束芋「ヨロヨロン」@原美術館
昨日高橋コレクションで見たばかりで興奮冷めやらぬ束芋の個展。
期待以上の作品たちに大満足です。
まず最初の部屋ではカーテンの向こうが真っ暗で早速壁が立ちはだかる。ん?と思ってると壁に穴がいくつか開いててそこから中の映像をみる仕組み。中では床に投影された波の映像。たまに髪の毛が(笑) でもこの時点ではちょっとあんまりやな、って正直思ったんやけど、実はこれ2階からも見れるようになってて、その景色が最高でした。崖から海を見下ろしてるようなイメージ。参りました。ここの最初の展示室を最大限に生かした展示でしたね。
廊下にはまたまたドローイングたち。以前KPOで観た「ギニョる」の原画とかも観れて大満足でした。あと今朝日新聞に連載されてる挿絵のドローイングも魅力的。
「日本の台所」はあの完全な形で見たのは始めてかも。昨日はミニサイズで観たけど、部屋に入って見ると「体感」って感じでおどろおどろしさが心地よかったです。ミニサイズはミニサイズで覗いてる感があってよかったけど。
2階では男の背中の刺青の花たちが散っていって、最後は男もバラバラになるというキモキレイ(新語)な作品が。ホント独特な世界観。
最後の展示室では「公衆便所」の映像インスタレーション。部屋をめいっぱい使った感動的な展示。しかしシュールな世界やわぁ・・・。
今回改めて束芋の魅力にめいっぱい溺れさせていただきました。世界観はもちろん、ドローイングもインスタレーション性もすべてにおいて満足でした。オススメ。
アフリカ・リミックス@森美術館
とっても期待してたんだけど、やっぱ難しいかも、と思わされた展覧会。
この大陸の歴史やそこに住む人たちの葛藤やらって、僕らのほほんと暮らす日本人にはやっぱわからない部分って多い。そういうことを少しでも共有できるきっかけになるような展覧会を期待してたんだけど。というより、そんなこと期待してる時点である種の偏見なのかもしれななぁとかも思った。今回の展覧会はあくまで「現代美術」の展覧会だということをはっきり主張している。そういう意味では期待通りだったわけだけど、それでもやはり僕らとの違いみたいなのはあって、それに対してもう少し説明が欲しかった。作品ひとつ向き合うにしても、正直わからないことが多い。歴史のこと。アイデンティティのこと。それらに対する説明があれば、もっと作品と向き合えたかもしれないなぁ、と思いながら最後まで見終わってしまった。カタログもあまり買う気になれず、結局あの作品は何を言いたかったんだろうという腑に落ちない気持ちが残った。
美術館に入る前と途中で展示されてた錆びた武器を材料にしたエッフェル塔や椅子が1番印象的でした。残念ながら作家名を忘れてしまったのですが、1番「ズシン」ときました。デュマスの目隠しをされた人々の作品も「ズシン」ときてよかった。僕はこの「ズシン」を求めてたとこがあって、案外軽やかな作品ばかりで中々見つけられなかったことも残念な要素。しかし出品作の多さにびっくりです。ロンドンのヘイワードでやった時はどうやってこれだけの量展示したのかしら。
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