宮永愛子:なかそら-空中空- @国立国際美術館

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韓国以来全然書いてませんでしたが、帰って来てから結構色々見ました。以下リスト。

宮永愛子:なかそら-空中空- @国立国際美術館
「かげうつし――写映・遷移・伝染――」@ @KCUA
「アブストラと12人の芸術家」@ 大同倉庫
龍野アートプロジェクト2012 「刻の記憶 Arts and Memories」@ 龍野市
越野潤「perspective」@ART SPACE ZERO-ONE
芳木麻里絵展 @ SAI GALLERY
ジョミ・キム展 @ Port Gallery T
木村友紀 x 落合多武展 @ 小山登美夫ギャラリー京都/タカ・イシイギャラリー京都
牡丹靖佳展「片方もの、もしくは盗人のコレクション」@ ARTCOURT Gallery

その中でも宮永さんの個展はダントツで良かった。
宮永さんの個展が国立国際でやるって聞いた時点でかなり期待してたけどそれを凌駕する内容。
やはりこの人の空間把握能力は並外れてますね。
あの使いにくそうな空間が見事な展示空間へと昇華されてました。
順路通り行くと、10m以上ある長いアクリルボックスにナフタリンで作られた日常品がずらーっと並べられてていきなり壮観な景色が眺められます。
行ったのは会期始まって1ヶ月ぐらい経ってからだったので、どれぐらい形を留めてるのかが少し心配でしたが案外崩れてませんでした。
その先には天井まで続くポールのようなアクリル筒の中に糸で出来た梯子が入ってて、そこにナフタリンが再結晶化し付着していってました。このポールのような展示は資生堂でもやってましたね。
奥に進むと樹脂で固められたナフタリンの椅子!これめちゃくちゃ美しかった。
椅子の足の下に穴があいてて、展示中は閉じられてるんですが、この「ふた」を開けるとナフタリンの気化が始まって最後には椅子の抜け殻ができるという。。。これはすごい。空っぽの状態も見てみたいですね。
そして圧巻は天井に向かって垂直に架けられた梯子の展示室。
この空間は本当にすごいですね。
元々の柱に加えて、布で出来た柱や木で出来た柱など、空間に柱が林立してます。
それに合わせて梯子が架けられ、その間にはアクリルボックス。中にはナフタリンでできた蝶。
中には崩れてるものもあって、もうなんか言葉にならないぐらいすごい。
その部屋を抜けると、吹き抜けに金木犀の葉っぱの葉脈を張り合わせて出来た12mもの絨毯が架けられててこれも圧巻。昨年の春にミズマギャラリーで発表されて話題になってて観に行けてなかったのでついに見れた!という感動。
その横には塩の糸も展示されてて、最後には梯子が架けられてる。
出展作品はすべて新作で、これだけの規模を埋めるのに決して回顧展になってないのが素晴らしい。
まだまだ宮永さんには塩の作品で会場を埋めることもできるし、陶器の作品も出てないしといった可能性が担保されてて、すごいポテンシャルのある作家だと改めて感じました。
ご縁でトークも聞きに行かせてもらったのだけど、彼女の制作に対するいい意味での頑固さを感じることができました。
惜しむらくは、ナフタリンや金木犀、塩という素材を用いながら、会場にまったくその匂いがしなかったことかな。美術館という場所の問題もあるかもしれないけれど、これだけ匂いの強い素材を用いてるのだから、嗅覚を刺激するような体験があってもいいのにな、と思いました。
なんにしても素晴らしい展覧会。12月24日のクリスマスまで!
僕は2回行きましたが、形が少しずつ変化しているので何回行っても楽しいと思う。
こうやって今はどんな形になってるんやろう、と想像するのもいいですね。あと1回は行きたい!
それからついに宮永さんの作品がまとまったカタログも出てるので是非!こちら


あとは、京都で開催前から話題になってた2つの展覧会。「かげうつし」と「アブストラ」。
どっちもプロのキュレーターがやった企画ではない意欲的な企画ですね。
「かげうつし」は以前京都芸術センターでやってた「gadget」展を企画してた美学の林田新さん企画。
現代の美学における「うつし」とは何か。副題にもあるように、映像だけではない様々なメディアを使う5人の作家を挙げながら追求して行くような、非常に「骨」がしっかりしていて、作品も質が高くて「肉」もしっかりしていて、おもしろい展覧会でした。でもなんか消化不良。多分挙げてる作家が5人しかいなかったってのが惜しいところなんでしょうね。これだけで「うつし」の問題を追及できるとは思えず、美術館クラスで一度見てみたい企画だな、と思いました。展示も敢えてキャプションが置かれてなくて、作家同士をミックスした展示でしたが、なんかスマートすぎる感じがしました。こちらは会期終了。
その点で、「アブストラ」はカオスな感じが展示としてよかったな、と思いました。場所も美術の空間ではない荒々しい倉庫で、Herzog & de Meuron出身の若手建築家、高橋史子さんの会場構成もすごくかっこよかった。
ただ、こっちの場合は、作家の田中和人の掲げる「アブストラ」(女性的な抽象)という概念がつかみにくく、その文脈に沿って観ようとすると結構無理があったと思います。そもそも抽象の男性/女性って何?っていう。ニューマンやポロックのような抽象と対置させたかったのはなんとなくわかるんですが。作品もそれぞれおもしろかったけど、誰のがどうこうっていう視点で見えなかったのは良かったと思います。展覧会の総体として作り上げてる感じに好感持てました。16日まで。


そして友人知人の展示。
龍野プロジェクトはめちゃくちゃ遠かったけど行ってよかったです。
やはり今村君の渾身のインスタレーションはすごくて、元醤油蔵の静かな空間で堪能できました。
あまりに長くいすぎて監視の人が心配して入って来たほど心地よかった笑
あと映像作品が今村君がやりたいことが明確になって来てる感があって、こっちを観れたのも大きかった。
松谷さんの展示も素晴らしかったな。

ゼロワンでやってた越野さんの展示は、越野さんのこれまでとこれからが小さな空間に詰まってる感じで内容の濃い展示でした。
椅子を座って眺められるのもいい感じ。
行った日はパーティーで越野さん特製の料理も食べれて至れり尽くせりでした。

サイギャラリーの芳木さんの展示もよかった。
インクで影まで表現するのは新しい方向だけど、インクの層の実際のパースと、それで表現されてる布のパースの差異がおもしろかった。

近くのポートギャラリーのキムさん作品も初めて見たけど、今回は写真で、アナログのザラザラした感じがすごく美しくて、やっぱりデジタルでは出ない良さがありましたね。
展示方法も凝っててインスタレーションとしてもおもしろかった。
来年2月の資生堂エッグに出ますね。

それから小山/タカイシイでやってる木村友紀 x 落合多武展も相当素晴らしいですね。
落合さんの作品純粋に好きです。脱色する絵画。
木村さんはパーテションと写真をセットで彫刻として発表してるのがすごかった。
下ではこの二人がキュレーション(?)した展示もやっててこれもよかった。
僕が見たことのあるここでやってた展覧会で一番ですね。あまり見てないけど。

最後にアートコートでこないだから始まった牡丹さんの展示。
なんとこの春に絵本作家デビューを果たした牡丹さんのその原画も展示されてた!!!
僕はてっきり牡丹さんは絵だけを担当したんだと思ってたら話も書いてたんですね。
牡丹靖佳ファンにはたまらない絵本です。その原画だったんで生唾ダラダラ。
他にも新作やインスタレーションまで、やっぱこの人の世界の作り方は絶妙。
絵本買わないとなー。こちら


最後の方飛ばしすぎてテキトー感がありますがこんな感じ。今年の関西はこれにて終了。
あと松井智恵や名和晃平展なんかも観たけど僕の中で観なかったことになってるのでノーコメント。
でも松井展でインスタレーションに使ってたレンガを展覧会後に6400円で売ってたのは吹いたw
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