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六本木クロッシング2010:芸術は可能か?@森美術館


ようやく行ってきました。
尊敬する窪田研二さんがキュレーションに加わっているので、今までのクロッシングとはまたひと味違うものになるとは思っていました。
そして実際の所、僕の想像を遥かに超える「異様な」展覧会となってました。
正直未だに整理がつきません。
言葉は悪いですが、鍋から吹きこぼれた灰汁のような、そんな感じ。
今回のテーマは「芸術は可能か?」
これはダムタイプの故・古橋悌二が提唱した命題で、90年代のバブル崩壊後の社会にアートが如何にして影響を及ぼす可能性があるのかという大いなる問い。
これに全霊を込めて応えたのがこの展覧会だったと思います。
実際に「アート」という枠を超えたものが次から次へと登場し、普段美術館で見るような作品は稀で、見たことのないようなものが並んでました。
もちろん照屋勇賢や、青山悟、横溝静、森村泰昌などの作家も存在しますが、この中に入るとそれらまで異質なものに思えてきます。
特に雨宮庸介のパフォーマンスは強烈で、常に会場内に作家がいて、何かをやっている。普段見てるパフォーマンスって決められた時間でしかやってなくて、こっちもそれなりに身構えて見るんだけど、常にそれが行われているという状態は、あまりに生々しくて、見ていて恐くなった。
また、ストリート系のアート作品も登場して、アート関係者が見過ごしているような問題を平気で突きつけてくる感じは新鮮。
音の作品も多く、ログズギャラリーのエンジンを音楽にしたような作品は、麻薬作用のようにずっとその場に留まって聴き続けたい欲求にかられたり、宇治野宗輝の様々なものを融合した機械が一斉に音を鳴らす作品も見ていて飽きなかった。
挙げていけばキリがないほど、どれも「アク」の強い作品ばかり。
アートの枠からはみ出しているといえば、近年長谷川祐子さんを中心に盛り上がっている「クロスディシプリン(領域横断)」のデザイナーなどが手がけるアート郡が挙げられるが、今回のクロッシングに関して、また新しい価値観を提唱していたと思う。
そのどれもが「社会」ということにとことん向き合っているような作品ばかりで、驚く程生々しく、時には痛々しさすら感じる。
これがいいのか悪いのかも判断がつきかねるものが多かったけど、とても印象深い展覧会でした。
ただ残念だったのが、最後のダムタイプの作品が時間が合わずに見られなかったこと。これは途中入場ができない作品のようで、開始時間に行かないと見れない。それってどうなん?と思いつつ、この作品は以前京都で見たことがあるので惜しみながらも会場を後にしました。
もう少し、この展覧会が何を意味したのか、考えてみたいと思います。
7月4日まで!
<関連記事>
六本木クロッシング2007:未来への脈動@森美術館
堂島リバービエンナーレ2009@堂島リバーフォーラム
MONEY TALK @ 広島市現代美術館

大舩真言「WAVE」@neutron tokyo

大舩さんのオープニングに行ってきました。
これまでも「日本画」という枠を超えた、作品の「あらわれ」を作り出して来た大船さんですが、今回の作品に関して、更に一歩進んだ感がありました。
具体的には、画面の表面に表れた、小さな結晶たち。
日本画というのは、元々自然の鉱物を砕いてそれを膠で溶くことにより、単純な「色」として画面に落とし込んでいく作業だと思うのですが、今回の大船さんの作品に関して言えば、その鉱物がそのまま現れてきています。敢えて鉱物を荒く砕いている様子。
画面自体が、何か岩をそのまま切断して出て来た表面のようなそんな印象。
今までの作品より遥かに荒々しくて驚きました。
そして、2階の展示に関しても、今度は色の変化も特筆すべき点だと思います。
これまで深海を思わせるような、深く暗い青が印象的でしたが、一気に海面近くまで上昇して、太陽の光を燦々と浴びたような碧が登場しました。
今までの濃紺のような作品は、やはり暗い場所で見る方が生える印象があったのですが、この碧の作品に関しては、光を取り入れた空間でとても美しく見えました。
これからまた画面がどう変化していくのかも興味深いです。
9月からのBIWAKOビエンナーレにも出展予定。
こんな作家さんと同じ展覧会に出せるなんて幸せすぎます。
neutronの展示は6月27日まで。
3階では大和由佳さんの展示がやってます。
こちらもあの使いにくそうな空間をうまく使った展示でとてもよかったです。
<関連記事>
大舩真言「Principle」 @ neutron
大舩真言「Prism」@ neutron tokyo
大舩真言「彼方の風」@天籟宮

アニッシュ・カプーア@SCAI THE BATHHOUSE

5年ぶりの日本での個展!
前回は漆の作品ばかり展示していて、それは見逃してしまいました。
今回も漆を使った彫刻は健在で、直方体に凹みのある作品が出てました。
近年の作品は、「裏側」を露にする特徴があって、その漆以外の部分が、あまりに露骨に素材感が出ていて気持ち悪かった。
他にもでっかい球の作品と粉の彫刻(あれ誰が作ったの?)と、アクリルの作品(これは白眉)、と幾何学のミラーの作品(映り方が凄い)が展示されてあった。
そのどれもが凄まじい完成度で、やはり彫刻は完成度が命と教えてくれる。
それにしても、いくつか売れていたのがびっくり。
すべて値段は伏せられていたのだが、多分吐きそうな値段だと思う。
それを日本で売りさばいちゃうスカイってやっぱすごい。
繊細な作品ばかりなので、スタッフの方々の監視が半端なかった笑
あー、日本でもでっかい展覧会やってほしいっす!!
ちなみに最近のカプーアと言えばカルティエとコラボして指輪作ったり、ロンドンオリンピックの塔をデザインしたりしてますが、なんだかすごくダサい・・・。一体全体どうしたんだ!?あのタワーは建てるべきではないと思います。
<関連記事>
Anish Kapoor @ Royal Academy of Arts
Anish Kapoor @ Lisson Gallery

椿会展2010 Trans-Figurative @SHISEIDO GALLERY

今回で第六次椿会メンバー(やなぎみわ、丸山直文、伊庭靖子、袴田京太郎、祐成政徳、塩田千春)による最後の展覧会。
なんですが、正直今までで最も質の低い展示だったと言わざるをえません。
まとまりに欠いたというか、なんだか凄く残念。
塩田さんの映像もよくわからなかったし、他もなんだか。
これまで毎年のように見て来ただけにチョット残念。
次のメンバーは誰になるのか。それに期待しましょう。

「マネとモダン・パリ」@三菱一号館美術館

東京駅前、丸ビル真横という超一等地に美術館登場!
ってことで、話題になってる三菱一号館美術館に行ってきました。
にしても、一発目がマネとは渋い!!
これが他の印象派の展覧会だったら行くことはなかったと思います。
しかし、マネです。
マネは僕が唯一好きな印象派の画家。大好きなんです。
やっぱり、彼の起こした革命というのは、近代絵画史に置ける金字塔ですよ。
この時代の絵画を辿っていくと、マネの異様さは明らかにおかしい。
しかもそれを普通にサロンに出しちゃってるんですから頭おかしいです笑
初めてのロンドンで、彼の遺作とも呼ばれる「フォリー=ベルナール劇場のバー」を見た時は泣きそうになりました。釘付けです。
それからオルセーでの「オランジェリー」や「草上の食卓」。
こんなにすごい偉業を成した人なのに、一般的な認知度はモネやルノワールに比べて圧倒的に低い。にも拘らずそのマネを一発目に据えて来たこの美術館の気概は特筆に値すると思います。
実際、平日の夕方ってこともあったでしょうが、ほとんど混んでなくて、とてもスムーズに見れました。いいんだか悪いんだか。
当時のパリをそのまま切り抜いてきたかのような、決定的瞬間からの外れた不思議な構図の数々。「エミール・ゾラの肖像」に見られるような不思議な背景。
改めてマネの魅力を感じられるいい展示でした。
これだけまとめてマネを国内で見られる機会はほとんどないと思います。
7月25日までなのでまだの方は是非。
オフィス街ってことで、平日20時まで開いてるのもいいですね。
にしても、マネといいセザンヌといい、アート関係者から評価の高い画家は、一般的にあまり人気がない。逆にルノワールとかドガとかどこがいいのか僕には全くわからない。モネはまだわかるんやけどね・・・。ゴヤの展覧会とかも見てみたいな。


追伸:六本木にて。改めて彼女の不在を想います。
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