fc2ブログ

瀬戸内国際芸術祭2010 3日目(高松・豊島)






午前中は美術館に回しつつ島巡り再開ッ!
「芸術祭フリー乗船2日券」(¥3500)を買いました。
当初は3500円を上回ることはなかったのですが、1日延ばして残る豊島と犬島を別々に回ることにしたので、2日間で5100円もかかることが判明。このパス買った方が断然お得です。皆さん慎重に計算して買いましょう。
高松港では大巻伸嗣の【2】「Limited Air:core」が見られます。
前の晩着いた時も見ましたが、やっぱり青空の下で見た方がキレイ。
オープニングに行われた【90】「Memorial Rebirth 2010 Setouchi」も見たかったな・・・。この作品は横トリ以来見逃し続けてます。
ちなみに高松港には他に椿昇の作品もありますがパスしました。

さて、豊島です。
豊島は芸術祭期間中なんと無料バスが島内を回ってくれてます。
東回りと西回りがあるので駆使して回りましょう。
僕らはまず西回りで唐櫃港へ。

【20】オラファー・エリアソン「ビューティー」
早速オラファーです。
原美でも見た、霧に光が投射されて虹が出る作品。
倉の中では水はけ抜群のアスファルトが床に敷かれてました。
もう少し広い所で見た方がこの作品は映えると思います。
個人的に近くで見るより離れて見た時の方がきれいです。
ぎりぎりまで場所と作品が決定されてなかったことを思うと、オラファーは悩んだ末にイマイチいい案が浮かばなかったと勝手に推測してます。
これは芸術祭が終わっても見られる恒久作品。


【33】クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」
世界中で心臓音を集めているボルタンスキーのプロジェクト。
これはボルタンスキーの死後も続けられる作品で、ボルタンスキーの並々ならぬ意志を感じます。海を臨む抜群のロケーションに建物まで建てちゃってます。
部屋は2つに分かれていて、1つは部屋に鏡が無数に貼られていて、豆電球が鼓動の音とともに点滅している。でもこれラファエル・ロサノ=ヘメルの作品と諸かぶりなんじゃないかと思う。あっちの方がインタラクティブ性があるし、作品の強度としてあっちの方が強いと思う。どちらかというとこういうインスタレーションより、世界中の心臓音をアーカイブしているという事実が重要。それらの音はもうひとつの部屋でパソコン上で場所と人を決めて聞くことができます。今のところ、パリと日本ぐらいでしか集めていないが、既に1万を超えている。
1500円で自分の心臓音をレコーディングしてCDに焼いてくれるということでやってもらいました。越後妻有の時は機械が故障していてできなかったので。うれしい。
もちろんこれも恒久作品。
グランパレの作品もよかったし、来年のヴェニスパリ館も楽しみ。








続いて西回りバスで清水前へ。
【19】青木野枝「空の粒子/唐櫃」
作品自体はいつもの青木さんだが、この芸術祭の中で最も物議を醸している作品のひとつ。なんでもこの作品の立ってる場所が問題のようです。事実はどうかわかりませんが、詳しくはこちらで。


【21】安部良「島キッチン」
地元のおばあちゃんたちも手伝って作ってるカレーはあっさりで美味!
新鮮な野菜の天麩羅も最高です。
これは芸術祭後なくなっちゃうのかな?惜しい。
島キッチンセット食いたかったー!


【23】藤浩志「こんにちは藤八十郎」
展望台からの景色が最高。


【24】J・カーディフ&G・B・ミラー「ストーム・ハウス」
越後妻有の時の方がよかった。島の人が見に来てたのがうれしい。恒久作品。


【26】内藤礼/西沢立衛 豊島美術館
10月17日のオープンまで外観しか見れませんがすでにすごいです。
天井は完全に穴で雨とか全部入ってくる。
内藤さんの作品のイメージ画像わかりにくすぎ笑
また出来たら見に来ます。多分春頃かなぁ。
ロケーションも最高です。
これ見るために【14】森万里子は諦めました。もう既に2回観た作品やし、恒久作品なので、美術館の完成と合わせてまた観ます。














【15】塩田千春「遠い記憶」
あいちでは作品の質の低下に触れましたが、これを見て安心しました。
ってか、ナマ言ってすんませんでした!やっぱ塩田さんすごい。
この芸術祭中僕が最も感動した作品はまちがいなくこれです。
今までの窓の作品と確実に違うのが、窓の出自です。
これまで東ベルリンの窓ばかりを使ってましたが、今回はこの豊島中から窓を集めて作っています。記憶という塩田さんのテーマと、この島の記憶がぴったり合致して、元小学校のこの空間の時空を歪めています。
また、窓のトンネルを抜けた先の緑の借景も美しく、美的にも優れている。
東ベルリンの窓とは違って、色んな種類の窓があるので、前者が冷たい印象だったのが、今回のはとても温かい雰囲気。
光にシフトしていく塩田さんの萌芽を感じる素晴らしい作品でした。
どうやらこれは恒久作品じゃないみたい。んー、残念。


























近くの【18】スー・ペドレーの作品はよくわかりませんでしたが、【17】クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロの「残り物には福がある。」は個人的にツボ。
全く関係ない家の古道具と恐竜の化石が不思議とマッチしてました。
家の周りには発掘したテイの堀跡まであって、とても楽しかったです。
これも恒久ではないので是非芸術祭期間中にご覧になってください。
作家さんのHPを発見。どれもおもしろく、これから注目のコンビです。
Claire Healy & Sean Cordeiro>>http://www.claireandsean.com/







あと港の周りの【11】トビアス・レーベルガーはよくわからず、【12】木下晋の空間は、今度僕が参加するBIWAKOビエンナーレの会場にそっくりだったので、勝手に頭の中でシュミレーションしてました。

そんなこんなで豊島終了!
この芸術祭で回った島々の中でダントツおもしろかったし美しかった。
恒久作品も多いし、福武さん的にはこの島を第二の直島にしようとしてるんかな?
直島ほどソフィスティケートされてない感じがすごいよかったんですが。
あと、青木さんのとこでも挙げましたが、やっぱり問題はありますよね。
島の人々とアートがこれからも共存できる道を探っていって欲しいです。
美術館完成したらまた来ます!
ちなみに豊島は以前不法投棄の問題で汚名を被ってしまった島ですが、その名が示すように、本当に自然豊かな美し過ぎる島です。どうか、またこの豊かな島の復権にアートが貢献できますように。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website
instagram

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2023.12.02-2024.02.04
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.24-2024.03.31
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

・2023.12.09-2024.02.25
キース・ヘリング展 アートをストリートへ @ 森アーツセンターギャラリー

・2023.12.01-2024.01.28
梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館

・2023.11.09-2024.03.31
第14回上海ビエンナーレ @ 上海当代芸術博物館

・2023.12.17-2024.01.27
味/処 @ 神奈川県民ホールギャラリー

・2024.01.11-03.10
フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

・2023.12.16-2024.02.18
久門剛史「Dear Future Person, 」 @ @KCUA

・2024.01.12-02.25
牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる @ 市立伊丹ミュージアム

・2024.02.06-04.07
中平卓馬 火―氾濫 @ 東京国立近代美術館

・2024.01.18-03.24
能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築 @ ギャラリー間

・2024.02.23-04.14
生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2024.03.06-06.03
遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

・2024.03.09-06.30
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 @ DIC川村記念美術館

・2024.03.12-05.12
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

・2024.03.15-06.09
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
ホー・ツーニェン エージェントのA @ 東京都現代美術館

・2024.04.24-09.01
シアスター・ゲイツ展 @ 森美術館

・2024.04.27-08.29
デ・キリコ展 @ 東京都美術館

・2024.05.23-08.04
魚谷繁礼展 @ ギャラリー間

・2024.09.04-11.24
大西麻貴+百田有希 / o+h展 @ ギャラリー間

・2024.09.14-12.01
塩田千春 つながる私(アイ) @ 大阪中之島美術館

・2024.09.25-2025.01.19
ルイーズ・ブルジョワ展 @ 森美術館

・2024.11.02-2025.02.09
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて @ アーティゾン美術館

・2024.11.23-2025.01.26
「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称) @ 三菱一号館美術館

・2025.09.13-11.30
あいち2025 @愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか

QRコード
QR