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「レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート」@サントリーミュージアム


サントリーミュージアムの現代美術企画第二弾「レゾナンス」に行ってきました!
チケットをくださったHさん、ありがとうございました。
これからもどんどんください(死)

昨年の「インシデンタル・アフェアーズ」に続く第2弾ということですが、年内閉館ということで現代美術の展覧会は実質最後ということになります。
惜しい。。。惜し過ぎる。
是非他の美術館で続けてほしい企画ですね。
企画されたキュレーターの大島さんのインタビューが以下で読めます。
http://blog.livedoor.jp/artkobujime/archives/1327034.html

さて、今回の出品作家は以下の通り。
マルレーネ・デュマス、アンゼルム・キーファー、マーク・ロスコ、ライアン・ガンダー、ヴォルフガング・ライプ、 アンドレアス・スロミンスキー、ジャネット・カーディフ、ラキブ・ショウ、ヴァルダ・カイヴァーノ、ポール・マッカーシー、 法貴信也、イケムラレイコ、伊藤彩、伊東宣明、金氏徹平、草間彌生、小谷元彦、梅田哲也、西尾美也、 小泉明郎

前回より少しマニアックになってます。
ちょっとずつハードル上げる感じですかね。
海外作家に対して日本人作家の若手っぷりが目を引きます。
伊藤彩さんに至っては1987年生まれですからね。
これに関して、大島さんのインタビューがあまりに感動的なのでそのまま抜粋。

僕の気持ちとしては、ここは来年になったらもう無いと。
ならば思い切って才能のある若手にこの場所を使ってもらいたい。
若い人がミュージアムで展示をする機会はなかなか無いですから。
そうすることで、本展が彼らのキャリアに大きな意味を持つでしょうし、同時に、今後確実に活躍するであろう作家たちのプロフィールにサントリーミュージアム[天保山]の名前が残る訳です。
それはお互いにとって意味のあることじゃないでしょうか。


んー、ええこと言わはる。
あと、海外に紹介される作家が限定されてることの反発というか、敢えて2005年以降に頭角を現した作家を選んだとも仰られてますね。
あと気になったんですが、ほとんどが関西出身、または関西を拠点に活動されてる作家がほとんどという点。これはただの偶然かな?
小泉さんと草間さん以外は皆関西生まれ(意外ですが小谷さんも実は京都生まれです)、梅田さんは熊本出身ですが今は大阪で活動してます。
まあ、美術館も大阪やし、キュレーターも自ずと関西の作家を見ることが多いってのも大きいかと思われますがそこはあまり重要ではないでしょう。

さて、展覧会ですが、とりあえず順番に。
まずはイケムラレイコさん。
いつものどちらかと言えばかわいらしい絵ではなく、湖のような水平線の広がる心象風景というか、なんだかこの世とあの世の彼岸を思い起こさせるような、個人的には「恐い風景」。最後の赤い絵はとても印象的でした。
続いてマルレーネ・デュマス
正直もう何度も見てるので飽きてきたな・・・。適度に鑑賞。
そしてポール・マッカーシー
相変わらずヤバいです笑
これ、普段現代美術を見ない人が見たらトラウマになって2度と見てくれなくなるんじゃないだろうか・・・。父親の性的虐待を想起させるようなとにかくヤバい映像。
そして今回の目玉のひとつであるラキブ・ショウ
日本で中々見られることはない、ロンドン在住のインド人作家。
どこかで見たことあるなぁ、と思ったら2006年のテートブリテンでの「アート・ナウ」で見ていて結構鮮明に覚えていました。
宗教画のような、これまた「恐い絵」。
3つの画面で構成され、鳥のような生き物が殺戮を繰り返し、神のような存在が血の涙を流すという壮絶な絵。
キラキラした画面が印象的で、装飾的なんだけどそこまでうるさくない。
今世界的に大人気の作家だそうです。
ロンドンのホワイトキューブ、NYのダイチプロジェクトという共にビッグなギャラリーのお抱えってだけで人気なのはわかります。でもどちらかと言えばヴィクトリア・ミロの作家っぽいのにな。元々ミロの作家だったみたいやし。
そして、隣の黒い展示室には小谷元彦の武者の亡霊。
この作品は昨年山本現代で発表されてましたが、ホワイトキューブで展示するより絶対今回のようにブラックキューブの暗い空間が似合う。
馬の筋肉の感じとか生々しくて恐ろしかったです。
こんな感じで前半は「恐い」作品が続きますが、次の最年少伊藤彩さんからがらっと雰囲気が変わります。
色彩豊かなちょっとゆるい感じの絵画。個人的には好きじゃない感じ。
というか、かわいそうなことに、この展示室の奥の部屋から流れて来る壮大な音に完全に飲まれてました。。。
その音の正体はジャネット・カーディフによる「40声のモルセット」。
通路に防音材のようなものが貼られてましたがあまり効果的ではなかった模様。
なんせスピーカー40台から賛美歌が流れてますからね笑
でもね、これはね。。。もう凄いです。
この展覧会の一番の目玉じゃないでしょうか。
この作品自体は昨年エルメスでも発表されてますが、これが海の見える展示室で展示されていてもう壮大そのもの。
僕はこの作品初めてでしたが、すごいですね。泣きそうになりました。
打ち寄せる波とこの40台ものスピーカーから一気に発せられる賛美歌のシンクロが半端なくマッチしていて、世界ってこんなに美しいんだと。
椅子に腰掛けて、海を見ながらこのモルセットに酔いしれる。
こんな気持ちいい体験中々ないですよ。
エルメスで体験したって方も是非ここに来て体験すべきです。
イメージ写真ではどこかの教会で展示されてる風景でしたが、絶対この展示が一番いいと思う。作品自体は音なので、展示空間によって印象は大きく変わりそうな作品。
ただ、ちょっと不満だったのが椅子の向き。
確実に海に向けて置いておくべきでしょう。
海を見ながら鑑賞するには、椅子の端に座らなければなりません。
長椅子がふたつ置いてありますが、端に座れるのは2人だけ。
すいてたらいいですが、混んでたら中々そこには座れません。
混むことがあるのかって問題はさておき・・・。
僕が行ったのは平日だったので、ほとんど誰もいなくて独占状態でしたが。
作品の指定では椅子のポジショニングはそうなんだろうけど、展示室によってフレキシブルに対応すべきなんじゃないかと思います。
それにしてもこの展示室まさに現代美術向けですよね。今までどうしててんやろ。
昨年の田中功起さんの展示も素晴らしかったし、勿体ないなぁ。
現代美術と海は鉄板だと思うんですが。
ちなみにジャネット・カーディフはジョージ・ビュレス・ミラーとも恊働で作品を作っていて、昨年の越後妻有でも「ストームルーム」を発表しています。これもすごくよかったし、これからまた注目すべき作家ですね。
さて、展示室は下に移って、小泉明朗の作品。
俳優に執拗なまでに特攻隊員の役を強いるという映像なんですが、小泉さんはこういった、別の誰かに何かをさせて何かを引き出すのがものすごくうまい作家なんだと思います。前回ギャラリーRAKUで見たパフォーマンスは自身が三島由紀夫になりきってましたが、あれはイマイチでしたからね。今回の作品は思わず最初から最後まで見てしまいました。
次のアンドレアス・スロミンスキーは全く意味が分からず。
色んな「罠」が展示されてましたが、最後に罠を仕掛ける人の絵が展示されてて思わず笑ってしまいました。
その次のヴォルフガング・ライプの「ミルクストーン」は驚きでした。
ライプと言えば花粉の作品が有名ですが、このミルクを使った作品は初めて見ました。大理石の上にミルクが絶妙な表面張力で乗ってて、それがミルクと言われないと絶対わからないフラットさ。フッと息を吹きかけたかったけど、監視員さんがガン見してたのでやめました笑
ほこりとかのメンテが大変そうですが、すごく美しかったです。
続いて西尾美也さんのナイロビで服を交換するというプロジェクトなんですが、この若さにして結構大掛かりなプロジェクトで、どうやってそれが実現されたかの方が気になっちゃいました。やってることはシンプルなんですけどね笑 インタビューはこちら
お次はキーファー。絵画やのに重過ぎて展示台に乗ってた笑
そしてライアン・ガンダー。これはちょっと作家のフェティッシュっぷりにかなり共感を覚えてしまった。「え、これだけ?」の為にすごい大掛かりな設営が必要なとことか。いやぁ、この作品大変やと思いますよ。いいなぁ。
ヴァルダ・カイヴァーノの抽象画は何がいいのか全くわからなかった。正直画面が汚いと感じてしまったし、色味が僕好みではなかった。
法貴信也さんも、国立国際の「絵画の庭」で見たときのような感動は特になかったのが残念。何が違ったのだろう。インタビューはこちら
伊東宣明の「死者/生者」はこれで見るのは京芸の卒展「NO NAME」展と今回で3回目。正直これももう飽きてきた。作家のヒット作なんだろうけど、これだけ何度も同じ作品が消費されるのは若い作家にとってはあまり良くない状況なんじゃないかな。まあ、初めて見る人が多そうだからいいんだろうけど、ちょっと作家の方でもコントロールした方がいいかも。作品を出すタイミングをコントロールするのも作家の手腕。難しいなぁ。
金氏徹平に関しても同様。彼はちょっと作品発表を控えるべきなんじゃないかと思う。昨年の横浜美術館で出し切ってしまった感があって、それ以降何見ても、あああの時のあれね、といった感じが否めなくて、ピュアにこの人の作品を見ることが難しくなってる。面白い作家なだけに消費されてる感じが凄く見ていて辛い。籠って作品を貯める期間が必要なんじゃないかな。海外のレジデンスとか。などとお節介にも程があるのでこの辺で。
続いて草間彌生マーク・ロスコ
正直「また草間さん・・・」と思ったけど、この展示室は素晴らしかった。キュレーターの腕が凄く発揮されてた空間。草間さんの白い絵画とロスコの紅い絵画がまさに「共鳴」していて、本当にすばらしい空間。お見事。
最後の梅田哲也さんはこれまためちゃくちゃよかった。サラ・ジーのように日常にあるものを組み合わせることで作品がなりたってるのだけれど、もうセンスがないとこういった作品は絶対に成り立たない。本当に抜群の感覚を持った人なんだと思う。梅田さんの場合はそれらが見事に連動していて、見ていて爽快。昨年の京都芸術センターの「ある風景の中に」展で初めて見たけど、これからちゃんと見て行きたい作家さんです。
にしても、前回のさわさん同様展覧会の締め方がうまいなぁ。

最後に、キュレーターの大島さんには本当に拍手を送りたい。
やはりこういった展覧会はキュレーションがうまくないとただヒット曲を組み合わせたコンピレーションアルバムみたいに味気ないものになってしまう危険性が大いにあるんだけど、「インシデンタル・アフェアーズ」も今回の「レゾナンス」もそれだけでは終わらせないものがありました。
それは真摯に「作品がどうやったらより良く見せられるか」というのを考え抜いてる結果だと思うし、1度観たことあるものでもより良く見せるのは並大抵のことじゃない。
特に今回カーディフと草間&ロスコの展示に関しては最高級の展示だったと思う。
しかもそれが前面に出て来るんじゃなくて、内助の功として、ひっそりと、しかし確実に展覧会の質を上げてるのが憎い。
最近キュレーターという仕事が昔より有名になってきて、スターキュレーターのような人たちが登場し、彼らのマニフェストのような展覧会がたくさん現れてきていて、それはそれでおもしろいんだけど、今回の大島さんのような仕事こそもっと評価されるべきだと思う。
やはり作品のリスペクトが展覧会から表れてくるような展示は、作家として見ていてとても気持ちがいいし、すごく観客のことも考えてくれている。
インタビューでもテーマが前面に出てくるような展示にしたくないと仰られてるけど、今回の「レゾナンス」というテーマは、すごく広がりがあって、だからといって拡散するわけでもないやわらかな枠がちゃんとあるっていうのはうまいと思う。
前回の「インシデンタル・アフェアーズ」は、「偶発的」という意味の「インシデンタル」という言葉が結構強くて、それは美術館という目的のはっきりした場所に来てる時点で「インシデンタル」ではないという矛盾も抱えていたので弱いテーマだったと思いました。
その点しっかり進化しているようで、これで最後なのは本当に惜しいです。
大島さんがどちらに移られるかわかりませんが、これからも頑張ってほしいです。
作家としていいキュレーターの存在というのは励みになりますね。
皆さん、是非観に行きましょう。
ちなみに広告のデザインが酷過ぎる・・・。それがチョット残念。
カタログの表紙のはまだよかったけど。
ちなみにカタログは前回早くに売り切れてしまったので、今回も欲しい方は早めに行っといた方がいいかも。会場限定だし840円と安いし、色んな作家の目録みたいで後々見返すのにいい感じです。

「レゾナンス 共鳴 人と響き合うアート」
2010年4月3日ー6月20日 月曜休館(5/3は開館)
10時30分~19時30分(最終入場は19時まで)
サントリーミュージアム 詳細はこちら


<関連記事>
インシデンタル・アフェアーズ@サントリーミュージアム


あとちょうど、ギャラリーヤマグチクンストバウの展示が面白そうだったので寄ってみました。
児玉太一さんは、精華の版画出身で昔にノマルでやった時以来。
あまり変化が見受けられなくてちょっとどうなんかな。
同時にやってた中西章之さんの腐葉土を使ったインスタレーションは写真で見た時の方がインパクトがあってチョット残念。
ところでここ何気に初めてかも。学生の頃に来た時ちょうど閉まってたのよね。
というか、ちょっと良くない噂を聞いて、大丈夫かと覗いたのだけど、普通にやってたのであの噂は嘘だったのか・・・。謎。

それからこれまた久々のCASOへ。
どこまで知名度があるのか知らないけど、この展示空間はすごい。
天井高5mはゆうにありますからね。
日本でも中々ない規模の展示室。
のわりにあまりいい展示がやってない。
ここをもっとうまく使えばかなり話題の展覧会になること間違いないのに。
今回は国谷隆志さんが出してる「Food For the Senses」という4人展があったので行ってみたのだけど、他にも3つの展覧会が同時に開催されててもうごっちゃでわけがわかんなかった。
全体的に力の入った展示で見応えはあったのだけど、そのごった煮な感じのせいで全然集中してみれなかった。勿体ない。国谷さんのもよかったのだけどなぁ。
本当に勿体ない空間。
ちなみに隣はUSJで働く海外スタッフの寮でたまにBBQとかしててビビる笑

桜絨毯越しの赤レンガ倉庫。


あと、先日SAIギャラリーに同期の芳木麻里絵ちゃんの初個展に行ってきました。
彼女の作品は色んなところで見るので、今回が初個展ってのはびっくり。
出品されてたのも今まで見たことがあるシリーズがほとんどなので、新鮮な驚きはないけど、緊張感のあるいい展示でした。17日までなので是非。
ここもかなり久々、っていうか移転後初めて行きました。
最初狭!と思ったけど、壁とかすごくキレイでいい展示室でした。
ポートフォリオ見てたらわざわざお茶も出してくれて、しかもそのお茶がすごくおいしくてかなりポイント上がりました笑 こういうホスピタリティは重要ですよね。ごちそうさまでした!
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No title

ほぼ毎週遠征ですね笑 ご苦労様です!
梅田さんはエンディングにふさわしい作品でした。
その豊田のも是非見てみたかったです。
カーディフの「40声のモルセット」と海のコラボレーションは必体験です。エルメスのも体験したかったなー。

No title

レゾナンスは今度の土曜に行って来ますが、梅田哲也さんが
めちゃ気になります。
豊田市の喜楽亭(料理旅館だった)での展示は感動もの。
24日もアーティストトークの筈だったのに予定変更は無念。
あとは、エルメスで見たカーディフがどんなになってるのか
こちらの記事拝見して楽しみになってきました。
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