須田悦弘展@千葉市美術館

関東で観てきた個展をいくつかレポートします。
・須田悦弘展@千葉市美術館
・中西夏之「韻 洗濯バサミは攪拌行動を主張する 擦れ違い/遠のく紫 近づく白斑」@川村記念美術館
・さわひらき「Whirl」@神奈川県民ホールギャラリー
・エルネスト・ネト「Madness is part of Life」@ Espace Louis Vuitton Tokyo
すべてネタバレ含みますので読みたい方だけどうぞ。
まず千葉市美術館で開催中の須田さんの個展。
須田さんの国内美術館での個展と言えば、2006年に丸亀現代美術館の展示以来だと思うんですが、それも見逃してるので僕にとっては待望の展覧会でした。
彼の作品はどっちかというとグループ展向きというか、作品と作品の合間にあるって感じが多いので、個展でどう見せるかが今回のポイント。
最初の部屋では展示室内にさらに展示室がある構造で、3つの箱が設置されてました。
それぞれ靴を脱いで、須田さんの作品と対面します。
中には一人しか入れないものもあるので混むときつそう。
この日はほぼ混んでませんでした。
あと、着脱しやすい靴で行くべきです。僕はここで難儀しました。。。
作品は、大山崎で観た睡蓮等もありますが、新作もあります。相変わらず精巧すぎる。
漆で覆われた部屋はすごかったですね。
次の部屋ではなんと、伝説の「銀座雑草論」(1993)や「東京インスタレイション」(1994)が!
この「銀座雑草論」は銀座のパーキングにこの箱を停めて見せたというもので、このモバイルなインスタレーションの在り方は個人的に今でも有効なんじゃないかなと考えてます。
それにしてもあそこまで作り込まれてたのは驚きでした。
今は経年で床が傷んでる為上がれませんでしたが、中は黄金です。
そして最初のフロア最後の展示室ですが、これぞ須田さんの真骨頂っていう展示でした。
もう、探しても探してもない!!!
ガラスケースがあるので、そこを血眼に探してたんですが実はそこにはなくて、監視の椅子の下にありました笑 あそこに座るのは中々勇気がいると思います。
あとすみれがあるんですが、これは難易度が高いです。探してください。
続いて下の階では「須田悦弘による江戸の美」と題して常設を須田さんがアレンジしてます。
浮世絵から屏風まで色々並んでて、須田さんの作品がところどころに。。。
これも真骨頂ですね。中々の難易度です。
雀の描かれた巻物の下にお米が置いてるのが笑いました。
配られるキャプションに米って書いてて、最初そんな花あったっけ?と思いました笑
米まで彫るとは。。。
須田さんの作品は全部で8点あるんですが、ひとつどうしても見つからないものがありまして、全部見つかるまでに相当時間がかかりました。
いやー、楽しかったです。
さらに1階のさや堂というだだっ広いスペースにも作品があります。
桔梗がどうしても見つからずこれも大変でした。わかる人にはすぐわかるはずです。
確かにあそこに電気が点いてるのは不自然ですもんね。
そんな感じで堪能しました。やっぱり須田さん最高です。12月16日まで。
そして今回川村記念美術館との連携で休日には2館をつなぐ無料往復バスが出てます。
それぞれ、千葉市美からは12時と14時。川村からは13時と15時です。
僕は12時のバスに乗って川村へ向かいました。これは便利!
以前にも確かありましたね。確か川村でリヒターやってた時。千葉市美考えたらそれ以来や。去年の「瀧口修造とマルセル・デュシャン」は行きたかったな。。。。てか図録見るの忘れてた!
あ、須田さんの図録は予約すれば送料無料で送ってくれるそうです。予約しました。
あと、千葉市美か川村の半券持ってたら割引もありますのでご利用ください。
ってことで川村へ。
川村記念美術館では中西夏之展が開催されてます。
中西さんの作品自体はそこまで詳しくないけど、展覧会として気になったので。
というのも、中西さんの作品をすべて網羅して回顧するわけでもないんだけれど、初期の「韻」シリーズと洗濯バサミのシリーズ、そして最新の絵画をひとつの空間に並べるというのがおもしろいな、と思いました。
実際それらが並んだ空間に入ると、その歳月は驚くほど感じられなくて、一人の作家の一貫性が感じられました。
まあ、洗濯バサミとかかなり異質な感じもするんだけれど、こうやって並べられると全然違和感がない。
なんかすごい清い展示でしたね。
特に大空間での展示はものすごく気持ちよくて、作品見る前に置かれてるベンチに腰掛けてぼーーーっとしちゃいました。
あのイーゼルに立てかける展示すごくいい。めっちゃかっこよかったです。
あと、「垂曲線」と名付けられた謎の作品があって、キャプションには制作年も書かれてないので聞いてみたら、中西さんが展示してる時に、ここに何か欲しいと言って即興で作ったん出そう。
ポールと天井が紐でゆるく結ばれてるだけなんだけど、確かにあの紐空間をいい感じにゆがめてました。
他にもコンパクト・オブジェもあって、50年前の「山手線事件」で中西さんがそれをなめ回してる写真を思い出してしまいました笑
この「山手線事件」に因んでこないだ田中功起さんもイベントをやってましたね。
思わず「東京ミキサー計画」再読したくなりました。
まあ、展覧会はすごく良かったんですが、ここの展示はどうしても入り口からすぐの常設から観ちゃって、企画展示室着く頃にはお腹いっぱいになってることが多くて、ちょっともどかしいですね。
今回もロスコルームやニューマンルームを改めて堪能してから来ちゃったので、なんかおまけみたいになってしまってちょっと残念。
企画展示室もうちょっと広くしてほしいなぁ。やっぱ物足りなさが残ります。
今度来るときは階段上って2階の企画展示室から回ることにします。
中西夏之展は来年1月14日までです。
お次は神奈川県民ホールで開催中のさわひらきさんの個展。
ここは毎秋かなりおもしろい企画をしてますが、今年はさわひらきさんと聞いてかなり楽しみにしてました。
かなり広いスペースなので、埋めるのが相当大変だったと思いますが、過去作が多く、回顧展みたいになってたのが少し残念でした。
やっぱまだ若手作家さんなので、今の時点でこうなっちゃうのはまずいかも。
映像ってメディアはよくもわるくもあまりヴァリエーション効かないので余計それが際立っちゃった感じがしましたね。
それでもやっぱ作品自体がいいので楽しめましたが。
まあ、さわさんは今年最初に資生堂での個展で大きな新作作ってたしなぁ。
その断片的な作品はこっちでも見れます。というかその新作をこっちで出さなかったのは潔いですね。
あと、「Hako」の展示はあの吹き抜け空間でやるのはぴったりでしたね。
今まで平行的にしか見れなかったけど上からも見れてよかった。
これからも楽しみにしてます。展覧会は11月24日まで。
あとエスパス・ルイ・ヴィトンでやってるエルネスト・ネト展。
これも結構期待して行きましたが期待はずれでした。
ネトの作品年々ひどくなってる。。。前みたいなエレガンスがない。
今回もなんか色とか素材感とかすごく荒くて、個人的になかったです。
ネットの中に入って上れるんだけど、アスレチックにしか見えない。
テンションだだ下がりでのぼらず帰りました。
てかエスパス初めて来たけどすごい場所ですね。表参道一望。
あと、無料でもらえる冊子、というか本のクオリティ半端ない。。。
エルメスでもびっくりやのに、これもらうだけでも価値あります笑
来年1月6日までやってます。
須田さんの国内美術館での個展と言えば、2006年に丸亀現代美術館の展示以来だと思うんですが、それも見逃してるので僕にとっては待望の展覧会でした。
彼の作品はどっちかというとグループ展向きというか、作品と作品の合間にあるって感じが多いので、個展でどう見せるかが今回のポイント。
最初の部屋では展示室内にさらに展示室がある構造で、3つの箱が設置されてました。
それぞれ靴を脱いで、須田さんの作品と対面します。
中には一人しか入れないものもあるので混むときつそう。
この日はほぼ混んでませんでした。
あと、着脱しやすい靴で行くべきです。僕はここで難儀しました。。。
作品は、大山崎で観た睡蓮等もありますが、新作もあります。相変わらず精巧すぎる。
漆で覆われた部屋はすごかったですね。
次の部屋ではなんと、伝説の「銀座雑草論」(1993)や「東京インスタレイション」(1994)が!
この「銀座雑草論」は銀座のパーキングにこの箱を停めて見せたというもので、このモバイルなインスタレーションの在り方は個人的に今でも有効なんじゃないかなと考えてます。
それにしてもあそこまで作り込まれてたのは驚きでした。
今は経年で床が傷んでる為上がれませんでしたが、中は黄金です。
そして最初のフロア最後の展示室ですが、これぞ須田さんの真骨頂っていう展示でした。
もう、探しても探してもない!!!
ガラスケースがあるので、そこを血眼に探してたんですが実はそこにはなくて、監視の椅子の下にありました笑 あそこに座るのは中々勇気がいると思います。
あとすみれがあるんですが、これは難易度が高いです。探してください。
続いて下の階では「須田悦弘による江戸の美」と題して常設を須田さんがアレンジしてます。
浮世絵から屏風まで色々並んでて、須田さんの作品がところどころに。。。
これも真骨頂ですね。中々の難易度です。
雀の描かれた巻物の下にお米が置いてるのが笑いました。
配られるキャプションに米って書いてて、最初そんな花あったっけ?と思いました笑
米まで彫るとは。。。
須田さんの作品は全部で8点あるんですが、ひとつどうしても見つからないものがありまして、全部見つかるまでに相当時間がかかりました。
いやー、楽しかったです。
さらに1階のさや堂というだだっ広いスペースにも作品があります。
桔梗がどうしても見つからずこれも大変でした。わかる人にはすぐわかるはずです。
確かにあそこに電気が点いてるのは不自然ですもんね。
そんな感じで堪能しました。やっぱり須田さん最高です。12月16日まで。
そして今回川村記念美術館との連携で休日には2館をつなぐ無料往復バスが出てます。
それぞれ、千葉市美からは12時と14時。川村からは13時と15時です。
僕は12時のバスに乗って川村へ向かいました。これは便利!
以前にも確かありましたね。確か川村でリヒターやってた時。千葉市美考えたらそれ以来や。去年の「瀧口修造とマルセル・デュシャン」は行きたかったな。。。。てか図録見るの忘れてた!
あ、須田さんの図録は予約すれば送料無料で送ってくれるそうです。予約しました。
あと、千葉市美か川村の半券持ってたら割引もありますのでご利用ください。
ってことで川村へ。
川村記念美術館では中西夏之展が開催されてます。
中西さんの作品自体はそこまで詳しくないけど、展覧会として気になったので。
というのも、中西さんの作品をすべて網羅して回顧するわけでもないんだけれど、初期の「韻」シリーズと洗濯バサミのシリーズ、そして最新の絵画をひとつの空間に並べるというのがおもしろいな、と思いました。
実際それらが並んだ空間に入ると、その歳月は驚くほど感じられなくて、一人の作家の一貫性が感じられました。
まあ、洗濯バサミとかかなり異質な感じもするんだけれど、こうやって並べられると全然違和感がない。
なんかすごい清い展示でしたね。
特に大空間での展示はものすごく気持ちよくて、作品見る前に置かれてるベンチに腰掛けてぼーーーっとしちゃいました。
あのイーゼルに立てかける展示すごくいい。めっちゃかっこよかったです。
あと、「垂曲線」と名付けられた謎の作品があって、キャプションには制作年も書かれてないので聞いてみたら、中西さんが展示してる時に、ここに何か欲しいと言って即興で作ったん出そう。
ポールと天井が紐でゆるく結ばれてるだけなんだけど、確かにあの紐空間をいい感じにゆがめてました。
他にもコンパクト・オブジェもあって、50年前の「山手線事件」で中西さんがそれをなめ回してる写真を思い出してしまいました笑
この「山手線事件」に因んでこないだ田中功起さんもイベントをやってましたね。
思わず「東京ミキサー計画」再読したくなりました。
まあ、展覧会はすごく良かったんですが、ここの展示はどうしても入り口からすぐの常設から観ちゃって、企画展示室着く頃にはお腹いっぱいになってることが多くて、ちょっともどかしいですね。
今回もロスコルームやニューマンルームを改めて堪能してから来ちゃったので、なんかおまけみたいになってしまってちょっと残念。
企画展示室もうちょっと広くしてほしいなぁ。やっぱ物足りなさが残ります。
今度来るときは階段上って2階の企画展示室から回ることにします。
中西夏之展は来年1月14日までです。
お次は神奈川県民ホールで開催中のさわひらきさんの個展。
ここは毎秋かなりおもしろい企画をしてますが、今年はさわひらきさんと聞いてかなり楽しみにしてました。
かなり広いスペースなので、埋めるのが相当大変だったと思いますが、過去作が多く、回顧展みたいになってたのが少し残念でした。
やっぱまだ若手作家さんなので、今の時点でこうなっちゃうのはまずいかも。
映像ってメディアはよくもわるくもあまりヴァリエーション効かないので余計それが際立っちゃった感じがしましたね。
それでもやっぱ作品自体がいいので楽しめましたが。
まあ、さわさんは今年最初に資生堂での個展で大きな新作作ってたしなぁ。
その断片的な作品はこっちでも見れます。というかその新作をこっちで出さなかったのは潔いですね。
あと、「Hako」の展示はあの吹き抜け空間でやるのはぴったりでしたね。
今まで平行的にしか見れなかったけど上からも見れてよかった。
これからも楽しみにしてます。展覧会は11月24日まで。
あとエスパス・ルイ・ヴィトンでやってるエルネスト・ネト展。
これも結構期待して行きましたが期待はずれでした。
ネトの作品年々ひどくなってる。。。前みたいなエレガンスがない。
今回もなんか色とか素材感とかすごく荒くて、個人的になかったです。
ネットの中に入って上れるんだけど、アスレチックにしか見えない。
テンションだだ下がりでのぼらず帰りました。
てかエスパス初めて来たけどすごい場所ですね。表参道一望。
あと、無料でもらえる冊子、というか本のクオリティ半端ない。。。
エルメスでもびっくりやのに、これもらうだけでも価値あります笑
来年1月6日までやってます。