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Art Court Frontier ♯8 @ Art Court Gallery


毎年恒例となってきました、ACF。
ギャラリスト、キュレーター、批評家、作家、コレクターの方々から推薦をもらった関西に縁のある新進作家を紹介するこの企画展。
2003年から始まり既に8回目。
なんとロンドンに行ってた2007年以外観てます、僕。
第一回の名和さんや伊藤存さんなどが出られてた頃を思うと、やはりそうポンポン「フロンティア」は見つからないわけで、その質の低下は否めませんでした。
しかし今回、久々に見応えのあるもの観させてもらったな、という印象でした。
一言で言うなら、とても「知的」な展覧会。
多くの作品がコンセプトがとても美しい形に結実しているものが多かったです。
中にはものすごくコンセプチュアルなものや笑いをテーマにしたものもあったけれど、全体としてとてもうまくまとまっていた気がします。
白眉は埋橋幸広さんの、なんとミツバチを使ったインスタレーション。
アートコートの中庭がミツバチ農場みたいになってて、花畑の中にハチが飛び交ってました。ネット付きの帽子かぶって入ることもできたけれど、行った日は雨で、「雨の日は機嫌悪い」みたいなこと書いてたのでやめました笑
晴れた日に機会があれば行ってみたいです。
3月にINAXで観た、森末由美子さんも、INAXの展示より遥かによかった。
本を削った作品で、ものすごく詩的で静謐な良作。
こちらは未見だけど、同じくINAXでやってらした黒宮菜菜さんのペインティングももの凄く良かった。抽象と具象の間を行き来しつつ、ポルケのような不思議な画面を作り出していて、テクスチャーもツルツルしていて、凄く好き。ただ、ポートフォリオが大学生が作ったようなすごく荒いやつで、もう少しブラッシュアップすべきだと思った。
あと、大西康明さんの作品を久々に観た。ポートフォリオを観ていたら、世界各地を転々として、作品を作っているみたいで、観てみたい!と思うものがいくつもあった。しかし、今回出されていた作品は、グルーでポリエチレンシートを天上から吊るしているというものなんだけど、そのグルーを止めてる上のテグスが丸見えで、ちょっとそれが勿体ないな、と思った。もしこれが天上から直接点いてたらかなりいい作品だと思う。搬入のことを考えると無茶かもやけど、そこはなんとか頑張ってほしかった。
あと、佐藤貢さんの作品も、完全に場から浮いてた。ああいう雰囲気の作品はホワイトキューブに合わない。以前出されていた大舩さんの展示もかなり浮いていたし、グループ展で他の人と同じ空間で見せるような作品ではない。むしろ奥の部屋(木内さんが使ってたとこ)のガラスケースの中に入ってた方がしっくりきた気がする。
<関連記事>
Art Court Frontier ♯7 @ Art Court Gallery
アートコートフロンティア2006
森末由美子「ある日静かに」@INAXギャラリー2
佐藤貢展@PANTALOON

ちなみにギャラリーと帝国ホテルを結ぶ「彫刻の小径」は必見。
いつも古めかしい彫刻が置かれているんだけど、今年度は現代彫刻が置かれています。
大西伸明さんや、高橋匡太さん、河口龍夫さんや松井紫郎さんなど豪華。


鈴木崇「BAU」@rep
2005年のフロンティアにも出されていた鈴木崇さんの個展。
ドイツのデュッセルドルフアカデミーにて、トーマス・ルフに師事し、精力的に写真というものを考え直すようなコンセプチュアルフォトの写真家。
正直2005年観に行ってるんやけど、ほとんど覚えてませんでした、ごめんなさい。
今回の作品は、色とりどり、形もさまざまなスポンジを組み合わせて構造物を作って、黒を背景にそのフォルムを映し出したような写真。
その名も「BAU」。ドイツ語で建築という意味。
鈴木さんは京都のSuper Window Projectの作家さんで、今回のシリーズを発表するにあたり、ちょうど建築とアートの間を模索するradと組んでやってみたらどうかと、オーナーのバロンさんから打診があったんだとか。元々バロンさんも建築をやってらして、その点でradとは付き合いがあったらしく、そんな経緯で、今回のradとの企画が成立したそうです。
それにしてもただのスポンジなのに本当に建築に見えてくるから不思議。
それにまた、サイズも絶妙で、ひとつひとつの作品はスポンジサイズぐらいの小ささ(送られてきたDMより小さい!)、それが100枚展示されている。
ひとつひとつ厚みがあって、写真の表面も昔の写真のようにザラザラしている。
こういう写真の物質感のようなものってすごくいい。
写真をイメージとして見せる人が多いけど、こうしてモノとして見せるやり方は個人的に好きです。
どうしても写真はその中で完結してしまっていて、とても冷たい印象があるのだけれど、今回の鈴木さんの作品はとてもフレンドリーな感じがしました。
昨日は近くのメディアショップでトークがあって、そのお話もされてて、やはり今は写真がデータに置き換わっていて、その物質性というのはほとんど扱われることが少なくなってきたことに、ある種の寂しさがあるという話を聞いて、共感しました。
個人事ですが、最近同級生が亡くなりました。それでご両親が彼の写真を集めていて、僕も探してみたら、意外にあって、その写真を見ながらとても不思議な感覚に襲われました。それはやはりそこに写っている人はもういないのに、写真としてそこにいるというアンビバレントな状態が、ある種の違和感を覚えさせられると同時に、やっぱり写真って撮っておくべきやな、と思いました。最近ではプリントすらせずに置いてるけど、ものとして残しておくことはやはり大事ですね。
ばあちゃん家にも凄い量のアルバムがあって、そこにはひとつひとつ思い出がつまっていて、たまに取り出して僕にその時の話をしてくれるんだけど、その時のばあちゃんの表情はとてもいきいきしているんですよね。やっぱ写真っていいな、と思います。
って、話が反れてますね。
トークでは、東京近代美術館のキュレーターの保坂健ニ郎さんと建築家の小野暁彦さんも参加されていて、とてもおもしろい内容でした。
やはり、「建築はアートか?」という話になったりするんだけど、保坂さんの「建築がアートである必要はない」という話にとても共感を覚えます。
建築やってる人たちが「建築はアートだ」なんて言い出すと、結局自分たちのやってることを貶めることになると思います。「建築」は「建築」であるだけで素晴らしいんだと僕は声を大にして言いたい。そこをなぜ否定しちゃうのか、僕はちょっと解せないです。
今保坂さんがキュレーションした「建築はどこにあるの?」という展覧会がやってて、まだ観に行ってませんが、やっぱりアートっぽいことをやっちゃってる人が何人かいるみたいですね。そこに伊東さんなんかは喝を入れてらっしゃいました。
保坂さんも仰ってたけど、美術館というのはそこに何かモノを置くだけで美術として成立しちゃうような不思議な空間なので、そこで如何にそう思わせないものを作るかを期待していたそうです。
まだ見てないのでなんとも言えませんが、やはりそういうことなんだと思う。
とても有意義なトークでした。
というか、最近僕の中で一番おもしろいと思うキュレーターはこの保坂さんです。近美なんていう、ある種の保守的美術館に勤務しながら、とてもラディカルなことを考えてそれを実際行動に移してらっしゃる。
田中功起さんとのポッドキャストは必聴です!


2004年のフロンティアに出品されてた東義孝さんが亡くなられました。
30代の若過ぎる死。
この場を借りてご冥福をお祈りします。
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No title

こんにちは。
今年のフロンティアは久々にヒットでした。
テグス・・・なんだ粗探し好きな小姑みたいですよね笑
佐藤さんはやっぱガラスケースの中で見たかった!
鈴木さんの展示も見られたのですか?
宣伝ありがとうございます笑

No title

こんばんは。
アートフロンティア、観て参りました。
大西さんの作品の「テグス」が気になるとは!さすがプロ。
佐藤貢さんのは、仰る通り奥の部屋で、他の作品と切り離した
方が良かったかもしれませんね。

鈴木崇さんとばったりお遭いしたので、こちらの記事をご紹介
させていただきました。トークは参加したかったです。
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