ローザス 「ファーズ―FASE/時の渦―Vortex Temporum」 @ 東京芸術劇場
ローザスの演目を二つも観てきました。
一つはローザス初期の代表作「FASE」。
スティーブ・ライヒの4つの音楽を元に、アンヌが卒業制作に作ったという初期も初期のダンス。
まさかとは思ったけど、やはり今回もアンヌ本人が踊ってくれました。
この作品が1982年だから御歳50歳半ば。素晴らしいダンスでした。
ローザスのメンバーである池田扶美代さんもツイートしてましたが、本当にこの作品は彼女の一部。
ちょっと羨ましいけど、アンヌ・テレサの中ではFaseは自分の一部なのでミスしおうが鼻水が出おうが全てが今の彼女。ミスして残念とか、髪の毛が乱れてどうとか、気にはしたけど1分後に忘れてると思うよ。全てありのままなので、今の彼女を観てあげてください。
— Fumiyo Ikeda 池田扶美代 (@fumiyo239) 2017年5月2日
それにしてもローザスの初期のダンスって、女性しか踊れないダンスのくせに全くセクシーじゃない。
その次の「Rosas danst Rosas」なんかは男性を寄せ付けないぐらい強いダンスやし。
フェミニズムでもないんだけど、性差を超えていながら女性の女性のための女性によるダンス。
普通生身の女性が身体使って表現するんだから、少しはエロスを発するものだけど、本当に皆無だった。
男性に対する媚が全くないんですよね。
この相反するエレメントを両立させているバランス感覚がすごい。
今回はライヒの音楽に合わせている分しなやかさがあってとても素晴らしかった。
特に冒頭Piano Phaseの二人のダンサーが回りながら少しずつズレてって最後合うやつスリリングですごすぎる。(わかる人にはわかる笑)
2年前の「Drumming」は観に行きたかったなぁ。。。死ぬ前に観たい。
そしてもう一つは「Vortex Temporum」。
2013年の作品で、以前ベルギーでこれを断片的に「展示」として見せた「Work/Travail/Arbeid」という作品は観たけれど、ようやく本編が観られるというのでとても期待していました。
こちらもFASE同様、ベルギーのイクトゥスの演奏に合わせて踊ります。
舞台には演奏者7人とダンサー7人。
んー、しかし最初から最後までこの作品の構造が掴みきれないまま終わってしまった。。。
すんごい緊張感の中、何のことかわからないまま観るのはちょっとキツかった。
多分もうひと押し解説があれば楽しめたと思うんだけど、残念でした。
しかしローザスのダンスが日本で2つも一気に観られるなんて最高ですね。次はいつだろう。
この2公演はこの後愛知でもやるみたい。是非。
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Rosas 'Golden Hours (As you like it)' @ Les Théâtres de la Ville de Luxembourg
Anne Teresa De Keermaeker 'Work/Travail/Arbeid' @ WIELS
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