Capella degli Scrovegni




このブログを始めて8年近くになりますが、これまでいわゆる現代美術を中心に書いてきました。
そんな中でほぼ古典というかジャンルを正直ないがしろにしていました。
自分にとって古典美術はわかりようのないものというレッテルをどこかで貼っていたのかもしれません。
カメラも携帯もパソコンもない時代の人たちと感覚を共有するなんて果たして可能なのか?
しかし木下長宏さんとの出会いがそのバリアを解くきっかけになりました。
特に彼の「美を生きる26章」には、アルベルティを起点にゴッホやフーコー、プルーストなどジャンルも時代も違う人々を何の分け隔てもなく繋いでいくその姿勢に至極感銘を受けました。
その後ゴンブリッチの「美術の物語」を完読し、改めて避けてきたものをどこかで通過しないといけないなと思い始めました。
それには、自分のやってる美術という軸を作り上げたイタリアに向き合う必要がありました。
イタリアは留学時代もヴェニスしか行ったことがなく、それもビエンナーレ目当て。
20代のうちになんとか行きたいとここ数年思い続け、ギリギリですがそれが叶いました。
前置きが長くなりました。
そのイタリアの最初を作った人物、ジョットの代表作、スクロヴェーニ礼拝堂に逢いに、ヴェネツィアから列車で30分ほどにあるパドヴァに向かいました。
駅からすぐ行けると思いきや、結構迷いました。
この礼拝堂に入るには事前に予約が必要で、遅れると入れてもらえないので焦りました。
近くの市立博物館で予約バウチャーを見せてチケットと交換。
礼拝堂前まで行くと待合室みたいなとこに通されて、イタリア語の解説を10分ほど拝聴。
その後中へ、、、
打ちのめされました。
想像より遥かに壮大な空間。
入った瞬間の、空気に囲まる感覚は言葉では尽くせません。
真っ青なフレスコに包まれ、キリストの埋めれてから死ぬまでの物語が綴られています。
これをたった2年で作ったのか。
インスタレーション作品を作る自分にとって、この包まれる感覚は非常に勉強になりました。
絵画のインスタレーション性を考える上でこの空間は非常に豊かな空間です。
たった15分しかいられませんが、とても濃厚な時間でした。
イタリア行く際は是非寄ってみるべきです。
スクロヴェーニ礼拝堂予約ページはこちら。
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