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瀬戸内国際芸術祭2010 4日目(犬島)










瀬戸内最終回ッ!
最後は犬島です。大島はワークショップ中心なのでパス。
この犬島、アクセスが非常に悪いです。
豊島(または直島)から行くか、岡山の宝伝港から行くかしかありません。
豊島からは1日3本の船しかない。
しかもこの島の美術館は16時半に閉まるのに対して、最後の便は15時50分着で、どう考えてもすべて回るのは不可能。
つまりちゃんと回るためにはその前の実質2本しかないのです。
僕らは高松から豊島に渡り、12時50分に到着しました。
着いたら今度は帰りの船を待つ人々でいっぱい!全員乗れるんかな・・・。
ここにいる人たちだけで既に島人口57人は超えてると思う・・・。凄い。
インフォメーションでチケット引き換えて、いぬじまごはん!
ここでも島民のおばあちゃんが働いてた。ええなぁ。
腹ごしらえも済ませていざ出陣です。

精錬所 by 三分一博志・柳幸典



















1909年に操業からたった10年で閉鎖してしまった銅の精錬所。
当時は3000人も住む島だったそうですが、今では57人しかいません。
そんな精錬所が2008年に美術館に生まれ変わりました。
閉鎖後一世紀弱を経たこの建物の跡地も見れるんですが、マジですごいです。
まるでラピュタ。自然と建築が一体になっている。。。素晴らしい。
これは是非見てもらいたいです。本当にすごい。滅茶苦茶感動しました。
こんな場所で舞台とか見れたらいいでしょうね。
維新派はどこでやったんでしょうか?見てみたかったなぁ。
さて、肝心の美術館ですが、個人的には不満だらけです。
三分一さんのリノベーションは、冷暖房を使わず、煙突効果を利用して風を建物内部に送り込み、夏は涼しく冬は地熱効果によって暖かい空間を実現させ、照明も外の光を鏡で反射させることで太陽光だけで成立させた究極エコ建築と言っていいでしょう。
このプログラム自体はおもしろい試みだと思うし、評価されてもいいとは思うけれど、美術館というプログラムに対して全く合ってないんじゃないかと思いました。
まずその煙突効果による風の音が凄まじ過ぎるのと、展示室に行くまでの鏡の反射が、あまりにドラマティックすぎて、すでに中の展示を食っちゃってる。
これが三分一さんのインスタレーションと位置づけられるならまだ見れるけれど、これを美術館建築としてやっちゃってるのはまずいと思う。
美術館は、中の展示物を引き立ててなんぼです。そこには静的なプログラムが必要だし、これだけ動的なプログラムを仕掛けられると中の展示はたまったもんじゃない。なんだか領域侵犯みたいな感じで作家側の視点からすれば非常に不愉快でした。
その点安藤さんの地中美術館は素晴らしいと思う。確かにあれもドラマティックではあるのだけれど、とても静謐な「空間」を生み出している。この三分一さんのやってることは空間へのアプローチとは思えない。残念ながら評価はできません。これが美術館じゃなく、たとえば商業施設とかならおもしろかったかも。
そして、肝心の中の展示もなんじゃこりゃって感じでした。
三島由紀夫の自邸の建具とかを使ったインスタレーションでしたが、そもそもこの島と三島由紀夫の接点が見いだせない。
そして、鏡の部屋みたいなところに連れて行かれるんだけど、そこは普通に暑くて話にならない。もう見る気すら失せてました。
そもそもツアー形式なのが気に食わない。自分のペースで見れない美術館なんて何の意味があるんだろうか。こんな受動的な体験はまっぴら。
精錬所跡地の素晴らしさを体感した後だけに、憤りすら覚えました。
せっかくの精錬所が汚されてしまった。
中の展示が替わればいいけど、恒久展示なので、もう2度と行くことはないと思う。
残念極まりなかったです。

家プロジェクト by 妹島和世・長谷川祐子・柳幸典
F邸














S邸














中の谷東屋
















I邸











僕の犬島での目的はこっち!
妹島和世のオンパレードッ!
これから2012年ぐらいを目処に10数個のギャラリーを作っていくという凄まじいプロジェクトで、そのうちの4つが既にお披露目されてました。
どれも素晴らしくて、妹島さんのボキャブラリーの広さに脱帽。
まずはF邸。
リノベーション型のギャラリーで、元ある構造を大分とっちゃってるので、鉄やらで補強しつつ、極めつけは建物の両端につけた空間。
これがギャラリーとなり、免震構造にもなっているという。
木の質感が滅茶苦茶きれいで思わずうっとりしちゃいます。
そしてS邸。
これは本当に素晴らしい建築。
アクリルを膨らませたりへこませたり、妹島さんお得意の形ではあるんだけど、こうすることで建物としての強度が増すんだって。そして、中は実際すごい温度になってるはずだけど、外から見ることを前提として作られていて、観客を締め出すという思い切った選択をとることで実現している美しい建築。
東屋は、本当に涼しくて助かりました笑
柱の太さが気になるけれど、妹島さんらしさに溢れている。
天井の笠に空が反射してとてもきれい。
小さな穴が開いてて、そこから空気が入るんだと思う。
穴が小さいので雨粒は入らず、天井を伝って流れ落ちる仕組み。多分。
I邸は、建物そのものよりやはり庭が素晴らしい。
環境を建築にしている感じ。妹島ボキャブラリーすごすぎ。
にしても、なんでどれも柳幸典の作品なんやろ?
これも恒久?せっかくなんだから色々替えていったらええのに。勿体ない。
どこも道が狭過ぎて、作業車が入れなくて、ほとんど手作業で材を運んだという話を聞きました・・・。夏にやってたら死にますね。
にしても建築やってる人からしたら天国です。
妹島さんの建築がこれだけ一気に見られるなんて凄過ぎます。
世界的に見ても羨ましいでしょう。日本人でよかった。
中には日焼けで真っ赤に焼けただれた外国人もいました。お疲れさまです。
またすべてのギャラリーが出来たら来てみたいです。
関連記事>>妹島和世「最新のアート・プロジェクトについて」@大阪大学中之島センター

そんなこんなでこの犬島を最後に僕の芸術祭ツアーは終了!
宝伝港経由で無事家路に着きました。
どの島も違った魅力があって、本当に楽しかった。
途中熱中症になったりしたけど、それも含めて思い出です。
こうやって思い出も一緒にパッケージングしてしまう芸術祭のあり方は、本当に素晴らしいと思います。アートは体験なんだと改めて身に染みました。
移動は船のみという越後妻有よりも過酷な条件にも関わらず、各島には島民を遥かに超える観客が押し寄せていて、アート好きな人ってこんなにおったん?とびっくりしました。なんでも開催一ヶ月を待たずして10万人以上の来客があったそうです。凄ッ!
これらの島々には、日本の近代化の闇を負わされた島が多くあります。
豊島の産業廃棄物問題然り、犬島の衰退、大島のハンセン病患者の隔離。
それらの歴史も踏まえた上で、この島々に感謝の念も込めて光を当てる。
本当に素晴らしいプロジェクトだと思います。
もちろん、島民以上の人々が訪れるわけですから、問題も多々発生していると思うし、作品の設置に関しても揉めている箇所もあると思います。
すべての人が賛成だとは到底思えません。
だけど、僕はやっぱりこの芸術祭は素晴らしいと思いました。
島民の人が生き生きと働いてる姿を見たり、親切に触れたり、心が洗われる思いでした。
今回ビエンナーレともトリエンナーレとも言ってないので今後の行方が気になります。
是非また開催して、新たな思い出作らせてほしいです。
でもまあ、豊島には西沢さんの美術館見に行くし、何かとお世話になりそう。
芸術祭は関係ないけど、大三島には伊東さんのミュージアムもできるしね。
瀬戸内海は波も穏やかでとても美しい景色。これぞ日本の宝です。
そんな場所で芸術祭が開かれるということ。これは世界に誇れるイベントです。
あーーー、楽しかったなーーー!

最後にアドバイスとしては、時間のない人は大島、男木島、小豆島は切ってもいいかも。あと犬島も建築に興味がない限り芸術祭中にわざわざ行かなくていいかもです。
女木島は福武ハウスがあるし、豊島も会期中しか見れない良作も多いし、直島は芸術祭チケットで見るとお得なのでこの3島は必須かな。


明日(9月5日)の日曜美術館はこの瀬戸内国際芸術祭特集ですよ!要チェック!
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2010/0905/index.html
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