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生誕100年 ジャクソン・ポロック展@愛知県美術館

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自分の搬入2日前ですが、無理矢理行ってきました、ポロック展!
やっぱ東京まで待てません。
これで春に東京行かなくて済みます。セザンヌも見たかったが仕方ない。

僕がこの展覧会の開催を知ったのはちょうど去年の今ぐらいの時期。
その知らせを聞いた時にはもう興奮しまくりました。
2009年のロスコ2010年のニューマンと来てついに真打ち登場といった感じ。
4月の時点で予告のチラシが愛知県美で配られてたし、夏には前売りチケットのチラシまで登場。
近現代美術でここまで力の入った展覧会は日本では中々ないのではないでしょうか。

蓋を開けてみると、期待に応えるラインナップでした!
ポロックを代表するドリッピングやポーリングの手法を用いる以前の1930年代から40年代の仕事が本当に充実していて、ポロック芸術の足跡を丁寧にたどっていけます。
第1章では、精神病院に通ってた時期のドローイングが見れたのは感動。
次の第2章では、「トーテム・レッスン2」が素晴らしかった!
一度描いた絵の上からグレイの絵の具で塗りつぶして再度絵にした作品。
これはポロックの「上からヴェールをかける」という彼の美学が端的に表現された作品。
どんどん絵の具の上から重ねていくという代表作たちにも共通するテーマですね。
その後ハンス・ネイムスが撮影した有名なポロックの制作現場を追う映像。
T・J・クラークの言うように、本当に機械のように絵の具を垂らすポロックの動作が印象的。
さらに彼のアトリエの再現が登場。上の写真です。
てっきり絵の具までちゃんと再現してるのかと思ってたらプリント。そりゃそうか。
アイルランドにある美術館では、ベーコンのロンドンにあったアトリエを寸分狂わず再現していて、絵の具の飛び散りとかもちゃんと計ってやってるんですよね。
まあ、今回は仮設だしそこまでやってたら逆に引くわなw
で、いよいよこの展覧会のクライマックスである第3章。
オールオーバーや、ドリッピングといった言説が成される彼の代表作時代。
1947年ごろから本格的にあの画面が登場し、1950年までのたった4年で美術史を覆します。
そこにはイメージらしきものもなく、ただ絵の具がほとばしる画面。
特に今回1951年の読売アンデパンダンで日本で初めて紹介された2点の作品が2つとも再来日してるのに感動。
ただし、クライマックスの章なだけに、やはり本当の意味での代表作が来てないのが悲しい。
「秋のリズム」とか「ラベンダー・ミスト」とか「One」とか。
無理なのはわかっていても、やっぱ「インディアンレッドの地の壁画」では弱いなという印象。
ここに5mクラスの大作が1点でも来てたらもうこの展覧会完璧でした。
それなだけに惜しいです。まあ、仕方ないけど。
そして第5章の「凋落の始まり」とも言われた最晩年の作品たち。
今度は染み込ませるという技法に挑戦しますが、あまりうまく行ってません。
そもそもなんで黒だけにこだわったんやろ。
ドリッピングを繰り返したくないってのはわかるけど、色まで絞る必要性はどこにあるのか。
先日の日曜美術館で石井竜也が中々いいこと言ってて(えらそう)、ピカソは一人で終わらせたけど、ポロックはバトンを次につないだ作家だという話。(ちなみに石井竜也の音声ガイドは聞いてみたけど、ら行の滑舌が悪くて苦笑いでした爆)
この染み込みは、ロスコやモリスなどに受け継がれていきます。
ここから僕の完全な妄想ですが、それでも彼はやはり最後までピカソに憧れてたんやろなって、展覧会を通して思いました。
ピカソのように「一人絵画史」をやり遂げたかったんじゃないかな。
だからいつまでもドリッピングやポーリングに留まっていられなかった。
さらに、絵画をどんどん大きくしたのも「ゲルニカ」の影響があったのではとすら思えます。
でも彼はピカソのように図太くなかった。
そして最後は自殺とも案じられる交通事故。。。
会場には最後に投げ出された彼の靴まで展示されています。
ここまで包括的なポロックの展覧会が日本で開かれるのはこれが最初で最後かもしれません。
ポロックの回顧展自体世界でも1999年のMoMA以来。
この機会ぜひお見逃しなく!愛知県美の展示は1月22日まで。その後東京近美に巡回。
カタログは結局買いませんでした。。。MoMAの時のカタログが欲しいなぁ。
今は常設で水野勝規さんの映像作品も見れるので愛知がおすすめ。
光の中で見る映像は、とても美しかったです。
2000部限定のパンフレットもまだあるみたいなのでぜひ。

ポロック展オフィシャルサイト>>http://pollock100.com/

今回行きの電車で予習がてらに読んでたART TRACE PRESSが本当に役に立った!
創刊号がポロック特集で、これ読んで展覧会見ると、感動が倍増します。
実際の作品と、色んな論評を比べながら回れるのはなんとも贅沢。
日本には美術批評の本が本当にないけれど、ようやく本格的なものが発行された感じ。
90年代に発行されてた批評空間以来ではないでしょうか。
しかも論者も世代が若くとても新鮮です。
この本に論考を載せている沢山遼さん(1982年生まれ!)のポロック展の記事がartscapeで読めます。こちら
こうやって若い批評家の人がどんどん出てきてほしいですね。
こういう本はすぐに絶版になるので興味のある方はすぐ手に入れるべきです。
絶版といえば、藤枝晃雄氏の「新版ジャクソン・ポロック」もついこないだ売り切れ。
今まさに必要な本なのに!
僕はこれをART TRACEの前に読んでてさらに役に立ちました。
とにかくこの展覧会は予習をしておくと本当に楽しめます。


他に名古屋では、西園敦さん率いるandbooksの展示も観てきました。すごくよかった!
渡辺英二さんがプロデュース(?)している星画廊も素敵でした。
ガラスケースから覗く展示ですがおすすめ。12月29日まで。
星画廊>>http://stargallery-fushimi.blogspot.com/

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