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寺田就子「曇りの日の影」@GALLERY CAPTION

IMG_4418.jpg

寺田さんの展覧会を観に岐阜まで。
この日は小雨が降っていて、8月とは思えない涼しさ!最高。
以前寺田さんとギャラリーのスタッフさんが90まで展覧会を観に来て頂いたこともあり、これは是非駆けつけなければと思ってた展覧会でした。

これまで寺田さんの作品は何度か拝見していますが、今回は確実に何かが違いました。
それは、入り口にあった木棚の作品から予感が始まりました。
その最初の作品は、棚の中に、鏡の破片と、寺田さんおなじみのスーパーボールが置いてあるのですが、その棚の上にも鏡が置いてあって、その反射光が花柄のように上の壁に映し出されていました。
さらに進むと、真ん中の部屋には、色つきの集光ガラスを紙の上に置いた、不思議に光る作品があったり、奥では天井から吊り下げられた2つのレンズが、それぞれ空気の動きに反応してゆっくりと廻り、まわりの環境をぐるぐる映し出される作品、またそれを通して見る新作版画作品、鏡の反射光が壁に跳ね返ってくる作品等々、今までにない魅力であふれていました。
それでも一体何が今までと違うのか判断つきかねました。
考えながら歩いてると、壁の前を通り過ぎようとした折に何かキラっと光るものがありました。
よく見るとそれは正方形の集光ガラスというガラス板で、それがただ壁に虫ピンで貼り付けられていたのですが、その側面を縁取る集光ガラス独特の紫の光と、周りの環境が映しだされた像。
それを見た時になるほどと思いました。
これまでの寺田さんの作品は、inner universeというか、作品の中に宇宙が閉じ込められているかのような、内への拡がりを感じさせる作品であったのに対し、今回の作品群は、それが外へ解放されたかのような印象でした。
スタッフさんにその話をすると、昨年超京都で、初めて野外で展示した作品があって、そこに映り込む空の変化に大変刺激を受けたそうです。なるほどーー。
一点一点は別の作品なのに、それらがひとつひとつ混じり合い、美しいグラデーションを描いているかのような展示で、まさに僕の好きな展示ドンピシャでした。
今回の展示は、言葉ではうまく表現できませんが、とにかく寺田さんのこれまでの展示の中でも最高にすばらしかったと思います。ホント岐阜まで行ってよかった。
キャプションさんは僕の好きなラインをつく作家さんを多く取り扱ってるので、少し遠いですが、また是非来たいと思います。
寺田就子展は8月13日まで。日月祝休。オススメです。
GALLERY CAPTION HP http://homepage1.nifty.com/caption/


その後京都へ行って、知人の瓜生祐子さんの展示を観にPARC芸術センターへ。
岐阜と打って変わって暑い!なんじゃこりゃ!
それでも日陰を伝ってなんとかたどり着きました。
瓜生さんの作品何度か見てるんですが、今回の紹介文で、僕完全に勘違いしてることに気づきました。。。
彩色に関してなんですが、どうやってこんな淡い色をここまで綺麗に塗ってるんやろと前から疑問やったのがすっかりその謎が解けました。最初にパネルの上に直接色を塗って、その上に薄い布をまとわせ、その上から輪郭を鉛筆でなぞってるんですね。。。
そう見ると改めて面白い作品だと思いました。
僕は、いつも絵画を見る時側面を見ちゃうんですが、側面見るとよく分かります。
さらに芸術センターではsweet memoryというグループ展に参加されてて、他にも食べ物(お菓子)を扱った作家を取り上げた企画展です。
企画としてはまとまってるし、夏休みらしくていいんだけど、なんかパンチにかける。。。
というか、ここの北と南っていう構図もマンネリ化しつつあるなぁ。。。
こちらはあまり楽しめませんでした。
PARCの瓜生祐子展は8月7日まで。芸術センターは9月11日までです。
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ジャンル : 学問・文化・芸術

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