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インシデンタル・アフェアーズ@サントリーミュージアム

年末、「2009年注目展覧会 暫定版」を更新するのに、おもしろそうな展覧会ないかなー、と思って美術館のサイトを回ってて、久々にサントリーミュージアムのサイト見たら気になるタイトルを見つけて、その後も注目してたのだけど、間もなく出品作家が発表されてこの目を疑いました。

フランシス・アリス、トーマス・デマンド、東恩納裕一、アニッシュ・カプーア、木村友紀、ウドムサック・クリサナミス、宮島達男、トニー・アウスラー、エリザベス・ペイトン、ミシェル・ロブナー、佐伯洋江、榊原澄人、さわひらき、田中功起、ウォルフガング・ティルマンス、横井七菜、横溝静

なんなんだ、この豪華すぎるメンバーはぁあああ!!
衝撃的な内容です。
これまでサントリーミュージアムは、ここまで本腰入れて現代美術を扱うことはなかったんです。どっちかというと、アール・ヌーボーやらエッシャーやらあの辺の展覧会ばかり。
今まで現代美術を扱ったものといえば、「THEドラえもん展」、「夢みるタカラヅカ展」、「GUNDAM展」ぐらい。
実際僕も2003年の「タカラヅカ展」以来行ってませんでした。
そんなこんなでかなり楽しみにしてて、ついに行ってまいりました。

「偶発的な関係性」と題されたこの展覧会。
副題に「うつろいゆく日常性の美学」とつけられてます。
着いたらちょうど展覧会解説がやってたので聞いてみると、どうやらこの展覧会はサントリーミュージアム15周年を期に現代美術にも本腰入れて焦点当てていこうという意欲的なもので、この展覧会はその記念すべき第一回ということで、素人の人にも楽しんでもらえる為の、いわばベストヒッツ入門編といったところ。
作品解説の後に、「現代美術を楽しむ為の心得」的なものも伝授してた。
「考えるな、感じろ」的な笑
ってことで、早速潜入。以降ネタバレになるのでご注意を。


まずはティルマンスの有名な作品「Freischswimmer」からスタート。
「自由に泳ぐ者」という意味のこの作品は、制作方法などは明かされてないのですが、水の中をたゆたうインク?を撮影したのか感光させたのか、とにかく凄まじい美しさを讃えた大判写真。ティルマンスの代表作といっても過言ではないでしょう。
早速豪華な作品でスタートして、続いては佐伯洋江のシャープペンシルで描かれた細かなドローイングとエリザベス・ペイトンの小さな絵画。そして日本初公開となる2003年のヴェニス・ビエンナーレで話題となったミシェル・ロブナーの群衆の映像。
そして、続いてはカプーアのアクリルの彫刻。アクリルの中に空気を入れて、無の空間を生み出した視覚的にもかっこいい作品。最初カプーアが出るってんでどんな作品が出るのかと思ってたんですが、いいですねー。
その前には榊原澄人のアニメーション。これは横浜のZAIMでやってたECHO展にも出てて印象的だった作品。ずっとループで1つの町の様子が俯瞰で描かれてるのだけど、すべてがつながっていて、目が離せない。おばあさんによって川に投げ込まれた赤ん坊が成長して少女になりやがて結婚してそのおばあさんになりそしてまた赤ん坊を川に落としてみたいなのが不思議につながっていく。これは普段現代美術を見てないとおぼしきおばさん2人が興奮して見てました笑
横井奈々のペインティング、フランシス・アリスの羊が広場で輪になっていく映像を抜けると一気に明るくなって、大阪港を臨む部屋へ。
そこには田中功起の「everything is everything」という映像インスタレーションが。
これが素晴らしすぎた!!
これまでもこの手のインスタレーションを手がけてきた田中さんですが、今回最もよかったんじゃないでしょうか。なんせ海を「借景」として、色とりどりの日常道具たちが並ぶ様が本当に美しくてその場にいつまでも佇んでいたかったくらい。
映像も相変わらず世界のありようをそのまま映したような。
日常品はその映像で使われてるものたちです。
続いて下の階へ。
宮島達男の「MEGA DEATH」。
これは1999年のヴェニスでも話題になった作品で、僕も2005年に熊本で見ました。
1800もの青いカウンターが部屋を埋め尽くし、それぞれのスピードでカウントを続けていて、ある地点を観客が通るとセンサーが感知して電源が落ちて、一気に暗転。真っ暗な闇がしばらく続いた後少しずつ回復していくカウンター達。その再生していく様がとてつもなく美しいのです。
でも熊本の広い空間で見た時の衝撃が忘れられないので、今回少し小さくて物足りなさも感じた。なんにせよこれは宮島さんの代表作といっていいでしょう。
その暗闇を抜けると今度は東恩納裕一の蛍光灯の作品とウドサック・クリサナミスのコラージュペインティングが。
その先には横溝静とトーマス・デマンドの写真。
横溝さんの「Stranger」と題された作品は、「あなたの写真を撮りたいので◯月○日の◯時に部屋を明るくして窓際に立っていてください」という手紙を見ず知らずの人の家の郵便受けに入れて、その指定した日時に作家が再びその家へ赴き、カーテンが閉まっていたら帰って、開いていれば撮影するという作品。その撮影後もその人々との交流を一切することなく、「他人」という関係を続けていくことになる。この映された人々の複雑な表情がとても印象的で異様な雰囲気が漂う。人間の関係性を深く考えさせてくれる良作。
その後木村友紀、トニー・アウスラーと続き、最後はさわひらき。
最後がさわひらきってのがいいですねー。
「Going Places Sitting Down」と題されたこの作品は、メランコリックな音楽と共に、部屋の中で木馬達が洗面台の湖を渡り、絨毯の草原を駆け、部屋の中に壮大な旅を演出する、さわさん独自の世界観が見ていてたまらなくいい心地にさせてくれます。
今回の「日常性の美学」という点で最も適した作品だったのではないでしょうか。
最後にこの作品ってのはとても有意義であったと思います。

今回の展覧会は、新作が出品されてないという点では少しもの足りなさを感じるものの、各作家の代表作が惜しみなく出品されてて、まさに現代美術のベストヒッツといった展覧会で、現代美術入門としてぴったりの展覧会だったと思います。
最初のうちこそこういうホンモノを見ておく必要があると思うんですよね。
僕も現代美術を見始めた時に、名和さんの作品に出逢ってなかったらここまでハマってなかったんじゃないかと思うと、やっぱ最初って肝心やと思います。
興味あるけどどれ見たらええかわからん、って人にうってつけです。是非
にしてもイギリスで活躍する外国人作家が多数展示されてるのが気になる。最初のティルマンス、デマンド(ドイツ人)、カプーア(インド人)、榊原澄人、横溝静、さわひらき(日本人)など。
キュレーターの趣味?
今回のキュレーションは配置がよかったですね。
特にアリスの暗闇から明るい田中功起の展示室に移動する時の光はすばらしい。
最後がさわひらきってのも粋です。

「インシデンタル・アフェアーズ うつろいゆく日常の美学」
2009年3月7日ー5月10日
10時30分~19時30分(最終入場は19時まで)
月曜休館(3/30、4/6、4/27、5/4は開館)
サントリーミュージアム 詳細



苅谷昌江「Screen」@studioJ
で初見した苅谷さんの個展。
その時に感じた異様な雰囲気に少しハマってしまったので行ってきました。
会場には、無人の劇場にジャングルが広がるシュールな絵画を中心に、その席でスクリーンを虚ろに見つめる動物達の絵が何点か展示されてて、真中には芸術センターでも見せてた鳥の形に切り取ったキャンバスと電灯のインスタレーション。
相変わらず謎めいた世界観で見れば見るほど不思議。
この不穏な世界観は一体何なんでしょうか。
これからも見ていきたい作家さんですね。
この展覧会は4月25日まで。
苅谷昌江HP>>http://yellowvalleys.net/
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