カルティエ現代美術財団コレクション展@MOT

はい、東京です。
バス中で一時間寝れたか寝れなかったかの勢いなので本当に眠い。
いろんなとこでうつらうつらしております。
おかげさまでVISAも案外すんなりとれていくつか美術館巡りしてきたので報告。
カルティエ現代美術財団コレクション展@東京都現代美術館
世界が誇るブランドカルティエ。実は現代美術蒐集にも力を入れていたという話。
あんまり期待してなかったけど、すごく見応えのある展示でした。
ってか、もうホントに久々に行ったけど、この美術館こんなに広かったなんて。
作品ひとつひとつに対して贅沢な展示が実現していました。
気になった展示をいくつかピックアップ。
まず最初の部屋でお出迎えがライザ・ルーのビーズで出来た庭の風景。これがもうすごかった。写真とかいくつか見ていまいちビーズで出来てるってのがわからなかったけど、実際の展示見たら、もうキラキラ光っててすごいです。彼女の作品、この春にロンドンのWHITECUBEというギャラリーで見てて、その時も驚愕やったけど、今回はさらに大きくてまたまた驚愕。干した洗濯物の感じとかすごかった。
はずせないのがロン・ミュエク。今回の表紙にもなってるけどやっぱすごい迫力。肌の下の血管とかまで感じさせるあの質感はすごすぎ。ちょっと頭と身体のバランスおかしく見えたけど気にしない。
サラ・ジーはこれまた吹き抜けを利用したサイトスペシフィックな作品。ってかああいうのって所蔵ってったってどうするんだろう。まったく同じように組むことなんて可能なんかな?脚立が完全に重力失ってる感じが素敵です。
松井えり菜の作品はまあ、フランス人好きそうやなぁ、といった感じ。あのサブカル感が僕にはうけつけないのです。しかし若い。あとエビチリ床に置いてあったの普通に笑った。
トニーアウスラーは相変わらずきもくていい感じでした(笑)
デニス・オッペンハイムの作品もまた笑わせてもらいました。空間を斜めに突っ切るながーい机。両側には黒い服着た人形と白い服着た人形が互いに何か言い合ってる。よく聞くと黒い方が「black dog」、白い方も負けじと「white」と叫び続けてる。背景には黒人・白人問題やら色々あるんだけど、単純に笑えました。
アドリアーナ・ヴァレジョワは以前近美でやってたブラジル・ノスタルジアで見て衝撃だったけど、今回も何度見ても衝撃だわ…。タイル柄が破れてそこから内臓が飛び出してるみたいな…。こういうのってオカルトチックのゴテゴテになりがちやけど彼女の作品はそうなってない。なんでやろ。
クラウディア・アンデュジャールの写真はプリントが異常にきれかったなぁ。
ウィリアム・ケントリッジの映像はやっぱ好きだ。この憂いを帯びた感じがなんともいえない。映像ってあんま最後まで見る気しないけどこの人のだけは見れる。今回はさすがにうつらうつらしてしまったけど…。
川内倫子の写真ってなんであんなにやわらかいんだろう。普通の写真なのに川内さんの写真ってのがすぐわかる。押し付けがましくないのがまたすごい。今回ナン・ゴールディンも同じように何百枚の写真をスライドで投影してたけど川内さんのは普通に見れた。さすがに全部は見てないけど。
そんなこんなで全部見るのに1時間半ほどかかってしまった…
結構見応えあるし、家族とかで来ても楽しそうな展覧会です。
あと所蔵展。川俣さんとクリストのドローイングには感動した…。いいのもってる。
ところでこの美術館って今までそんなにパッとした展覧会がなくて、東京寄ってもほぼ行かない美術館でした。しかしこの春から学芸員の長谷川祐子さんが金沢21世紀美術館から移ってこられて、それがこの後どのような変化をもたらすのか楽しみです。同時に金沢の方がどうなるのか心配ですが…
米田知子展@SHUGOARTS
現代美術館も来たことだし、ついでに最近引っ越して、近くなったというこのギャラリーに足を運ぼうと思ったはいいものの、地図もなかったもんで美術館の人の案内と住所を頼りに必死に捜索。僕にしてはまあまあスムーズに見つけられた方だと思うけど、あの場所ってどうなんですか…普通に工場の上の階…。明らかに荷物運ぶような大きなエレベーターで上り下りしなきゃならんのもどうかと。同時に複数の階指定できないってどういうことよ…。
とまあ、のっけから文句たらたらなわけですが、これだけでは終わりません。ギャラリーの態度ってのもすごくどうかと思いました。そもそもこのビルには小山登美夫ギャラリーやTaka Ishiなど、コマーシャルギャラリーとしては名だたるギャラリーばかりが一挙に入ってるわけなんです。しかしその商業ベースってのがありありと感じられて、買う気の無い僕のような人間には一切興味示さないって感じの態度。ギャラリーってそんなもんなんでしょうか。確かに入った時NYとかのギャラリーのような空間にちょびっと感動したけど、わざわざそこを追っていく必要あるのかな、とも思いました。日本には日本ならではの方法ってのがあるような気がするんですよね…。
文句たらたらで申し訳ないですがようやく本題米田知子展です。まあ、作品はやっぱりいいし。メガネのシリーズをあれだけ一気に見れたのはとてもよかった。米田さんの写真という媒体の使い方がとても好きです。これでギャラリーの態度がよければ<モウイイ
でも、やっぱね、レストランでいくらおいしいもの出されても店員の態度とかが気に入らないとその料理もおいしくなくなっちゃうってことと同じだと思うんですよ。ギャラリーもそういうとこ気を配ったらいいと思うんだけど。まあ、ギャラリーは金払ってないと言われればそれまでだけどね。
隣のギャラリーで高松次郎の影のドローイングが見れたのはラッキーだった。
森万里子「Tom Na H-iu」@SCAI THE BATHHOUSE
もう疲れきって行くか迷って結局行ってみたらよかったってパターン。
あんなに大きなものだとは思いませんでした。
理系の苦手な僕にはまったくもって理解できないけど、彼女の今回の作品は、観測所が記録した超新星爆発の時に発生するニュートリノをキャッチし光で反応するという作品。ニュートリノの詳しい説明はコチラ。余計わからなくなりそうだけどw
書いててますますわからなくなりそうだけど、わかろうがわかるまいがとにかく綺麗な作品。暗い中で発せられる光に思わず眠りが…(ぇ 心地よすぎて床で座りながら見てたらいつのまにかこっくりこっくりしてましたとさ。
で、この展示、毎時11・33・44・55分になると特別な光を放つらしく、僕が行った時は55分の蒼い光を見ることができました。これは大気中のニュートリノがどうのこうのって(説明不可)。で、このまま帰ろうかと思ったけど、11分のやつが一番すごいみたいなこと書いてあったから暇だし待ってみることに(待ってるときにこっくり)。いよいよ11分になってびっくり!なんということでしょう!今までまだらにしか光らなかったものが全身青やら紫やらに光だして、そりゃ美しかった!待っててよかった。
それにしても、ここも一応商業ギャラリーなんだけど、全然いやな感じがしない。多分作品を作品として見せてるからじゃないかな、って思う。そのためならこのギャラリーは床のセメントをくりぬいたりもする。でもさっき言ってたギャラリーはどこかで作品を商品としてだけ飾ってるような気がする。そりゃ商品に変わらないんだけど…。なんだか色々考えさせられます。
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