On Kawara '1966' @ Museum Dhondt-Dhaenens

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昨年その生涯を閉じた河原温。
彼の業績を讃えるようにNYのグッゲンハイムで現在展覧会が開催中です。こちら
こういう大規模な展覧会は大体3,4年前から準備されてるものですが、まるで死期を悟っていたかのように、彼の死後から1年も明けないままスタートするなんて。
それにしても、あの螺旋の展示廊下がこれほどフィットする展覧会が今まであったでしょうか。
まるでこの展覧会をするためにライトがデザインしたような気すらします。
きっとあの建物で開催された展覧会の中でベストな展示なのは間違いない。
それを象徴するように「Silence」と題された最後には渦巻きのマークが。
螺旋を登りながら時を駆け、また下りながら時を遡る。
きっとすごい観覧体験が待っているんでしょう。
豊田市美術館の学芸員の能勢さんのリポートを読むだけでヤバい。
(ちなみに昔豊田市美術館で開催された「意識、瞑想、丘の上の目撃者」という河原温の個展は僕のアート観覧歴の中でもかなり上位に入る素晴らしい展示でした。)
行きたい…でもさすがにNYまでは行けない…そんな悔しい思いをしていたら、ベルギーでも彼の展覧会をするという情報が!これは行かずにはいられません。

この情報をもたらしてくれたのは、ベルギー在住の作家奥村雄樹さん
奥村さんは以前、山辺冷のペンネームで河原さんに関するテキストも書いていたり、なんとそれが縁で河原さん本人にお会いしていたりと中々稀有な作家さん。(河原さんは姿を現さないことで知られています。念のため。)
また、先日グッゲンハイムの河原温展に合わせて、Twitter上に現れた@On_Kawaraの正体であるPall Thayer氏とのインタビュー作品を発表したりと、河原さんと関わりの深い作家と言えるでしょう。
豊田市美術館で開催された「反重力」展でもその繋がりを感じました。
奥村さんはもちろん作家として知っていましたし、このブログでも感想書いたりもしていたし(「善兵衛の目玉(宇宙編)」「風桶展」等)、普段からTwitterでもフォローさせていただいていたので、一度お会いしてみたいなとは思っていました。
で、この機会に会ってみようということで、普段コミュ症の僕が勇気を振り絞ってお声かけしたら、ぜひ会いましょうと言ってくださったのです。
実際お会いできただけでなく、ベルギー滞在中はお世話になりっぱなしでした。
さらにはその前日に作品を見たばかりのスーチャンが車で一緒に行っていただけるとのこと!
というわけで、僕と奥村さん、スーチャン、そして昨夜オペレーションに参加していた一人の四人でゲントの郊外にある美術館へ道がわかりにくすぎて迷いまくりましたがなんとか到着。ついに河原温展にご対面です。っていつもながら前置きが長いですね、はい。

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タイトルの通り1966年、つまり河原さんがデートペインティングを始めた年に描かれた作品のみを集めたとっても贅沢な展覧会でした。
よくもこれだけグッゲンハイムに持って行かれずに集まったもんやなぁと。
そして展示はまさに息を飲む美しさ。来て良かった。。。
ほとんどの作品が自然光のみで照らされていて、とても穏やか。
この日は展覧会初日でオープニングも朝からあったみたいなのだけど、僕らが着いた時には終わっていて、でもそのおかげで静寂に包まれて見ることができました。やはり彼の作品は静寂の中で観てこそ語りかけられるものがある気がします。
その後皆でレストランに行き、彼の作品のこと、展覧会について語らいあいました。
僕と奥村さんが、彼の作品をprogrammeという言葉で表そうとしたら女性陣から大ヒンシュク笑
でもやっぱり彼は1966年に自分の人生をプログラムに乗せたと僕は言いたい。しかしそのプログラムに乗り切れないはみ出た部分(毎日は描かない、手書きのフォント、等)に、ヒューマニティがより一層コントラストとして浮かび上がってる気がする。
また話の中で、彼の誕生日の話になり、彼の誕生日には1933年1月2日説と1932年12月24日説があるっていうのも非常に興味深いファクターだと思った。
人生が終わる日は決定可能/不可能の間を行き来している。
自分で終わらせること(自殺)だってできるし、病気で死ぬことも交通事故に遭うことも自由。でも生まれる日は絶対的に決定不可能。にも関わらず、河原さんにはその始原の日の可能性が開かれているって、やはりこの作品を作っている作家の特異性を感じずにはいられない。
そして、この展覧会初日が3月29日っていうのも重要なんだと僕は思う。なぜならこの日はヨーロッパがサマータイムに移行する日だから。サマータイムって時間が文字通り歪んで別の世界に接木される感覚があるんだけれど、河原さんの作品観ていても、別の時間(この展覧会だと1966年)と今現在(2015年)が接木される感覚がある。
書かれた当時が圧倒的存在感で現在してる様。
初日が日曜ってのはやはり不自然だし、関連あると思うし、なんとなくこの日に来たかった。
時間のねじれは特に同じ日のデートペインティングが2枚ある時に異常な渦を巻いてこちらに現れてくる。
時間はどことなくまっすぐ矢のように進むイメージがあるけれど、河原さんの作品を見ていると改めて時間の偏在性を想う。
色々思念を馳せながら、時には空っぽになりながら、時間たちと向き合える本当に豊かな展覧会でした。
これが旅路の果てで本当によかった。
この展覧会は6月14日まで。こちら
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