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高谷史郎「明るい部屋」@びわ湖ホール

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高谷さんの話題の舞台「明るい部屋」を観てきました。
2008年にドイツで初演されて以来初来日の舞台。
「明るい部屋」と言えばやはりロラン・バルトの写真論。
しかし内容はそこまでバルトのそれではなく、むしろその舞台の構造にありました。
まずすごいのが、1800ほどあるここの大ホールの席は一切使いません。
ホールに入ると皆舞台の「上」に吸い込まれていきます。
そう、観客も全員舞台に上がって、そこで鑑賞するのです。
なんて贅沢な使い方!
客席に全く人がいないのはなんだか異常な光景でしたが・・・。
舞台に上がるとまずその広さにびっくり。奥行きとか物凄くある。
中々舞台に上がる経験なんてないので、興味津々。
音響やライトといった普段舞台裏に隠れているものがすべて表舞台へ。
舞台中もセットが変わっていくさまや着替えまですべてが目の前で繰り広げられる。
それこそが「明るい部屋」。すべてを明るみにすることがこの舞台の軸になってます。
具体的なセットとしては、まず真ん中に正方形のカーペットが敷かれていて、最初は左右対称にソファとライトスタンドがあって、左右に観客席があり、観客は双方向から舞台を観る。
観客同士も向かい合ってるので、最初目のやり場に困った笑
しかし舞台が始まると、前に座ってる観客たちもセットのように見えてくるから不思議。
ここでは舞台のエレメントがすべて表にさらされている。
また天井にはこれまた正方形の布の張られた枠が3つ雲のように浮かんでいる。
その正方形を通してライトが均一にあたったり映像が映し出されたりする。
この演出はとてもおもしろかった。
例えば最初、真っ黄色のナトリウムランプで舞台全体が照らされているのだけれど、オラファーの作品のように、すべてが黄色とモノクロームの世界になる。白熱灯に変わった時に初めて本当の色がわかる。
映像もまるで雲が横切るように頭上で展開していく。
また、ライトスタンドの演出がすごくて、全部で16個のそれらがグリッドに並んだり、まっすぐに並んだりして、様々に位置を変えながら、この舞台の重要なキーになってる。
演出としては、その「明るい部屋」というイメージから連想された演出をコラージュしていくやり方。
これってdotsの作り方に似てますね。というかdotsが高谷さんやダムタイプから影響うけたのかな。
こないだの精華大学で行われたダムタイプの展覧会でもOPアクトやってたし。
実際dotsの桑折さんも観に来られてました。
でも、個人的にはdotsの方が好きです。
dotsの方が見せ方がサラッとしてる印象がありますね。
全体に通ずるのは、コミュニケーションのズレ。
それをさりげなく、コミカルに描いたりする。
最後の触れ合わずにダンスを踊る男女はまさにその極みでした。
そして、シンメトリーというのもこの舞台の特徴。
観客が双方向から観てるので、どちらからも平等に見られる演出が施されている。
しかし最後の最後、二人のパフォーマーが凄まじい映像と音の中で片方が椅子にゆっくりと座り、片方はそのまま静止したまま終わるシーンはとても印象的で、シンメトリーに収まることなく終わるのはよかった。
そんなこんなの1時間ちょっとの舞台。
とてもおもしろかったけど、なんだか物足りなさを感じたのはなぜだろう。
うまく言葉にできませんが、そこには新しいときめきが感じられなかった。
最近見続けている舞台にはどれも新しい発見や驚きがあったのですが。
ひとつ言えるのが、その明るみにされた舞台構造と、舞台の内容がほとんどリンクしていないのが物足りなさを感じる要因といえばそうな気がします。
特異な状況に身を置いているにも関わらず、舞台が始まってしまうと、普通に舞台を観ているのと変わらない状態になってしまってたんですよね。
これなら普通に客席から観るのと変わらないんじゃないの?と。
小さな劇場だったら普通にこういう双方向から観ることもありうるだろうし。
「舞台上」というコンテキストが抜けているような気がしました。
もう少し内容もドレスダウンしてもよかったんじゃないかと。
だって、池田亮司の音楽とか靍谷さんの映像とか普通にすごいんやもん。
そんな印象でした。

終了後に浅田彰氏との対談。
ピナ・バウシュの時もこの人の対談やったな・・・。
高谷さんが想像よりはるかに若くてびっくり。
確かにダムタイプの人やもんね。
てかダムタイプってやっぱり生きる伝説。
亡くなった古橋悌二をはじめ、この高谷史郎といい、池田亮司といい、高嶺格といい・・・。
決して枠に収まりきれない人たち。かっこいいなぁ。
対談もおもしろくて、浅田さんをすこし好きになってしまった笑

終わって舞台から降りてきた時のがらがらの客席の印象がすごかった・・・。


さて、今年の舞台はこれで終了。
来年はまたこのびわ湖ホールでやる地点を観に来ようと思います!
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ジャンル : 学問・文化・芸術

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