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53rd Venice Biennale Japan Pavilion

先日、来年開催される第53回ヴェニスビエンナーレにおける、日本館の概要が発表されました。
前回に引き続き、日本館の展示を指揮する国際交流基金が5組のキュレーターを指名。
その中から女子美大学教授の南嶌宏氏による展示が採用されました。
作家はやなぎみわ。日本館にテントをかけ、中は大きな写真作品を展示するらしい。

正直これが去年だったらなぁ・・・という感想。
去年の国別展示で話題の1つがドイツ・イギリス・フランスの三つ巴合戦。
それぞれ、イザ・ゲンツゲン、トレーシー・エミン、ソフィ・カルという、灰汁の強い女性作家が隣り合ったパビリオンで熱い火花を散らしておったのです。
これと負けず劣らず灰汁の強い作家やなぎみわが加わればおもしろかったのにな、と思います。
まあ、今更何を言っても後の祭。
ってか、他国のプランなんて事前にわかるもんじゃないんだから仕方ないですね。
来年、もしかしたら行く機会がありそうなので、適度に楽しみです。
詳しくはコチラ

最近青弓社から出てる「ビエンナーレの現在」という本を読みました。
これが結構おもしろくて、知っていると思ってたら意外と知らなかったことに気づかされたりもしました。
ここでももちろんヴェニスのことが書かれていて、昨年の日本館キュレーター港千尋氏のインタビューが特におもしろかったです。
氏は、このコンペ形式の日本館の選び方の難点を挙げておられました。
その難点とはつまり、指名されたどのキュレーターもベテラン作家を選ぶ傾向にあるということ。
これは、若手作家で、もしコンペで落ちた際に、自分の選んだ未来ある若手作家のキャリアに傷をつけてしまうのではという懸念がそうさせるようで、たしかにそうだな、と思いました。
それまでどういう風に決められていたのかわかりませんが、確かに2003年の長谷川祐子さんがキュレーションした日本館は小谷元彦と曽根裕なんていう、新鮮な組み合わせでしたしね。
2005年のビエンナーレでは韓国館が、若手ばかりのグループ展を催して話題を呼びました。
そういう新しい風を通さないと日本館も数ある国別パビリオンに埋没してしまうのではと思ってしまいます。

また、港さんが、岡部さんのライフワークとも呼べるプロッタージュをヴェニスでもやろうと、ヴェニスの建築学校の学生に呼びかけた所、すごくいい返事が返ってきたというエピソードも興味深かったです。
その反応に対し、学生になぜかと尋ねた所意外な答えが返ってきたそう。
「ヴェニスは歴史のない町だから、町の記憶を留めるプロッタージュを是非やってみたい」
いやいやいや、そんなことはないだろう、と港さんも戸惑ったそうです。
どういうことかとさらに尋ねると、そこにはヴェニスという島の抱える問題が浮き上がってきたのです。
それは、世界遺産になってからというもの、完全なる観光地と化してしまい、物価も上がって、この20~30年で人口は半分程になってしまったとか。年々過疎化が進み、もう伝統も引き継ぐ人がいなくなってしまうと。
確かにあの島に行ったことのある人はお分かりかと思いますが、あれは完全に夢の島です。
天然ディズニーランドというか、確かにあそこに住めと言われたら難しいと思います。
ビエンナーレの開催中のヴェニスは、もう外国人で埋め尽くされてしまいますし、イタリア語なんてほとんど聞こえてきません。
ヴェネツィア映画祭が行われるあの島には実際映画館なんて2館しかないそうです。驚きですね。

近年ビエンナーレやトリエンナーレというアート行事が各国で行われるようになりました。
そのほとんどが、地域活性化を目論みとして行われています。
しかし、そのビエンナーレの元祖が、それを続けることで、地域の過疎化を招いている。
なんと皮肉なことでしょう。
このままヴェニスはどうなってしまうんでしょう。
そして、これからのビエンナーレはどういう風になっていくのでしょうか。
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