鈴木理策-SAKURA-@金峯山寺蔵王堂

全国有数の桜の名所、奈良県は吉野に行ってきました。
目的は桜、といっても鈴木理策氏による桜の写真展。
この写真はまさにこの吉野で撮られたもので、熊野と対を成す鈴木さんの代表作。熊野と吉野は修験者によって結ばれた世界遺産でも知られてますね。
先日この吉野の金峯山寺の蔵王堂の特別公開に合わせて鈴木理策の展覧会がやってるというのを知って飛んで行きました。
いやぁ、遠かった・・・ってもう慣れました。
鈴木さんの作品を初めて見たのは一昨年の静岡での展覧会「風景ルルル」。
そこでは熊野のシリーズを出してましたが、その写真に衝撃。
それまでも雑誌やネット等で作品は知ってたけど、そこまで興味はそそられることはありませんでした。しかし、そのオリジナルプリントのあまりの凄さに言葉も出ませんでした。
鈴木さんの写真の凄さはなんといってもそのディテールにあると思う。
写真ってここまで細かい部分まで写るの?ってぐらい綿密なディテール。
水面に映る光の粒や、百色の反射、蜘蛛の巣。
それらが見事に画面の中に凝縮されてたんです。
やっぱり写真ってすごく難しいメディアで、カタログでは「写真の写真」が提示されるわけで、メディアが同じだけに、もうそれ見ただけで見た気になれちゃって、そこで評価を下しがち。でも実際のオリジナルプリントってのはやっぱりカタログ等では表現できないものがあって、僕もすっかりそのトリックにだまされてた次第です。
2007年の写美での展示是非見たかったです・・・。
で、今回それが近江八幡の川内倫子さん同様、撮られた場所で展示されるという希有な機会なので、なんとしてでも行かねば!と。それも桜が散る前に!
桜は散り始めてましたが、なんとかギリギリセーフといったところ。
雨という予報もなんのその、素晴らしい陽気で吉野はすごい人の数。
寺まで続くロープウェイは長い行列だったので思い切って登山。
案外早く登れて目的の鈴木さんの展覧会へ。
看板が異様にダサかったけど気にせず蔵王堂の中へ。
どんな風に展示してるのかと思ってたんだけど、なんかすごい新しい建物の奥でひっそりと展示されてました。ちょっとがっかり。
ここどういう目的で建てられたんだろう?普段はどういう使われ方をしてるのかしら。照明の付け方とか見るとギャラリーに見えなくもない。
そこに鈴木さんの桜が10点ほど展示されてました。
挨拶文もよれよれで、残念づくしやったけど写真はやっぱりいい。
青空をバックに撮られた桜ももちろん綺麗なんだけど、僕が最も感動したのは夜桜。
夜の光でこれまたすさまじいディテール。
そこに吹く夜風まで感じられそうな程の臨場感におもわずうっとり。
あと、月影の桜もかっこよすぎる。
ここまで来てこんだけ?とも思えるけど、でもやっぱ作品がいいんでよしです。
でもやっぱ本堂で展示してほしかったなー。
展覧会後はひたすら登山。頂上を目指す。
気づいたらめちゃくちゃ登ってた。足が棒。でも絶景。来てよかった。
鈴木理策展は5月9日まで。でももう桜は終わっちゃうなー。詳細はコチラ。
関連記事>>風景ルルル@静岡県立美術館
