内海聖史「ボイジャー」@eN arts


内海さんの京都での個展のオープニングに行って参りました。
昨年から内海さんのブログで京都の某所で個展をすると書いてあったので、どこかと思ってたら円山公園内にあるeNartsとのこと。ここは空間が複雑で、毎回空間をすごく意識される内海さんがどう展開するのか開催前からとても楽しみでした。
まず入口から「十方視野」のひとつかと思われる中サイズの作品がガラス越しに。
すごい細かい絵の具のドットが鮮やかな色彩を放ってます。
さらに入ると「三千世界」のような小さな正方形がいくつか。
よく見ると何度か色を重ねられて、ミニチュアリヒターのような感じ。
そして今回のタイトルのイメージの球に絵の具が張り付いたような立体。
惑星直列のように、いくつかの色彩ボールが並べられてました。
さらにその横にはクレヨンを使った新しい渋めの小作品がいくつか。
奥には「色彩の下」のような、壁を埋め尽くすような大作。
さらに地下へ続く階段の上の壁には「三千世界」の小さな絵がふたつほど。
地下のブラックキューブは薄暗く、壁に赤いドット絵画があるのがわかる。
目が慣れてくるにつれて全貌が露になるけど、これは入った瞬間のわけのわからなさがいい。
僕が最も気に入ったのは和室。
黒の重層的な平面作品と、壷の中に絵の具が重ねられてる作品。
インスタレーションとしてもすごく凛としていていい感じの緊張感。

ざっとこんな感じなんですが、正直ここまで幅のある作家だったのかと驚きました。
内海さん自身もこの空間では実験的な展開をしていると語ってましたが、新展開がいくつもあり、これは内海さんファンなら必見の展覧会まちがいなしですね。
「ボイジャー」というタイトルもすごく新しい。
今まで、作品の状態をそのまま表すようなタイトルを付けてらっしゃった内海さんですが、今回すごく詩的情緒溢れたタイトルだな、と最初タイトル聞いた時から思ってました。
この展覧会は内海さんの個展でも通算20回目の個展だそうで、何か記念碑的なものがありそう。
様々な展開が様々な空間に飛び散っていて、色んな国を旅するように見られてとても心地よい空間体験でした。

内海さんと是非お話したかったけど、ひっきりなしにお客さんに対応されてたので最後まで話す機会を逃してしまった・・・orz
この展覧会はあと1回は観に行く予定なのでいらっしゃったら是非お話してみたい。
にしてもホント内海さん今年に入って大忙し。
今年だけで5個目の個展だそうで。
残念ながら先日のスパイラルとアンドウの個展は見逃してしまいました。。。
今回の新展開が今後どう展開して行くのか楽しみでなりません。

ところで今回フランスアート界底辺日記のkanaさん(とそのお友達お二方)と一緒に見させてもらいました。
kanaさんはとても愉快な人で、でも言葉の端々に鋭い視点が絡んでくるので喋っててとても楽しい。昨年小生の個展に来て頂いて以来仲良くさせてもらってます。今月末にはまたフランスに帰られるとのことですが、また1度くらいお会いしたいです。フランス行ったら色々お世話お願いしますとこの場を借りてお願いしてみる。


内海さんといえば、先日のスパイラルでも発表された「色彩の下」。
幅17m、縦4m近くあるこの文字通り大作は、内海さんの代表作のひとつ。
2004年に下北沢にあるMACAギャラリーで発表され、その後も何度か展示されてます。
僕もその後に大阪のアートコートギャラリーで行われた個展で、この「色彩の下」を見たのが初の内海体験。あの時の衝撃は忘れられません。
そんな「色彩の下」の制作を追ったドキュメンタリーが存在してることを知ったのは先日。
いつも内海さんの作品を追い続けてるlysanderさんのブログ
いつも密かに読ませて頂いてるんですが、その存在を知った途端に見たい!と思い、ブログに紹介されてるリンクに飛び、即メールをさせて頂きました。
それが山﨑梨真さんという現在NYで映像に携わってる方。
メールをしたら、わざわざNYから届けてくださいました。
待つ事一週間弱。
89分という長さを忘れさせてくれるような衝撃的な内容。
インタビューも音楽も一切なく、ただただ内海さんが40枚ものキャンバスと格闘(そう、本当に格闘といった感じ)の様子がつぶさに映し出されています。
あの大きな絵画をどのように制作したのか、初めて見たあの時から疑問でしたが、狭いアパートで、ズラしながら、たまに電気にぶつかりながら、黙々と作業なさっていて、すさまじい集中力です。五ヶ月も!
画面から鬼気迫る何かが伝わってくるようでした。
最後は展示の風景でエンディングです。
このドキュメンタリー自体に興味を持った私は、梨真さんにどういう経緯でこのドキュメンタリーを撮る事になったかを聞いてみると、本当に「運命」というものを感じられない偶発的な事象がいくつも重なって、今もこの世にあの作品の出自が残っているというわけでした。
具体的にはどこまで触れていいのかわからないので、あまりここで詳しくは書きませんが、とにかくあの作品は残されるべくして残されたんだな、と思わざるを得ません。
作品がこの世に生まれてきた運命性のようなものをこのドキュメンタリーを見ながらひしひしと感じてしまいました。
この度は本当にありがとうございました。>梨真さん
その存在を教えてくださったlysanderさんにも感謝です。

Color on Colors
監督/撮影/編集:山﨑梨真
89分 / 撮影2004年/編集2005年 /日本語/日本

さーて、次「ボイジャー」いつ行こう。

内海聖史展「ボイジャー・Voyager」
eN arts
2009.08.01(土)~ 08.30(日) 金土日のみオープン。他の日時は応相談。
open 12:00 - 18:00
京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側
TEL:075-525-2355


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No title

memeさん飛び回ってますね笑
今回の個展は今まで内海さんの作品を見てきてる人でもかなり新鮮に映る新境地な展覧会ですよね。また行きたいです。

No title

今日、行ってきました。
想像以上の素晴らしさ。
空間と作品が調和し、更に新境地開拓でしたね!

No title

コメント&TBありがとうございます!
お互い密かに見てたんですね笑
lysanderさんのブログがなかったらあのDVDに出逢えてなかったと思います。本当に感謝してます。
リンクに追加させて頂きました。

内海さんの今回の個展はいつもと少し違います。
行って損はないと思いますよ。
今は大阪でもやなぎみわや堂島リバービエンナーレ、水都、アート大阪なんてのもやりますし関西熱いです。
あと、29日からうちのスタジオでも展覧会やるんで、もしよかったら合わせてどうぞ、なんて宣伝もしてみる。

No title

moriさん
こんばんは

私もこちらのブログは密かに読ませていただいています。

山崎さんのドキュメンタリーをご覧になったのですね!
そのきっかけになれたことを、とても嬉しく思います。

内海さんの京都の個展、みどころが多そうですね。
悩んでいたのですが、やっぱり行こうかな...
貴重な情報をありがとうございました!
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