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「<私>の解体へ 柏原えつとむの場合」@国立国際美術館

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約2ヶ月以上ぶりのアート記事です。あわわわ。
まだ夏は終わってないけど、この先特に観ることもないのでこの夏に見た展覧会まとめ。

「<私>の解体へ 柏原えつとむの場合」@国立国際美術館
この夏観た中でやっぱり一番よかった展示。
恩師柏原えつとむ氏の美術館では初となる展覧会です。
これほどのキャリアの作家で初というのは意外かもしれません。
柏原氏は作家至上主義の美術界に常に異を唱え続けてきた人です。
なので、美術館という権威の元、「個展」という形式に対し抗ってきました。
そこでこの展覧会タイトルです。
これはあくまで「柏原えつとむ展」ではありません。
たまたま「柏原えつとむ」という人物が表現したにすぎない、一つのバージョンだという表れです。
なので「場合」という言葉がついているんですね。
デュシャンの「与えられたとせよ」という命題に近いかもしれません。
60年代後半から70年代にかけて発表されてきた作品が一堂に会する貴重な展示でした。
特に「方法のモンロー」はすごい。
画家の持つ「個性」をひたすら否定し続けている。
それでもそこからこぼれ出る、手癖や感性にとても魅力を感じました。
「未熟な箱たち」もおもしろかったですね。
なんか観ていてやっぱり僕はこの人の影響を受けているな、とつくづく思いました。
僕も作家の個性といったものに抵抗があります。
現在柏原氏がその作家の個性というものに戦っていた時代よりも、さらにその作家至上主義は加速しているように思えます。
美術館側もそれに甘んじているような印象すら受けます。
この展示を通じて改めて色々思うところができた気がします。
ちなみにこの展覧会の図録はすごいです。700ページを超える記録。
辞書のような厚さで、装丁は柏原氏の作品「THIS IS A BOOK」を思わせるデザイン。
なんだか企画側の愛をすごく感じました。こういうのはいいなぁ。
ちなみに「THIS IS A BOOK」はショップでも購入可能。
中身はコレクション展でご覧になれます。
展示は9月30日まで。


「リアル・ジャパネスク」@国立国際美術館
柏原さんの下の階ではこの展覧会が開かれています。
この展覧会に出品されてる泉太郎さんのお手伝いをさせていただきました。
泉さんは、神奈川県民ホールの「こねる」展から、面白い作家だな、と思ってて、横浜トリエンナーレでも一番印象に残ってます。
twitterで、手伝い募集の情報が流れてきたので、のっかってみました。
中々大変でしたが、泉さんの制作の仕方が近くで見れてとてもおもしろかったです。
再びデュシャンの「与えられたとせよ」ではないですが、泉さんはその問いをずっと問い続けているような気がします。
もう次から次へとアイディアが湧いてて、没になってもへこたれずに新しい案を出す。
その感じはすごかったですね。
手伝ってる方としては、それらがどう展示に結びつくのか最後まで想像つかなかったですけど笑
最終的に展示を見て、普通に観客として楽しめました。
ちなみに僕は映像にがっつり出てるので探してみてください笑

で、展覧会自体ですが、手伝っといてなんですが、残念ながら僕的評価は相当低いです。
さっきの「作家に甘んじてる」という発言がそっくりそのまま当てはまるような展覧会ですね。
キュレーションが出来てるとは言いがたいです。
まあ、もうタイトル見た時点でえ?って感じなんですが、作家の個展が集まっただけで、全体をとおしてどうとかいうのが全く見えてこない。
いいキュレーションというのは星座のように、展示から展示へどんどん線が結ばれて行って、最終的にひとつになるような印象を受けますが、今回はてんでバラバラ。
この個展形式、「絵画の庭」あたりから国立国際定番みたいになってきてますが、そろそろ気づいた方がいいんじゃないかな。全然有効的じゃないって。
そりゃ運営側としては、やりやすいし、見せやすいんだろうけども。


「隠喩としての宇宙」@ Taka Ishii Kyoto / ANTEROOM
こちらもキュレーションとして機能しているとは言いがたい展示。
森美術館のキュレーターさんが企画してるものらしい。
まあ、2会場に分かれてるし、規模もそこまで大きくないので難しいかもしれないけど。
確かに土屋さんの作品とか「宇宙」を連想させそうなものもあったけど、全体として「宇宙」をまったく感じなかったのは僕だけでしょうか。
でも作品単位ではいいものもあったしいいんだけどね。
大舩さんのロビーの長い絵はすごい。
まるで今回のスペースに併せて作ったかのようにぴったりはまりすぎ。
あとで聞いたら、そこは普段鏡がかかっていて、その鏡の寸法がなんと旧作とほぼ一緒だったとか。
そんなことあるんですか。。。
だから鏡の額縁にはめるだけでよかったそうな。すごい。
あと、アンテルームの方の土屋さんの作品もすごい。
全然見つけられなくて受付の人呼んで見つけたのが。。。やられた感がありました笑
タカイシイは9月1日までですが、アンテルームは10月まで延長されたそう。
このホテル、実はそこまで高くないので京都来る人は泊まってもよさそうですよ。


「杉本博司 はじまりの記憶」
展覧会じゃなくて映画です。
全体を通して「杉本博司ってすごいね」って映画です笑
まあ、すごいのは間違いないんですが、もうすでに食傷気味ですね。
でも、学生時代の頃のことやらのエピソードも盛り込まれてて杉本ファンは必見です。
「トップダウン方式で上から攻めて行った」という、MoMAの作品購入エピソードはすごい。
それで一発でその賭けに勝ったわけですからね。
しばらく杉本さんの作品を自分から観に行くことはないと思うけど、小田原のは楽しみにしてます。
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ジャンル : 学問・文化・芸術

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