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Thomas Demand @ Serpentine Gallery


ドイツを代表する写真家トーマス・デマンドの新作・過去作も含めた個展。
今回はギャラリーの壁をすべてデマンドデザインの蔦柄にしての展示。最近は作家もホワイトキューブを否定していく時代なのでしょうか。この壁紙がどこまで効果があったのかはよくわかりませんが、部屋ごとに違う色の壁紙で部屋と部屋の境の色が変わるところが好きでした。
作品に関してですが、新作はとにかくとにかくでかいです!!もうその大きさにびっくり。縦2.5m×横5.5mですよ・・・写真の域を超えてます・・・。鍾乳洞をデマンドお得意のクラフト紙か何かで表現。鍾乳洞の蓄積されてる感とクラフト紙のそれがマッチしてておもしろかったです。ダークトーンなのもまた新鮮。
また新作として映像作品。これまたクラフト細工の映写機(?)がテープを巻き上げてるだけの映像なんですが、その映像も映写機で映していてそこのリンクが「うまいな」と思いました。
他は過去作。やっぱこの人の作品はすごい違和感が漂う。クラフトで作られた風景は現実とも非現実とも言えず不思議な感じ。圧巻なのが上の写真の蔦。壁紙にもなってるだけあって、この葉っぱ1つ1つ切って貼ってしてるのか・・・と思うとアクリルマウントのツルっと感の中に手作業のマニュアル感が感じられてよかったです。

Tony Cragg @ Lisson Gallery
最近の彼の作品は正直rubbishです
昔の作品が良すぎただけに本当に残念なんですが、今回新作展とのことであまり期待せずに行ってきました。
入り口から見える彫刻たちはやはり予想通り落胆させる内容。ブロンズやらステンレスの煙のような形の彫刻たちは見ててむなしかったです。
ただ、木を用いた作品がありえんくらいよかった!!
木目のついた木の板を、木目上に切り取って、それをどんどん積み上げていくという作品。僕は感覚的な作品よりあるルールに基づいて作られた作品が好きなんですが、これはまさにそうで、しかも概観は感覚的な形に見えるところがまたいい。
今回ブロンズたちにはやはり落胆しましたが、いい作品もあってよかった。

Jane & Louise Wilson @ Lisson Gallery

向かい側にの別館へ。
こちらではアメリカ人姉妹ユニットの展示がやってました。正直あんま内容はわかってないけど、でもなんかいい感じでした。
まずは写真たち。女の人たちがエアロビとかに励んでる写真。この時点ではあんまよくわかんないなぁ・・・と思ってたんやけど、奥の部屋に行くと映像作品があって、なんと1つの部屋に5つも映像がところせましと投影されてて、中々すごい空間になってました。そこでもやはりエアロビに励む女性たちの姿と廃業になった病院か何かの建物を映し出してた。
どうやらこの姉妹はレジデンスプログラムでニュージーランドに滞在していて、映像はそこで滞在してつくられたものらしい。でもやっぱ内容はよくわかりません…。
写真は多分映像をキャプチャーしたものだと思う。画像がやたら荒かったです。でもまあ、展示の仕方とか全体のまとまりとかいい感じやったかな。詳しくはギャラリーウェブサイトまで。

FIONA BANNER @ Frith Street
ターナー賞ノミネート作家の個展。
会場には文字の作品が多数展示されてました。多分この文字はポルノ映画か何かの台詞をひたすら書き出してるもの。なんとなく読んでいると卑猥な言葉がポンポン出てくるので多分そう。1番すごかったのが、会場の床を貫いて展示されてた飛行機だか船だかのパーツに刻み込まれた作品。ってかこれギャラリーが普通に凄いと思う。ここのギャラリーって1階と地下に展示室があるんですけど、その地下から床に穴あけてさらに一階の天井近くまで伸びちゃってて、どうやって搬入したんやろ、ってか床穴開けちゃってますけど・・・って感じで、やっぱこっちのギャラリーの凄さにはしばしば感動させられます。肝心の作品はあんまり好みじゃなかったけど・・・。

MIKE NELSON @ Matt's Gallery
これまたターナー賞ノミネート作家の個展。寮の近くで歩いて行ける。でもやたら寂れたとこにあって、こんなとこでホントにやってるのか・・・?と半信半疑で来訪。
展示室に行くと、部屋ギリギリまで設置された木材と金網で作られた迷路が。最初周り見渡して帰りかけたら、別のお客さんが中に入っていくから自分も入ることに。道の途中に粘土だか石膏だかで作られた空洞のボールがあって、他にも組まれた木が置いてあったり内容は大分謎。作りも大分ちゃちいし、これは一体・・・?といった感じ。部屋全体にエコーがかかるのがこの作品にあってたけどよくわかりませんでした・・・。

BETWEEN A ROCK AND A HARD PLACE @ KENNY SCHACHTER ROVE
ガゴーシアンと同じ通りにあって、いつもガゴーシアン行く「ついで」で周ってるとこ(爆) まあ、観てもあんまり・・・ってのが多かったんですが、今回はすごい力の入った展示でした。
1人のキュレーターが石をテーマにして展示していて、現代美術に関係なく日本や中国の石にまつわる古いものや、隕石なども展示していておもしろかったです。
現代美術にしても、オラファーやロング、ハーストの作品も観れて、大分豪華な展示でした。作品数も多く中々見応えのある展示。
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「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

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梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館

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フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

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中平卓馬 火―氾濫 @ 東京国立近代美術館

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能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築 @ ギャラリー間

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生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
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遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

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ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

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ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
ホー・ツーニェン エージェントのA @ 東京都現代美術館

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