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ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス@金沢21世紀美術館

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ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイス。
美術関係者の中で非常に人気が高い作家。
何度か単品で見てるのだけど、いまいちわからなくて、日本で一気に見れるのは絶好の機会。
昔テートモダンでもやってたけどその時はスルーした。英語で見てもしんどいだろうと思って。
今回観たいと思っていた「事の次第」はやはりすごくよかった。
これは関係者の間では「ピタゴラスイッチ」の元ネタと言われている。
こういうマジョリティのメディアである広告がマイノリティの美術をそのまま引用(というかパクリ)しちゃうことが多々あります。
こないだキューピーマヨネーズのCMが1999年のターナー賞受賞者であるスティーブ・マックイーンの作品をそのままパクッてるという話題もありましたね。
でもそもそもそのマックイーンにも元ネタがあって、っていう話題も。こちら
美術業界で「引用」(アプロプリエーション)は当然だけど、それは別の価値付けから来ていて、広告業界の引用の罪深いところは、それがマジョリティのメディアであるがゆえに、多くの人はそれが元ネタと認識してしまい、もし本当の元ネタを見た時に逆にそれがパクリだと誤認される危険性をはらんでいるということ。
まあ、そもそも元ネタを知っていれば問題ないとは思うものの、なんとなく符に落ちません。
でも、今回この「事の次第」を見てすごく安心しました。
というのも、この作品の持つ魅力は全然「ピタゴラスイッチ」に回収されてなかったから。
「ピタゴラスイッチ」は、言わばこの作品を殺菌・脱臭したような印象。
どう考えてもこのままではNHK教育で流せるわけがない笑
それほど、洗練されてないし、汚いし、なんかえぐいし。
こういうどう仕様も無い感じが現代美術のひとつの魅力なんだと思う。
それにしてもこれ30分もあるのがすごい。この鈍い連続性は見ていて飽きなかった。
他の作品は相変わらず掴みどころのない作品ばかり。
中庭の音の作品はすごくよかった。これは新作。
僕が彼らの作品を見ていて思ったのが、正直古いな、という感覚でした。
実際は最も古い作品でも1979年。まだ30年ほどしか経ってない。
にも関わらず、この古いという感覚は何なんだろうと見ながら考えてました。
それは多分、彼らの作品を評する時に頻出する「日常」というキーワードにあるのではないでしょうか。
ポップアートはあくまで広告などの「もの」を対象にしていたのに対し、フィッシュリとヴァイスが切り取って見せたのは「こと」としての日常だと思います。
初期の頃からひたすら続けている粘土の作品なんかは日常を落とし込んだ典型。
クマとパンダの映像も、美術館を飛び出し街や自然へと飛び出します。
こうした日常への態度は、今や美術界にとって当たり前になってしまいました。
彼らを祖としながら、遥かな地平へ飛び立った多くのアーティストがいます。
例えばティルマンスの写真なんかは、フィッシュリたちの「ソーセージ・シリーズ」よりさらに日常に切り込んでいるし、田中功起さんなんかはその典型でしょうね。
どちらが優れているとかそういう話ではなく、単に彼らは既に歴史になった感があるんですよね。
在命作家にも関わらず、過去の人のような印象があったのはすごく悲しかった。
新作の音の作品に心が揺れたのがせめてもの救いでした。

図書館で「ゆずれない事」のDVDも観た。
そのまま「正しい方向」も観ようと思ったけど時間切れ。
ちゃっかりカタログも読んだりして、フィッシュリとヴァイスがようやく近くなった気がします。
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テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

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