいですね。他のも観たい。
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