風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから@国立国際美術館

本日よりスタートした「風穴」展に行ってきました。
もうまったく未知数な展覧会でしたが、結構良かったです。
「コンセプチュアリズム」と聞くと、少し身構えますが、かなり柔らかい展示。
これまでの西洋中心のそれとは全く異なる、ロジックの喪失。
むしろ呪術的な作品が目立ちました。
そんな中でも圧倒的に日本の作家が気になってしまう。
これはやはりアクチュアリティの問題なのか、最初のヤン・ヘギュ(韓国)や邸志傑(中国)、ディン・Q・レー(ベトナム)あたりはほとんど素通りしてしまう。(ヘギュのドローイングはよかったけど。)
その中でもアラヤー・ラートチャムルーンスック(タイ)の「ふたつの惑星」は面白かった。というか既にシドニーで見たのだけれど、やわらかいクッションに寝転がって見るとまた格別。これは19・20世紀の名画を、タイの郊外に住む人々に「品評」してもらうという映像で、皆好き勝手言ってる笑
タイの田園風景と西洋絵画、それを眺める人々というフレームがとても美しかったりもする。
そして日本人ですが、今回出てる作家の展示はすべてお見事でした。
木村友紀に島袋道浩、コンタクト・ゴンゾにあの伝説のグループプレイまで!!!
この一見とりとめもないメンバーですが、かなりうまくまとまってました。
特にプレイを持ってきたキュレーターさんのセンスがいいですね。かなり締まる。
彼らは1967年に結成されたグループで、メンバーは何度も入れ替わりつつ今年で結成47周年!!!
雷を呼ぶパフォーマンスや河を渡るハプニングなど、美術の枠をはみ出してました。
僕もちょうど最近知った人たちだったので、この展覧会は個人的にとてもタイムリーだったり。
彼らの展示室は、実際の作業場となっており、そこで作られた発泡スチロールの→型イカダで本当に出航しちゃうらしい。5月を予定とのこと。ある種のサイトスペシフィックかも。
木村さんの展示は、相変わらずあっけらかんとしていてすごく好き。
これ、見れなかったIZU PHOTOとほとんど同じ作品みたい。なんかすごく得した気分。
写真がモノとして切り離されて、他のオブジェと同じ扱いをうけてる感じがいいんです。
コンタクト・ゴンゾは、見るたびにハマっていく感じがします。
森の時はなんのこっちゃわかんなかったけど、芸術センターに続きこの展示はすごい。
インスタレーションとしての精度も滅茶苦茶高い。
B1階のチケット売り場の隣の映像もお見逃しなく。
ウィフィッツィの時にやってたんですね…。隣で映像見てるおばさま方が完全にびびってる笑
そして島袋さんは、愛知でもすごくよかったけど、今回もそのゆるさがいいです。
段ボールがしゃべるやつはもう滅茶苦茶笑える!
そして最後の最後に亀!!!超コンセプチュアル!
彼らが全員関西出身なのはただの偶然でしょうか?
あと、今回のデザインワークをほとんど担当した立花文穂さんの展示もかなりよかった。
そもそも今回のチラシからチケットから何から何まで本当にかっこいいです。
カタログもかなりいききってるてる感じでおもしろい。見づらいけど笑
これで900円はいいなぁと思い購入。すぐ売り切れそうな予感。
国立国際の現代美術を扱ったテーマ展としては久々によかったかも。巡回ないんかな?
6月5日までなので、機会があれば是非来阪してみてください。
ちなみに今大阪では「おおさかカンヴァスプロジェクト」と題して、色んなところで現代美術が展開中。今月26から28日には、国立国際美術館の近くで西野達さんの作品も展開します。他には淀川テクニックや永井英男さん、一緒にBIWAKOに出した藤井秀全君や、六本木クロッシングでも出てた加藤翼君など。詳しくはこちら。
文化不毛な大阪ですが、京都に負けずに頑張って欲しいです。
そういえば今年は2009年に引き続き堂島リバービエンナーレが開催されるとどこかで見たのだけどどこやったかな…。かなりおもしろそうなテーマだったのを朧げに覚えてるのですが。。。
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