Berlinde De Bruyckere 'The Embalmer' @ Kunsthaus Bregenz














制作で心身ともにボロボロなので、ここで一旦中休み、というか、スイスのリサーチとネットワーク作りも兼ねてスイスを回ってきました。(ブレゲンツはオーストリアですが)
ベルン→ブレゲンツ→アッペンツェル→サンクト・ガレン→チューリッヒ→バーゼル。
ベルンではクンストミュージアムやクンストハレへ。
ミュージアムではホスラーの部屋があって最高でした。回顧展でたっぷり観たい。
ブレゲンツは先週から始まったベーリンデ・デ・ブルーケアの展覧会へ。(上写真)
一昨年のヴェニスビエンナーレのベルギー館でも展示されてたけれど、あまり場所との相性がよくなかったように思えたので、改めて。
名前は相変わらず覚えにくいですが、作品は一度見たら忘れられない強烈さ。こないだポルトで観たモニカ・ソスノフスカのようですね。こちらも女性。さらに同じHauser&Wirthの作家。
タイトルの「The Embalmer」とは死体を防腐する人の意。タイトルも強烈です。
どこからどうみても生々しいんだけれど、一切無臭なのがまさにこのタイトル通り。
こないだまでゲントでもやってたみたいで、そっちはもっと標本っぽく展示しててそれもそれで良さそう。
2度目のブレゲンツ美術館。相変わらずの神々しさでした。この展示は7月5日まで。こちら。
ちなみにブレゲンツから30分ほどのオーストリアの街ドルンビルンの美術館でも彼女の展示が同時開催されております。時間がなくて行けなかったけど。こちら。
アッペンツェルは次の投稿に回して、サンクト・ガレンではクンストハレでやってるバーゼル出身の若手フロリアン・グラフの展覧会。
ドイツ語の解説しかないからとのことで割引してくれた。優しい。
結構期待してたのだけどあまりよくなかった。うーん。

チューリッヒではギャラリーを回り狂いました。死んだ。以下回ったギャラリー。
Rotwand
Chritinger De Mayo
Herman German
Barbara Seiler
annex14
Galerie Peter Kilchmann
Galerie Eva Presenhuber
Raeber von Stenglin
Grieder Contemporary
Bolte Lang
Galerie Gregor Staiger
Galerie Francesca Pia
Parkett
Gallery Mark Müller
Hauser&Wirthの入ってるコップレックスは前にも行ったことあるのでパス。
やはりチューリッヒは凄まじい数のギャラリー群。こちら。個人的に駅の西側にいいギャラリーが多い印象。
昔はゼーマンもいたし、伝説の「When Attitudes Become Form」やクリストの初期の梱包プロジェクトもやったりで、なんといってもベルンがスイスのアートシーンの中心だったようですが、冷戦以降は一気にチューリッヒに移っちゃったみたい。やはり経済の街で華やかですね。普段田舎暮らしなので身に沁みました。
そしてバーゼル。
現在二人のターナー賞作家の展覧会が開催中。
クンストハレでは2008年の受賞者のマーク・レッキー展、現代美術館では2011年の受賞者マーティン・ボイス展。
サイモン・スターリングやサイモン・フジワラ、ライアン・ガンダー等の最近のイギリス美術は、過去の作品や物からリサーチしたり参照したり引用したりしてくるタイプの作家が多い印象。特にマーク・レッキーの展示は文明に対する感覚が展覧会から伝わってきて興味深かったです。マーティン・ボイスはモダニズムを主に参照項にしている様子。
また、クンストハレでは、ベルギーの作家Vincent Meessenの展示もやっててこれも面白かった。
マーク・レッキー展は5月31日まで。マーティン・ボイス展は8月16日まで。現代美術館はヨーゼフ・ボイスもやってて、ダブルボイスでややこしい。綴りちゃうけど。

ギャラリーはStampaとblazer art projectsとVon Barthaの3つだけ。やはりチューリッヒが異常。スイス内の分布としては、チューリッヒ>>>>>ジュネーブ>バーゼルぐらいかな。
この日は、たまたまオスロナイトというイベントがあって、行ってきました。この辺はバーゼルのアートシーンの中心となりつつある場所ですね。
現在レジデンスで滞在中の田村友一郎さんにもお会いできてよかったです。
しかしバーゼルで個人的に最もアツい場所は民俗博物館。
現在建て替え中のバーゼル美術館から、クラナッハやホルベイン等の絵が展示されてるというので行ってみたけど、一室のみでかなり拍子抜け。とはいえクラナッハの有名な「パリスの審判」があったり、なんといってもホルベインの「墓の中の死せるキリスト」が観れたのは嬉しかった。確かドストエフスキーの「白痴」にも出てきた絵で、長椅子に座りながらしばらく見惚れていました。
しかし、なんといってもこの博物館のすごいのはコレクションを生かした企画展。
前回の袈裟展もすごかったけど、今回のテーマはなんと「阿片」。
そして展示が毎度のことながら天才的。下手に現代美術の展示観るよりここに来た方がよっぽど展示の勉強になる。バーゼル来たら寄ってみて損はないです。





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