金沢市立玉川図書館 by 谷口吉生






ようやく遠征最後の記事です。
この旅ではアートに置いて神レベルのものを続けざまに見てしまいました。
ちょっと今頭がパニック中で、もう少し反芻して整理しなくては。
一方建築においては、図らずも2つの系譜を辿りました。
1つはSANAAです。
豊田の石上純也展や妹島さんの建築、豊島の西沢さんに金沢の21世紀美術館です。
そしてもうひとつが谷口吉生。
豊田市美術館と丸亀現代美術館ですね。
この2つは世界においても美術館建築のマスターピースだと思います。
決して派手さはないですが、有無を言わさぬ美しさがそこにあります。
実際豊田は15年、丸亀は20年経ってますが、美しさがまったく揺らぎません。
今年竣工の建物ですと言われても信じてしまうんじゃないでしょうか。
それぐらい谷口さんの建築は美しい。
高松で晩ご飯食いに行く途中にある一件の古本屋に立ち寄りました。
そこで前から欲しかった谷口さんの2005年に行われた展覧会の図録を購入。
この古本屋色々すごかったんですが、そこは割愛。
この図録ネットでは8000円もするハードカバーしか売ってません。
豊田市美では5800円ぐらいのソフトカバー版が売ってました。オペラシティにもあるかも。
僕が買ったのはソフトカバー版。3000円で買えたのはラッキー。
その図録を金沢までの道すがらに捲ってたら、金沢に最初期の作品があることが判明。
これってあまり知られてないんじゃないでしょうか。
金沢、何度も行ってたのに。
それがこの金沢市立玉川図書館。
丹下健三の事務所を出て4年後の1978年の作品です。
そして驚きなのが、共同設計者に父親である谷口吉郎の名前がッ!!!
なんとこの作品、最初で最後の親子コラボレーションなんです。アツい!
なんといっても表面を覆う銅板の色が美しい。
ガラスと銅板の対比が見た目の重さから開放しています。
銅板は表面だけで、裏はレンガ。
この建物は元々専売公社の建物でそれを改修したような感じです。
中はいたって普通の図書館でしたが、金沢改めて羨ましくなりました。
あぁ、MoMAも見てみたいなぁ。。。
とりあえず京都博物館の別館を今は楽しみにしています。
ちなみに買った図録で初めて東博で谷口親子の建築が対峙してるの知りました。すごいなぁ。
それにしても谷口さんって不思議な建築家ですね。
日本の大学では意匠を学ばず、その後のハーヴァードでようやく学ぶに至る。
建築家である父親への反発もあったのかな?七光りとかそういう葛藤。
その後は、丹下さんの元で働いて、父親の事務所を引継ぐ。
そして国内で素晴らしい建築を連発しながらも海外では今のところMoMAのみ。
海外唯一のプロジェクトがMoMAってのがかっこよすぎる・・・。
バーゼルのノヴァルティスキャンパスもやるみたいですが。
実作は決して多くはないものの、一つ一つの完成度が半端ないのはズントーに通ずるものがあります。
そんな彼の作品のほとんどを日本で当たり前に見られるのは本当に贅沢だと思います。
海外の建築学生からしたら日本はSANAAや伊東さん谷口さんの建築がざらに見られる状況は絶対羨ましいはず。
素晴らしい環境ですね。
これからもまた機会があれば谷口建築見ていきたいです。
葛西臨海水族園。美しいけど独りで水族館は行きたくないなぁ笑
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