堂島リバービエンナーレ2015

スイスから帰国し早一ヶ月強。
その間に観た中でダントツおもしろかったのがこの堂島リバービエンナーレ。
4回目となる今回ですが、毎度毎度感心するぐらい同じクオリティでおもしろくない(爆)
とはいえ地元なので、まあ見とくかみたいな低いテンションで毎度臨むのですが今回は違った!
今回のキュレーターはイギリスのトム・トレバー氏。
国内のビエンナーレトリエンナーレでは珍しく、このビエンナーレは前回に引き続きキュレーターが海外から。
このキュレーションがものすごかった。
あのどうしようもない会場がここまでおもしろくなるなんて。魔法でした。
タイトルも「Take Me To The River」とかだし、まあおもしろくないだろうと勝手に思い込んで、いきなり入った大会場の池田亮司がまずやばかった。(上写真)
いつもこの大会場の使い方が見本市みたいにただただ作品が並んでるだけでおもしろくないのに、今回は池田亮司一人に贅沢に使わせたのが大成功でしたね。凄まじい音と光のスペクタクル。正直池田さんいろんなところで観過ぎてて食傷気味だったけど今回は素晴らしかった。
他にも一階では、「流れ」といえばと言わんばかりにPLAYのドキュメンタリーがあったり、下道基行の沖縄に流れ着いた漂流物をテーマにした作品があったりと、キュレーションにブレがなくていい感じ。


さらに今回はいつも使われてないバックヤードもふんだんに使われていて、迷路みたいで楽しかった。
照屋勇賢のマクドナルドの袋の作品からのSuperflexのマクドナルドの洪水の映像の「流れ」も絶妙。


島袋道浩のゆるい「流れ」る作品も、堂島川を借景にして美しかったし、今旬なサイモン・フジワラやHito Steyerlをも押さえていて、現代美術の「流れ」もしっかり捕らえている。



ヒトの映像にもある、経済の「流れ」も、いくつかの作品にしっかりと押さえられているし、あらゆる「流れ」を徹底的に意識したキュレーションは本当に見事でした。国内の展覧会で久々に感動しました。
惜しむらくは4階の展示。あそこは毎回他会場から離れているので、展覧会の緊張感が切れてしまってどうしても難しい。今回大会場の使い方みたいに、思い切ってあの会場なしとかできなかったんだろうか。
それでもそこで出ていたVermeir & Heiremansの経済に関する映像は興味深かったです。
いやはや完全になめてました。
今週末までですが、圧倒的にお勧め。こちら。
ちなみに近くの国立国際美術館では「他人の時間」展とティルマンス展が開催中。
「他人の時間」は結構期待していたのだけど、ただアジアの作家を紹介する展覧会みたいになってしまっていて残念だった。その中では加藤翼の作品が圧倒的だったように思います。
ティルマンスはほぼ流し見。相変わらず遊泳するみたいな感じで気持ち良い展示。「真実研究所」の日本バージョンが観られたのはよかった。あと日本のデモの写真も撮っていたのはハッとさせられた。
両展とも9月23日まで。こちら。