fc2ブログ

ガラパゴス

a0141647_9372583.jpg

土曜日は淀のスタジオでトークがあって、studio90も参加しました。
90代表の田中氏はガチガチに緊張して、喋り方がなぜか標準語笑
画像の不備があったりして、90的には大失敗のプレゼン。
トーク中も対した存在感もなく終わってしまった・・・。
まあ、あのメンツですもの。しゃーないしゃーない。
トーク自体はアトリエについての興味深い内容でした。

先日のオープニングレセプションといい、今回のトークといい、改めて思い知ったのが、今の京都の熱と我々(少なくとも僕)の熱の差でした。
京都は今アーティストの活動拠点として日本で最もアツい場所です。
ここ5年、いや、3年ほどで劇的に変化しました。
これまでは、東京と比べてアートシーンも貸し画廊中心のしょぼいものでしたが、コマーシャルギャラリーが京都に出て来たり、アートフェアが始まったりと、アートインフラが少しずつ整備されてきていて、ますますアーティストが住み良い環境になってきています。
また、オープンアトリエや今回の京都藝術のような、作家主導の活動にも注目が集まり、東京からも多くの関係者が訪れるようになりました。
一方で、良くも悪くも「ガラパゴス状態」だったこの土地が、それらを取り巻く膨大な情報という開拓者によって侵略されつつあるな、とも感じます。
僕らが学生だった頃は、東京以外は話にならない、みたいな感じだったので、もう皆開き直って好き勝手やってるといった印象がありました。
それ故に、他にはない面白い作家が続々と出て来て、まさにその過程を目の当たりにしていました。その成果が現れたのが2003年のアートコートギャラリーで行われた「アートコートフロンティア」という展覧会だったように思えます。
それ以降しばらく停滞が続き、前述の通り、この3年程で京都のアートシーンの地殻変動とも言うべき現象が起こりました。
数年前のアートバブルの影響も手伝って、学生たちは「流行」を追い求めるように、似たような作品が卒展で並ぶなんてこともありました。そして実際にそれらの作品は青田買いの対象となり、いきなり香港のオークション会場に並んだりもしたのです。あっぱれ。
今はアートバブルも落ち着き、前程酷くはないですが、それでも面白い!と心から思える作品に出会える機会は圧倒的に減りました。
それに反して盛り上がる京都熱。
京都は元来閉じられた街です。
京都にいて思うのが、すべてこの街の中で完結してしまっているということ。
僕は正直その空気が息苦し過ぎてあまり京都を好きになれません。
その閉じられた円環の中で、今、皆が一致団結して、この京都をアートシーンの中心とするべく動き出しています。少なくとも今回の京都藝術はそういう動きに見えます。
でもそんなこと本当に可能なんでしょうか?
京都の人たちって未だに京都が日本の首都だと思ってる風があるんですが、今の京都のアートシーンに関してもそんな感じがします。
元々京都の人たちって京都から外に出たがらない人が多いので、この街で一生活動が続けられることに越したことはないんでしょうね。
でも、やっぱ日本の中心は東京で、それ以外は地方です。
さらにアートシーンの中心はやっぱり欧米なんです。
こんなこと今更いうまでもないことなんですが、今の京都見てたらそのことを忘却しているような感すら受けて、ちょっと恐くなってしまいます。
ロンドンから帰って来て、今のstudio90で活動して2年半経ち、こうして京都藝術にも参加させていただいてますが、正直京都も限界かな、と思い始めてます。
今回のイベントの様子を見ていて、「終わりの始まり」を感じてしまいました。
とりあえず、studio90としては、建物を5年契約でお借りしているので、あと半分、2年半は僕らなりの活動を地道に続けさせていただきたいと思っております。
ただ、それ以降僕自身京都に留まり続けるかに関しては、今の時点ではノーです。
これだけ動きの激しいアートシーンなので、また2年半後はどういう状況なのかはわかりませんが、今の状況が続くようであればあまり希望は見いだせないように思えます。
また、京都の中でも小さな渦ではあるけれど、いくつかのおもしろい動きが多発してるのも事実。メインの渦に流されず、それらの渦と連動して僕らも小さな渦を作っていけたら面白い道が開けるのではないかとも思います。さてどうなることやら。

もし、これを見て不快に思われている方がいらっしゃるようなら本当に申し訳ないと思います。
でもやはりこれが今の京都に対して僕の思っている正直な気持ちです。
ご理解頂きたいのは、これは京都藝術に対する批判とかでもなく、ただひとつの意見です。
こういう意見もあるんだ、と是非多様性を認めて頂ければ幸いです。
今回これを書いたのは、僕なりの小さな小さな警鐘です。
皆が同じ方向向いて直走ってろくなことはありません。
特に日本人はその傾向が強い民族なので、今の京都がそうならないことを祈るばかりです。
関連記事

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website
instagram

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2023.12.02-2024.02.04
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.24-2024.03.31
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

・2023.12.09-2024.02.25
キース・ヘリング展 アートをストリートへ @ 森アーツセンターギャラリー

・2023.12.01-2024.01.28
梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館

・2023.11.09-2024.03.31
第14回上海ビエンナーレ @ 上海当代芸術博物館

・2023.12.17-2024.01.27
味/処 @ 神奈川県民ホールギャラリー

・2024.01.11-03.10
フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

・2023.12.16-2024.02.18
久門剛史「Dear Future Person, 」 @ @KCUA

・2024.01.12-02.25
牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる @ 市立伊丹ミュージアム

・2024.02.06-04.07
中平卓馬 火―氾濫 @ 東京国立近代美術館

・2024.01.18-03.24
能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築 @ ギャラリー間

・2024.02.23-04.14
生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2024.03.06-06.03
遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

・2024.03.09-06.30
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 @ DIC川村記念美術館

・2024.03.12-05.12
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

・2024.03.15-06.09
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
ホー・ツーニェン エージェントのA @ 東京都現代美術館

・2024.04.24-09.01
シアスター・ゲイツ展 @ 森美術館

・2024.04.27-08.29
デ・キリコ展 @ 東京都美術館

・2024.05.23-08.04
魚谷繁礼展 @ ギャラリー間

・2024.09.04-11.24
大西麻貴+百田有希 / o+h展 @ ギャラリー間

・2024.09.14-12.01
塩田千春 つながる私(アイ) @ 大阪中之島美術館

・2024.09.25-2025.01.19
ルイーズ・ブルジョワ展 @ 森美術館

・2024.11.02-2025.02.09
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて @ アーティゾン美術館

・2024.11.23-2025.01.26
「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称) @ 三菱一号館美術館

・2025.09.13-11.30
あいち2025 @愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか

QRコード
QR