fc2ブログ

レベッカ・ホルン「静かな叛乱 鴉と鯨の対話」@東京都現代美術館


レベッカ・ホルンの日本初の個展に行ってきました。
友人の結婚式の直前だったので幾分急ぎ目に。
といっても、スタートの3階部分は結構さっくり見れます。
ホルンお得意のキネティック・アート。
ほとんどの作品が動きます。
実はこのホルンの回顧展3回目。
1度目はロンドン、2度目はベルリン。
もうええかな、とも思ったんですが、今回前2回には登場してなかった彼女の代表作のひとつといってもいい「アナーキーのためのコンサート」が展示されてたので見ることに。
これはピアノが逆さに空中にぶら下がってて、いきなり鍵盤が飛び出るという作品で、テートが所有してるくせに全然見せてくれなかったので、今回初めて見ることができました。
しかも行ったらちょうどあの劇的な動きが繰り広げられるところでした。
鍵盤が全部飛び出てくる時のあの鍵盤の音は必聴。
この作品、動くインターバルかなり長いそうなので行って即見れたのはよかった。閉まるところも見たかったけど、待ってたら日が暮れるので諦めました。
こんな風に、全部動く様を見ようと思ったら相当時間がとられそう。
何も知らない人は、鍵盤が飛び出た様が通常時と思っちゃうんやろな。
前2回で見てたのが多かったのでさくさく見ていきました。
それにしてもホルンの作品たちを見てるととても切なくなる。
辿り着く当てもなくひたすら動き続ける作品達の様は、この世界でがむしゃらに踊り続けるしかない僕らの隠喩のように見えてしまうんですよね。
その切なさこそが僕はこの人の作品の魅力だと思います。
あまり個人的に得意な作品の形態ではないにも関わらず見ずにはいられない。
とても不思議な魅力を放った作家です。
ちなみに1階には過去から現在までの映像作品がズラッと投影中。
これ、全部見ようと思ったら8時間ぐらいかかります笑
開館から閉館まで。無理。
見れたら見たいけど、、、とりあえず1993年のグッゲンハイムを皮切りにテートまで巡回したホルンの回顧展のドキュメント「過去をつきぬけて」は全部見ました。55分もあったけど、これは彼女の作品を理解する上でも中々おもしろい映像だと思います。
他にも初期のパフォーマンスを収めたビデオもあったけれど、さすがに見れませんでした。パフォーマンスごとに分けて展示してくれたらいいのに。。。
そんなこんなで真剣に見たい人は開館から閉館まで頑張ってみるのも一興かと。
それにしてもこのキャリアでようやく初展覧会ですか。日本はどこまで遅れてたんでしょうか・・・。この調子でカプーア展もやって欲しいです。
関連記事>>REBECCA HORN @ MARTIN GROPIUS BAU

現美は今同時多発的にホルン以外にも色んな展示が行われてます。
まず京都近美でもこの春やってた「ラグジュアリー展」が。
やっぱこっちの展示の方が断然かっこいい。
妹島さんとコムデギャルソンの展示もアツかったなー。
なんといっても1997年のあの伝説の「コブ」の服は感涙もの。
2005年のもかっこよかった。やっぱギャルソン凄い。
スウェーデンファッションのはせめて簡単なチラシが欲しかった。
展示もオペラシティの「6+」展とほぼ同じでやる気が感じられない。
それから井上さんのエントランス開廊を使った展示。
これは個人的にいまいち。武蔵なのかまったく違う作品なのか設定が曖昧すぎて。
あと「パブリック・スペースプロジェクト 大西麻貴+百田有希」。
なんか、このシリーズ結局最初の鬼頭さん以降ぐっとくるものがない。
そんでもって建築系の作品であっと言わせてくれるのは石上さん以降現れない。
今回の作品も、どこで感動したらいいのかまったくわからなかった。
どうやら僕と同い年で、いくつものコンペを勝ちまくってる人らしいけど、建築の場合、プランの段階で終わることが多く、実際に作品を建てた時にそのプランの魅力がそのまま現実化しうるのかはかなりキワドいところ。この夏の「こたつ問題」しかり。
コレクション展はネトの作品がめちゃくちゃよかった。
昨年の「ネオ・トロピカリア」展に出てたやつやけど、今の展示室での方が断然作品が輝いてた。展示室でこうも違うのかと。やっぱ天窓が効いてる。
あと岡崎乾次郎の作品がズラーっと展示されててめちゃくちゃ気持ちよかった。
一点一点見るというよりその空間を楽しむ方がいいと思う。
もちろんディテールも結構おもしろいし、木枠のはめ方がおもしろい。
金がないといいつつ、この美術館はやっぱすごい。来年のMOTアニュアルも楽しみ。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新記事
カテゴリ
検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

もりかわみのる

森川穣
現代美術作家。
森川穣 website
A'holicオーナー
A'holic website
instagram

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

管理者用
カウンター
To See List
・2023.12.02-2024.02.04
「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.24-2024.03.31
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

・2023.12.09-2024.02.25
キース・ヘリング展 アートをストリートへ @ 森アーツセンターギャラリー

・2023.12.01-2024.01.28
梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ @ ワタリウム美術館

・2023.11.09-2024.03.31
第14回上海ビエンナーレ @ 上海当代芸術博物館

・2023.12.17-2024.01.27
味/処 @ 神奈川県民ホールギャラリー

・2024.01.11-03.10
フランク・ロイド・ライト世界を結ぶ建築 @ パナソニック汐留美術館

・2023.12.16-2024.02.18
久門剛史「Dear Future Person, 」 @ @KCUA

・2024.01.12-02.25
牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる @ 市立伊丹ミュージアム

・2024.02.06-04.07
中平卓馬 火―氾濫 @ 東京国立近代美術館

・2024.01.18-03.24
能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築 @ ギャラリー間

・2024.02.23-04.14
生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
「マティス 自由なフォルム」@ 国立新美術館

・2024.03.06-06.03
遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

・2024.03.09-06.30
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 @ DIC川村記念美術館

・2024.03.12-05.12
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

・2024.03.15-06.09
横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
ホー・ツーニェン エージェントのA @ 東京都現代美術館

・2024.04.24-09.01
シアスター・ゲイツ展 @ 森美術館

・2024.04.27-08.29
デ・キリコ展 @ 東京都美術館

・2024.05.23-08.04
魚谷繁礼展 @ ギャラリー間

・2024.09.04-11.24
大西麻貴+百田有希 / o+h展 @ ギャラリー間

・2024.09.14-12.01
塩田千春 つながる私(アイ) @ 大阪中之島美術館

・2024.09.25-2025.01.19
ルイーズ・ブルジョワ展 @ 森美術館

・2024.11.02-2025.02.09
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて @ アーティゾン美術館

・2024.11.23-2025.01.26
「再開館記念―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」展(仮称) @ 三菱一号館美術館

・2025.09.13-11.30
あいち2025 @愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、瀬戸市のまちなか

QRコード
QR