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TOYO ITO RECENT PROJECT


伊東豊雄の「せんだい」以降のプロジェクトを網羅する眉唾作品集が発売!
ほとんどが竣工前のプロジェクトやコンペで落選したプロジェクト。実際に竣工したTOD'Sや多摩美図書館などはここではあまり紹介されてません。
もっとそういった写真が多いと思ってたので意外でした。
しかし、そうはいっても本当にすごいこの作品集。
伊東さんと所員の方々のインタビューも掲載されていて、この10年で伊東事務所が挑んできた現在進行形の冒険が垣間みれます。
「エマージンググリッド」や「アルゴリズム」など、従来の建築言語にない言葉を多用しながら「21世紀の建築」を模索し続けるエネルギーはこの本から十二分に伝わってきます。
インタビュ-読んでて、伊東事務所の民主主義性も伝わってきますね。
各々が各々の考えを堂々と述べてらっしゃって、一人称は「私たち」。
伊東さんがワンマンでやることなく、チーム一丸となって様々な問題に取り組んでる。
最近伊東さんの昔の著書「風の変容体」を読んだのですが、やはり「せんだい」で大きく変わったんやなぁ、と改めて思いました。最近伊東さんの口からよく出る「プリミティブ」といった言葉もこの本の後半になってようやく出てくる。この本はほとんど難しくてよくわかんなかったけど笑、これまでの伊東さんの歩みを追って行くのには伊東さん自身の言葉で綴られてるだけにリアルに体験できますね。その次の「透層する建築」も読んでみたい。
来年にはPHAIDON社からも作品集が出ます。
これまでにも坂茂や吉岡徳仁など、ヴィジュアル満載の作品集を手がけてきたPHAIDON社だけに、伊東さんの作品写真を中心に展開される可能性大です。要チェックですね。

そんな伊東さんの最新プロジェクト、SUMIKAプロジェクトが遂に竣工!
栃木県宇都宮の東京ガスの企画で、伊東さんはメインパヴィリオンを担当。
木の生成パターンを独特のアルゴリズムを用いて導きだされた構造&ファサードの、サーペンタインパビリオンが更に進化した様な形態!
早く見たい!ってことで、来月観に行こうと思ってたらなんと、一般人には来年2月21日と3月14日しか公開しないんだとか!ふざけんなっ!!
とりあえずその2日間を狙ってまた行こうと思います。しゅん。
このプロジェクトに参加している藤本壮介さんのINAX出版から出された「原初的な未来の建築」はかなりおもしろいです。まだまだおもしろい建築家はいるもんです。
この本は「現代建築家コンセプトシリーズ」と題し、第2弾として石上純也の本も出ました。
こちらは藤本さんとはうってかわってメルヘンな世界爆発笑
この本の最初の方に書かれた言葉がとても好きです。

「僕は自然のよさというのは、ルールがあるようで実はルールが見えないところだと思う。例えば日常生活のなかで、天気を気にしている人は多いと思うが、そのシステムまで気にして生活している人は少ないと思う。ある日突然、雹が降ってきても、一瞬は驚くのだけれど、それについて特に解明されなくても、「まあ、こんな日もあるのかな」と、そんな感じで受け入れる。そういうことは、日常生活のなかで普通にある気がする。その日常的な普通さ、あるいは、自然さのなかに溶け込んでいくようなものを考えていきたい。(略) どう成り立っているのかよくわからないけれど「ここに、こうして存在しているのだから、まあ、こういうこともあるのだろう」と思ってしまうようなもの。」

これは石上さんの作品そのものをずばり言い得てると思う。
薄いテーブルやら浮遊する巨大な物体やら、本当にどうなってるかよくわかんないんだけど、もうそんなんどうだっていいや、っていうあっけらかんとして感じが、この文章に非常にうまく抽出されてる感じ。
どちらもおすすめなので是非読んでみてください。

石上さんは今ノリにノってますね。あの若さでヴェネツィア建築ビエンナーレの日本館代表だし、こないだはヤコブ・チェルニコフ賞を受賞されてました。
どんな賞か調べようと思って今検索かけたら全く出てこず・・・詳しい人教えて。
伊東さんもこないだオーストリアのフレデリック・キースラー建築芸術賞を受賞してましたね。
同賞は,オーストリアの建築家,フレデリック・キースラー(1890-1965年)の未亡人,リリアンの意思で1997年に創設された賞で,キースラーが示した実験的かつ革新的な姿勢,また専門領域の枠を超えた自由な考え方に匹敵する世界の建築家やアーティストに贈られるもの。(公式文より)
2年毎に贈られる賞のようで、第1回(1998年)はゲーリーが、また前回(2006年)にはオラファー・エリアソンに贈られるなど、建築だけでなくアートへの賞でもあるようです。伊東さんは今回日本人初としてこの賞を受賞されました。
来年こそプリツカー!もうこの人しかいないでしょう。

ちなみに2006年に伊東さんが受賞したRIBA(英国王立建築家協会)のゴールドメダルは今年はアルバロ・シザの手に渡ったようです。いつもこの賞知らんうちに発表されてんのよな。
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生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真 @ 東京ステーションギャラリー

・2024.02.14-05.27
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遠距離現在 Universal / Remote @ 国立新美術館

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横浜トリエンナーレ2023 @ 横浜美術館ほか

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ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

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