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金氏徹平「溶け出す都市、空白の森」@横浜美術館


3月から始まってる金氏さんの展覧会に行ってきました。
この展覧会のあり方はちょっと独特で開催前から注目してました。
というのも、開幕前に、ドローイングなどを美術館が販売して、直接この展覧会資金に当てるといったもので、今まで美術館がこういった試みをするなんてことは多分なかったんじゃないでしょうか。
これは、今の美術館の資金不足という問題を露呈させるリスキーなものではありますが、逆にそれをもう開き直っちゃって、いい展覧会を作る為には手段なんていくらでもあるんだということを見せつける画期的なやり方だと僕は評価してます。というかこういうのは普通の企業ならごくごく当たり前のことなんですがね・・・。どれだけ美術館が権威の上にあぐらをかいていたかがわかります。
ってことで、正直金氏さん自身にはあまり興味なかったのだけど、始まる前からすごく楽しみにしてました。
そして内容は見事という他ないほどの出来。
というか、金氏さんの制作力にただただ舌を巻きました。
あれだけの作品数で会場を埋めるほどの生産力は圧巻です。
点数で言えば100点超えてたんじゃないですかね。
まだ30代前半だというのに生き急いでませんか?笑
それほどのエネルギーがこの展覧会には詰まってます。
MOTアニュアルで改めて彼の作品をちゃんと見ましたが、彼の場合、一点一点というよりも、それらが集まった時の力が凄まじいんです。
今回のタイトルにも「都市」や「森」という言葉がありますが、まさにその密集したもののエネルギーこそ金氏さんの作品の魅力なんだと思います。
でも特に僕は金氏さんのドローイングが好き。
今回の多分メインになってる、そのドローイング「tower」をアニメーション化した作品は最高でしたね。いつまでも見続けてられるとてもいいアニメーション。
彫刻家の人が描くドローイングって画家のそれ以上に魅力がある気がする。
それは、画家の場合、やっぱ下絵的な目で見ちゃうからやと思うんですが、彫刻家の場合はもうそれ自体が作品として成立してる感があるんですよね。
名和さんのドローイングも僕は彼の彫刻以上に好きですし。
ということでこのアニメーションは必見です。
5月27日までやってるのでまだの方は是非。
金氏徹平という森の中に迷い込んでみてください。
ちなみにこの美術館は何故か木曜日休みです。ご注意を。
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2009/exhibition/kaneuji/outline.html

さて、この美術館は4月から僕の好きなキュレーター逢坂恵理子さんが館長に就任しました。
これからどう変わっていくかが楽しみです。
とりあえず次は年末の束芋展ですね。
しかし丹下さん設計のこの建築・・・青木さんも言ってましたがダサいですね。
いちいち演出がかかりすぎてて萎えます。
でも情報センターはすごい。あの雑誌の豊富さは国立国際も見習ってほしい。

<関連記事>
MOTアニュアル2008:金氏さんが出品。
人間の未来へ-ダークサイドからの逃走@水戸芸術館:逢坂さんの伝説的キュレーション。


椿会展2009 Trans-Figurative @SHISEIDO GALLERY

戦後間もない1947年から始まったグループ展「椿会」。
今や第六次まで数える歴史があり、現メンバーによる展覧会はこれで3回目。
現メンバーとは、伊庭靖子、塩田千春、やなぎみわ、祐成雅徳、袴田京太郎、丸山直文の6人で、その中から4人がランダムに展覧会を行う。
今年は伊庭さん、塩田さん、祐成さん、丸山さんの4人。
もうね、なんしか塩田さんが浮き過ぎです笑
昨年はやなぎさんと一緒に出てたからそうも思わなかったんやけど、今回のメンバーの中に展示された糸のインスタレーションはもはや別の展覧会ですよ。
他の3人はひたすら色が溢れてるのに、塩田さんだけ黒いですから。。。
まさか糸のインスタレーションをここでもってくるとは。
今回のは、奥に昔のミシン台が置かれてるんですが、最大の特徴はところどころ糸が切れてるところですね。最近は糸を切った作品も海外では発表してましたが、実際見るのは初めて、かな。切れてる状態もいいです。
あとの人たちも素晴らしかったんですが、ちょっと塩田さんが強烈すぎました。
塩田さんの浮きっぷりを観に行ってみてください。6月21日まで。
<関連記事>
椿会展2008「Trans-Figurative」@SHISEIDO GALLERY
塩田千春「沈黙から」@ 神奈川県民ホール
塩田千春「精神の呼吸」@国立国際美術館
伊庭靖子展「まばゆさの在処」@神奈川県立近代美術館
丸山直文展「後ろの正面」@目黒区美術館

内藤礼「color beginning」@GALLERY KOYANAGI
内藤さんの作品を初めてコヤナギで観る。
正直内藤さんの作品を普通にギャラリーで観るのっておもしろくなさそうやなぁ、とあまり期待してたかったんですが、これがまあよかったよかった!
現美で展示された、溢れる水の中でたゆたう布の作品「母型」なんて、今回見た時とがらっと印象がかわってすばらしかったし、横トリで発表された糸が熱線の上でたゆたうのも良かった。
そしてなんといっても今回メインの「ペインティング」。
内藤礼がペインティング?と思ったけど、どうやら彼女にはその意識は全くといってないらしく、そのアプローチの仕方も「内藤礼式」。
色がなくなるほど薄めた絵の具を毎日毎日塗り重ねてできたもので、数百回もの層は、仄明るい光を感じさせてくれる。
コヤナギのあの独特の退廃的なムードの中であのピンク色は何か救いのようなものを感じたし、前に触れた2つのインスタレーション作品もすばらしかった。
また、貝の死骸で染めたといわれる布の展示もよかった。
その下の謎の水の入れられた瓶ももうわけわかんないけどよかった。
なんか内藤さんの作品ってすべてを肯定してくれる力があるんですよね。
今回の展覧会もなんだか僕にとって小さな救いになってくれました。
こちらは5月16日まで。
<関連記事>
内藤礼「母型」@ 発電所美術館
内藤礼「このことを」@きんざ
パラレルワールド@東京都現代美術館
横浜トリエンナーレ2008

宮永愛子「はるかの眠る舟」@MIZUMA ART GALLERY京都府文化賞、第3回shiseido art egg賞と、立て続けに受賞され、今や飛ぶ鳥を落とす勢いと言わんばかりの勢いを見せる宮永さんの個展が始まったので、初日に行ってきました。
行ったら早速山口晃氏がいて焦った笑
さすが初日。
そして宮永さん本人もいらっしゃいましたが、お友達と話してたのでうまく話しかけられなかった。色々作品のこととか聞きたかったのだけど。
入るとそこはブラックキューブと化してて、暗がりの中に1つの棺のようなものが。
中をのぞくとナフタリンでできたクマのぬいぐるみや積み木などが。
奥にはバースデープレゼントのような丸い箱の中に椅子と机。
なんだか生や死といったものを意識させる今までにない展示でちょっと戸惑う。
これまで内容というより、そのインスタレーションで最近は度肝を抜かされ続けてたので、ちょっと最初は肩すかしな感じやったんやけど、多分会場もこれまでのより小さめなので、内容の方にアプローチを絞ってきたのかな、とも思う。
でもやっぱあの神懸かり的なインスタレーションを期待してた僕としてはなんだか物足りない感じ。ちょっと僕の中で宮永さんはハードル上がりきってる感がありますな。
まあ、もちろんそれでもよかったんですがね。
というか、今回の展示は、5階の方が宮永さんに合ってたんじゃないかな、って思う。5階は元々倉庫だったのか、すごく雑然としてて、変な雰囲気があって面白い。その5階でやってた展示はよくわかんなかったけど、僕はそう思いますね。
あと、ナフタリンで象った鍵を樹脂かなんかに閉じ込めてた作品が気になった。やっぱ売る為にはそうでもしないといけないのかな?もう一個制作中となってた。
この展覧会は5月23日まで。
なんとGWも開廊してるそうなので、6日まで国立新美術館でやってる展示とあわせてどうぞ。国立新の方は完全に神懸かってるんで。
にしてもなんでミズマなんやろ。なんか完全に毛色違う気がするんやけど。
<関連記事>
ARTIST FILE 2009 @国立新美術館
宮永愛子「地中からはなつ島」@資生堂ギャラリー
お釈迦様の掌@ARTCOURT GALLERY
宮永愛子「漕法」@京都芸術センター

あとでMA2やってる、樋口明宏さんと古賀あさみさんの2人展「サンクチュアリーへ」も見たけどよくわかんなかった。
樋口さんの蛾に描いたドローイングはおもしろいとは思うけど。

余談。
ARTiTの最新号がまさに僕の好みど真ん中な特集だったので購入して、巻末のプレゼントに応募したら原美術館のジム・ランビー展のカタログが当選しました。とってもいい展覧会だったのでうれしい。この展覧会は会期が延長されて5月10日まで開催中です。まだの方は是非!
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