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やなぎみわ「婆々娘々!」@国立国際美術館


やなぎみわ「婆々娘々!」展に行ってきました。
これ何と読むかというと「ぽーぽーにゃんにゃん」って読むらしいです。
なんかもうハジけまくってますね。

やなぎさんは特に好きってわけでもないんやけど、2004年の丸亀で行われた「少女地獄極楽老女」展以来国内で行われた個展はほとんど観てる。2005年の原美の展示も大原美術館での展示も、そしてこないだの写美での展示も。
2004年の丸亀の展示は素晴らしかった。
やなぎさんの中でもある種金字塔的な展覧会だったんじゃないかと思う。
エレベーターガール以降次のステップに足をかけた意欲的な展覧会。
作家の「女性像」をこれほど豊かに表現した世界があるなんて!とびっくりした。
そこで発表されたのが今回も出品されてる「マイグランドマザーズ」と「寓話」シリーズ。

この展覧会も「マイグランドマザーズ」でスタート。
同シリーズのほぼ全作品が展示されてる。
でも正直このシリーズ引っ張り過ぎじゃない?とも感じる。
前回写美で見た時はこれしかなかったので少々食傷気味。
僕はもう何回も見てしまってるので少々飽き飽き。
まあ、それでもおもしろいはおもしろいんですがね。
この作品を撮影してるメイキング映像も展示されてあっておもしろかった。
ってかやなぎさんもはやシャッター切るのは他人なんですね。
やなぎさんはカメラマンの横で様々な指示を出してました。
写真家の定義は広い。

久々に見てとても新鮮だったのは「寓話」シリーズ。
展示も壁を黒く塗ってすごいダークな雰囲気。
「グランドマザーズ」とは対極なイメージ。
もうね、子供とか見たら泣いちゃうんじゃないかってぐらい怖い。
最初に展示されてたテントウーマンの写真怖過ぎ・・・泣
このおどろおどろしさがたまらんのです。

そしてラストの部屋では今ヴェニスでも発表され、今回の表紙にもなってる最新作「ウィンドスウェプト・ウィメン」。ヴェニス同様凄まじい大きさのプリントが写真立てに入れられてどーんと5点ほど展示されてる。
もう、これ初めて展覧会プレスで見た時は衝撃でした。
「失うものは何もない」って感じですね笑
張り乳萎え脚の女性と垂れ乳張り脚の女性が激しく乱舞。
連れと美術館にも関わらず涙出るぐらい爆笑してしまいました。。。
そして極めつけが映像。
テントの中に投影されてて、荒野を脚の映えたテントがさすらう。
砂浜についたらさっきの写真の女性が出てきてこれまた乱舞!!
散々踊り尽くしたら、何事もなかったかのようにテントに戻りまたさすらう。
僕はもうこの映像の方にやられてしまいました。
家の近所とかにこのテント現れたらどうしようという想像が・・・笑
最後の部屋は笑いなしでは過ごせません。
いやー、やなぎさんすごいわ。マジで尊敬する。

今回の展示は2000年以降のやなぎみわの活動を総括するような素晴らしい展示。
これは是非見に来た方がいいですね。
下ではルーブル展がやってて、土日はちょっと人多いですが、420円とお得です。昨年の塩田千春+モディリアーニ、シュテファンバルケンホール+ゴッホのように、この美術館お得意のB1Fでの現代美術+B2Fでの古典という企画ですね。おかげで普段現代美術観ない人もついでに観に行けるし、現代美術の方は古典の方で金とれるから安く観れるしいいことづくしです。学生なんて130円で観れますからね。
前回の杉本博司といい、国立国際がんばってます。
やっぱ植松さんが丸亀から移ってきた影響ってのはあるのかな?
あとはこの美術館自体なんとかなれば・・・。建築駄目過ぎ。美術館のくせに動線悪過ぎですからね。特にB1F。奥まで行ったらまた引き返さなあかんとか萎えます。そういう点で杉本さんはちゃんと考えてスムーズな動線を確保してましたね。さすが。
しかし暑い!辿り着くまでの汗だくになります。。。
今回初めて美術館前のgrafのカフェでランチした。冷静パスタうまー!

やなぎみわ「婆々娘々!」
国立国際美術館
2009年6月20日(土)ー9月23日(水・祝)
月曜休館(ただし7月20日、9月21日は開館。7月21日(火)は休館)
開館時間:10:00-17:00、金曜日は19:00(入館は閉館の30分前まで)
毎月第一土曜日はB1Fの展示は無料!
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2_exhi_beginning.html

日曜美術館「やなぎみわ 成熟する女性像」 7月26日(日) 9:00~9:45放送!
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0726/index.html


<関連記事>
やなぎみわ「マイ・グランドマザーズ」@東京都写真美術館
53rd Venice Biennale Japan Pavilion



先月も含め大阪で見た展覧会を一括で。
といってもアートコートとパンタロンだけですが。

Art Court Frontier ♯7 @ Art Court Gallery
ACG eyes 3 : 国府理 -ROBO Whale- @ Art Court Galley
西山裕希子「鏡のすき間」 @ PANTALOON


今回で7回目となるACF
キュレーターや批評家、作家、コレクターに関西の若手を推薦してもらうという企画でこの企画内容自体はおもしろいのだけど、こうも続くともうそこまで「未開拓」はないやろ、と。
やはり第1回がすごすぎただけに以降見劣りが。
特に昨年はちょっと厳しかったと思う。
友人が出てたので観に行ったけど、それだけ。
前半見事に全部写真でもうわけわかんなかった。
今年もあんま期待せずに観に行ったけど去年よりかさすがによかった。
というよりヴァラエティーに富んでたのが救い。
岡本太郎賞も受賞した若木くるみの作品でスタート。こちらは榎忠氏ご推薦。
実際太郎賞展で見た時は不快極まりなかったけど、今回はまだ観れた。ってか本人おらんかったからかな?憧れの榎忠に近づこうと努力する乙女心。
他にも見たことあった作家さんがいたんで、落ち着いて観れた。見たことない作家ばかりだとこっちも評価することもできない。やっぱ作品は何度か観ないとわからないのです。
例えば樋口明宏さんの蛾に着彩した作品はMA2で何度か見たことがあったり、柳澤顕さんも静岡の「風景ルルル」展で見たことがあったり。
初見で気になったのは上の写真でもちらっと映ってる山添潤さんの石彫。古典的といえば古典的なんやけど、石の表情がフラクタルというか、すごい。これ実際に彫ることでこうなるのか、元々こんな石なのか。後者なら萎える、がその可能性も多いにありうる。
木村宗平さんの線のドローイングも美しかった。
ACFはこんな感じ。8月1日まで。
これの前の前(?)にやってた国府理さんの展示は、以前大阪カレードスコープに出品されてたロボホエール。吹き抜け空間にででんと置かれてて中々の緊張感。今回砂に埋もれてなかったけど、その分ディテールが観れてよかった。展示終了。
パンタロンの西山裕希子さんの展示は中々面白かった。アートコートやニュートロンでも何度か展示されてて、その時見てた印象とまたがらっと変わってて、同じ作品でも展示空間が変わるとここまで印象が変わるのかと驚き。
このパンタロンの展示が今まで見た西山さんの中でもっともしっくりきてた気がする。扱うテーマがすごくドメスティックなのでこの元長屋という空間との親和性がいい具合。
彼女の平面は半分壁紙的な要素があるので、平面作品を見ているという感覚がちょっと飛んでしまうというか不思議な感覚に誘ってくれます。やっぱパンタロン見逃せない。
ちなみに今やってる展示はあんまりでした。作家のマスタベーションというか。。。見ていてとてもしんどかったです。でもやっぱパンタ(略)
ところでこのパンタロンのある中津が最近おもしろいことになってます。下町の古い町並みを残しつつ、カッティングエッジなデザイン事務所が軒並み連なってる。パンタロンの前も建築事務所やし、商店街入口付近にも新たなデザインギャラリーが!こん時はグラフィックデザインの展示がしてました。中津は要チェックエリアです。
関連記事

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No title

こんちはー。やなぎみわホントよかったです。
メール今見ました; あっちのメールたまにしか確認しないんで。
また送りますね!是非お会いしましょう!

No title

こんにちはー!私もやなぎみわの見に行こうっと。
ところでこないだメールしたんだけど届きましたか?
また夏に日本に帰るから会えればいいなって思って。
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