APMoA Project, ARCH vol.4 奥村雄樹「善兵衛の目玉(宇宙編)」@愛知県美術館

名古屋に行ってきました。
主な目的はうつせみ展のカタログをアートラボあいちの皆さんにお届けすること。
皆さん元気そうでなにより。新年の挨拶もできてよかった。
ラボでは販売もしていただけることになったので、気になる方はラボにて直接お声かけください。サンプルも見せてもらえると思います。
http://www.artlabaichi.net/

そのラボでやってた日韓交流展が中々見応えがありました。
展示がすごくかっこよかった。
中でも笹岡敬さんの作品がよかったです。
カメラに照明を直接当てるとあんなことになるとは。

それと話題の「であ・しゅとぅるむ」展にも行ってきました。
インディペンデント・キュレーターの筒井宏樹氏による企画。
様々な作家がごった煮で展示されてて圧巻です。
敢えてちゃんと見れないようになってるんでしょうか。気散じ。
泉太郎さんが出展されてて、もしかしたらまだ作業してるかもと思って行ったら本当に作業中やった笑
作品は一応見られる状態になってて、どこが完成してないんですか?って聞いたらわからないって言われた!「でもほら、なんかしっくりいってないでしょ?」って笑
がんばってください!
あと、その下では「のこりもの」という様々な分野の学者が集まって作った展示があって、興味深かったけどもう少し大きな規模で見たかったと思いましたね。

今回観た中で一番印象深いのは愛知県美でやってる奥村雄樹展
奥村さんの作品は前から気になってて、ちゃんと観る機会が中々なくて、実際初めて観たのがこないだのMOTアニュアル。あれもでも変化球な感じやしね。
今回のは以前にも発表されてる「善兵衛の目玉(宇宙編)」。
日本昔ばなしに出てきた話を元に落語家の笑福亭里光とコラボして作った創作話。
話自体は、善兵衛という人物がある日物見の集団の中で目玉を取り出して持ってた傘につけて高いところからものを見てたらカラスに持ってかれて宇宙まで行って、やがてカラスがたまたま善兵衛の家の庭に落っことして、またはめたら今度は逆にはめてしまい、体の中をのぞくことになる。で、善兵衛はその技を使って医者になる決心をして、、、っていうお話。
この辺は奥村さんの「くうそうかいぼうがく」につながるテーマですね。
あとイームスの有名な映像作品も思い起こしました。(この映像改めて見るとめっちゃGoogleマップですね。。。)




その落語の様子を映像にしたもの。
わざわざ「映像にしたもの」と書いたのは、この「映像化する」という行為そのものが意識的に作品に取り入れられてるのを強く感じたからです。
この落語自体は、貝塚市にある岩崎善兵衛ランドというところで上演されました。
この岩崎善兵衛という人物は日本に望遠鏡を普及させた人物で、その当時の望遠鏡も今回の展示室の前に展示されてます。
元の日本昔ばなしの「善兵衛」と岩崎善兵衛は特に同一人物というわけでもないんですが、目玉の話と望遠鏡とが合致して、この善兵衛ランドに企画を持ち込んだそうです。
大阪でやってるんだったら観に行きたかったな、と思う反面、この作品は映像になってから見ないとやっぱり奥村さんの作品にならないと思いました。落語自体はあくまで里光さんの作品。
最初は純粋にその落語を楽しんでたんですが、最期の最期、落語が終わってからお客さんがはけていく中で、撮ってたカメラも映り込むんですが、その瞬間やられた!と思いました。
というのは、この「目玉」の話を通して、映像を見ることのレイヤーをすごく意識させられたからです。
まず落語を見るお客さんの目があり、その次にカメラという目があり、さらにその映像を見ている自分の目があるという3段階のレイヤー構造です。
また、この話自体が、デカルト以降の近代的視野、つまり一点透視図法のような固定された目玉から完全に自由なのも面白いですよね。宇宙まで行ったり体内に入ったり。
22分の映像でしたがすごく楽しめました。2月11日まで。
クリムト展のお客さんがすごい勢いで通り過ぎて行くのも楽しかったですw

名古屋滞在たった2時間半でしたが、ここまで観れるとは我ながらすごい。
本当はこの後京都も回る予定でしたが体調不良により持ち越し。。。


追記
ちょうどこの記事に出てくる泉さんと奥村さんの作品について言及してる作家の水野亮さんのツイート群がおもしろいのでリンク貼っておきます。>http://twilog.org/drawinghell/date-120318
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