大巻伸嗣「絶・景 真空のゆらぎ」@TWSshibuya


今回もたくさん展覧会を見ましたが、最も度肝抜かされた展覧会。
この会場自体初めて行ったんですが、日本でここまでの展示ができるのか!と。
大巻さんの作品自体凄いと思うけどここまでさせたギャラリーが凄い。

まず、入ると砂のような黒い粒子のピラミッドがあります。
しかしそれは人の手が加わったというより自然に作られた形に見えます。
階段で2階に上がると信じられない光景が・・・。
そこには凄まじい量のその黒い粒子が積層されてる。
まるでウォルター・デ・マリアの作品を思い起こさせます。
そしてこのギャラリーに来たことある友人の一言。

「あれ、ここって吹き抜けちゃうかったっけ?」

そうなんです、今回の為にわざわざ吹き抜けを埋めてるんです。
しかも、結構な重さを支える為に仮設といえどかなりの強度が必要なはず。
木製パネルをはめ込んだだけじゃ無理でしょ、多分。
これを実現するには半分工事に近いことをせなあかんかったはず。
そして、奥の方が逆ピラミッドに凹んでるのを見てハッとします。
下のピラミッド。
あれは天井の穴から落ちてきた粒子が作り上げた形だったのか!と。
まるで砂時計のように落ちる粒子。
オープニングではその落ちる様が鑑賞できたようで、全員防塵マスクと眼鏡を着用してその落ちる様を見ていた様子。いいなー、見たかったなー。
でも、穴を塞いだわけではなく、今は重みで落ちてこないだけで、揺れたりするとたまに落ちて来るそうです。すげー。天井ごと落ちてこないことを祈ります。
んーー、まさに「絶景」。
ちなみにこの黒い粒子。
ゴミを燃やして出来るスラブだそうで、今回の展覧会は環境問題にも言及した展覧会で、今回大巻さんが1年かけてリサーチした報告展のようなものらしい。
また、奥の部屋にもこのスラブが敷き詰められていて、なんと小さな池のようなものまでお目見え。。。すごいの一言。
1つは舟が浮かんでいてカモメの映像が流されてる。
まるでゴミの島から街を眺めてるような体験。
さらに奥には焼却炉の映像が水面に映ってまるで黄昏時の空のよう。
いやはや、「絶景」。
大巻さんは、いつも身近な素材でまったく別の世界に連れてってくれるけど、今回もまた度肝ぬかしてくれました。ホントにいい展覧会だと思います。

大巻伸嗣「絶・景 真空のゆらぎ」
トーキョーワンダーサイト渋谷
2009年8月1日(土)-11月8日(日)
11:00-19:00 月曜休 (祝日の場合は翌火曜日休)



名和晃平「L_B_S」@エルメス銀座
早く行きたい早く行きたいと思ってた展覧会。
もう、色んなブログ等で紹介されてて、もう観に行った気にすらなってた笑
多分今東京でやってる展覧会の中でも抜群の人気でしょう。
入ってすぐのエルクのBeadsは噂には聞いてたけど本当にでかい!
あんな水晶みたいなのがよくくっついたな、と素直な驚き。
このレンズ・ピアノの作り上げた空間にとてもマッチしてる。
建物のセル状のガラス格子がビーズのセルに取り込まれる様は美しさの極み。
Scumシリーズも今までとは全く別の展開。
具象化した発泡ウレタンはすごく細かい粒子で、定着するまでの過程をこないだのレクチャーで聞いてたのでマジマジと見てしまった。
でも一番感動したのはLiquidのシリーズ。
あんなに生々しい動きをするなんて。
名和さんの彫刻の概念を覆す最もアグレッシブな作品だと思います。
いつまででも見ていたい世界観。お見事です。9月23日まで。
しかしなんでこのエルメスのギャラリー公式サイトないんやろ・・・。


「neoneo展 Part1[男子]」@高橋コレクション日比谷

何かと話題の高橋コレクションの新スペース。
先日上野の森で高橋コレクション展が開催中に草間彌生展がやってて、観に行こうかと思いましたがパスして、今回のは中々面白そうだと思って観に行きました。
その先日の展覧会に出品されてた作家よりさらに若手の男性作家をフィーチャーした展覧会。「ネオネオ・ボーイズは草食系?」と題されてましたが、なんかまさにそんなタイトルがぴったりというか、なんかぐいぐい攻めてるって感じの作品はなかったです。
でもその感じがなんだか微笑ましくて、中々楽しめました。
会場全体にアンニュイな雰囲気が漂ってる感じでこれだけヴァラエティーに富んだ作品が並んでおきながら、全然雑多な感じがなかったのが印象的。
注目の佐藤允や彦坂敏明等の僕と同世代の作家の作品も見れたし、特に最初の谷口真人の作品にはやられた。透明なアクリル板に絵の具がこれでもかってもられてるんやけど、奥の鏡で見ると、ただ凡庸な少女が映ってて、セル画の要領なんだがばかばかしくて笑ってしまった。
あと入口の田中功起さんの作品が相変わらずいい。ってかこれをコレクションしてる高橋さんって相当変人だと思う笑
いやー、10月から始まる女子展も楽しみ。こっちは肉食系?
男子展は10月18日まで。入場料300円要りますが安いもんです。


「Stitch by Stitch」@東京都庭園美術館

この流れでオペラシティの鴻池朋子展に行きたかったのだけど、時間の関係でお盆期間中は8時まで開いてたこの美術館へ。学生の頃1回来たことある以来だ。
「刺繍」をテーマにした展覧会。
着いたらちょうどギャラリーツアーがやってて、奥村綱雄さんの作品解説がされてるところだったので聞いてみる。
初めて見た作家やけど、今回ダントツでおもしろかった。
「夜警」と題されたその作品。
美術好きならまずこのタイトルを聞いて思い出すのはレンブラント。
でも、これは実際この作家がバイトでやってる職業。
なんとこの人、夜間の警備員やりながらひたすら刺繍してるんです笑
刺繍といってもものすごい細かさでびっくり。
一時間で縫える面積が驚く程小さく実際に展示された作品たちがどれだけの時間かけられたのか考えると気が遠くなってしまう。
これがまさにこの作家の糸、もとい意図で、時間を作品化してるんやって。
サイズも他人に怪しまれないようブックカバーサイズ。
にしても刺繍が細か過ぎてディテールを見られると明らかにおかしい人だ笑
実際刺繍してる作家の写真がかなり笑える。
このネタでロッジがコントしてる映像を一人で妄想してました、すいません。
あとは色々出てましたがなんかピンとこなかった。
手塚愛子さんも、なんであんな具象的な像に手を出してしまったんだろう。
せめて布のパターンとかにしたらいいのに・・・。
清川さんの作品も絶対造花より生花にした方がおもしろいのに。
そして、この展覧会を見た多くの人がいってるように、青山悟さんの不在はこの展覧会に大きな痛手を残してる。彼はミシンを使ってるからだめなのか?手じゃないとだめなのか?少なくとも「手作業」を押し出してる展覧会ではないように思えましたが。9月27日まで。


飴屋法水「3人いる!」@リトルモア地下

最近燃えてる「舞台を観よう!」キャンペーンの一環。
今回は作家の飴屋法水氏が演出する舞台。
行った日がちょうど最終日だったので思い立って当日券購入。
とても小さな劇場でなんかアングラな感じでいい感じ。
でもなんかちゃんと舞台しててびっくりした。
作家がやる舞台なのでもっとアートなのを期待してたんだけど。
こないだ高嶺さんのとは大違い。
でもまあ、内容としては楽しめました。
ドッペルゲンガーのように、自分と名乗る他人が現れて、その自分は他人には見えなくて、みたいなすごい複雑な設定で、出演者の3人とも別の自分がいるってことになってて、その3人が交互に入れ替わるもんだから、途中まで整理して観てるんやけど、全然わからんくなって、まあいいやってなって、そのわけわからなさを楽しんでました。
多分出演者もこんがらがってるような節があって、後で考えるとあれあそこであの台詞はおかしかったよなーなんて思うけどそれもこれもどうでもいい。
混乱が楽しかったです。
出演者は12日間の公演中毎日違って、内容もすこし違うみたい。
僕の時は男・女・外人の組み合わせでした。
ogawamaさんのブログでは途中で飴屋氏のパフォーマンスがあったらしい。
見たかったような見たくなかったような・・・出血ですか?
他はどんなやってんやろ。
もっと色んなパフォーマンスが見たい!


ARCHITECTURE JAPAN 2009
再来年ポンピドゥーで開催される日本の建築展に先駆け、いくつかのギャラリーが合同で企画した建築展。
TARO NASU青山|目黒はお盆休みで休んでたのでそれ以外を鑑賞。
TARO NASUは1度行ってみたいんやけど結局いつも行けてない。。。

まずはこの展覧会のプラットフォームを果たすGYRE
伊東さんのアメリカでの美術館やら隈さんのABCビルやら色々展示されてるが、雑多過ぎてよくわからない。菊竹さんの海上都市のプレゼンは手書きでちゃんとレタリングされてるのに感動したり。

気を取り直してギャラリー小柳へ。
ここでは「石上純也+杉本博司」展がやってます。
2人が絡んでたらメチャクチャおもしろいな、と思ってたんやけど、2人まったく別々で見せてます。絡んでたらもっと話題になるか。
杉本さんは今までの建築作品の模型や写真を中心に展示。
建築シリーズの「サヴォア邸」の作品なんかも展示。
「海景」作品は護王神社の模型を覗くとホントに直島と同じ風景が!
石上さんはKAIT工房の模型が圧倒的な美しさを放ってました。
2人ともグッゲンハイムNYのプランを出してたけど、これ何かのコンペ?
杉本さんは建物そのものをカメラに見立ててました。
石上さんのプランは相変わらずメルヘン。花畑にキリン・・・。
次回小柳は杉本さんの新作展。こっちも期待。

続いて清澄白河のギャラリーコンプレックスビルへ。
大学時代に行ったっきりで案の定一瞬迷った。
普通の運送会社のビルなのでわかりにくい。
hiromiyoshiiでは「生成の世代」と題して、藤本壮介さんや中村竜治さんのような今ぐいぐいキてる70年代生まれ以降の建築家をピックアップしてます。
にしても作品解説もなく、いきなり模型だけ見せられても・・・って感じ。
藤本さんとか前もって知ってるからいいけど、他の建築家はほとんど知らなかったりして前知識がないと中々むずかしいです。
あと、何気にアートの展覧会も普通にやっちゃってるのが謎。
タカイシイでは、ギャラリー自体は閉まってるものの、平田晃久さんの新作照明「Flame frame」が見られます。
メタルな炎を讃えた様な複雑な照明。
数あると中々の迫力。平田さんは伊東事務所出身の人です。
この照明は年末まで展示されてるそうです。
そして横綱小山登美夫ギャラリー「建築以前・建築以後」と題して鈴木布美子さんのキュレーションの元、会場設計を西沢事務所が手がけ、出品建築家も、菊竹清訓, 伊東豊雄, 妹島和世, 西沢立衛, SANAAという恐ろしく豪華な内容。4世代にまたがってます。(伊東さんは元菊竹事務所出身、妹島さんは元伊東事務所出身、そして西沢さんは元妹島事務所出身)
かなり見応えがありました。素晴らしい展示です。
まず6階のSANAAのローザンヌの模型は素晴らしいです。
確か妹島事務所観に行った時廊下に落ちてたやつもローザンヌだったような。
いやぁ、この建物はホント竣工が楽しみすぎる。
7階。西沢さんのHOUSE Aの凄まじい量の模型は圧巻。
1つの建物に一体何個の模型が存在するんだ。。。
妹島さんの犬島でのプロジェクトは初めて見た。相変わらずすごいことになってそう。
伊東さんのノルウェーでの図書館のプロジェクトを紹介。
プロフェッショナルで見た模型やドローイングが生で見れる!
気が遠くなる作業だ。。。
そしてなんといっても凄いのが菊竹さんの「海上都市計画」。
こういうことを今やると鼻で笑われそうだけど、これを本気になってやってた時代があったということに感動を覚えるし羨ましく思う。
もはや歴史的価値すらある模型や映像。
映像では実現に向けてのプレゼンがすごい迫力で迫ってくる。
そんな映像を見てたら外からなにやら聞いたことがある声が。
気になって外に出るとなんと長谷川祐子さん!!!
相変わらず早口で小山さんになにやら話しかけてました。
近くに東京現美があるからしょっちゅう来はるんやろか?
妹島さんと一緒にプロジェクトやってることもあるしね。

ところで、最近出た伊東さんの本西沢さんの本がアツい。
伊東さんのは海外の本で、日本のamazonで買ったら最初1万近くしたので、またイギリスのamazonを利用させてもらった。でもその直後にいきなり下がって、1000円ぐらいしか得しなくなった。まあ得してるからいいんやけど。でもさらにこないだジュンク堂で6000円で売ってたのを見た。それでも数百円は得してるんだい。
この本は写真が満載でしかも初期の作品から最新の作品まで網羅されてて、今出てる伊東さんの本では一番いいんじゃないかと思う。なんで海外からなんだ。そしてこの本はすぐに日本語訳されて出そうな気がする・・・。実際文書寄せてるのもDana Buntrock以外は伊東さん本人と五十嵐太郎、山本理顕氏やし・・・。坂さんのも日本語訳のが出てるしなー。出たらまた買ってしまいそうで恐い・・・。
装丁がMIKIMOTOの穴とせんだいが合わさってかわいい。
西沢さんのは対談集。西沢さんはいちいち天才すぎるので、一人の文章だと普通に何言ってるのかわからない時があるのでこういう対談の方が向いてる気がする。
原さんの研究家のような西沢考察から、伊東さんのたまにドキッとするような鋭い言葉、妹島さんとの改まった対談など、かなり内容が濃いが、藤本壮介さんとの対談が一番おもしろい。
建築だけでなくエコ問題とかにも及んでて、すごく興味深い。
とにかく豪華な内容。おすすめです。
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No title

「舞台を観よう!」キャンペーンはどしどし続けていきたいです。
ogawamaさんのブログはこのキャンペーンに必須で、今回の「3人いる!」もogawamaさんのブログ読んで行こうと思いました。
出血・・・どんな風に行われたんでしょう。恐いなぁ。パフォーマンス見たかったです。
確かに原作の良さは感じましたね。かなりロジカルに出来てる構成で、終わり方も見事でしたね。
そっか、ダンス系のパフォーマンスがアート思考強そうですね。また何かあったら教えてください。
エルメスもう何度目ですか?笑 もう丸の内の方は行かれました?何やら常設展示があるそうなんで。今度のノマルの個展も楽しみです。着いて行きましょう!

No title

「舞台を観よう!」キャンペーン、素晴らしいです。「3人いる!」にいらしていたとは。出血、ピンポンです。パフォーマンスはない日も多かったみたいですよ。どこぞのブログによると、リップで壁に落書きした日もあったようですが。すごく面白い舞台だったけど、あれは原作がいいから?と知人と話してました。
舞台美術に関しては、ダンス公演の方がアートっぽいのが見られるような気がします。でも私は高嶺さん見てませんけどね。
エルメス、また行きたくなりました。シリコンオイルは「粘度命」な名和さんの渾身の作品ですね。でもこれからも色んなパターンを試して行くんでしょうね。ついて行きますっ。

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