ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡 @ 名古屋市美術館

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2013年も残すところあと少しとなりました。
以前お伝えした通り、このブログは今年いっぱいを持ちまして一旦休止とさせていただく予定です。
来年からは私個人の活動に関しては何かあり次第ここでもお知らせする予定ですが、これまでのように観てきた展覧会を逐一レポートすることはないと思います。よっぽど何か書きたいことがあれば書きます。
ってことでこの記事が多分今年ラストの鑑賞記事かも。

久々に18きっぷで名古屋へ。
思えば今年の最初も名古屋に行ってましたね。
そしてその時も奥村さんの作品観てる。
名古屋は、あいちトリエンナーレが終わってアートラボあいちも閉鎖。
長者町も寄りましたがなんだかすごく寂しかったです。
今後トリエンナーレは継続されるんでしょうか?
まあ、今年のトリエンナーレ行ってないけど。

今回の目的は名古屋市美術館で開催中のハイレッド・センター展
彼らの活動から半世紀。なんと初の回顧展(?)です!
今まで開かれてなかったのが不思議でなりませんが、メンバーがやりたがらなかったってのも大きいのかな。
それだけに、今回の展覧会は知った瞬間からアドレナリンでまくりました。
やはりハイレッド・センターと言えば日本近代美術史の「伝説」ですからね。
彼らの活動に関しては、赤瀬川原平氏の書いた「東京ミキサー計画」に詳しいですが、やはりこうして「現物」が登場する展覧会は同じ知識でも情報量が全然違います。
展覧会初っ端から赤瀬川さんの「ヴァギナ」の作品で、図像は何度も見たことあったけど、生で見るのは初めてで早速興奮しました。
他にも「千円札」や「洗濯バサミ」、「紐」という3人の代名詞と言える作品が続々と登場して、しかも読売アンデパンダンと同じような展示のされ方で、学芸員の方々の熱意を感じました。
そして、作品も去ることながら写真や、招待状などの資料が所狭しと並べられていて、彼らの「直接行動」の証拠物品が溢れていました。
特に「敗戦記念晩餐会」の整理券とか、内科画廊で開催された「大パノラマ展」の「閉鎖」シールとかよくもこんなの残してたなってのがいっぱいあって面白かったです。
トリエンナーレの時に使っていた仮設の階段とか再利用されてて、この動線も楽しかったですね。彼らの「撹拌」が展覧会に応用されてる感じでした。松濤美術館へ巡回する時はどうなるのかな?
日本の近現代美術史において、未だに語り続けられるこの「直接行動」。
たった2年弱の間にこんな「伝説」作り上げて、しかもその後も3人自身まで「伝説」になってるんだから、凄過ぎますね。
去年のMoMAでの東京展では、ハイライトとなっていたようですが、彼ら単独の展覧会をもっと海外に知らしめて欲しいですね。具体やもの派よりもっと先を行ってる世界にも類を見ないこの活動。日本から生まれたことに誇りに思うし、僕ら今の世代も彼らを超えなければと強く思いました。
素晴らしい展覧会。名古屋での展示は今月23日まで。その後来年2月より東京の松濤美術館で開催。
カタログも2000円で相当貴重な資料。買いです。
ところで、英語にするとHi-Red Centerってなってるけど、「高」ならHighじゃないのか?
それにしても最近ベーコン展といい大阪に巡回しない展覧会多いなー。。。


反重力 浮遊|時空旅行|パラレル・ワールド@豊田市美術館

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こちらも楽しみにしていた展覧会。
反重力。Antigravity。聞くだけでわくわくするタイトルですね。
この言葉から普通に重力からの解放を想像していて、そうなってくると、やっぱ色んな作家が思い浮かんじゃうわけで、真っ先に浮かんだのはTomas Salceno。それから八谷和彦。でもこの展覧会にはその二人は出てないわけで、作家リスト見る限りちょっと残念だったんですが、実際展覧会見てみると、僕の想像してた以上にスケールの大きな展覧会でいい意味で裏切られました。
まず最初に1階で出迎えてくれるのがジルヴィナス・ケンピナスのビデオテープが扇風機の風で舞ってる作品。これのもっと大きな囲まれるバージョンを昔初めてNYに行った時に見て感動したのを思い出しました。(というか当時何も知らず夏に行ったらほとんどのギャラリーが夏休みで閉まってて、開いてる貴重なギャラリーでやってたのが彼の展覧会だったんですよね)
彼の作品は非常に単純な仕掛けで「浮遊」がヴィジュアル化されてて気持ちいいですね。
展覧会の導入としてもキャッチーでした。
そして中原浩大+井上明彦の無重力状態を体験する作品。文字通り「無重力」。
次のカールステン・ヘラーの作品はやられたーって感じでした。ネオン管が平行に並んでて、上から下へ点滅してる空間なんですが、タイトルが「ネオン・エレベーター」。?ってなって中に入ると、確かにエレベーターで昇ってるような錯覚が。。。これも一種の「浮遊」ですね。
次のやくしまるえつこの作品はよくわからなかったけど、相対性理論のボーカルなんですね。
レアンドロ・エルリッヒの作品、年々酷くなってません?女木島の作品も酷かったけどこれも相当酷い。
中村竜二の作品もなぁ、、、ノーコメント。
奥村さんの作品は、映像最後まで見ましたがやっぱ印象に残りますね。
特に多元宇宙的な話は、この展覧会の奥行きをかなり広げていて、2階の河原温の作品に自分の中でつながって鳥肌が立ちました。
というのも、河原さんはいつものデートペインティングが出ていて、これだけだとイマイチ「反重力」にピンと来ないんだけど、なんと全く同じ日付の作品が2枚も出てて、世界が真っ二つに裂けた感覚がぐわーってやってきて、奥村さんの「多元宇宙」とつながったんですよね。
この展覧会は「反重力」という大きなフォルダの中にタイトルの副題にあるような「浮遊」や「時空」「パラレルワールド」「真空」のような小さなフォルダが入ってる印象なんだけど、その小フォルダ内に入ってるファイル(作品)同士のつながりがイマイチ希薄で、ちょっと分けすぎたんじゃないかな、って思いました。そんな中で奥村さんの作品と河原さんの作品が自分の中で同期した瞬間があったのは貴重でしたね。
前述のハイレッド・センター展に出てた「宇宙の缶詰」ともつながってるのは確信犯?
特に2階は、僕の中で全然ピンとこなくって、うーんってなってたところに河原さんだったので安心しました。
それにしてもあの大きな吹き抜け空間に内藤礼を持ってきたのは英断ですね。
あそこは明らかに磁場が変わっていて、すごかった。
あそこにTomas Salcenoの作品来てもよかったと思うけど、やっぱ内藤さんのスケールはでかい。
12月1日のトークも行きたかったなー。
中谷芙二子さんの霧の作品、もっと全体覆ってほしかったけどよかったです。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

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Re: No title

思い返せばお会いしてもう7年も経つんですね。
初期の頃から見守って頂き本当に感謝です。
ブログはお休みしますが、これからもお付き合いどうぞよろしくお願いします。

No title

出会った時からずっとずっと楽しみにしていたブログです。
ありがとうございました。何度も何度も読み返したいと思います。
パワーもらってばっかりでした。
これからもよろしくお願いします。
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