伊東豊雄建築ミュージアム by 伊東豊雄

ついにこの7月にオープンした伊東豊雄ミュージアムを拝みに大三島へ巡礼の旅。
本当、この建物ができると聞いた時は心臓が飛び出るかと思いました。。。
伊東豊雄ミュージアム!!!!
建築のミュージアムという時点で日本初。
さらに、それがまだ現役の建築家をテーマにしたミュージアム。
そしてさらにそれが僕が大尊敬する伊東豊雄氏のミュージアム!
もう本当に凄まじいニュースでした。
あれから約2年半の時を経て、ようやくお目見えしました。
まずはシルバーハット。
こちらは伊東さんの自邸で、今回こちらに再築されました。
1986年に日本建築学会賞を受賞した、80年代の伊東さんの代表作です。
この建物はワークショップ等のイベント施設として利用されるよう。
これからの子供たちに向けた「伊東塾」の本拠地として機能します。
この開かれた建物がこの島に物凄くフィットしています。
瀬戸内海を借景として、とても豊かな空間。
それにしてもこんな半野外みたいなところで本当に暮らしてたなんて。。。
伊東さんは身を持って建築の厳しさを体験してたんですね笑
(安藤さんは自分の建てた建物には住まないらしい。)
仕切られた屋内は伊東さんの建築資料がアーカイブ化されてます。






駐車場の倉庫。

外にはサーペンタイン・パヴィリオン(2002)の模型!
伊東さんの作品は野外彫刻としても映えますね。
この建築で僕は伊東さんの虜になりました。。。

他にもミキモト銀座や、

多摩美術大学図書館があります。

さて、いよいよ伊東豊雄ミュージアム、別名スティールハットです!



幾何学を組み合わせた建物。
これはノルウェイの図書館のコンペで登場した案ですね。
NHKのプロフェッショナルでもこのコンペを追ってました。
内部は垂直の壁がひとつもないという不思議な空間体験ができます。
一部は東京近美で開催された「建築はどこにあるの?」展で出品されてた空間です。
正直初めてこの建物のイメージ見た時は微妙やなぁ、と思ったのですが、実際に見てみるとかなりかっこいいです。島の灯台のような感じですね。
6mmという非常に薄い鉄板でできあがってます。
また、この幾何学というプログラムはいくらでも増殖可能。
師匠である菊竹清訓氏が追い求めたメタボリズムの伊東版ではないでしょうか。
それがどこまで意識されてるのかはわかりませんが、こういう師弟のつながりはいいですね。
さて、中では「新たなる船出」と題された展覧会が開催中です。
入り口入ってすぐから、伊東豊雄を世界のToyo Itoにならしめたせんだいメディアテークでスタート。
模型や、建設中の写真、そして2001年の開館時の映像が展示されてます。
21世紀の幕開けと共に、まさに新たな建築の形を世界に提示した21世紀の建物。
これまででは考えられなかったチューブと呼ばれる空洞の柱。
気仙沼の造船技術を応用した薄いスラブの床。
あれからちょうど10年の今年、仙台は未曾有の大地震に襲われました。
この一見華奢な建物は今回の大震災でも崩れることなく残り、世界を再び驚嘆させました。
今この建物のワンフロアは「3がつ11にちをわすれないセンター」として利用されてるそうです。




次の部屋からは靴を脱いで入ります。
海をイメージした青い壁と、そこに浮かぶ島のような模型たち。
これらが360展開していて、斜めの壁に寄りかかって模型の内部とかを見ることができます。



写真がもはや縦なのか横なのかわかりません笑
手前の模型は東京ガスのSUMIKAパヴィリオンです。

子供たちもはしゃぎ回ってました。


そして彼らによっていくつかの模型は容赦なく破壊されてました。。。
破壊されたブルージュパヴィリオン。構造的に弱いので木っ端微塵。何のこっちゃわかりません泣

他にも、8月20日にオープンした岩田健母と子のミュージアムの模型。
ここに来る前に行ってきましたが、とても気持ちいい空間でした。
ガラスの嵌められたところではおもしろい現象が起きます。
ヒントはセント・ポール寺院のささやきの間です。

台湾のいくつか進行中のプロジェクトも。
台中オペラシティはできたらすぐに行きたいですね。
台湾は伊東さんの建築がたくさんあるので、伊東巡礼になりそうです。



先日コンペで勝ったばかりの岐阜県の「つかさの夢プロジェクト」。
メディアテークのような複合施設になるようで、現在名称募集中です。こちら。
なんと伊東さんとしては国内コンペで5年ぶりの勝利だそうです!

他の国内で進行中のプロジェクトも興味深いですね。
東京ガス千住見学サイト??


他にもぐりんぐりんや瞑想の森市営斎場や座・高円寺の模型はもちろん、コンペ案に終わった前述のオスロ図書館や、アメリカ初の伊東建築となるはずだったバークレイアーカイブなどの模型も展示されてました。

さらに、幾何学面体の未来の都市像も宙に浮いてました。


下の階は、外光がたくさん入る木の壁のやわらかい空間。
アーカイブを閲覧できるパソコンや、トレヴィエハの建築模型があります。




壁に貼られているのは、世界中から集められた「みんなの家」のアイディアたち。
これは、伊東さんが、今回の地震を機に、「みんなの家」というテーマで世界中の人々に声をかけて描いてもらった憩いの場のイメージ。
子供から大人まで様々なアイディアが並べられています。
伊東さんは今「帰心の会」を発足し、震災復興に向け、建築家ができることを模索中です。
その取組として、まず仙台市内にある仮設住宅敷地内に、みんなが憩うことのできる「みんなの家」を建設するそう。こちら。
今回の展覧会タイトル「新たなる船出」とは、もちろんこのミュージアムの門出を祝うタイトルであると共に、地震から立ち上がる日本再生に向けた伊東さんなりのエールの言葉なんだと思います。
これからこのミュージアムから何が発信されるのか、非常に楽しみです。

最後にこのミュージアムへのアクセスに関して。
とりあえず車がないと相当不便です。
ない場合は福山駅からしまなみライナーというバスが出ていて、これで大三島へ行けます。
片道1700円ですが、2人で行くなら5700円の4回分の回数券を買うのがお得。
2人分の往復代が1100円も割引になります。
しまなみ海道で瀬戸内海の島々を渡るのはとても気持ちがいいですね。
とまあ、ここまではいいんですが、問題は島に入ってから。
ここから島内バスで、ということですが、極めて本数が少ないです。
しかも乗り継ぎが必要で、この2つのバスのタイミングが合うのが相当稀。
まずは大三島BSから宮浦港方面のバスに乗り、さらに宗方港方面のバスに乗り換えです。
特に僕が行ったのが日曜日で、余計バスがないです。
行くなら平日か土曜日にしましょう。
仕方なくタクシーを利用しましたが、30分程乗るので結局4500円程の出費泣
とにかく大三島は広くて、よりによって、伊東さんのミュージアムは、島外からアクセスできる大三島BSからも盛港からも相当離れています。(盛港に関しては島内バスさえ出てない始末)
帰りはバスにしましたが、相当待ちぼうけをくらいました。。。
せっかくミュージアムが出来たんだからバスの本数是非増やしてもらいたいですね。
ってことで、行くなら皆さん車にしましょう。
まあ、おかげで大三島の美しい夕焼けも見れたので良しとしましょうか。。。
こちらは伊東さんの自邸で、今回こちらに再築されました。
1986年に日本建築学会賞を受賞した、80年代の伊東さんの代表作です。
この建物はワークショップ等のイベント施設として利用されるよう。
これからの子供たちに向けた「伊東塾」の本拠地として機能します。
この開かれた建物がこの島に物凄くフィットしています。
瀬戸内海を借景として、とても豊かな空間。
それにしてもこんな半野外みたいなところで本当に暮らしてたなんて。。。
伊東さんは身を持って建築の厳しさを体験してたんですね笑
(安藤さんは自分の建てた建物には住まないらしい。)
仕切られた屋内は伊東さんの建築資料がアーカイブ化されてます。






駐車場の倉庫。

外にはサーペンタイン・パヴィリオン(2002)の模型!
伊東さんの作品は野外彫刻としても映えますね。
この建築で僕は伊東さんの虜になりました。。。

他にもミキモト銀座や、

多摩美術大学図書館があります。

さて、いよいよ伊東豊雄ミュージアム、別名スティールハットです!



幾何学を組み合わせた建物。
これはノルウェイの図書館のコンペで登場した案ですね。
NHKのプロフェッショナルでもこのコンペを追ってました。
内部は垂直の壁がひとつもないという不思議な空間体験ができます。
一部は東京近美で開催された「建築はどこにあるの?」展で出品されてた空間です。
正直初めてこの建物のイメージ見た時は微妙やなぁ、と思ったのですが、実際に見てみるとかなりかっこいいです。島の灯台のような感じですね。
6mmという非常に薄い鉄板でできあがってます。
また、この幾何学というプログラムはいくらでも増殖可能。
師匠である菊竹清訓氏が追い求めたメタボリズムの伊東版ではないでしょうか。
それがどこまで意識されてるのかはわかりませんが、こういう師弟のつながりはいいですね。
さて、中では「新たなる船出」と題された展覧会が開催中です。
入り口入ってすぐから、伊東豊雄を世界のToyo Itoにならしめたせんだいメディアテークでスタート。
模型や、建設中の写真、そして2001年の開館時の映像が展示されてます。
21世紀の幕開けと共に、まさに新たな建築の形を世界に提示した21世紀の建物。
これまででは考えられなかったチューブと呼ばれる空洞の柱。
気仙沼の造船技術を応用した薄いスラブの床。
あれからちょうど10年の今年、仙台は未曾有の大地震に襲われました。
この一見華奢な建物は今回の大震災でも崩れることなく残り、世界を再び驚嘆させました。
今この建物のワンフロアは「3がつ11にちをわすれないセンター」として利用されてるそうです。




次の部屋からは靴を脱いで入ります。
海をイメージした青い壁と、そこに浮かぶ島のような模型たち。
これらが360展開していて、斜めの壁に寄りかかって模型の内部とかを見ることができます。



写真がもはや縦なのか横なのかわかりません笑
手前の模型は東京ガスのSUMIKAパヴィリオンです。

子供たちもはしゃぎ回ってました。


そして彼らによっていくつかの模型は容赦なく破壊されてました。。。
破壊されたブルージュパヴィリオン。構造的に弱いので木っ端微塵。何のこっちゃわかりません泣

他にも、8月20日にオープンした岩田健母と子のミュージアムの模型。
ここに来る前に行ってきましたが、とても気持ちいい空間でした。
ガラスの嵌められたところではおもしろい現象が起きます。
ヒントはセント・ポール寺院のささやきの間です。

台湾のいくつか進行中のプロジェクトも。
台中オペラシティはできたらすぐに行きたいですね。
台湾は伊東さんの建築がたくさんあるので、伊東巡礼になりそうです。



先日コンペで勝ったばかりの岐阜県の「つかさの夢プロジェクト」。
メディアテークのような複合施設になるようで、現在名称募集中です。こちら。
なんと伊東さんとしては国内コンペで5年ぶりの勝利だそうです!

他の国内で進行中のプロジェクトも興味深いですね。
東京ガス千住見学サイト??


他にもぐりんぐりんや瞑想の森市営斎場や座・高円寺の模型はもちろん、コンペ案に終わった前述のオスロ図書館や、アメリカ初の伊東建築となるはずだったバークレイアーカイブなどの模型も展示されてました。

さらに、幾何学面体の未来の都市像も宙に浮いてました。


下の階は、外光がたくさん入る木の壁のやわらかい空間。
アーカイブを閲覧できるパソコンや、トレヴィエハの建築模型があります。




壁に貼られているのは、世界中から集められた「みんなの家」のアイディアたち。
これは、伊東さんが、今回の地震を機に、「みんなの家」というテーマで世界中の人々に声をかけて描いてもらった憩いの場のイメージ。
子供から大人まで様々なアイディアが並べられています。
伊東さんは今「帰心の会」を発足し、震災復興に向け、建築家ができることを模索中です。
その取組として、まず仙台市内にある仮設住宅敷地内に、みんなが憩うことのできる「みんなの家」を建設するそう。こちら。
今回の展覧会タイトル「新たなる船出」とは、もちろんこのミュージアムの門出を祝うタイトルであると共に、地震から立ち上がる日本再生に向けた伊東さんなりのエールの言葉なんだと思います。
これからこのミュージアムから何が発信されるのか、非常に楽しみです。

最後にこのミュージアムへのアクセスに関して。
とりあえず車がないと相当不便です。
ない場合は福山駅からしまなみライナーというバスが出ていて、これで大三島へ行けます。
片道1700円ですが、2人で行くなら5700円の4回分の回数券を買うのがお得。
2人分の往復代が1100円も割引になります。
しまなみ海道で瀬戸内海の島々を渡るのはとても気持ちがいいですね。
とまあ、ここまではいいんですが、問題は島に入ってから。
ここから島内バスで、ということですが、極めて本数が少ないです。
しかも乗り継ぎが必要で、この2つのバスのタイミングが合うのが相当稀。
まずは大三島BSから宮浦港方面のバスに乗り、さらに宗方港方面のバスに乗り換えです。
特に僕が行ったのが日曜日で、余計バスがないです。
行くなら平日か土曜日にしましょう。
仕方なくタクシーを利用しましたが、30分程乗るので結局4500円程の出費泣
とにかく大三島は広くて、よりによって、伊東さんのミュージアムは、島外からアクセスできる大三島BSからも盛港からも相当離れています。(盛港に関しては島内バスさえ出てない始末)
帰りはバスにしましたが、相当待ちぼうけをくらいました。。。
せっかくミュージアムが出来たんだからバスの本数是非増やしてもらいたいですね。
ってことで、行くなら皆さん車にしましょう。
まあ、おかげで大三島の美しい夕焼けも見れたので良しとしましょうか。。。

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