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土屋公雄展「夢のあとに/交差する時間」@福井県立美術館

IMG_6750.jpg

久々のレビュー記事です。
本来のモードを忘れて告知ばかりですいませんでした。
ってことでこの9月10月に観た展覧会です。
この9月10月はベテラン作家の凄みを感じることの多い月でした。
最も素晴らしかったのは先月まで福井県立美術館で開催されてた土屋公雄の展覧会。
以前から彼の作品は好きで観てましたが、今回美術館まるごと展示すると聞いて、結構無理して福井まで行ってきました。でも行った甲斐がありました!
まず入ってすぐの吹き抜けの作品からやられました。
「あの時」というタイトルの作品で、縄でくくられた4つの時計が吊るされています。
それぞれ8:15、11:02、5:46、14:46で止まっています。言うまでもない「あの時」たち。
そして、奥には磨りガラスで出来た構造体に入った灰。
この灰は家一軒分の灰だそうですが、灰になったらこんなものかと思うような量でかなりわびしい思いがしました。この家の記憶も何もかも灰になってしまうのはやっぱり悲しい。
そして、最大のインスタレーションが登場。これはマジですごかった。。。
トタン屋根がずらーーーっと会場を埋め尽くしていて、じっとみてるとジュッという音が聞こえる。
なんとこのトタン屋根熱っせられてて、上から水が落ちてきてそれが蒸発してたんですね。
このジュッという音が胸に沁みてきて中々その場を離れられませんでした。
さらに、「生きられた家」という作品は、家の形をした構造物に、花柄のカーテンのような布がかけられていて、中には椅子と蛍光灯が設置されてます。この布は蓄光が施されていて、電気が消えると緑に光って家の形が浮かび上がります。僕はでも蛍光灯のついてる時の方が好きでした。とても美しい作品。
さらに奥には家の柱がグリッドに並べられた作品とかもう見どころ満載。
この廃材はどこから集められてきたのでしょうか。。。
さらに2階の常設展も土屋さんがプロデュースしていて、割れた陶器を使って月の満ち欠けを表した自身の作品「月」と月を題材にした美術館のコレクションとコラボしてました。この「月」は東京都現美でも観たことありますが何度観てもいい。
あと、「ポートレート」と題した作品があって、色んな形の矩形が壁にずらっと並べられてるんですが、それが何なのか近づくまでわからない。実はそれらは全部鏡で、汚れてたり曇ったりで中々像を映さない。これもすごいインスタレーションでした。
さらにさらに地下には「未現像の記憶」と題した鉄の部屋があって、そこに入ると壁と天井が時計で覆われていて、それぞれ時を刻んでます。その重なった音がなぜか水中の音みたいに聞こえるんですが、どこにいるのかわからなくなってしまう感覚はすごかったです。
とまあ、ざざっと走り書きしましたけど、やっぱりあの凄みは観てみないと伝わらないですね。
一ヶ月しかやってなくて、もっと長いことやってくれたらよかったのにと思います。
この展覧会はやはり震災がひとつのテーマになっています。
これまで記憶を大きなテーマでやってこられた土屋さんだからこそ今回の震災は、相当大きなものだったと思います。
実際震災以降何度も被災地を訪れボランティアをしながら今回の展示を作っていったのだとか。
ただ、あまり震災というものに縛られてこの展覧会を観るのは違うと思いました。
カタログにもあまりにそれと作品を結びつけすぎていてちょっとがっかり。
彼の作品は、その以前も以降もやはり揺るぎないものがあります。実際観て確信しました。
こういう、芯のある作家はやっぱり信頼できるなと思いますね。
震災があったからどーこーっていうのはやっぱり違うと思う。
震災以降ソーシャルアートというのが取りざたされてるけど、僕はほとんど興味ないです。
もちろんそれがいけないとは思わないけど、でもやっぱり100年後1000年後に観ても共有できる普遍的な強さをもった作品が僕は好きです。


その文脈でいくと、愛知の小牧にあるメナード美術館でやってた舟越桂展もすごかった。
舟越さんって、メディアでも多く取り上げられたりして、ちょっとポップなイメージもあるけど、でもやはり芯の強い作家だなと思いました。
特に最新作「月の降る森」は泣きそうなぐらい美しかった。
展示方法もよかったんやけど、本当これもその場から中々離れられなかった。
「美しい」っていうと陳腐に聞こえるけど、それでもやっぱ「美しい」と言わざるを得ない。
他にも舟越さんの代表作も集まっててかなりすごい展覧会でした。
あと、メナード初めて行ったけど、所蔵品がすごかった!
アンソール代表作もあったし、シーレのドローイングめっちゃすごかった!
名古屋からは離れてますが、これは観る価値あると思います。11月25日まで。


そして、関西ですが、なんといってもYoshimi Artsでやってる館勝生展はすばらしすぎた。
多分関西じゃない方はほとんどわからないんじゃないかな。
愛知県美術館には所蔵がありますけどね。あの作品は素晴らしいです。
そしてまさにその愛知の作品を観たYoshimi Artsのオーナーさんがそれに惚れ込んで今回の展覧会が実現したんだとか。やっぱ彼の作品は強いですからね。
その館さんは残念ながらもう既にこの世の方ではありません。
2009年に44歳という若さで亡くなられました。
僕は生前から彼の作品が好きで観るたびにその場に立ち尽くしてました。
思えば2003年、学生の頃ギャラリーを回りだした本当に最初の頃にギャラリー白でやってるのを観て衝撃を受けました。「忘れられない絵」っていくつかありますが、その時みた館さんの作品もその一つです。
そして今回、入る前のガラス越しでやられました。
正面にかけられていたスクエアの大作は本当にすごい。
ちょっとベーコンを思わすような緊張感がありますね。
単純に絵の具の物質感とかよりも、もう構図が見事です。
今回何点か展示されてて、すべて晩年のものですが、正面の作品が一番よかった。
改めて惜しい人を亡くしたんだなと思わせてくれる展覧会でした。11月4日までなので是非。
国立国際にも所蔵がありますね。今展示中なんかな?


あといくつか。
まず六甲ミーツアートは今村君が出してたので、初めて観てきました。
それにしても電車で行くとめちゃくちゃ遠くてしんどかったです。。。
阪急六甲駅からバスでケーブルの駅まで行ってさらにケーブル乗ってさらにバス。。。
全部回る気はなかったので、植物園とオルゴール館だけ行きました。
ミーツアートのチケットは1800円で全部回れますが、この2つだと共通券1200円ってのがあるので僕はそれを購入。正直簡単に忍び込めそうでしたが。。。ボソっ
それはともかく予想より遥かに楽しめました。
今村君の作品もすばらしかった。キノコより控えめに生えてる街灯たち。
これがグランプリってのはやっぱりすごいなー。
あと、渡辺英二さんの蝶の作品はあそこにぴったりでしたね。
加藤泉さんの彫刻も馴染んでたし、来年SHISEIDO ART EGGに出される久門さんの作品もよかった。
クワクボさんのは国立国際で観たのとはちょっと違ってました。安定感がある。
オルゴール館も楽しい作品がいっぱいで、僕的にこの2館で大満足でしたね。11月25日まで。

あとは、BIWAKO BIENNALEも行きました。
今回は近江八幡だけでなく、東近江の五個荘にも広がってます。あとやっとビエンナーレになったw
僕は近江八幡エリアだけ回りました。目当ては大舩さんと川北さん。
大舩さんのはロープウェイを上った先のお寺の中というすごい場所。
そこにめちゃくちゃでかい円の作品と掛け軸の作品がありました。
自分的には奥の部屋の黒い長い絵が好きでしたね。
近江を一望できる絶景と共にあの澄んだ空気は大舩さんの作品に合います。
さらに友人川北さんの作品を観に天籟宮へ。
この建物経年でちょっと堀の方に傾いてるんですが、それと呼応するように、川北さんのストロークがまるで流れ落ちるような展示になってておもしろかった。こういう場所に合ったユニークな展示おもしろいなーと思って連絡したら狙ってないとのことでした笑
あと同じ天籟のサークルサイドさんのも単純な仕掛けだけどおもしろかった。
他には永井俊平さんのカネ吉別邸の天井裏の作品もおもしろかった。服が人になっていくみたい。
全体として、五個荘も増えた分近江八幡の会場は減って結構すぐ回れました。
自分が前回展示してた家はベーグル屋さんになっててびっくりでした。
でもやっぱ自分のやった「うつせみ」とは全く逆のベクトルでの空間の使い方だったんで、少々苦笑い気味でした。ちょっと勿体なかったです。こちらは11月4日まで。

あと、アンスティチュ・フランセ関西(関西日仏学館の方が言いやすかったのに)の大舩さんの個展。
作品自体は前に観たことあるけど所変われば見え方も変わりますね。
特に窓に逆光で見せてる展示は意表をつかれておもしろかった。
日中と日没後で楽しませてもらいました。
あとここのカフェはおすすめです。おしゃれやしのんびりしてるしケーキセット500円やし。
それにWifiも飛んでるのでPC作業も出来ます。近所にも欲しい。何の宣伝やねん。

それから伊丹市美術館の中原浩大展。アートクラスタ必見といったとこでしょうか。
でも僕には全然その良さがわからないっす。すいません。
日本アートの文脈的には相当重要な人なんだろうけど、いかんせん作品が。。。
地下の美術館所蔵のブロンズ像と中原さんの軽いドローイングの対比がおもしろかった。
来年同美術館でやる棚田康司さんの展示が気になります。


そんな感じで!
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