Egon Schiele - Jenny Saville @ Kunsthaus Zurich

チューリヒ美術館で開催中のエゴン・シーレとジェニー・サヴィルの2人展。
もう、この二人を並べたこの美術館のキュレーターには拍手です。
元々サヴィルの絵が好きだったんですが、これまで全然観る機会がなくて、ようやく観れました。
それだけでも感動的なのに、エゴン・シーレまで一緒に観れちゃうなんて。
サヴィルは英国出身の画家。
彼女の描く肉体は、エグいまでの肉感とそのモチーフ構成が秀逸。
これはベーコンやフロイドを引き継ぐようなイギリスヌードの系譜とも言えるでしょう。
ベーコン同様彼女は写真をモチーフにすることが多いですが、絵の中でコラージュしているような構成は本当に不思議。
片やエゴン・シーレは言わずもがなですがウィーンの画家。
クリムトと同時代に活躍しながら、彼の描き出す肉体は醜いとも言えるフォルムばかり。
おまけにあの茶褐色のダークトーンで、病的なものすら感じてしまう。
華やかに画面を彩っていたクリムトとまさに対局をなす巨匠。
このジェニーとシーレですが、同じ肉体をとことんまで追求した結果が、あのおぞましいまでの画面を作り出したという点で共通しているかと思いきや、片や肉々しい肉体、片や骨と皮のような華奢な身体。この二つが同時に並ぶ事で浮かび上がってくる相似と相違は見事。
また、母子を描いたものや、盲目の人を描いたものなど、二人に共通の主題なんかもあって、それらが同時に展示されていて、同じモチーフであってもここまで違うのかと驚かされます。
それにしても、やはりこの二人のデッサン力には改めて舌を巻きます。
どこまで肉体を崩しても、そこにはしっかり筋肉があり、骨があることがわかる。
実際ジェニーのエスキースも展示されてますが、もう嫌味な程うまい。
シーレのドローイングももの凄く魅力的でした。
個人的にはジェニーの3人の太った女が画面狭しとばかりに横たわってる超大画面の絵画と、シーレの「死と乙女」は白眉。もうすごすぎて立ち尽くしてしまった。。。
スイス来て一番の展覧会でした。この展覧会は1月25日まで。こちら。
コレクションもかなりいいの持ってます。現代美術も豊富で見応えありました。
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