BILL VIOLA @ 森美術館

2年前から楽しみにしていたビル・ヴィオラのアジア初となる回顧展。
森美術館の展覧会予定で見つけた時はもうそりゃ興奮したものです。
で、2年後の今やっと始まったといった感じ。

僕は基本的に映像作品って好きじゃないです。やっぱ作品の実際にそこにあるという実在感が好きなんです。あと映像作品って強制的に鑑賞者をある程度の時間拘束する。絵画作品でも同じの10分も見てられないのに、映像は最初から最後まで見ないとちゃんとその作品見たことにならない。僕は1つの作品見るのに時間かけるのが嫌いな人間なんで、これが1番映像が苦手な理由かも。しかもそれだけ拘束する魅力の持った作品なんてそうそうない。しかしビル・ヴィオラの作品はその力を持っている。普通に最初から最後まで見ても飽きさせないどころか何回でも見てみたいと思わせる。ここまでの映像作家は他に知りません。
あと、今でこそ映像作品ってあり溢れてるけど、そのずっと前から映像を制作してきたビデオ・アートの第一人者。普通メディアを使う作品って年々新しい技術が現れるから普通時が経てば経つほどダサくなっていくんですよね。ナム・ジュン・パイクの作品とか今見れないです、正直。でもビル・ヴィオラの作品は何故だか全然古臭くならない。それどころか今でも身を震わせるほどの感動を呼び起こさせる力を持っている。それは究極的に無駄を省いた純化された表現と「生」や「死」といった不変なるテーマからなるものだと僕は考えます。
そして、今までの表現に甘んじることなく、メディアの発達をも貪欲に取り込んでいく。例えば液晶テレビの発達は、彼の「動く絵画」という表現を研ぎ澄まし、その薄さだからこそできる表現を完璧に作り出してる。写真立て風のやつとか。メディアに翻弄されるどころか、むしろメディアがどんどんヴィオラの作品に取り込まれていくよう・・・。恐ろしい。
他の彼の作品の特徴としてスローモーションがあります。ほとんどの彼の作品はスローモーション。前にインタビューでなぜその効果を使うのかを述べていて興味深かったのが、「時間を2倍に引き延ばせば、その映像の中の喜びや悲しみといった感情も2倍に引き伸ばされる」という考え。
今回の展覧会でも「感情」を扱った作品群がたくさん出品されています。特に「グリーティング」という作品に顕著で、普通に道で出会った3人の女性達が井戸端会議みたいなのをしていて、それこそ本当に普通の光景なのに、出逢った喜び、何かを知った驚きと言った人間の心模様がスローモーションを使うことでドラマティックに描かれています。
でも僕はこの感情とかのシリーズよりやはり水や炎を使った作品が好きです。彼の真骨頂とも言うべきそれらの表現は震えるほど美しい。
最初のThe Crossingからもう泣きそうになった・・・ってかこれ最初両面同じ映像だと思って最後に違う映像だったことに気づいて引き返したんだけど、ちゃんと見れてよかった・・・。片方には水、他方には炎の表現を用いた映像が真ん中の壁に投影されてて、全くのシンメトリーでもって展開される。特に水は上から下へ、炎は下から上へという動きがもう感動もの・・・。完璧な作品です。
最後の「ミレニアムの5天使」は必見。最後まで絶対見ないと駄目です。あれはすごい・・・マジですごい・・・。ヴィオラ天才。
1月8日まで森美術館で開催された後、1月23日から3月21日まで兵庫県立美術館に巡回。これ逃したら彼の作品をこうしてまとめて見れる機会なんてそうそうないので是非見てみて下さい!
あと今回の展覧会は90年代以降に絞られてるので、80年代以前の作品を見たい人はICCで同じ期間上映されてるみたい。何がやるかはサイトのスケジュールをご覧あれ。僕もまだ観てないので今度また東京行く時観ます。
でも正直水の作品がたくさん出ていたロンドンの個展の方がよかったかも。ってかここまでのキャリア積むとどんどん面白くなくなってきたりするもんなんだけど、この人の場合まだまだ面白くなってきてるのが本当にすごい・・・。

アート・スコープ2005/2006 @ 原美術館
ダイムラー・クライスラー・ファウンデーションが主催する毎年日独の作家1人ずつをそれぞれ東京とベルリンに滞在させるエクスチェンジ・プログラムの2年間の報告展覧会。ドイツからはカーチャ・シュトルンツとゲオルグ・ヴィンター、日本からは森弘治と我らが名和晃平が選ばれてこの原でそれぞれ作品を発表してました。んー、やっぱりというか、正直名和さんの作品以外あんまりだった。やっぱ名和さんの作品はすごい。ドローイングも1月の頃からまた進化してるようだし・・・あぁ、また会ってお話したいです。大変だったと聞いていたシリコンオイルも良い感じでした。
ところで見てたらなんと会田誠夫妻が何気におった(笑)。もうホント普通にいてはるからびっくりする。原美のカフェでまったりしてはりました(笑)

そんなこんなの東京滞在。帰国中にもう1回東京遠征予定。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
検索フォーム
To See List
RSSリンクの表示
QRコード
QR