名和晃平「synthesis」@SCAI THE BATHHOUSE

約4年半ぶりとなる名和さんのSCAIでの展示。
来年の現美の展覧会も控えますます脂の乗ってる作家。
その4年半前はお手伝いさせて頂いてましたが、すっかりビッグになられました。
4年半前・・・来た時東京は大雪に見舞われ谷中が大変なことになってたのを思い出します。
今回は大きく手前と奥に分けて展示。
手前側ではドローイングを。奥では彫刻を展示。
まず入って驚かされるのが、そのドローイングのインスタレーション。
すさまじい量のドットが描かれていて、モアレを起こさせます。
このインスタレーションは本当にすごかった・・・。
元々僕は名和さんのドローイングが大好きなんですが、こういう形で見たのは初めて。
スタッフの努力も垣間見えます・・・。
また奥の彫刻ではなんとビーズの作品に変化が。
素材はいつもの鹿の剥製なんだけど、何かがおかしい。
何がおかしいって、顔がふたつ・・・2頭がくっつけられてる!
今回のタイトル「synthesis」には合成という意味があって、まさにコピペするように、2頭がかぶさって、ビーズによって合成されてる。
以前にも名和さんは、剥製というのは型が決まっていて、そのパターンにあわせて皮を貼り付けているだけ、とおっしゃってましたが、まさに同じポーズの鹿が組み合わされてる。
また、左右の壁にも頭の剥製があり、こちらも2頭。
入って右側のなんか、どういう風にくっつけてるのか、不可思議なフォルムでした。
最初DMで観たときなんか変やな、と思って気づかなかったのですが。
正直実物見るまで、そんな不自然なことしちゃったらコンセプトとかゆがむんじゃないの?と少し懐疑的だったんですが、実際に実物を目の前にすると、めちゃくちゃ「強い」んですよね。
有無を言わさぬ強さがあって、名和彫刻が新たな局面を迎えているように思いました。
名和さんの作品ってやっぱりきれいすぎるところがあったり、コンセプトが精密すぎたりで、そういうのに縛られてる感も年々拭えなくなってる感がありました。
でも、去年のエルメスでの個展で、そういうしがらみにある種終止符を打ったんじゃないかと。
あの展覧会は、改めて、Liquid、Beads、Scumと、今までのシリーズを総括することで、第一幕の終わりを示していたんじゃないかと、勝手に推測。
今回の展示が第2幕に向かって新たな一歩を踏み出している気がします。
ただ、やはり外と内がまだ整合性がとれてない気がします。
そこをうまくつなぐ糸口が見えれば、また新たな彫刻を見せてくれそう。
来年の現美ホンマに楽しみです!
SCAIでの展示は今月30日まで。
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名和晃平講演会「名和晃平の"アート"」@京都精華大学
名和晃平「GUSH」@SCAI THE BATHHOUSE
オラファー・エリアソン展@Gallery Koyanagi
ここ最近の小柳さんのラインナップがすごすぎる件。
だって、須田悦弘、束芋に続くこのオラファーですよ。しかも次は池田亮司。
東京住んでたら毎回通っちゃいますね。
ちなみにこのオラファー展はほとんど観た事ある作品。
奥の岩の写真と、影の作品(黒バージョン、カラーバージョン)など。
一番奥の部屋の映像は、多分こないだベルリンでやった個展の時の作品。
でっかい鏡をサイドに張ったトラックを走らせて、その模様を映している。
ってか、これ事故になりかねないけど大丈夫だったのかね?
金沢とか見ちゃった後だとやっぱ物足りないですね。今月28日まで。
ちなみに名和さんがSCAIで個展した4年前の記事にオラファーの原美の個展も載ってる。
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Olafur Eliasson 'Colour activity house' @ 金沢21世紀美術館
オラファー・エリアソン「あなたが出会うとき」@金沢21世紀美術館
Olafur Eliasson 'SUNSPACE FOR SHIBUKAWA' @ HARA MUSEUM ARC
Serpentine Pavilion 2007
小池一馬/牡丹靖佳展@hpgrp GALLERY 東京
6月のMA2での個展でファンになった牡丹靖佳さんと小池一馬さんの2人展。
小池さんは半分に割れたモアイ像みたいなのが床に置かれてるインスタレーション。
モアイ(仮)の中から海の音が流れていました。
正直小池さんの作品はよくわからなかった。
ポートフォリオ見たら絵も描かれている彫刻家みたいだ。
一方牡丹さんは相変わらず素敵過ぎてたまらなかった。
4枚のMDFに直接描かれた油彩。画面の前には絵から零れ落ちたような色とりどりの木片が転がってる。
少し離れた所に小作一枚と、その反対の壁に青を画面の半分ぐらいまでさっと塗ったような小作。
ギャラリーの方曰く、小池さんが今回の2人展をやるにあたり、海のイメージがあって、牡丹さんに海の絵を描いてほしいとお願いしたら、そんな簡素な絵が生まれたんだそう。すごい!
奥からこの展示全体をイメージしたこれまた小さな絵を持ってきてくださったのだけど、これが物凄くよくて、展示してないのはもったいないくらい!ホンマにほしくなった。買えばよかった。
これから追いかけていきたい作家の一人です。この展示は今月24日まで。
石塚沙矢香展@INAXギャラリー
越後妻有や大阪アートカレードスコープで拝見した作家さん。
今回は樹脂(?)の上に割れた茶碗やコップが置いててそれが会場に浮かんでいるというもの。
樹脂の上に奥意味はあったんでしょうか?ちょっとがっかり。
ポートフォリオ見てたらすごくおもしろいことやってる。これから楽しみ。今月28日まで。
この次はstudio90メンバーの田中真吾展です。月末また手伝いにきまーす。
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