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横浜トリエンナーレ2011@横浜美術館、BankART studio NYK & 周辺地域

IMG_5122.jpg

もう本日で終了ですが、ヨコハマトリエンナーレ報告です。
4回目となる今回は、今まで共同開催してきた国際交流基金が抜け横浜市単独開催です。
国際交流基金と横浜市との確執の噂は色々聞いてたのでまあ当然の結果。
それが凶と出るか吉と出るか。。。

これまでの会場と違い、メイン会場が初めて横浜美術館となりました。
横浜美術館は、第1回時は奈良美智展、第2回時は李禹煥展、とここまではよかったのですが、前回は確か源氏物語展とかやっててずっこけた記憶があります。
この辺りで横浜市との確執が目に見えてました。
昨年館長が逢坂恵理子さんに代わり、今回のトリエンナーレの総合ディレクターも務めました。
逢坂さんは、なんといっても水戸芸時代のキュレーションが素晴らしかったので、もうヨコトリはいいかな、と思った自分でも少し期待していました。
しかしまあ、結局はいつもどおりの残念な結果になってしまったようです。。。

なんといっても問題は4回もやってるにも関わらずそれまでのノウハウが継承されていない。
いつも場所を決めるのに大半の労力を使い果たし、キュレーションに四苦八苦。
作家が最終的にフィックスされたのも開催2,3ヶ月前。
その結果やはり今回も新作はなし。
何のための国際展なのか、甚だ疑問です。
それでも人は入ってるんですよね。やっぱり話題ですから。
今回も終了間際で混んでると聞いたので平日を狙いましたが美術館はやはり混んでました。
まあ、それでも休日よりはマシだったと思います。
BankARTなんかは相当ゆっくり見れました。バスも乗れたし。

作品自体は面白いのがたくさんありました。
だから普通に展覧会と見れば満足できるのかもしれません。
特に美術館ではないBankART会場には良作が集まってました。
なんといっても世界的な話題をさらったChristian Marclayの'The Clock'にはやはり感動。
あんな編集何年かかるんだろう。。。
おかげで予約していたJeppe Heinの’Smoking Bench'にも間に合いました笑
この作品はイスに座ると蒸気があがるだけの作品ですが、前に大鏡があって、自分が消えて行くのが実際体験すると色んな意味を含んでいてなるほどと思いました。
もうひとつ話題のApichatpongの作品は時間がなくてわからなかった。映像むずい。
映像ではやはり泉太郎が最高。もう腹抱えるほど笑わせてもらいました。
美術館の方は、なんかもうごった煮状態でほとんど楽しめなかった。
コレクションを配した展示も全くうまく機能していませんでしたね。
置くとこないから置いてる、みたいにすら見えました。
好評な田中功起や杉本博司の作品も何がいいのかよくわからなかった(いつもなら好きな作家なのに)
今村くんのも、ああいう見せ方ではないだろ、と思いました。
なんか全体として浮かれすぎって感じ。
アートがエンターテイメントとしてしか機能しておらず、残念な気持ちになりました。
だから今回アラーキーがああいう作品を持ってきたことに感慨があった。
あそこで一旦浮かれた気持ちが落ち着くんですよね。
今回このトリエンナーレでは、記者発表当日にあの地震があり、開催も危ぶまれる中ここまでやってきた労力はすごかったとは思うけれど、あの震災後の当事国の国際展として、これはないと思った。
新作を頼める余裕がなかったせいで、地震を扱った作家は2,3名。
扱ってればいいってもんでもないけれど、それでも少なすぎる。
次回のあいちトリエンナーレのテーマはまさにこの震災がテーマだそうだけれどどうなんでしょうね。
ヨコトリ次回もやるんでしょうか。。。もうやめた方がいいと僕は思います。

ちなみにサブ会場の新港ピアは展示は謎だけど、奥のカフェはオススメです。もう遅いか。
黄金街は力尽きて行けなかった。。。


「日常/ワケあり」@神奈川県民ホールギャラリー
BankART会場から歩いてすぐなので、ヨコトリとセットで行くといいと思います。
こちらは江口悟、田口一枝、播磨みどりのNYで活躍する若手作家3人の展覧会。
日常からすこしズレた作品を制作する人たちです。
3人の中では江口さんが一番おもしろかったかなぁ。
精巧なんだかちゃちいんだかわかんない感じがツボ。
他の二人はなんかよくある感じというか、全然ピンとこなかったです。11月19日まで。


「ゼロ年代のベルリン ―わたしたちに許された特別な場所の現在(いま)」@東京都現代美術館
世界中で最も作家が住んでるんじゃないかと言われる都市ベルリン。
なんといってもヨーロッパの首都の中でもダントツで物価が安いのが魅力。
ベルリンのケバブは最高です。
そのベルリンで近年活動を続ける作家たちを集めた展覧会。
映像が多く、中々全部観るのは大変ですが、おもしろい作品は圧倒的に映像作品。
ダントツでおもしろいのがサイモン・フジワラとその父のユニット、「フジ・リユナイテッド」。
アイデンティティの問題をここまで爽快に表現するなんて!
作品としては、まず、ずっと会って来なかった日本にいる実父と再開し、その再会の印にティーセットを二人で作る。イギリスと日本の融合の象徴としてのティーセット。お茶は両国にとって重要な儀式。両国を結ぶ人物としてバーナード・リーチを挙げ、父親とリーチを重ね合わせる。
さらにイギリスに戻り、俳優と、父親との会話の予行演習。これが最高に笑える。
彼の作品もっと見たくなりました。
あとは、フィル・コリンズの作品ですね。
こういう作品の作り方もするんだ!と驚き。すごく美しい映像でした。
ヨーン・ボックやミン・ウォンなどの作品も楽しめます。アンリ・サラは相変わらずわからない。
ショップ近くにはオラファー・エリアソン率いる空間実験研究所の展示もあり。
それにしてもベルリンで活躍する日本人作家の作品がなかったのが気になった。なぜ?


畠山直哉「Natural Stories」@東京都写真美術館
この震災で大きな被害が出た陸前高田市出身の畠山直哉の展覧会。
その故郷を撮った写真が出ていると聞き、非常に期待していた。
結果としては、ほとんど感動はなかったと言っていいほど。
まず、ひとつひとつの作品にもう少し解説があっても良かったと思う。
作品の背景がわからずに理解出来ない写真もいくつかあった。
そして前述の震災の写真はあまりに美しくて、これでいいのか?と疑問だった。
報道写真のような悲惨さはほとんど感じられず相当戸惑ってしまった。
また、これらの写真があまりにこの展覧会にとってつけたような印象だったのが残念。
これを見せるなら、もうこれだけの展覧会にしてしまったほうがいいと思う。
この作品群が、この展覧会をひどく中途半端なものにしてしまっている。
全体を見終わってとてもモヤモヤしてしまった。
一番よかったのは、1999年にとられた街と月を撮った一枚の作品。
ごちゃごちゃした街並みと、月しかない空の対比がものすごくこわかった。


成層圏vol.5風景の再起動 宮永亮@gallery αM
京都在住の宮永くんの展示。
今回は、近畿、スウェーデン、さらに震災前の東北、震災後の東北を撮影した映像をミックスした「arc」という映像をメインに構成されたインスタレーションを展開。
おもしろいのは、宮永くんの映像観がこの展示ではすごく見えてくる所。
たとえば、会場地図を見ていると、投射物からはみ出た部分の映像の光もちゃんと映像の一部として捉えていて、それもまた違う形(たとえばそこに木を置いて影を作る等)に起こしている。
あまりこういう捉え方をしている映像作家っていないんじゃないかな。
いたとしてもそれをインスタレーションとして見せてる作家は僕の知る限りいない。
さらに、メインの「arc」を作るのに使った素材群をも一緒に見せている。
映像作品はいつも結果でしかないが、その灰汁の部分もちゃんと見せてる。
そういえば昨年児玉で観た「making」もそうだった。(これはタイトルにまで現れてる)
とまあ、宮永亮という作家のおもしろさはわかるのだけれど、今回の展示が果たして成功していたのかは、正直別問題だと思う。
前回の「making」に関しては、その散漫さが功を奏していたのは間違いなかったのだけれど、今回の映像は、その内容こそもう少し観客に見せられる必要があったと思う。
インスタレーションとしての要素が強すぎて、その内容がほとんど入ってこない。
被災地の映像が入っていると言われてもどうしてそれを入れる必要があったのかも見えてこない。
宮永くんがそこを問題としていないと言えばそうなのかもしれないが、僕は納得いかなかった。
展示は11月26日まで。


八木良太「高次からの眺め」@無人島プロダクション
こちらも京都の作家さん。
いつもは音をメインに扱ってるけど、今回はなんだか視覚的な作品が多かった。
けれどそれが何を指すのかイマイチ汲み取れなかった。残念。
無人島プロダクション初めて行ったけどあんな外観だとは!素敵です。11月19日まで。


その他。
ライアン・ガンダー「墜ちるイカロス―失われた展覧会」@メゾンエルメス8階フォーラム
Christian Marclay 'Scrolls' @ GALLERY KOYANAGI
「円空 こころを刻む」@埼玉県立歴史と民俗の博物館
ガンダーとマークレイは残念な感じ。
まあ、ガンダーはあの肩透かしな感じがいいとして、マークレイ。。。
「The Clock」と同じ作家とは思えない趣味の悪さ。
円空は初めて観れて満足。木!って感じがいい。博物館の常設もおもしろかった。

以上!
今年は上京3回で済んだ。来年は2回目標で。
千葉市美の「瀧口修造とマルセル・デュシャン」とか近美の「ぬぐ絵画」とか内海聖史さんの個展とか色々見てみたいけど、最近我慢することを覚えました。成長です。
次回は建築編。
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