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Rothko Chapel & Mark Rothko: A Retrospective @ The Museum of Fine Art, Houston

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NYから飛行機で4時間。テキサスまで来ました。確実に旅のコースがおかしい。。。
国内だからとなめてましたが4時間って!日本からだと北京ぐらいまで行けちゃいますね。
国内で時差もあるのがアメリカ。NYより一時間遅いです。

ダラスの空港からレンタカーを借りて4時間の旅。目的地はヒューストン。NASAの街。
この街の目的はまずヒューストン美術館。
この美術館には常設でタレルが展示されていたりします。

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しかし今回のお目当はなんといってもロスコの回顧展。
初期のシュールレアリズム時代の絵画から、遺作ではなかろうかという、彼の死の数ヶ月以内に描かれたものまでが一同に並べられています。
これらほとんどの作品がワシントンナショナルギャラリーからのもので、現在建物が改装中なので、こうした数の作品が借りられたんでしょうね。この春MIHOで開催されたニューマンもその一環。どんだけもってんねん。いつか行ってみたい美術館です。
回顧展の目玉は、なんといってもシーグラムビル内のレストランのために描いた連作のスケッチ。
スケッチといっても、実作のほぼ同サイズで描かれていて、ここまで下準備をするのかと驚きました。
現在これらの連作は、レストランにそぐわないというロスコの意向で、テートにすべて寄贈されることになるも、当時のテートにはそれらの作品すべてを受け入れる余裕がなく、そのうち数点を所蔵することになりました。それが現在のロスコルームに展示されているものです。
そして残りの一部をなんと日本の川村記念美術館が買い上げ、それもロスコルームとして展示。
さらに残りの一部が同じくヒューストンにあるロスコチャペルに展示されています。
ということで念願のロスコチャペルにも足を伸ばしました。

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もうずっと行きたかった場所でした。
美術館から車で10分もかからない、閑静な住宅街の中にある平和な一角。
公園にはリスが戯れ、人工池にはニューマンの彫刻が鎮座しています。
中に入るとそこは静寂の空間。
8角形の空間の壁に掛けられた超巨大絵画たち。
ここまで要素が少なくなるのかと驚くほどの画面の情報量の少なさに対して、発せられるエネルギーはすごかった。
近年テートのロスコ作品が破損され、それの修復に当たったチームが、画面に載せた絵の具のレイヤーの複雑さに感嘆したと言っていたけれど、そこまでのレイヤーを重ねて生まれるシンプリシティー。
この空間には、あらゆる宗教の聖典が並べられていて、どんな宗教も迎え入れます。

ちなみにお隣には、ロスコの収集家でもあったメニル夫妻のコレクションを展示しているメニル・コレクションもありますが、残念ながら月火休みでその日は火曜日。
なんでもフィラデルフィア美術館同様サイ・トゥンブリーギャラリーもあるらしい。
あとメニルコレクションの展覧会の一環で、近くの教会でカーディフ&ミラーの展示もあったみたい。
まあ、もうロスコでお腹いっぱいになったので満足です。
ロスコ展は来年1月24日まで。こちら
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